『30の神品』は、古今東西のショートショートの中から、第一人者である江坂遊さんが30篇の名品を厳選したアンソロジーです。

 

当ブログでのご紹介は こちら !

 

当然ながら作品の選定と並べ順、および解説に関しては、すべて江坂さんにお願いしております。

(若干の作品で、こちらから選定作の調整をお願いしたりはしましたがご快諾をいただきました)

で、編集者のほうはといいますと、掲載が決まった作品の許可取りと、著作権者および底本出版社との諸条件の調整を行いつつ、実際の本作りの作業(および各作品の著者紹介作成)を進めることになります。

親本から各作品をデータ化して、書籍の体裁にととのえてゲラにするという作業自体は、これまでも何度もやってきた作業であり、とりたてて何も申し上げることはないわけですが......

今回はとにかく掲載作品数が30篇もあって、著作権者が山ほどいるんですね(笑)。

その許可取りを、一ヶ月の作業期間で本作りと平行して終わらせないといけない。

これが結構たいへんでした。

 

ちなみに、30篇のうち、日本人の方で著作権が切れているのは早逝された山川方夫さんだけで、あとは著者ないし訳者の方(およびそのご遺族の著作権継承者の方)全員と連絡をとって、ご許可をいただく必要がありました(もちろんお支払いも)。

海外古典作品の著者は概ね著作権が切れているか、「10年留保」と呼ばれる特別な規定(これにあてはまれば、翻訳権を取得しないですむ)に収まるケースが大半でしたが、ジャック・リッチーのみ翻訳権を獲得する必要がありました。さらには親本の版元が権利を主張するケースもあり、結局40人くらいを相手に、連絡および交渉をさせていただくことに。

これがもう、やってもやっても終わらない。30本ってマジ半端ない・・・しょうじき、ショートショートなめてました(笑)。

会社の台帳や文藝年鑑、インターネットなどでぱっと連絡先がわかる方ばかりではありません。むしろ、大半の方には、徒手空拳の状態からツテを頼って調べてゆくしかないのです。特に現役の作家さんならまだしも、亡くなられた作家さんや翻訳者さんのご遺族を探すという作業は、なかなかに大変なミッションでして......(創元のKさん、本当にお世話になりました!)。

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そんななか、中原涼さんのご逝去を知ったのは、許可取り作業も終盤のことでした。

中原さんは、「笑う宇宙」で奇想天外SF新人賞の佳作を受賞してデビューされてから、ショートショート作品を精力的に発表しながらも、のちに少女小説のジャンルで大成功を収められた作家さんです(ちなみに男性の方です)。代表作の「アリス」シリーズは、講談社X文庫ティーンズハートで35巻を数える長寿シリーズとなっています。

流行作家になられても、中原さんのショートショートへの情熱は醒めることなく、「ショートショートランド」や井上雅彦さん編集の「異形コレクション」などで、定期的に作品を発表されていました。

今回「地球嫌い」を収録するにあたり、掲載許可をいただこうと思ったのですが、江坂さんや周辺の方にうかがっても、ここ5年くらいの中原さんの動向がつかめず、講談社に連絡しても最近は郵送物が戻ってきてしまう、わかるならむしろ教えてくださいとのお話。そこで、二冊のショートショート集の単行本を出されている地人書館さんに問い合わせたところ、すでに亡くなられたとのお話と、娘さんのご連絡先を頂戴できたのでした。

娘さんいわく、長く肝臓を患っておられたとのこと。2013年5月にご逝去されたとのお話ですから、もう亡くなられて3年が経っていました。

SF・ショートショート界でもご存じだった方はいらっしゃらなかったようでしたので、娘さんのご許可をいただき、僭越ながら編集者のほうから、井上雅彦さん経由で他の作家の皆様にも情報を共有させていただきました。改めて、心からご冥福をお祈り申し上げます。

実は、中原さんのショートショート集三冊のうち、今回掲載した「地球嫌い」を収録した『笑う宇宙』(地人書館)は、今でも版が生きています。これぞショートショートというべき珠玉の作品集ですので、この機会にぜひ読んでみていただけるとうれしいです。

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和田誠さんの「おさる日記」の親本は絵本です。イラストレーター、デザイナー、映画監督など多彩な才能を発揮する和田さんですが、こういう一面もあるということは、ご存知なかった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

語り口が仕掛けに直結しているうえにきれいにオチるという、完成度の高い絶妙の小噺であり、これを「ショートショート」として切り出してくる江坂さんの慧眼には恐れ入ります。

当初、当方が底本として考えていたのは偕成社さんが1994年に出されていた絵本で、村上康成さんが挿絵を描いたものでした(もともとは、1966年に『話の特集』に掲載されたのが初出で、その際のイラストは長新太さん、74年には『にっぽんほら話』という短編集にも収録されており、そのときの絵は大橋歩さんでした。その後、白石加代子さんや大竹しのぶさんの朗読劇でも取り上げられたようです)。

ところが、和田さんの事務所に連絡を取らせていただいたところ、偕成社版のあと、2009年、個展に合わせて和田さん自身の挿絵で再度、私家本として書籍化したとのお話。

なに? 私家本ですと?......私家本だと、書店経由では購入することができません。慌ててネットで検索したところ、今は表参道のHBギャラリーという画廊でのみ販売しているらしい。それなのに......該当の画面を見ると「品切れ」の表示。これにはあせりました。

結局、HBギャラリーにご連絡したら、「店頭販売のみ若干の在庫があります」とのことで、事なきを得ました。お店に行って購入して帰ってきたあと、いざ中身を偕成社版と見比べてたら、てにをはが大幅に変更してあるのに加えて、もともと「×月×日」と入っていたところに全部ちゃんと日付が入れ直してある。......これは直さないとまずい。改めて、手に入ってよかったと、ほっと胸をなでおろしたのでした。

一応、掲載時はHBギャラリー版の表記に従い、ノートふうの表記で原本のテイストをできるかぎり保持するよう心がけましたが、やはりもともとは絵本だった作品のテクストだけを掲載したもの。本来の味わいを楽しむためには、親本にあたっていただくほかありません。

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ロバート・ブロック「夫を殺してはみたけれど」は、もともと旧『奇想天外』誌上でいったん訳されたのみで、その後、どの短編集にも一度も載ったことがないという掘り出し物の一編です。雑誌のうめぐさ的な小噺が源流であるショートショートのお手本のような作品といえるでしょう。江坂さんからは、『奇想天外』のコピーがまわってきました。

この作品の場合、編集者を幻惑したのは「書誌」でした。

いつも参考にさせていただいているネット上の翻訳作品集成の書誌サイトで、本作(原題Double Tragedy)が、『殺しのグルメ』(仁賀克雄訳、徳間文庫)所収の「裏切り」(原題Double-Cross)の別訳として表記してあったんですね。

Double TragedyとDouble-Crossが同じ作品の別題だというのは、このサイトにかぎらず海外のサイトでも同じ扱いでありまして、てっきり信じ込んでいたところが......いざ『殺しのグルメ』を取り寄せてみたらまるで別の作品!

実はあの時期、「夫を殺してはみたけれど」の翻訳者、小沢瑞穂さんとなかなか連絡がとれず、いざとなったら仁賀さん訳で行こうと心に決めていたので、これにはかなりびっくりしました。結局、夜討ち朝駆けではないですが、休日の朝8時にようやく小沢さんに電話がつながりまして、いろいろと事なきを得た次第です。快く掲載許可をくださっていた仁賀先生、せっかくのご好意を無下にして、本当に申し訳ありませんでした!

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本書は銀河系ナンバーワン打線を目指したショートショートアンソロジーですので、星新一、筒井康隆、阿刀田高、都筑道夫、スレッサー、サキといった大御所の代表作や、「みずうみ」「賢者の贈りもの」「アウル・クリーク橋の一事件」「猿の手」「女か虎か」といった超有名作が目白押しで揃っております。ただ、そのなかで個人的なおすすめを一点だけあげるとするならば、ちょっと変化球気味ではありますが、岸田今日子さんの「冬休みに あった人」になるかと。

皆さん、岸田今日子さんといえばどんなことを想起されるでしょうか?

『砂の女』や『卍』の妖艶な女優さん? 『傷だらけの天使』の綾部さん? ムーミンの声優さん?

編集者にとって、彼女の残した仕事でもっとも忘れがたいのは、傑作アニメーション『プリンセスチュチュ』(全26話)の冒頭に流れるミニ童話のナレーションです。

わが人生のオールタイム・ベスト作である『プリンセスチュチュ』がいかに優れた作品かは、いつかBDボックスが発売された折にでも5万字、10万字を費やして語りたいところですが、このアニメ、毎回最初に本編と若干連動した30秒くらいの「ちょっと怖い童話」が必ず流れるんですね。これが単品で見ても、もう言葉を絶する完成度でして。まさに映像における「ショートショート」とは、これを指すんだろうなというくらいの。で、その怖い「ショートショート」を驚くべき「声」の力で成立させていたのが、岸田今日子さんなのでした。

「声」でショートショートを成立させる魔法の使い手である岸田さんは、筆をもってもショートショートの抜群の名手でした。その素晴らしさは、読んでいただければご理解いただけるはず。

ぜひ熟読玩味していただき、もしお気に召されたならば、他の岸田今日子作品にも(古本でしか買えませんが)手を伸ばしてほしいな、と思います。

『二つの月の記憶』(講談社)と『ラストシーン』(角川文庫)、どちらもおすすめです(江坂さんの大のおすすめは『ラストシーン』所収の「セニスィエンタの家」)。それと短編集とはいえませんが子供にしてあげたお話 してあげなかったお話(大和書房、異本あり)にもいくつかショートショートが掲載されており、こちらに所収の「香港の黒豚」は、女教師の夏休みを描いたという意味では「冬休みに あった人」と対になるようなお話。やはり詩的な文体のなかに毒を秘めた傑作です。

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その他、当初は掲載を予定していながらも、著作権継承者さんが長年どの社にも許可を出されていないということで見送らざるを得なかった幻の超有名ショートショート作品の話なども面白そうですが、今はやめておきます(笑)(結局、江坂さんに代打をお願いして「かげ草」をバッターボックスに送っていただきました)。

一点、「便利な治療」マッシモ・ボンテンベルリ作、ルは小字)の翻訳者である岩崎純孝さんに関しましては、親本の版元さん(筑摩書房さん)にお願いして所在を追っていただいたのですが、結局、著作権継承者の方を探し出すことができませんでした。もしご存知の方がいらっしゃったらご一報ください。よろしくお願い申し上げます。(編集Y)

 

 

 

 

 

 

 

2016年12月20日 22:35 | | コメント(0)

先週末、『このミステリーがすごい!2007年版』が発売されました。

弊社の『拾った女』(チャールズ・ウィルフォード著 浜野アキオ訳)は、

海外編で4位を獲得しました!

 

祝・各社年末ベスト企画 オールベスト5入り!!

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作品紹介は こちら !

 

今年はほんとうに良い年となりました。

あとは、ひとりでも多くの方が『拾った女』に手を伸ばしてくださることを祈るばかりです。

 

それと! ブレることなく弊社の怪作『ジグソーマン』(ゴード・ロロ著 高里ひろ訳)を年間一位に推してくださった小財満さん、本当にありがとうございました!! 

ああ同好の士よ!いくら感謝しても、したりません!! 

評論家人生を懸けて(?)ご推薦いただいた蛮勇、

もとい、その熱い想い、しかと受け取りました!

 

皆様も、『拾った女』と合わせて、ぜひこの機会に世紀の傑作『ジグソーマン』をお読みください!

 

ジグソーマンblog.jpg

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紹介は こちら !

 

その他、女性麻薬捜査官が麻薬組織相手に大活躍する痛快作『奪還』(M.A.ロースン著 髙山祥子訳)や、アクションの巨匠が犯罪史上最大の謎に挑んだ『わたしは切り裂きジャック』(上・下)(スティーヴン・ハンター著 公手成幸訳)なども、名前をあげてくださった方がいらっしゃいました。本当にありがたい限りでございます。

他の出版社に比べると、探しにくい店の奥にひっそりと棚があることの多い版元ではございますが、ぜひこの機会に合わせてお読みいただけると嬉しく思います。

 

来年もハンターやカッスラー、ロリンズをはじめ、面白い小説、マニアックなミステリーを積極的に発刊していきたいと考えておりますので、扶桑社ミステリーに今後とも厚いご支援を賜りますよう、心からお願い申し上げます!(編集Y)

 

 

 

 

 

2016年12月12日 18:43 | | コメント(0)

年末ベスト10企画における『拾った女』の快進撃・・・。本当にありがたいことです。

そこに、編集者にとってまた新たな嬉しいニュースが!

 

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『ハイキャッスル屋敷の死』(レオ・ブルース 小林晋/訳) が、今週発売されました『2017本格ミステリ・ベスト10』で見事4位を獲得しました!!

 

すげえ嬉しい! なんなら『拾った女』より嬉しい!!

小林先生、ちゃんとみんな褒めてくれましたよ!(泣)

 

『拾った女』の場合は、編集者も前任者も望外のご評価をいただいて感無量、といった感覚なのですが、一応のところレオ・ブルースは、創元さんで出された『死の扉』が本ミス1位、次に弊社で出した『ミンコット荘に死す』は本ミス3位と、連続ベスト3入りを果たしており、じつは正直けっこうびくびくしておりました(笑)。

と申しますのも、今回はいつにも増してなかなかに通好みの内容でして、表面上のお話を追うだけだと、陳腐な作品と受け取られかねない危惧もありまして・・・でも、なんとか4位にはいれて本当によかったです。

作品の真価について掘り下げ、すばらしい解説を書いてくださった真田啓介さんのおかげですね。この場を借りて、心から感謝申し上げます。

 

ご投票を賜りました皆さま、本当にありがとうございました!(五体投地)

 

当ブログでの作品紹介は「こちら」。

 

せっかくなので多少禁じ手かと思いつつも、近日中に「完全ネタバレ版」の作品紹介を別途アップしようかな、と思っております。

真田さんの解説を読めばもう十分といえば十分なのですが、人を変えて語ればまた、見え方も多少は違おうかと。

 

いよいよ、週末には「このミステリーがすごい!」が発売ですね。

『拾った女』は、全ベスト10制覇なるのか? 編集者が『拾った女』以上に気に入っている『ジグソーマン』の巻き返しはあるのか??(あるわけない) 

なんにせよ楽しみに待ちたいと思います。(編集Y) 

 

 

2016年12月 8日 14:45 | | コメント(0)

 かつて、扶桑社文庫で日本SFの名作が復刊されたことがありましてね。

 

  扶桑社ミステリー通信

  「日本SFの名作が帰ってきた!」

  「がんばれ、扶桑社SF!」

 

 残念ながら、わずか3点で打ち止めになってしまったという、思いだすだにつらいトラウマになっています。

(作家のみなさま、企画・編集の日下三蔵さん、解説の星敬さん、イラストでご協力いただいた新井苑子さんに古川タクさん、デザイナーのWONDER WORKZ。さん、ありがとうございました&申し訳ありませんでした)。

 

 そこで、この3作を電子書籍で復刊することにしました。

 ぜひみなさまのライブラリーにお加えください。

 

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2016年12月 8日 11:38 | | コメント(0)

連日、年末のベスト10企画を賑わわせています弊社の『拾った女』(チャールズ・ウィルフォード 浜野アキオ訳)でございますが、

今度は、週刊文春の「第40回ミステリーベスト10」2016の海外部門

 

第5位 を獲得しました!   実にめでたい!

 

順位的には早川さんと似たメンツでしたが、やっぱりここは『傷だらけのカミーユ』がぐっとあがってきましたね・・・(笑)。

 

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ふだんはあまり皆様の目に触れない書店の片隅に

ひっそり置かれている日陰もののレーベルではございますが

12月8日以降、重版分もあがりますので、ぜひこの機会にご購入のほどを!

書店様におかれましては、ぜひとも平台にて他社商品とともに面陳のほどを!

 

さあ、あとは残すところ「このミステリーがすごい」ですね・・・・

果たして入賞するのでしょうか?? 期待が高まります!!(と一応いってみる)

(編集Y)

 

 

 

 

 

 

 

2016年12月 2日 06:09 | | コメント(0)

先日、『拾った女』(チャールズ・ウィルフォード 浜野アキオ訳)が、『IN☆POCKET』の2016年文庫翻訳ミステリーベスト10で総合第3位、翻訳家&評論家部門で第1位を獲得したとの情報をアップしたばかりですが、今度は

11月25日発売の『ハヤカワミステリマガジン』誌上での「ミステリが読みたい!」2017年版海外篇において、

堂々の3位入賞を果たしました!

 

実にめでたい! 本当にありがとうございます!!

 

前任者Tも編集者の前では平静を装っていますが、

きっと内心嬉しすぎてとろけてしまいそうなのではないかと。

 

皆さんもそろそろ、「そこまでみんな言うなら読んでみようかなあ」という気分になって来ましたよね?

ぜひなってほしい!・・・いや、なってください。どうかお願いいたします・・・(三跪九叩頭礼)

 

とはいえ、正直なところをいえば、ノワールという若干廃れ気味のジャンル自体が、すでに読者の皆さんから縁遠いものになってしまっている感もいなめません。

 

ノワールとはそもそも、どういうジャンルなのか。

ミステリー的な文脈のなかで、本書はどう位置づけるべきなのか。

本書のラストはどう解釈されるべきものなのか。

 

決して長い小説でもなければ、大上段に構えたお話でもありませんが、じっくり読めば読むほど、底の知れない作品だと思えてなりません。

 

一人でも多くの方に『拾った女』をお楽しみいただくためにも、編集者なりにいろいろ考えたことを、このブログで5回くらいに分けてアップしてみようかな、と思っておりますので、その際は本書を片手にじっくりお付き合いくださいませ。(編集Y)

 

 

 

 

2016年11月26日 03:14 | | コメント(0)

本来、ここは海外文庫である扶桑社ミステリー用のブログなのですが、実は日本文庫のふりをしながらも半分が海外ものというショートショート集を10月に発売いたしましたので、こちらでもご紹介しておきたいと思います。

 

その名は『30の神品 ショートショート傑作選』

選者は、星新一氏唯一のお弟子さんであり、1000篇以上のショートショートを執筆している江坂遊氏。日本でもっとも信頼のおける目利きが一作家一作品のしばりで選びぬいた、究極・至高の30本。これで面白くないわけがない!

 

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本書の売りをまとめますと、

 

1 ショートショートにおける、読書人なら必読といっていい歴史的傑作群が、この一冊にまとまっている! 星新一「おーい でてこーい」とブラッドベリ「みずうみ」とO・ヘンリ「賢者の贈りもの」とW・W・ジェイコブズ「猿の手」と城昌幸「ママゴト」がひとまとめで読めるのは本書だけ!

 

2 しかも日本と海外の作品を、交互に15本ずつ並べてある! こういう東西対抗形式の収録スタイルは、意外とこれまでなかった試みではないかと!(江坂さんGOOD JOB!)

 

3  超有名作だけでなく、江坂さんのアンテナにひっかかった隠れた傑作もピックアップ! 女優の岸田今日子さんが書いたショートショートがどれだけ凄い出来かみなさん知ってます? 初心者の方もすれっからしのツワモノも、同じように楽しく「短い短い物語」の魅力にどっぷり浸かれます!

 

4 通勤通学のおともに最適! お子様にとっては学校での「読書の時間」の課題図書にも、もってこい! パパさんママさんには、お風呂での半身浴にも、就寝前のナイトキャップがわりにもご使用いただけます。5分で読める傑作が30本もあるのです。こんな贅沢な「読む一服」がほかにあるでしょうか?

 

5 巻末には著者と謎の神猫による対話形式で書かれた作品解題が。戯作調でありながら深い作品論にもなっているというすぐれもの。最初は生真面目そうな原稿が来ていたのに、改稿するうちにいつのまにやらこんなプラトンばりのダイアローグ・スタイルに! 江坂さん恐るべし・・・。

 

とにかく収録作を御覧ください。まさにショートショート好きにとってはこたえられないラインナップといえるのではないでしょうか。クイーンのひそみにならっていえば、これぞ江坂版「黄金の30」ショートショート版。

 

収録作品

ヒッチコック「クミン村の賢人」
和田誠「おさる日記」
スレッサー「最後の微笑」
阿刀田高「マーメイド」
マシスン「一年のいのち」
半村良「箪笥」
ブラッドベリ「みずうみ」
星新一「おーい でてこーい」
F・ブラウン「後ろで声が」
眉村卓「ピーや」
O・ヘンリ「賢者の贈りもの」
筒井康隆「駝鳥」
ビアス「アウル・クリーク橋の一事件」
中原涼「地球嫌い」
サキ「開いた窓」
かんべむさし「水素製造法」
ボンテンペルリ「便利な治療」
都筑道夫「らんの花」
ジャック・リッチー「旅は道づれ」
赤川次郎「指揮者に恋した乙女」
アシモフ「不滅の詩人」
岸田今日子「冬休みに あった人」
ジェイコブズ「猿の手」
江坂遊「かげ草」
ストックトン「女か虎か」
城昌幸「ママゴト」
ロバート・ブロック「夫を殺してはみたものの」
山川方夫「待っている女」
コリア「ナツメグの味」
小松左京「牛の首」

 

皆様からも各処でご高評を賜り、本当にありがたい限りです。

なかでも、評論家の牧眞司さんがこんな胸の熱くなる書評を上げてくださっています!

 

【今週はこれを読め! SF編】ショートショート・マニアが地団駄を踏み、そして平伏す一冊

 

そういっていただけると本当に嬉しいです!! ありがとうございます!!!

 

みなさまも、書店でお見かけの折には、ぜひお手にとってご覧ください。

ショートショートにこれまで馴染みがなかったという方は、本書を通じて、数ページに凝縮されたアイディアストーリーの魅力と醍醐味を存分にご堪能いただければ。そうして、新たな世界の扉を開いてもらえたら、著者・編集者とも、こんなに嬉しいことはありません。

ショートショートってなりは短いですけど、そのなかに無限の可能性が秘められてるんですよ!

一方、古参ファンの皆様におかれましても、繰り返し先立つ傑作群に立ち返り、反芻するよすがとして、本書を座右の一書に加えていただければありがたく存じます。

 

なお、本ブログではもう一回エントリーを分けて、何本かのショートショートに関する小ネタや制作時のエピソードを載せるつもりでおります。

お楽しみに。(編集Y)

 

 

お詫び: p103のタイトル扉および、そこと関連する目次・底本一覧において、「おーい でてこーい」の表記を「おーい ででこーい」とする誤植を発生させてしまいました。誠にお恥ずかしいかぎりです。心よりお詫び申し上げますとともに、ここに訂正いたします。

 

 

 

 

 

 

2016年11月26日 01:10 | | コメント(0)

発刊以来、各処から絶賛の声を頂戴しておりましたチャールズ・ウィルフォード著『拾った女』(浜野アキオ訳)ですが、

 

講談社『IN☆POCKET』の2016年文庫翻訳ミステリー・ベスト10で、総合3位、

翻訳家&評論家が選んだベスト10で、なんと1位を獲得しました!

 

本当にありがとうございます!

弊社の作品が1位とか、どんな世界線でしょうか(笑)。本当に嬉しいです。

 

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ちなみに、他の上位作は上下巻の大作が多いですが、『拾った女』は335頁でさくっと読めます!

 

追って、またいろいろと情報をアップしていきたいと思っております。

一人でも多くの方にこの素晴らしいノワールが読んでいただけますように。(編集Y)

 

2016年11月20日 23:07 | | コメント(0)

今月の扶桑社ミステリーの新刊、もう読んでいただけたでしょうか?

大ベストセラー作家、デイル・ブラウンの痛快ハイテク軍事サスペンス『地上侵攻軍を撃破せよ』(上・下)

弊社に移ってから、パトリック・マクラナハン・シリーズももう4作目。

今回の舞台はイラクです!

 

  デイル・ブラウンblog画像.jpg

 

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あらすじはこんな感じです。

 

空軍を退役したパトリック・マクラナハンたちは、
民間受託業者(コントラクター)サイアン・エヴィエーション・インターナショナルのメンバーとして、
イラク北部のナフラ連合軍航空基地に降り立った。
米軍との契約のもと、情報収集や秘密保全への助言といった周辺任務に当たるのが目的だ。
しかし到着してすぐ、彼らは基地周辺で不穏な動きを察知する。
トルコ軍はかねてからイラク領内に頻繁に侵入し、クルド人組織PKKの武装勢力を攻撃していたが、ついに本格的な殲滅作戦を開始しようとしていたのだ......。
マクラナハンたちは、これを米軍に警告するも、指揮官は耳を貸そうとしない。
そんな折、クルド問題協議のためにフィニックス米副大統領がイラクに到着、これに合わせて遂にトルコ軍の侵攻が開始される。
国境付近におけるマクラナハンたちとの攻防で、敵の電子戦機が墜落したことから、トルコ側はナフラ基地を攻撃対象として捉えることに......。

 

今回、キーワードとなるのは「コントラクター(民間受託業者)」という単語。

要するに、戦地において軍の代わりに補給や駐屯地建設、戦地コンサルタント、さらには戦闘活動にまで従事する民間会社のことです。

今の時代、正規の軍隊だけで戦地の状況を円滑に回すことは極めて難しくなっていて、こういった民間会社との協力が不可欠となっているわけです。

このコントラクターとしてイラクの連合軍航空基地に降り立ったのが、我らがマクラナハン退役米空軍中将。前作で退役した彼は、元大統領ケヴィン・マーティンデイルが影のオーナーを務める民間会社の共同経営者・社長となっています。

いわばバリバリの現役として、彼同様に退役した仲間たちを引き連れ、戦地のホットゾーンにやって来て、今まで以上にやりたい放題しまくるという構図です。

 

これで面白くならないわけがない!

まさに原題の「ローグ・フォース」(はぐれ者部隊)を地でゆく活躍ぶり。

もはや、米国すら、彼らを縛ることはできないのですから。

 

今回も、ティン・マン(先進的な装甲・センサー・力強化システムを身に着けて、戦闘能力を増強した兵士)やロボット兵などSFめいた最新兵器も登場しますが、どちらかというとB-10爆撃機による攻撃や対戦車地上戦など、軍事アクション的な要素を中心に据え、よりリアルで熱い臨場感あふれるバトルをお楽しみいただけるかと。

 

あとシリーズ読者なら、「実はマクラナハンがおとなしくしていれば、こんな大ごとになっていないのでは」という疑念は常につきまとうのではないかと思いますが(笑)、今回も彼が颯爽と命令を下すたびに、国どうしの軋轢が増し、軍事的衝突が不可避になっていく流れがなかなかに愉快です。

毎回、マクラナハンに煮え湯を飲まされる米大統領ジョーゼフ・ガードナーとの漫才チックなやりとりもバッチリ(ちょっと『ピンクパンサー』シリーズのドレフュス主任警部みたいで可哀想だったり・・・)。

 

米国大統領及び各国の指導層に世間の注目が集まり、中東が世界を揺るがす危険な火種としてクローズアップされる今、まさに本書『地上侵攻軍を撃滅せよ』はぴったりのエンタテインメント。

シリーズのファンの方、軍事サスペンス好きの方はもちろん、ミステリーファンならどなたでも楽しんでいただけるはず。もちろんシリーズではありますが話自体はつながっていないので、本作から読み出しても概ね問題なく読めるかと思います。

今後のシリーズ刊行継続のためにも、ぜひ皆様お買い求めのうえ、お読みいただけると幸いです!(編集Y)

 

2016年11月20日 22:09 | | コメント(0)


10月はジェームズ・ロリンズの長編『エデンの祭壇』(上・下)をお届けしましたが、皆さまお読みいただけましたでしょうか。
ロリンズといえば"シグマ・フォース"シリーズなどで大人気の小説家、
小社でも『地底世界』『アイス・ハント』などを刊行してまいりました。
実は単独作としてはこちらが最新。今回もスピード感満載のサイエンス・スリラーとなっております!

 

エデン上下.jpg

 

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【上巻あらすじ】
猛烈なハリケーンがルイジアナを襲った。
嵐の翌朝、獣医のローナはミシシッピ川デルタ沖の離島で座礁したトロール船の調査に駆り出される。
現場に着くと、調査を指揮していたのはかつての恋人の兄、ジャックだった。ふたりには暗い過去があった。
しかし船倉にはさらに驚くべきものが待っていた。
檻に入れられた外来動物、しかもありえない進化を遂げ、並外れた身体と能力を獲得した動物たちだった。
そして船から逃げ出した動物の痕跡。これはいったい......? ふたりは真相究明へ乗り出す!


遺棄された貨物船に積まれていた異様な動物たち......並外れた記憶力を持つオウム、腰の部分で結合した2匹のサル、牙が異常発達したジャガー。
この設定、懐かしの『ドクター・モローの島』がお好きな方なら楽しめるのではないでしょうか。

また、ロリンズが獣医の博士だからでしょうか、
けしてほんわかした物語ではないのに、出てくる動物がなんだか愛くるしい......。
ふわふわしたジャガーの仔や、ぎゅっとしがみついてくるサルたちのしぐさに、ところどころで癒されてしまいます。

上巻では、逃亡した剣歯ジャガーとローナたちとの手に汗握る攻防が描かれます。
霧が立ちこめる湿地帯で、一人、二人と噛み殺され、増えてゆく犠牲者。
殺人動物がひたひたと迫ってくる描写は非常にスリリングですが、本当の恐怖はここからです。
トロール船の動物たちは、闇の武装組織によって、生物兵器となるべく遺伝子操作を加えられていました。
組織に連れ去られたローナは、彼らの本拠地となる「ロスト・エデン島」で、
人類の存在さえも脅かす驚くべき実験を目にすることになるのですが......。

最先端の遺伝子工学は世界をどう変えてしまうのか? 
緊張、不安、恐怖、3つのスリルが絡み合う予測不可能な展開の果てに待つ結末とは?
神の領域に手を出してしまった科学者の狂気が華ひらくとき。
生命の尊厳と人間の未来を揺るがす、サイエンス&アクション満載の長編小説です。

ちなみに、敵というのが「人間やめたのかな......?」と心配になるほど強い奴らなのですが、
肝心なところで失敗してくれたりと、脳みそ筋肉なところがちょっぴりお茶目。
場面転換のたびにどっかんどっかん爆発しており、木端微塵度は2割増しです。
気分もリフレッシュ!
ぜひお手に取ってみてくださいませ。(編集KS)

 

2016年10月31日 17:33 | | コメント(0)

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