その後、森泉さんからは何度かご連絡をいただきました。森泉さんは、『悪女パズル』の訳了後、同じクェンティンの『女郎ぐも』の新訳にのぞまれていました。2005年の年末にいただいたお手紙には、「ピカピカの新訳に仕上げるつもりなので、どうぞご期待ください」とありました。
ところが、2006年の3月に「もうしばらくお待ちください」とのお話があって以来、ご連絡がとだえました。こちらも忙しさにかまけて、「訳が完成したら連絡があるだろう」くらいに構えていました。
7月になってふと、さすがにどうされているのかな、と思い、電話をかけてみることにしました。今となっては虫の知らせだったのでしょうか。電話口からは、「現在、この電話番号は使われておりません」とのメッセージが。いやな予感がしました。

翌朝、早速、祐天寺のマンションにあるご自宅を初めて訪ねてみました。すでに表札はなく、郵便受けにはガムテープが貼ってありました。呼び鈴を押しても応答がありません。
隣近所の方もみなお留守です。ようやく階下の方にお話を伺うことができました。森泉さんは一週間ほど前に自室で倒れられて、そのまま帰らぬ人となったとのお話でした。一人暮らしをされていたので、発見がかなり遅れたとのことでした。
あまりに悲しい、そして、あまりに辛い結末でした。(続く)  (Y)

2007年3月15日 15:22

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