『ハスラー』の著者ウォルター・テヴィスは、1984年に死去しています。
 いま、テヴィスの著作権は、未亡人のエレノラ・テヴィスさんが管理されています。

 このエレノラさん、アメリカの文芸エージェント〈スーザン・シュルマン・リテラリー・エージェンシー〉で働いています。
 たとえば、扶桑社の『ちょい不幸はクセになる』は、エレノラさんをとおして版権を取得したものです。

『地球に落ちて来た男』の出版に際しては、エレノラさんに、テヴィスとの貴重な思い出話を寄稿してもらいました。
 エレノラさんには、一度お会いしたのですが、ちょっと線の細い老婦人でした。
 昨年は体調を崩され、ブックフェアへの出張も取りやめにされたとのこと。すこし心配です。

 2001年、有名なアメリカのビリヤード競技者、エディ・パーカー(69歳)が亡くなりました。
 エイトボール大会でエグジビジョンに出場する前日に倒れるという、劇的な最期でした。
 パーカーは、そのプレイのスタイルから“ファスト・エディ”と呼ばれ、『ハスラー』のモデルだと思われていたとのこと。
 しかし、エレノラさんによると、これは根も葉もないことで、テヴィスの作品が先にあったのだそうです。
 じっさい、『ハスラー』が売れ、映画化されると、「自分がファスト・エディの(あるいは、ミネソタ・ファッツの)モデルだ」と称する者が、たくさん現われたそうで。
 テヴィス自身、あるインタビューで「ミネソタ・ファッツに最初に出会われたのはいつですか?」と聞かれ、「ウォルト・ディズニーに対して、『ドナルド・ダックにはじめて会ったのはいつですか?』とは誰もたずねないだろう」とぼやいています。

 ところで、『ハスラー』の解説で、関口苑生氏が“My Life with the Hustler”という本について触れられています。
 取り寄せてみたのですが、関口氏が予想されているとおり、テヴィスの最初の妻ジェイミーさんによる回想録でした。
 貴重な写真満載ではあります。〈編集・T〉

2007年3月 2日 19:16

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