2007年5月アーカイブ

今月の新刊紹介第二弾は、コニー・メイスンの『獅子の花嫁』です。
昨年、『誘惑のシーク』で大好評を博した著者の、中世ヒストリカル・ロマンス第二弾です。

shishinohana.jpg

■獅子の花嫁
■コニー・メイスン著
■中川梨江訳
■文庫判
■定価/880円(税込)
■2007年5月30日
■ISBN978-4-594-05380-2
■オンライン書店で購入する
amazon7&Y楽天ブックサービスbk1
あらすじはこんな感じです。

時は十一世紀。サクソン人領主の姫アリアナは、齢十四にして征服者であるノルマンの騎士ライアンとの結婚を強いられる。
彼女を待っていたのは五年間の修道院生活。やがて迎えに来た夫との生活が始まるが、アリアナは自らを閉じ込め父母の領地を奪ったライアンを許そうとしない。
しかし、時折見せる彼の優しさと、抗いがたい官能のよろこびに、いつしか彼女の心と身体はとかされて……。
憎しみと幾多の困難を越えて見出される真実の愛。
『誘惑のシーク』の著者が贈る、壮大な愛と官能の中世物語!


強気なお姫様と、勇猛にして冷徹な騎士の熱く燃え上がる愛。
出会うまでの不幸な経緯ゆえに、お互い素直になれないまますれ違い続ける二人が、いつしか真実の愛に目覚めてゆく姿は、読んでいて夢中になること必至です。
鼻っ柱の強いアリアナの言葉ぜめ(笑)にあって、たじたじになりつつ迎え撃つライアンの姿が妙にかわいかったり。
あと、ヒーロー/ヒロインの魅力もさることながら、二人の関係をしっちゃかめっちゃかにひっかきまわす、ウルトラ性悪女ザブリナや、コケの一念でアリアナを強奪しようとする元許婚のエドリックといった、サブキャラクターの魅力もコニー・メイスンならでは。この人の作品に出てくる恋仇って、悪役とは言い切れない独特の「愛橋」があるんですよね。
『誘惑のシーク』を楽しんでいただいた方も、まだお読みでない方も、ぜひご一読くださいませ。中世ロマンスの決定版の登場です!

2007年5月30日 23:07 | | コメント(0)

 ドナ・タートという作家をご存じですか?
 そう、扶桑社から『シークレット・ヒストリー』が出版されている、アメリカの作家です。

 日本では、正直なところ、それほどでもなかったのですが、この『シークレット・ヒストリー』は、世界的にはたいへんな反響を巻き起こし、大ヒットとなりました。
 それ以来、ドナ・タートという名は、「超大型新人」の代名詞のように使われるようになったのです。

 ところが、ドナ・タートの第2作は、長いあいだ出版されませんでした。
 したがって、ドナ・タートの名は、「歴史的な作品を書きながら、それっきりの作家」の仲間入りをすることになりました……マーガレット・ミッチェルとか、ラルフ・エリスンとか、ハーパー・リーとか、あるいは第2作に十数年をかけたジョーゼフ・ヘラーとか。

 そして、『シークレット・ヒストリー』からじつに10年後、ついに待望のドナ・タートの第2作が発表されました。
 それが、この『ひそやかな復讐』です。

littlefriend.JPG

■オンライン書店で購入する
amazon7&Y楽天ブックサービスbk1

amazon7&Y楽天ブックサービスbk1


 2作めがなかなか出ない理由として、プレッシャーのせいではないか、デビュー作がフロックだったのはないか、などとささやかれていたようですが、英国の〈ガーディアン〉は、こう評しました。

「ドナ・タートが第2作にこれほどの時間をかけた理由は、単純だ。良い作品を書きたかったからである」

 そう、これは圧倒的な小説です。
 物語の舞台は、70年代のアメリカ深南部。
 ある少年が何者かに殺され、木の枝から吊り下げられる、という残酷な事件から9年後、その犯人探しに立ちあがる少女の物語です。
 と、ストーリーだけを抽出すると、なにやらいさましい感じがしますが、けっしてそうではありません。
 いえ、そういう部分もたしかにありますが、それはこの小説のごく一部にすぎないのです。
 主人公の一家を中心に、それを取り巻く人びとの人生や彼らが生きる風土が、多層的に描かれていきます。
 そういうと、これまた、かったるい小説に受け取られてしまうかもしれませんが、それもまたちがいます。
 欧米でも「長すぎてサスペンスが削がれる」という書評も出ましたが、けっしてそうではないと思います。
 一人ひとりのキャラクターはあざやかに浮き彫りにされ、エピソードのひとつひとつはじつに楽しく、おもしろい。
 笑えるところ、身につまされるところもいっぱいです。
 いっぽうで、そういったこまごました出来事が複雑にからみあい、複線がつぎつぎ織りあわされて、たいへんなサスペンスになだれこんでいきます。
 そして、論議を呼んだ結末。

 語りはじめると、キリがないですね。
 小説を味わうという体験をもとめるかたには、ぜひお読みいただきたい作品です。(編集部・T)

2007年5月30日 22:33 | | コメント(0)

 わたしどものラインナップのなかでも、出版予定の問い合わせが多い作家のひとりが、ジャネット・イヴァノヴィッチです。
 そのイヴァノヴィッチに関して、重要なお知らせがあります。

ステファニー・プラム・シリーズのつづきを、扶桑社では出せなくなってしまいました!

 ご心配なく、日本語版の出版権は他社が取得しましたので、早晩お読みいただけることは間違いないところ(どこの出版社かは、わたしどもも知りません)。

 この件に関しては、語っても語りきれない紆余曲折、失敗反省、不平不満が多々あるのですが、まずはご報告まで。

 イヴァノヴィッチですが、7月には『気分はフルハウス』のシリーズ第2作が出版されますので、まずはそちらをお楽しみに。(編集部・T)

2007年5月30日 14:09 | | コメント(4)

 扶桑社海外文庫の顔とも言える作家に、ノーラ・ロバーツがいます。
 ロマンス読者のみなさまには、いまさら紹介する必要もないでしょうが、ミステリー・ファンのなかには、もしかしたら、ご存じないかたもいらっしゃるかもしれません。
〈扶桑社ロマンス〉のレーベルで、もう50冊をこえる作品を出版している作家です。

 ノーラ・ロバーツは、もちろん世界的にも大人気。
 著書は3億冊近く売れていて、しかも執筆の勢いはおとろえず、すでに作品数は175をこえているという、超人的な活躍ぶりです。

 さて、最近、雑誌“Time”が、「世界でもっとも影響力がある100人」を発表しました。
 日本からトヨタの渡辺社長と、任天堂の宮本専務が選ばれたので、話題になりましたよね。
 じつは、ノーラ・ロバーツが、このリストの第7位に選ばれているのですよ。
 ちなみに、ひとつ上の6位は、レオナルド・ディカプリオ。
 文芸の分野では、もちろん、だんとつのトップです。
(次にエントリーされている作家は、16位のデイヴィッド・ミッチェル。最近、新潮社さんで『ナンバー9ドリーム』が出版されました)。

 しかし、世界で7位はすごい。
 未読のかたも、興味がわいてきませんか?
 彼女の作品は、ミステリー色の濃いものも多く、事実、広範な読者を獲得しています。
“Time”でも、読者は「女性が中心だか、女性ばかりはない」と紹介されています。

 でも、そんなに作品数が多かったら、何から読めばいいんだろう?
 もちろん、どれから読んでもハズレはないのですが、そんなときにおすすめなのが、ノーラ・ロバーツのオフィシャル・ガイドブック。

NR.JPG

■オンライン書店で購入する

amazon7&Y楽天ブックサービスbk1

 邦訳された作品ガイドがありますから、ご参考にどうぞ。
 もちろん、ノーラの素顔を知る格好のテキストでもあります。(編集部・T)

2007年5月18日 11:15 | | コメント(0)

今月の新刊第二弾は、マックス・アラン・コリンズの『タイタニック号の殺人』
弊社では、『シカゴ探偵物語 悪徳の街1933』以来、なんと19年ぶりの紹介となります。

%83%5E%83C%83%5E%83j%83b%83N.jpg


■タイタニック号の殺人
■マックス・アラン・コリンズ著
■羽地和世訳
■文庫判
■定価/880円(税込)
■2007年4月30日
■ISBN978-4-594-05358-1
■オンライン書店で購入する
amazon7&Yブックサービスbk1

M・A・コリンズはアメリカでは知らぬ者のいない大御所で、アメリカ私立探偵作家クラブ最優秀長編賞(シェイマス賞)に八回ノミネートされ、うち二回受賞、エドガー賞にも小説・評論の両部門でノミネートされています。
ミステリーの創作に加え、大量の映画ノベライズを手掛け、漫画「ディック・トレイシー」の原作を書き続け、映画プロデューサーとしても、ミュージシャンとしても活動するという多彩な八面六臂の活躍ぶりで、本国では、「ミステリー界のルネッサンス的教養人」と呼ばれているそうです(笑)。
その膨大な作品量からは、一見「書き飛ばし」型の作家と思われる向きもあるかもしれませんが、実際にはその対極に位置する「超こだわり」型。ある意味、潔く正しいオタクの理想形といってもいいでしょう。

とくに、実際の史実を巧みに織り込んだ私立探偵小説やクライムフィクションには定評があり、本書は「大惨事シリーズ」と呼ばれる一連の、歴史的大事件を背景としたシリーズの第一弾となります。
あらすじはこんな感じ。

1912年4月10日。出航したタイタニック号の船上には、多くの著名人にまじって推理作家フットレルとその妻の姿もあった。
華やかに繰り広げられる社交の影で暗躍する謎の男。やがて勃発する殺人事件。
汽船会社社長と船長の要請を受けて、フットレルは航海中に事件を解決すべく、調査に乗り出すが……。
フットレルの娘が語る、歴史のはざまに秘められた驚くべき事件の真相とは? 

まずは、あのフットレルが探偵役として大活躍するというだけでお腹いっぱいですが、登場人物全員が実在の乗員乗客という離れ業には本当に驚かされます。もちろん、容疑者はみな良く知られた当時の著名人で、浮かび上がる動機もまた史実どおりという凝りよう。
最終的に、この船がどういう運命を辿るかは読者の皆さんもご存じなわけで、それぞれのキャラクターが生き生きと描写されるぶん、来る悲劇の与える余韻にもまた格別のものがあります。歴史好きの方、本格ミステリー好きの方、ドラマ好きの方、いずれの方にも楽しんでいただける作品ではないかと思っております。

なお、「大惨事」シリーズの第二弾、「ヒンデンブルグ号の殺人」も近々お届けできると思いますので、ぜひ御期待ください。今度の探偵役は……(まだ内緒にしておこう)。(編集・Y)

2007年5月 7日 14:22 | | コメント(1)

ページの先頭へ