今月の新刊第二弾は、マックス・アラン・コリンズの『タイタニック号の殺人』
弊社では、『シカゴ探偵物語 悪徳の街1933』以来、なんと19年ぶりの紹介となります。

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■タイタニック号の殺人
■マックス・アラン・コリンズ著
■羽地和世訳
■文庫判
■定価/880円(税込)
■2007年4月30日
■ISBN978-4-594-05358-1
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M・A・コリンズはアメリカでは知らぬ者のいない大御所で、アメリカ私立探偵作家クラブ最優秀長編賞(シェイマス賞)に八回ノミネートされ、うち二回受賞、エドガー賞にも小説・評論の両部門でノミネートされています。
ミステリーの創作に加え、大量の映画ノベライズを手掛け、漫画「ディック・トレイシー」の原作を書き続け、映画プロデューサーとしても、ミュージシャンとしても活動するという多彩な八面六臂の活躍ぶりで、本国では、「ミステリー界のルネッサンス的教養人」と呼ばれているそうです(笑)。
その膨大な作品量からは、一見「書き飛ばし」型の作家と思われる向きもあるかもしれませんが、実際にはその対極に位置する「超こだわり」型。ある意味、潔く正しいオタクの理想形といってもいいでしょう。

とくに、実際の史実を巧みに織り込んだ私立探偵小説やクライムフィクションには定評があり、本書は「大惨事シリーズ」と呼ばれる一連の、歴史的大事件を背景としたシリーズの第一弾となります。
あらすじはこんな感じ。

1912年4月10日。出航したタイタニック号の船上には、多くの著名人にまじって推理作家フットレルとその妻の姿もあった。
華やかに繰り広げられる社交の影で暗躍する謎の男。やがて勃発する殺人事件。
汽船会社社長と船長の要請を受けて、フットレルは航海中に事件を解決すべく、調査に乗り出すが……。
フットレルの娘が語る、歴史のはざまに秘められた驚くべき事件の真相とは? 

まずは、あのフットレルが探偵役として大活躍するというだけでお腹いっぱいですが、登場人物全員が実在の乗員乗客という離れ業には本当に驚かされます。もちろん、容疑者はみな良く知られた当時の著名人で、浮かび上がる動機もまた史実どおりという凝りよう。
最終的に、この船がどういう運命を辿るかは読者の皆さんもご存じなわけで、それぞれのキャラクターが生き生きと描写されるぶん、来る悲劇の与える余韻にもまた格別のものがあります。歴史好きの方、本格ミステリー好きの方、ドラマ好きの方、いずれの方にも楽しんでいただける作品ではないかと思っております。

なお、「大惨事」シリーズの第二弾、「ヒンデンブルグ号の殺人」も近々お届けできると思いますので、ぜひ御期待ください。今度の探偵役は……(まだ内緒にしておこう)。(編集・Y)

2007年5月 7日 14:22

コメント(1)

Comment

  • マックス・アラン・コリンズの本は「シカゴ探偵物語」の時から親しんでおりました。
    本書も楽しませて頂いています。実は僕はハワイ関係の本を集めているのですが、「大惨事」シリーズの三冊目はハワイが舞台で、かつある有名な作家が探偵役になっていますね。今から翻訳を期待しております。



    |asami|2007年6月 5日 10:28

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