『すべての美しい馬』にはじまる「国境三部作」完結以来の沈黙を破って、コーマック・マッカーシーが発表した新作は、なんと真正面からのクライム・ノヴェルでした。

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 原題は、No Country for Old Men。
 老人の住む国ではない=アメリカの変質を、独特の文体で語った作品です。

 1980年、ヴェトナム帰還兵のモスは、ハンティングに出かけた荒地で、蜂の巣になった自動車と死体を発見。それは、麻薬取引のトラブルのあとでした。
 モスは、そこに残されていた麻薬用の現金を持ち逃げ。
 それを追って、独自の哲学を持つ危険な殺人者シュガーが動きだす。
 シュガーが歩いたあとには、悲惨な死体が転がります。
 田舎町に突然勃発した連続殺人を捜査する老保安官ベルが見たものは...

 本作品は、コーエン兄弟によって映画化されて、カンヌ映画祭で上映、無冠に終わったものの、一時はパルムドール最有力ともうわさされ、高い評価を集めました。
 ベル保安官を演じるのはトミー・リー・ジョーンズ。
 日本では、来年春公開予定とのことです。

2007年8月27日 00:03

コメント(2)

Comment

  • 待ちに待ったコーマック・マッカーシーの新しい邦訳を届けていただいて、本当に感謝しています!しかも、ここ数年間に読んだ中でも最高の作品でした。この作品、各方面でも評判いいようなので、少なくとも「The Road」は必ず読めるハズ!と確信していますが、初期の作品も、扶桑社ミステリーさんなら出してくれるかな…と期待しております。トンプスン、ケッチャム(先日はオフスプリングも有り難うございました!)、私のツボは完全に扶桑社ミステリーさん頼みです。いつも有り難うございます。どうかどうかこれからも、面白い作品を読ませて下さい。



    |go_mad|2007年10月17日 15:10

  •  ありがとうございます。
     力強いお言葉をいただくと、こんなblogでも、はじめてよかったと思います。
     うれしいかぎりです。

     じつは、この作品を文庫で出してしまってよかったのだろうか、といまでもくよくよしています(本来は、単行本で出版するべき格の作家ですので)。
     もっとも、この作品の日本での権利が宙に浮いていて、しかもそれが、扶桑社の文庫で出してもかまわないような犯罪小説だった、というのは、かなり奇跡的なことに思えます(なにしろ、ウチのミステリーは、どちらかと言うとB級が得意なもので)。

     マッカーシーの次作、The Roadについては、残念ながら、「国境三部作」の版元さんに大差で負けてしまいました。
     本来の出版社にもどるわけですから、これはよいことでしょう。
     わたしも読者として、あらためて邦訳を待ちたいと思います。
     それと、マッカーシーの以前の作品については、えー、ちょっとまだお話しできません(笑)。すみません。

     ケッチャムについては、初期のエグい作品を選定中です。
     トンプスンについては、あらためて項目を立てるつもりですが、態勢を整えさせてください。

     というわけで、わたしどもの仕事は、本を買ってくださる読者のみなさまだけが頼りです。
     品ぞろえには自信を持っているつもりですので、もしみなさまのアンテナにかかる作品がありましたら、ぜひ手にとってみてくださいませ。



    |編集部・T|2007年10月22日 13:54

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