2007年09月27日
【名作紹介】

【名作紹介】奇術師の密室


『深夜の逃亡者』の刊行にあわせ、未読のかたは、こちらもぜひ。

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 脱出マジックに失敗して以来、全身麻痺で、車椅子に座らされたままの老奇術師。
 あとを継いだ息子、その妻、妻の弟、息子のエージェント、さらには乗りこんできた保安官が、奇術道具満載の部屋の中で繰りひろげる、丁々発止、二転三転、荒唐無稽、驚天動地の騙しあい。
 それを、傍観者として見ることしかできない老奇術師が語っていくところがまた、いい味を出しています。
 ミステリー好きなみなさんなら、『探偵 スルース』や『デストラップ 死の罠』といった舞台劇を思いだされるでしょうが、そこはそれ、マシスンのこと、うれしくなるようなショック描写の連続で盛りあげてくれます。

 もちろん、読み終わられたおおかたの読者は、怒濤のどんでん返しに、「いくらなんでも、やりすぎだ!」と思われることでしょう。
 実際、最後の真相を確認しようと、編集部に電話をされてきたかたもありました。一読して理解できなかったということではなく、あんまりな展開に心配になられたようです。
 まあ、それも無理はない、と、正直わたしも思います。
 しかしですね、マシスンがこれを書いたのは、70歳目前のころのはず。
 それでもなお、これだけの仕掛けをほどこした小説を構築し、しかもあきらかに本人も楽しみながら書いているということに、なんとも幸せな気持ちになります。

 おかげさまで、本書は2006年度の年間ベストに軒並み選出されるという結果になりました。
 こういった小説を楽しめるなら、まだまだ日本もだいじょうぶ(笑)。(編集部・T)


投稿者mystery: 09:27

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