2007年11月アーカイブ

お待たせいたしました。今月の扶桑社ロマンスは、『真夜中の天使』。人気沸騰中の〈真夜中〉シリーズ第三弾、一応の完結編です。

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■真夜中の天使
■リサ・マリー・ライス 著
■上中 京 訳
■文庫判
■定価900円(税込)
■2007年11月30日
■ISBN978-4-594-05528-8
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あらすじはこんな感じでございます。

特殊部隊の鬼教官として、殊更にこわもてのイメージを保ってきたコワルスキ。音楽を愛する心優しい内面など理解されなくても構わなかった。だが警備会社の経営者となると、一般人との関わりに悩まねばならない。
そんな彼の前に天使が舞い降りた。コワルスキの真実の姿を心の目で見てくれる盲目の歌姫アレグラは、神様からのご褒美としか思えなかった。
しかし、アレグラの光を奪った事件が、再び彼女を苦しめ始める。
『真夜中の男』『真夜中の誘惑』に続く、官能のロマンティック・サスペンス第三弾!

過保護系アルファ・メールと、自立心の強い女性の、濃密でホットな愛を描いてきた本シリーズ。おかげさまで大好評をいただいております。
本作においても、愛する女を「守る」男、という基本テーマはもっとも端的な形で表現されています(キャラの設定だけでもわかりますよね)。笑っちゃうくらいの過激な描写や、手に汗握るサスペンス、気の利いた会話、そしてジョンやバドに負けないくらいキャラたちまくりのコワルスキ……。前作をお楽しみいただけた方なら、きっと気に入っていただけるはず。
今回、とくに注目してほしいポイントは「音」。
光を失ったアレグラにとって、世界は音でしか認識できません。そして、自らを表現する手段もまた音楽です。
一方のコワルスキは、泣く子も黙る、いかつい風貌ながら、豊かなバスの美声の持ち主。
二人をつなぐのは、音楽。そして声なのです。
ちなみに、ミステリー的な部分でも、本作で音はたいへん重要な役割を果たします。
単に視力に障害のあるヒロインというだけでなく、作品の端々まで二人の認識している世界の差異を織り込んでくるリサ・マリー・ライスの筆力には感心しきりです。
考えてみると、第一作の「一般人」と「元軍人」、第二作の「大富豪」と「庶民」に続き、究極の「別世界に生きる二人の出会いと愛」を描こうとしてるんだなあ、なんて。

続編の予定もあるようなのですが、シリーズ既刊作の紹介はこれでいったんの締め。
でも、リサ・マリーの新作が読みたい!!という方に朗報です。
来年の春ごろにノンシリーズの新刊をご紹介できると思います。主人公はまたも元SEALのアルファなヒーローなのですが、〈真夜中〉シリーズとはちょっと毛色の変わった作品となっております。彼女の現時点での最高傑作との声もちらほら。ぜひご期待ください!

2007年11月28日 13:31 | | コメント(2)

 ピーター・ディキンスンですね。

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 SF/ミステリー・ファンのみなさまなら、この『キングとジョーカー』はよく。ご存じでしょう
 かつてのサンリオSF文庫のなかでも、屈指の名作と謳われていた作品です。

 現実とは異なる歴史をたどった英国王室。
 王宮内で起こる、突拍子もないいたずらの数々は、やがて予想外の殺人事件を生みます。
 いったい、このいたずらの仕掛け人=ジョーカーは誰か?

 そんな魅力的なミステリーを、勝気な王女の目をとおして描いた作品。
 山口雅也氏の解説を付し、復刊しました。

(編集部・T)

2007年11月27日 20:52 | | コメント(0)

 なにが出るかわからない扶桑社海外文庫ですが、今回は、ファンタジー作品をお届けします。

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『サンシャイン&ヴァンパイア』

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 本書の著者ロビン・マッキンリイは、ニューベリー賞を受賞した『英雄と王冠』(早川書房)などで知られる作家。
 SFやミステリー・ファンには『キングとジョーカー』のピーター・ディキンスンの奥さん、といったほうがわかりが早いかもしれませんね。
 本書は、そのマッキンリイの代表作と賞され、英米で高い評価を得た作品です。

 時代は現代なのですが、魔法や魔物が実在する、パラレル・ワールド風の世界が舞台。
 人間vsヴァンパイアの全面衝突「ヴードゥー戦争」が十年前に起こり、文明は疲弊しています。
 本書の語り手・サンシャインは、そんな世界のアメリカとおぼしき国のある町に住み、家族経営のコーヒーハウスで、腕のいいパン焼き職人として働く女性。
 ある晩、彼女は町を出て湖へひとりでドライブに行ったばかりに、ヴァンパイアの集団につかまってしまいます。
 じつはサンシャインは秘められた力の持ち主だったことから、話は予想もしない方向へ展開していきます……

 本書の魅力は、まず世界設定のあざやかさにあります。
 デーモンや獣人とインターネットが共存し、最新の自動車に魔法の護符が貼られる世界。
 ヴァンパイアは、アン・ライス作品のような美男子ではなく、あくまでも異質で不気味な闇の存在として描かれます。
 トールキンやC・S・ルイスの精神を継ぐ作品にあたえられるミソピーイク賞を受賞しただけのことはあり、斬新な物語世界が好評を得ました。

 それとならぶもうひとつの魅力は、ヒロインの語りにあります。
 饒舌で、ひねくれたユーモアに満ちた一人称。
 そのなかから徐々に物語設定が浮かびあがってきます。
 コーヒーハウスに集う人びとは生き生きと描かれ、ヒロインが作りだすパンや菓子類が小説世界を彩ります。

 ニール・ゲイマンが「ほぼ完璧な作品」と絶賛した、注目の作品です。

(編集部・T)

2007年11月27日 20:14 | | コメント(0) | トラックバック(1)

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