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「これはディエゴ・デ・ラ・べガがいかにして伝説のゾロとなっていったかを描く物語である。長年我々が秘密にしていた彼の正体をようやく明かすことができるわけだが、どうもすんなりとはいかない。……真っ白な紙を前にするとやはり怖気づくものだ」(本書プロローグ)
 記録作家の一人語りという設定の本書はこんな書き出しで始まります。

 さあ、「怪傑ゾロ」という語り尽くされてしまった感のあるキャラクターの前史を、アジェンデはどう創り出すのか。
 まずこの作家は、ディエゴの母は北米インディアンの女戦士(!)であったと差し出して見せます。スペイン人の父にインディアンの母。物語の行く先が俄然拡がったと思いませんか。
 加えて、ディエゴは双子座生まれ(頭の回転が速い、ひょうきん者、臨機応変の俊敏さ)で、相棒のベルナルドは牡牛座生まれ(安定性、静かな強さ、内省的)という細かな設定。
 物語はスムーズに滑り出します。
 お腹に子を宿したディエゴとベルナルドの母がイルカの群れに混じって泳ぐ場面、お告げ探し(ヴィジョン・クエスト)に出たディエゴがキツネ(スペイン語でゾロ)と出会う場面、上陸した海賊が民家を荒し回る場面、さらには、ディエゴとベルナルドが旧大陸スペインのバルセロナに向かう船旅の場面、バルセロナに着いたディエゴが体験する秘密結社の加入儀式の場面等々、興味深い事件が次々と起こります。
 斬新な着想ときめ細かい描写。こういう調子で物語はエンディングまで快調に走り切ります。

 さすがストーリーテラーの名手アジェンデ。
 彼女の手に掛かると物語はこんなにも豊かになることを実感させられた傑作です。(編集部・N)

2008年5月 7日 19:44

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