なんていうとウソくさいですが、ほんとです。

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 著者ウィリアム・S・コーエンは、下院議員・上院議員を務めたあと、共和党なのに民主党のビル・クリントン大統領に指名されて国防長官になったという人物。
 退任後はコンサルタント会社を立ちあげ、そのかたわら書きあげたのが、この小説です。

 国防長官が炭疽菌によって謎の死を遂げるというショッキングなシーンが導入部。
 その後任として抜擢されたヴェトナム戦争の英雄サンティーニが本書の主人公。
 つまり、国防長官経験者の著者が、国防長官を主人公に書く、という趣向です。

 したがって、ペンタゴンやホワイトハウスの内情を描くとなると、リアルさがちがいます。
 連邦議会や国際会議などでアメリカのトップがなにをしているかも、よくわかります。
 そればかりではなく、世界を脅かす陰謀勢力の内幕も、やはり現実に即して描いていきます。
 そういった側面から、本書はフレデリック・フォーサイスの情報小説とも比較されています。

 ……と言うと、堅苦しい小説に思われるかもしれませんが、そうではないのです。
 現代の非情な諜報戦を描くスパイ小説でもあり、それぞれの立場によって結ばれない者同士のラブ・ストーリーでもあり、国対国の駆け引きを描く政治小説でもあり、最新鋭の兵器を使って不可能なミッションに挑む軍事サスペンスでもあります。
 謀略小説の決定版と言えましょう。

 最後に、ちょっとした裏話を。
 この本の2pめのクレジット表記を見ていただくと、原題がドイツ語で記されています。
 カバーの表には、原題が“The Conspirators”と英語で記されています。
 さらに、裏側を見ると、アメリカ版の原書の写真が入っていて、そのタイトルは“Dragon Fire”となっています。
 なぜこんなにたくさんの名まえを持つのか?

 事情はこうです。
 コーエンは“The Conspirators”と題する小説を書きあげます。
 彼は、執筆に協力してくれた親友のドイツ人に、作品を出版社に売りこむエージェント役を依頼します。
 そのため、世界で最初に出版された国は、ドイツになりました。
 わたしたちも、ドイツのエージェントから権利を取得したため、版権表示はドイツ語タイトルになっているわけです。
 その後、アメリカで出版されるにあたり、コーエン自身によるかなりの原稿修正を加え、“Dragon Fire”にタイトルが変更されたのです。
 今回の日本語版は、タイトルはオリジナルのままですが、翻訳のテキストには、コーエンが手を入れたアメリカ版を使用しています。(編集部・T)

2008年5月28日 00:55

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