2008年06月03日
【編集部日記】

007に血が騒ぐ


 ニュースでも報じられましたが、英国で先日、007=ジェイムズ・ボンドの新作小説が発売になりました。

 今回の筆を執ったのは、あのセバスティアン・フォークス

 原作者イアン・フレミングの死後、ジョン・ガードナー、レイモンド・ベンスンと書きつがれたボンド・シリーズ。
 じつは、日本での紹介が途切れていた時期、なんとか扶桑社で出したいと思い、『赤い刺青の男』をオファーしたことがあるのです。
 結果的には、伝統あるポケミスに持っていかれてしまったわけですが。

 正直いって、日本ではあまり話題にならないボンド小説ですが、海外ではいまでも売れ線の商品です。
 とくに今回の新作は、フレミング生誕100周年を記念する大きな企画で、名匠フォークスが起用されたのも、力が入っている現われでしょう。
 はじめてこの話を聞いたときには、感激しましたね。
(海外の出版ビジネスにおいては、発売のずいぶん前からプロモーションがはじまるのがふつうで、わたしがこの話を聞いたのも、昨年の夏前ぐらいだったと思います)
 あのフォークスがボンドを書く!
 しかも、フレミングの遺作となった『黄金の銃を持つ男』の次の作品をフレミング自身が書いた、という趣向で、60年代当時の冷戦下でのボンドの活躍を描くという、卓抜なアイディアでした。
 さっそく会社に企画をとおしたのですが...

 そう、日本でのボンド小説の売れ行きは、キビしいものなのです。
 そのため、先方へオファーする際も、あまりいい金額は提示できませんでした。
 じっさい、オファーした日本の出版社はウチだけだったのですが、先方の返事は「この企画は大きなものなので、その程度の金額では受け入れることはできない」というものでした。
 こちらは、日本でのセールス状況を説明し、売れ行きがよければ印税を払えるのだから、と主張したのですが、先方が求めている金額との差は大きく、とても埋めあわせることはできませんでした。
 無力さを感じるのは、こういうときですね。

 これが、昨年の夏から秋にかけての話です。
 今回、日本でも報じられたように、本国では大きなプロモーションをかけて発売されました。
 それを受けて、再度、日本の出版社に強いセールスがかけられています。
 いったい、どうなる?
 胸の騒ぐことではあります。(編集部・T)


投稿者mystery: 15:51

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