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奇想天外な決死の大作戦。ミッションに賭ける男たちの矜持。
友情と裏切り。逆転につぐ逆転。
列車強盗にスエズ運河での爆弾処理、ハイジャック、そして金庫破り……。
とにかく滅法面白い連作短編集です。

本書は、国産冒険小説の系譜のなかでも大変重要な位置を占める作品ですが(詳しくは巻末の杉江解説を参照)、一般の読者の方はあまり小難しいことは考えず、「ゲーム」感覚で実行される知略に富んだ犯罪計画と、困難に立ち向かう男たちの心意気を楽しんでいただければ幸いです。
著者もそういう「気楽な」読み方をいちばん願っていると思います。意図的なB級感覚は、著者がアメリカ犯罪小説の「筆のスピード感」と「軽さ」を意識している証左であり、すべて“おりこみずみ”でノリを再現しているわけですから。

リチャード・スターク(ドナルド・E・ウェストレイク)に代表されるアメリカ犯罪小説のファンの方はもちろんのこと、昔なつかしいスパイ映画やフィルムノワール、「ナポレオン・ソロ」「特攻野郎Aチーム」といった痛快TVムービー、「ルパン三世」、福本伸行の「銀と金」、このへんにビビッと来る人は、きっと読んで損はないはず。
とくに連作を締めくくる「ラスト・ワン」は個人的に超おすすめです!(「さらば友よ」が好きな方ならニヤリとするかも)
フィルアップの作品では、「アマゾン・ゲーム」が山田流犯罪ゲーム小説のひとつの典型作としておすすめ。なにせ、大密林を舞台に“三目並べ”をやるって話ですからね……(笑)。まさに著者によって世界はゲーム盤として再規定され、コマとして配された男たちは、虚々実々のムーブで、チェックメイトを目指すわけです。

山田さんの「本格」を愛する方々にもぜひご一読いただきたいところ。
犯罪計画自体はおおむねオープンに進行するのですが、そのへんは山田正紀のこと、気をぬいてはいけません。計画にいどむ主人公側にも、それを受けて立つ相手側にも、読者に提示されていない「伏せ札」が何枚か隠されているのです。オープンの札のなかに伏せ札を紛れ込ませる手技こそ、まさに「スティング」に代表される「どんでん」のキモ。
一気読みして「やられた!」と膝をうつもよし。作者の稚気あふれる仕掛けに挑むもよし。
けっして損はさせませんよ!

さらに、2月27日には、“山田正紀犯罪ゲーム小説集2”と銘打って、いよいよ『ふしぎの国の犯罪者たち』が刊行されます。こちらもお楽しみに!(編集Y)

2009年2月16日 16:29

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