2009年5月アーカイブ

 5月30日発売の扶桑社ミステリーの新刊は、書店員さん・出版関係者・本を愛するすべての人にお薦めの、すてきな小説です。

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 ヒロインのエンジェルは、街の小さな本屋さんで働いていましたが、オーナーが書店経営に絶望して店を閉めたため、失業してしまいます。
 小説家志望の恋人が探してきてくれたのが、出版エージェントの仕事。
 エージェントとは、作家の代理として出版社との交渉を引き受ける重要な業種。
 最近は日本でも、ボイルドエッグズアップルシード・エージェンシーなどがこの業務に進出しています。
 さて、エンジェルが就職したのは、すばらしいベストセラーを連発しているエージェントなのですが、ここの女性社長が強烈なキャラ(このへん、『プラダを着た悪魔』を彷彿とさせるおもしろさです)。
 そんななかでも、愛書家のエンジェルは、持ち前の力量を発揮して、有力な新人の原稿をつぎつぎに発掘していきます。
 ところがそこへ、あやしい投稿原稿が届きはじめます。あきらかにエンジェルをモデルして書かれた、悪意ある小説です。
 いったい誰が、なんのために……そして小説の中では、ついに殺人が!

 このブログの読者のかたなら『匿名原稿』(スティーヴン・グリーンリーフ)を思いだされるでしょうが、あちらが外からの視点で出版界を描いたのに対し、こちらは中から見つめます。
 本が生まれる現場を舞台に、女性の奮闘を描く、とっても楽しい小説です。

 オビには、こんな賛辞を引きました――
「もしあなたが出版界にすこしでも興味があるなら、必読。絶対この業界が好きになる」
(編集部・T)

2009年5月21日 17:23 | | コメント(0)

 扶桑社文庫には、〈昭和ミステリ秘宝〉というシリーズがあり、埋もれた名作を発掘していますが、今回は新たな試みとして、SFの復刊に踏みきりました。

 まずは、筒井康隆『馬の首風雲録』光瀬龍『多聞寺討伐』が登場。

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『馬の首風雲録』は、筒井康隆氏の第2長編。
 馬頭星雲の惑星を舞台に、犬型宇宙人たちの戦乱と、それに巻きこまれていく行商人の婆さんと4人の息子たちの運命を描きます。
 ほぼ30年ぶりぐらいに再読したのですが、あらためてそのすばらしさに感銘を受けました。
 ストーリーテリングと構成の妙。著者が「『戦争』というテーマの、一種のコラージュ」と語るとおり、散りばめられた先行作品の影響を読みとる楽しみ。そして、作中にこめられた、著者自身の個人的な思い。
 じつにさまざまな読みかたができる名作です。

『多聞寺討伐』は、『百億の昼と千億の夜』をはじめとする宇宙SFで知られる光瀬龍の、もうひとつの重要な作品群である〈歴史SF〉を集めた名作選。
 奇怪な事件が頻発する山寺へ向かった武士団を待ち受ける、この世のものならぬ地獄図を描く表題作、浮世絵界を舞台にタイムパトロールたちの活躍を描いた「歌麿さま参る」をはじめ、戦記もの、捕物帖、剣豪小説、世話ものなど、さまざまな形式を借りて書かれた時間SFを収録しました。また、雑誌掲載のまま埋もれていた「大江戸打首異聞」を初収録。
「COMICリュウ」誌上で『夕ばえ作戦』のコミカライズを進めている押井守氏の特別メッセージ付き。

 いやあ、これほどの名作たちが入手困難だったとは。

 6月30日には、梶尾真治のユーモア宇宙SF集『ゑゐり庵綺譚』を発売の予定。
 これらの成績次第で、今後のシリーズ継続が可能になりますので、編集部としてはその意味でも、ぜひご支援をお願いする次第です。(編集部・T)

2009年5月 8日 10:19 | | コメント(0)

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