2009年7月アーカイブ

 英国版「マリ・クレール」の記事から。
 ストレスフルな生活を送るあなたに、朗報ですよ。

 サセックス大学のデイヴィッド・ルイス博士の研究によると、ストレスをやわらげる最良の方法は、読書だというんですね。
 本の世界に没頭すると、ストレス・レベルが68%も下がるんですって。

 ほかのストレス解消法における数値を見ると……

  音楽を聴く=61%
  コーヒーを飲む=54%
  散歩する=42%

ということで、読書の影響は大きいわけです。 
 しかも、集中して本を読むと、精神的な効能があるばかりじゃなく、筋肉や心臓の緊張もやわらぐんですって。

 それにくらべ、ビデオ・ゲームで遊ぶのは、21%しか下がらず、逆に心臓への負担が増えるとのこと。
 ミステリー読んでドキドキしたりするのは、現実とはちがう世界のことだからいい、ってことなんでしょうね。(編集部・T)

2009年7月31日 13:41 | | コメント(0)

 ブレイディ・コイン・シリーズの著者ウィリアム・G・タプリーの訃報が入ってきました。
 癌だったそうです。享年69歳。

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(c) Vicki Stiefel


 著者のサイトには、3週間前にアップされた、タプリーから読者へのメッセージがあり、意欲的な新作の予定がならんでいます(釣りの本もふくめて)。

 扶桑社ミステリーでは、『チャリティ岬に死す』から『哀しみの絆』まで11作のブレイディ・コインものと、ロマンス作家リンダ・バーロウとの共著『癒しの血族』を出版していますが、すべて在庫がない状況です。
 申し訳なく、残念です。(編集部・T)

2009年7月30日 16:31 | | コメント(0)

 そうです、アトランティスです。
 ただし、オカルト色は、いっさいなし。
 本書は、最新の科学技術を駆使し、タイトルどおりに真っ正面からアトランティスを探す物語なのです。

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 主人公は、国連機関の研究者で、海に沈んだ史跡を調査する専門家。
 彼と旧友のエジプト学者、それに言語学者チームが、最新の調査船に乗りこんで、アトランティスに挑みます。
 しかし、遺跡がもたらす莫大な富と栄誉を狙う悪玉が登場。水上で海中で、クライブ・カッスラーばりの冒険活劇が展開することに……

 著者ギビンズは、自身が海洋考古学者で、本書が小説デビュー作。
 専門知識をもとに、アトランティスとは何かを、歴史的事実を検証しながら解き明かしていきます。
 しかも、そういった事実を調べる最先端の調査技術についても、ふんだんに語られ、驚かされること請けあい。

 なにしろ、読者はアトランティスの場所を知り、そこへ入っていくことになるのですから!(編集部・T)

2009年7月30日 12:57 | | コメント(1)

【問題】遊園地の飛行椅子に三人の死人が乗っていました。何があったのでしょう?

 シンプルなクイズですが、なぜそんな状況が生まれたかを考えると、想像力はどんどん広がっていきますね。
 そんなクイズを集めたのが、『3分クイズ「何があった?」』です。

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 レベルは1~4まであり、最初にあげた例題は、レベル2の問題です。
 ちなみにレベル4になると……

【問題】ベルが鳴りました。男が死にました。またベルが鳴りました。何があったのでしょう?

 漠然としすぎ?
 たしかに。
 しかし、だからこそ想像力を羽ばたかせる余地があるわけで。
 まあ、最高にむずかしいレベルのクイズだとは思いますけど。(編集部・T)

2009年7月30日 12:44 | | コメント(0)

 先月末、扶桑社文庫から、梶尾真治『ゑゐり庵綺譚』が発売中です。

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 宇宙港の片隅にあるソバ屋「ゑゐり庵」を舞台に、次々やって来るヘンテコな客が巻き起こすドタバタ悲喜劇を描く連作です。
 くわえて、埋もれたレアな作品をボーナス・トラックとして収録した、まさにカジシン宇宙SF傑作選。
 著者みずから「エッセンスとしてのSFの楽しさを味わっていただけると思います」と述べるとおりの、脳天直撃のおもしろさをご堪能ください。

 これは、2カ月前に発売した『馬の首風雲録』『多聞寺討伐』につづく、日本SFの復刊シリーズの一環です。
 本来は、扶桑社文庫の〈昭和ミステリ秘宝〉のようなシリーズ企画だったのですが、復刊文庫に慎重な書店営業の部署との調整の結果、まずは3作を出版し、それが成功すればつづけていくという前提で、刊行がスタートしました。

 じっさい刊行してみると、売れ行きの数字は悪くないので、安心していたのですが、ところが……
 3冊とも、このままだと採算分岐点をクリアできそうもない売れ行きだ、と申し渡されました。
 これでは、シリーズは打ち切りにされてしまいます。

 初速は悪くないように思えたのですが、それまでなのか。
 もしかしたら、まだまだ読者のみなさんに、この企画が浸透していないのではないか(そもそも予算がないので、新聞広告も満足に出していないのですから)。
 しかし、もし、ほかの出版社でこの企画をやっていたら、もっとちがった結果になっていたのではないか。
 定価が高すぎるのか。
 部数が少ないため、書店さんに行きとどいていないのか。
 いろいろな思いが渦巻きます。

 もちろん、わたしの編集が悪いということもあるでしょう。
 本ができてから反省してしまうのは、いつものとおりです。
 それでも、できるかぎり原稿のチェックには心を砕きました(光瀬さんの本文に関しては、これまでの先行したどの文庫よりも精度の高いものになっている自信がありますし、筒井さんの原稿に関しても、新潮社版の全集より確実だと思います)。
 現代の読者に向けて、やるべきことはやったつもりなのですが。

 もう一度、あらためて広告します。
『馬の首風雲録』は、新しい文章こそ入りませんでしたが、初出の雑誌掲載時の驚くべき結末の相違を明らかにした日下三蔵氏の解説をふくめ、あらためてこの名作を読んでいただくための決定版だと思います。
『多聞寺討伐』は、ハヤカワ文庫版をもとに、「歌麿さま参る」をはじめとする時代SFの名作を精選したうえに、単行本未収録だった「大江戸打首異聞」を発掘した貴重な1冊です。
 そして、今回の『ゑゐり庵綺譚』は、SFならではのアイディア・ストーリーを満喫できるうえ、あの初期の埋もれた怪作「包茎牧場の決闘」を併録したレア版です。

 他社の文庫よりすこし高めかもしれませんが、けっして損はさせません。
 もし買い漏らしたかたは、いますぐ書店へ!
 この本を売ってくださっている書店のみなさま、ご支援をお願いできればと思います。

 このあと企画しているあんな名作やこんな再編集版が出せなくなってしまうのは、あまりに残念で。(編集部・T)

2009年7月16日 16:10 | | コメント(2)

まだお前はしゃべりたりないのか、という感じですが、今回は若干ネタバレ気味に、本作の読みどころと、著者の作品に関する発言をご紹介したいと思います。先入観なくお読みになりたい方はご注意ください。

お読みいただいた方は皆さんお気づきのように、本作は、スタイルこそ全く異なるものの、前作『オックスフォード連続殺人』と表裏一体の関係にあります。
数学的思考の果てに“可能性の領域”へとたどり着く詩的論理性においても、ミステリの形式を借りて行われる文学的実験性においても、本作は前作と著しい同期を示しています。そもそも連続死というモチーフや、終盤の物語的“拡散”と大量死、老と若の対決など、個々の要素にも通底するものがあります。
一方、両作には明確な差異もあって、前作が「数学者」たちの物語だったのに対し、本作は二人の「作家」の闘争の物語となっています。世界を統べる必然と偶然の理を追い求める“数学者”にして“作家”であるところのマルティネスは、今回、軸足を“作家”側に移して、“執筆”という行為の淵源を探りつつ、フィクションの喚起する“力”の解釈をめぐってディープな考察を試みているわけです。これは、彼のある種の“作家的”成熟といってもいいのではないでしょうか。

ちなみに、作家本人は、小説を書くにあたってあなたの数学者としての知識が役に立ちましたか? との質問に対して以下のようにこたえています。

「私は文筆を職業とする数学者として自分をとらえたことはなく、むしろ人生の中でたまたま数学と出会った作家なのだと思っています。私の小説の中で、数学というものはヘミングウェイの叙述が与えてくれる知的収穫に匹敵するほどの重要な役割は果たしてはいません。数学は私自身が精通している分野ですから、登場人物やテーマの着想を与えてはくれます。しかし、数学的な要素が私の小説の特徴というわけではありませんし、そうなって欲しくないとも考えています。今回の作品には数学の要素はほとんどありません。統計学の初歩である偶然についてわずかに議論されているだけです」2008年10月7日、スペイン、デイア紙

別のインタビューにおいて、マルティネスは本作を、作中でも言及されるヘンリー・ジェイムズの『ノートブックに書いた覚書』に直接の霊感を受けて執筆したとし、もとは短編として企画したが書いているうちに長編になったと述べています。いろいろと示唆的な発言をしているのですが、とくにキモとなる部分をご紹介してみたいと思います。

「この物語の出発点は曖昧さにあり、ルシアナの話にいくらかの疑問の余地を残すことにあります。小説の中で起きるどの出来事も、何らかの意図が働いてのことなのか、単なる偶然なのかがはっきりせず、どちらとも解釈できます。中心人物たちにとってさえもそれは同じなのです。私は机上にさまざまな可能性をすべて並べてみた上で、何らかの創造的な手法を使い、一つ一つの可能性を熟考してみたいと考えました。例えば、小説の中では偶然というテーマが火災と対比される形で検討されます。火災も偶然も、最初はあらゆる形をとることができ、また、決して一つの形に留まることはありません。私は、二者択一という常識的な偶然の概念を打ち破ろうとしました。というのも、表には現れないけれども、偶然にも決まった形、反復、パターンへと向かう傾向というものがこの世には存在するからです。偶然というのは一般的な人間が考える因果関係にもっと近いところにあるのです。この見方は二人の作家の美的価値観にも反映されています」(2007年12月11日、アルゼンチン パヒナ12紙

(以下、マジでネタバレなので折り返します。本篇読了後に気が向いたらご覧ください)

(編集Y)

2009年7月16日 12:46 | | コメント(0)

 医学サスペンスの雄、ロビン・クックの作品が扶桑社ミステリーから出版される予定だってご存じでした?
(昨年末発売の「このミステリーがすごい!」参照)

 そのロビン・クック氏が、突然の来日。
 というわけで、お会いしてきましたよ。

 ご夫人と息子さんを連れられていて、絵に描いたような幸福な家庭ぶり。
 ご夫人はお若くてチャーミングだし、息子さんはイマドキとは思えない(?)天真爛漫で無邪気な少年でした。
 ええ、息子さん、まだ9歳なんですよ。

 今回の来日は、次回作のリサーチが目的とのことで、このあとは京都に移動して、研究機関の取材をなさるそうです。新作では、日本人が重要なキャラクターをつとめることになるかもしれません。
(日本政府は、アメリカにくらべて、医学の新技術の助成に熱心だ、とクック氏はおっしゃるのですが、そうなのでしょうか)
 ちょうど新作を脱稿して、出版社に渡したところだというクック氏。
 ほかにも、マイケル・アイズナーと組んで、小説と映像のインタラクティブな作品を仕掛けたり、TVで医学生を集めて「アプレンティス」みたいな番組を企画中だったり、これからも目が離せないようです。

 ところで、クック氏は、2度目の来日とのこと。
 じつは海軍の軍人だったクック氏(知らなかったですよね?)、はじめて日本に来たのは1969年で、そのときは極秘ミッションだったんだとか(もっとも、コメディ映画みたいな顛末だったらしいですが)。
 パンナムの客室乗務員だった日本人女性とのデート話まで披露され(ご夫人が同席されていない場での話です、念のため)、わたしたちを楽しませてくださいました。

 わたしたちの次には、アメリカ大使館へ行って、FBI職員と会うのだとおっしゃってましたよ。
 うーん、さすが国際的ベストセラー作家。

 肝心の扶桑社海外文庫初のロビン・クック作品“Seizure”(原題)は、2010年に出版の予定です。

 最後に、ロビン・クック氏からのメッセージです。
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2009年7月 3日 19:59 | | コメント(2)

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