スチュアート・カミンスキーが10月9日に死去。肝炎のために肝臓移植を待つ状態で、心臓発作に襲われたとのこと。75歳でした。

 往年のハリウッドを舞台にしたトビー・フーパーズもの、ロシアの捜査官ロストニコフもの、召喚状送達人ルー・フォネスカものと、多数のシリーズをかかえる、現在の米国では稀に見る多作家でした。
 映画研究者としても著名で、なかでも気になるのはドン・シーゲルの研究書。
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』の脚本にたずさわったことも知られています。
 大学での教え子にサラ・パレツキーがいて、彼女をエージェントに紹介し、デビューにみちびいたのもカミンスキーでした。

 扶桑社ミステリーでは、シカゴの老刑事エイブ・リーバーマンのシリーズを刊行していました。
 人生の酸いも甘いも噛みわけたユダヤ系の刑事と、アルコール問題をかかえたパートナーのアイルランド系刑事、異様にかっこいいラテン系ギャングなど、多彩な登場人物がからみあいながら進むモジュラー型警察小説で、高い評価を得ました。
 ただ、シリーズを追うごとにじょじょに売れ行きは落ち、5作めをもって断念せざるをえないことになりました。ほんとうに残念です。
 既刊は、以下のとおりです。

 『愚者たちの街』
 『裏切りの銃弾』
 『冬の裁き』
 『人間たちの絆』
 『憎しみの連鎖』

 現在は、いずれも在庫僅少ですので、急いで書店さんにご注文いただければと思います。
 このあと、本国ではさらに5冊が刊行されています。

 このシリーズのカバー・デザインは、亀海昌次さんの仕事。骨太なハードボイルド・タッチのすばらしいカバーでした。
 ご本人もミステリー好きで、この仕事を楽しんでいただけていたと思いますが、その亀海さんも、もう亡くなられてひさしいのですね。(編集部・T)

2009年11月 2日 14:34

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