Kirkus Review」は、アメリカで長年出版されている書評誌です。
 書評の雑誌といっても、日本人が想像するものとはすこしちがい、出版される前の本の批評がならんでいるのです。

 海外では、出版の数ヵ月前からプロモーション活動が行なわれるのがふつうです。
 再販制度がある日本の出版界とちがって、海外では書店は個々に仕入れをしなければなりません。すなわち、出版社から本を買い入れるため、書店は出版前に作品の内容を見きわめる必要があるのです(日本では、書籍は委託販売が主なので、書店が卸価格で本を買うといったことは原則的にないわけです)。
 その判断の助けになるのが書評誌です。出版前の本の書評が載っていますから、それを読んで、自分の店での仕入れ具合を決めるわけです。
 もちろん書店以外にも、図書館や、わたしたちのように翻訳すべき作品を探している出版社や、映画化すべき作品をいち早く押さえたい映画会社にも有益な情報源になります。

 そのなかでも「カーカス・レビュウ」は、書評がきびしめであると言われてきました。
 きびしい評価をするということが、逆に書評誌としての信頼につながる側面があったのです。
 みなさんも、翻訳書で海外での書評が引用されているときに「カーカス」の名を目にすることがあるのではないでしょうか。

「カーカス」が売りに出されているという話は聞いていましたが、買い手がつかなかったため親会社が廃刊を決定。年末までに全員が会社を離れるということになったそうです。

 しかし、老舗の「カーカス」がなくなるとは!
 業界誌のトップ「パブリッシャーズ・ウィークリー」も同様に親会社が引き取り手を探しているはずですが……(編集部・T)

2009年12月11日 10:18

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