ケッチャムの近況について、読者の方からコメント欄にお問い合わせを頂戴いたしましたので、遅まきながら回答させていただきます。ほんとにお返事遅れてごめんなさい。

えー、ケッチャムをごひいきにしてくださり、誠にありがとうございます。
海外のWikiなどをご覧になるとご了解いただけると思うのですが、2001年の『黒い夏』以降、あまり長いものは書いていないのが実際のところでして、日本オリジナル編集の中編集『閉店時間』内でご紹介した『川を渡って』(2004)、『雑草』(2006)も、本国では薄い“単行本”としてそれぞれ出版されています。2000年以降書かれた未訳作で一番長いのは2008年の“Old Flames”だと思いますが、これとて『地下室の箱』より短いものです。
まあ、作風からいえば、むしろ短編・中編(ノベッラ)向きの作家さんなのかもしれませんが。むしろ、“Peaceable Kingdom”“Closing Time”などの短編集にこそ、近年の成果がぎっしり詰まっているといえるかもしれません。
と思っていたら、つい先日最新作の情報が舞い込んでまいりました……。

そのタイトルとは、今年末に発売される予定の“The Woman”。どうやら『襲撃者の夜(原題“Offspring”)』の続編らしいです。長さは、ぎりぎり長編と言っていいくらいはあるようす。ただ共著でして、お相手はラッキー・マッキーという人物。
名前を聞いて、ああ、と思いつく方はさすがです。『MAY メイ』『虫おんな』『怨霊の森』などがすでに日本でリリースされている伸び盛りのホラー監督で、“せつないホラー”を撮らせたらなかなかの実力者。
で、この人、ケッチャムとどう関わりがあるのかというと、2006年にはケッチャムの『黒い夏』をプロデューサーとして映画化(DVD邦題は『THE LOST 失われた黒い夏』)、さらに同年、同じくケッチャムの『老人と犬』を監督として映画化(日本未公開)しているのですね。
年こそ離れていますが、ふたりは強い信頼関係で結ばれた盟友なのです。
否応なく期待は高まりますが、さてどんな内容に仕上がっていることやら……。
こちらも、いつの日がご紹介できると嬉しいです。

なおケッチャムの次の邦訳作品については、今のところ未定です。
新作や、長編の積み残しをやるより先に、短編の精髄を集めたものを挟んでみたいのはやまやまなのですが、すべては新刊の売れ行き次第ですね……。

というわけで、ケッチャムを愛する皆様、ぜひ『森の惨劇』および既刊を、お近くの方に「ケッチャム最高っ!」とお勧めいただけると幸いです! ただそれで読者の方の好感度が落ちたり、人間関係にひびが入ってもこちらとしては責任がとれないのですが……(笑)。
今後とも、ジャック・ケッチャムをごひいきに!(編集Y)

2010年8月29日 18:34

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