2010年08月11日 |
【業界ニュース】
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思いきった変革
ペイパーバック出版の大手 Dorchester Publishing が、今後は e-book に移行するとアナウンスしました。
彼らの発表によると...
*9月以降、ペイパーバックの出版は取りやめる。
*予定していたぶんは、すべてトレード・ペイパーバック(大版の並製)に切り替える。
*e-book は予定どおりに供給する。
*受注に応じたオンデマンド出版を開始する。
ペイパーバックで予定していたものを、すべて活字を組みかえて(これも古い言いかたですが)、トレード・ペイパーバックに作りかえ、そのうえ営業も再考することになるので、出版まで半年以上のタイムラグができるそうです。
そこまでしてもペイパーバックを捨てるのか、時代はそこまで来たのか、と思わされます。
ウォール・ストリート・ジャーナルの記事によれば、「ロマンス小説ファンは特に電子書籍への移行が素早かった」というのですから、ちょっと驚きです。端末の普及によっては、日本もこうなるのでしょうか。
もっとも「ウォルマートなど複数の小売り大手からの受注が減ったことなどが響いた」ということですから、再販制度のある日本とは異なる事情もうかがえます。
トレード・ペイパーバックならば、販路は書店に集中できるわけですね。
もっとも、本が売れなくなっていることは、日米とも変わらないようですが。
さらに記事によれば、Hard Case Crimeなどは、ペイパーバックであることに重要な意義があるので、Dorchester を離れようとしているとのこと。
なにしろHard Case Crimeなんだから、その気持ちもわかるなあ(――と言ってる段階で、やっぱり感覚が古いことを露呈してます)。
投稿者mystery: 12:49
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