2010年08月25日
【編集部日記】

囚われの身で読む本


 グアンタナモ米軍基地の収容所にある図書室の蔵書について、〈タイム〉が紹介しています。

 18000点あまりの書籍、雑誌、DVDなどが所蔵されていて、言語も英語、フランス語、アラビア語から、ウルドゥー語、ペルシャ語、パシュート語まで、18種類におよぶそうです。

 人気のある作家は、ジョン・グリシャム、アガサ・クリスティー、それにハリー・ポッター・シリーズ...なんか、とってもふつう。
 それと、世界各地の風景を収録した写真集も人気だそうですよ。
 いつ出られるか、裁判があるかどうかさえわからない人たちですものねえ。

 こんなものが読みたい、とオーダーが入ると、探して手配するんですって。
「ダン・ブラウンには、まいったよ」と係の海軍士官。アラビア語訳が入手できなかった、って話です。
 大ベストセラーだし、反キリストとか言われた本だから、簡単に手に入りそうな気もしますけどね(もちろん、政治的宗教的に極端な内容や性的なものは、オーダーされてもはじかれるそうですが)。

 軍で見つけられないときは、赤十字の手を借りるそうです。
 隔離されて暮らさなければならない人たちにとって、外界のことを知るのは精神衛生上必要なことだから、本は重要なんだそうです。
 グアンタナモも変わりましたねえ。
 っていうか、それが当然ですか。
 じつは、わが社にも、日本中の矯正施設のなかから、目録を送ってほしいという手紙が毎日のように届きます。

 グアンタナモといえば、パキスタン系英国人がテロリストに仕立てられて収容されてしまう『グアンタナモ、僕達が見た真実』というきびしい映画がありました。
 その監督、マイケル・ウィンターボトムの新作が、これです。


投稿者mystery: 13:11

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.fusosha.co.jp/blog/mt-tb.cgi/684

コメント




ログイン情報を記憶しますか?

(スタイル用のHTMLタグが使えます)