ジャック・ケッチャムの傑作中編集、『閉店時間』と、『オフシーズン』の続編にあたる『襲撃者の夜』に重版がかかりました!
とくに、『閉店時間』は、大変に思い入れの強い本なので、喜びもひとしおです。

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収録作中、とくに「川を渡って」は、ウエスタンなのでとっつきにくいかもしれませんが、ケッチャムの作品中でも屈指の傑作ですので、ぜひご一読ください。
より一般のミステリファンには「ヒッチハイク」を猛烈にお勧めします。

訳者の金子浩さんが、ケッチャム入門と題して、翻訳ミステリー大賞シンジケートのブログで、きわめて明快にその作風と読みどころをまとめてくださっています(こちら)ので、ぜひあわせてご一読ください。


ケッチャムの提示する“つくりもの”ではない「悪」の実存と、天災のごとく降りかかる理不尽な加害のリアリズム(およびその逆説としての世界の平等性)、心の痛みすら伴う体感的な恐怖は、おそらく文学史上、唯一無二のものです。

同時に、その裏からほとばしる、立ち向かうことへの肯定的意思、被害者も加害者も報われない神なき世界でなお生きるひとびとの矜持は、意外にもみなさんの胸を打つかもしれません。

そして、そんな真摯で謹直ですらある作家性……ほんとうの痛みを知る繊細でたおやかな世界認識(そうじゃないと、9.11のあと小説が書けなくなったりはしない)を、なにかとジャンルホラー愛好とエキセントリックな過剰性でつつまずにはいられない、この人物の「含羞」と、出自を裏切らない誠実さを、編集者はこころから愛します。

ひとりでも多くの方に、ケッチャムの諸作を読んでいただけますように。(編集Y)

2011年5月17日 17:55

コメント(2)

Comment

  • 『閉店時間』『襲撃者の夜』の重版おめでとうございます。
    どちらの作品もとても良かったのですが、特に『閉店時間』の「川を渡って」が印象的でした。

    ところで『オンリー・チャイルド』と『老人と犬』は絶版になってしまったのでしょうか……?
    最近ジャック・ケッチャムのファンになり、彼の作品を買い集めていますが、上記二作の新品がどうしても見つかりません。
    Amazonや楽天ブックスに再入荷の予定はないのでしょうか……?



    |新穂|2011年5月21日 18:26

  • いろいろとご不便をおかけしてしまい、たいへん申し訳ありません。販売部に確認いたしましたところ、在庫がかなり少なく、amazonなどのネット書店では、自動的に品切れで出てしまうのですね……。
    少なくとも本は生きておりまして、書店さんからの客注文には間違いなく出庫しているとのことでしたので、お近くの書店さんなどでお取り寄せいただければ幸いです。
    本来なら重版をかけたいところなのですが、それはまた機会を見てということになろうかと存じます。
    ご理解いただければ幸いです。
    何とぞよろしくお願い申し上げます。



    |編集Y|2011年5月23日 17:54

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