2011年12月アーカイブ

 映画化されたジェイソン・ボーンのシリーズ『暗殺者』等々、世界的な大ベストセラー作家だったロバート・ラドラムについて、不穏な噂が飛びかっています。

 問題となったのは、今年の春に出版された The Ludlum Identity という本。
 これは、ラドラムの最初の妻の甥で、生前の彼と親交もあった医師ケネス・カーンズが書いたもので、人気作家の死にまつわる謎を世に知らしめました。

 ラドラムは、実の父母を知らずに養子として育てられ、あまり幸せな幼少期ではなかったようです(そのアイデンティティの問題が『暗殺者』に見られるという人もいます)。
 その後、海兵隊に入隊して南太平洋に従軍し、帰国後は大学を経て、NYの演劇界に入ります。そこでいっしょになったのが、最初の妻メアリー。女優としてのメアリーはウィリアム・シャトナーなどとも共演していたそうですし、ラドラムのほうは、押し出しの強さからか悪役や弁護士役などで200本以上のTVに出演。2人は劇場を経営するまでになり、アラン・アルダやマーティン・シーンを俳優として育てたといいます。
 しかし、ラドラムは一念発起して作家に転身。1971年『スカーラッチ家の遺産』でデビューして、たちまちベストセラー作家になります。
 その後の活躍はみなさんもご存じでしょう(2人には、CIAやFBIの友人も多く、取材に役だったとか)。

 そんなラドラムの私生活に陰りが見えたのが、1997年。長年連れ添ったメアリーが、癌で亡くなったのです。
 一時はすっかり意気消沈した彼でしたが、そこに新たな女性カレンが現われます。
 彼女はあっという間にラドラムの心をつかんだようです。なぜか弁護士が強く主張して、2人は1年後に結婚。しかも、資産家にはめずらしく、婚前の取り決め(もし離婚した際の財産分与などを事前に契約する)をいっさいしなかったといいます。
 ラドラムは、長年住みなれたサウスポートの屋敷(ご近所にはポール・ニューマンやマーサ・スチュアートが住む)を売却し、フロリダへ移ります。しかし、そこでは寝室もべつになり、親密な夫婦生活はみじんもなかったといいます。
 そして、2001年1月24日、ラドラムは遺言書を書きかえます。350万ドルのフロリダの屋敷、モンタナの広大な土地、そして100万ドルとその他のすべての個人資産が、死後カレンに贈られることになったのです。

 それから2週間あまりで、事件が起きます。
 2001年2月10日、ラドラムはリクライニング・チェアで炎につつまれていました。消防が駆けつけたとき、まだラドラムの体からは火が出ていて、叫び声をあげていたといいます。数年前に心臓のバイパス手術をし、さらに骨関節症にかかっていたラドラムは、自分で動けなかったのでした。
 消防士が妻のカレンを探すと、彼女はキッチンにいて、自分の飲み物を作っていたそうです。消防士に「Fuck off!」と罵声をあびせ、取りつく島がなかったといいます。
 火傷と煙の影響で病院に搬送されたラドラムですが、やがて退院して自宅にもどります。しかし、退院すべきではなかったのでしょう。痛みがひどく、モルヒネを要求しつづけたそうです。
 そして3月12日、ラドラムは死去しました。

 死後は生まれ育ったNYに埋葬してほしいと語っていたラドラムですが、じっさいには彼の遺体は、検視も行なわれずに草々に火葬され、灰は湖にまかれました。
 その2年前、ラドラムは出版社セント・マーティンズと4作ディールをしていました。フォーブス誌によると、亡くなった年の彼の収入は、500万ドルにのぼるとのこと。
 その後、ボーン・シリーズが映画化されて大ヒットし、ラドラムのキャラクターを使って他の作家が作品を発表しつづけるなど、死後も彼の名声は衰えていません。

 カレンのラドラムに対する態度は、当初から変わらないようです。高価な婚約指輪を贈られても、ラドラムに知らせずにさらに高価で派手な指輪に取り替えさせたとか、夫の死後、家政婦に向かって、「会計士に電話して、わたしのもう200万ドルがどこにあるか聞きたいの」と言っているのが聞かれています。
 ラドラムがなぜ火事に見舞われたのかも、よくわかっていません。不自然な燃えかたから、ラドラムの息子ジョナサンは、燃焼促進剤が使われたのではないかと疑っていました。

 そのジョナサンは、父の死について調査をし、ラドラム・エステイトの運営に加わろうと試みましたが、行方不明になり、けっきょく自宅で遺体となって発見されました。
 そして、疑惑のカレンも亡くなります。「自殺」とされていますが、周囲の人びとは薬物の過剰摂取が原因と考えているようです。
 こうして、世界的ベストセラー作家の最期の謎は、未解決のままになってしまったのです。

2011年12月22日 18:43 | | コメント(1)

おまたせ致しました、全国のF・ポール・ウィルスンファンの皆様。
久方ぶりに、始末屋ジャックが帰ってきます。

タイトルは、『始末屋ジャック 地獄のプレゼント』(上・下)。

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今回は、序盤から激しくも痛切な展開がやってきます。
中盤ではバミューダ海域での冒険が待ち受け、
さらに、終盤では愛する者に向けた真実の思いがためされることに。


舞台はクリスマス。
それもあってか、シリーズ中でも、もっとも始末屋ジャックとその周辺の人々に焦点のしぼられた、家族愛の物語ともなっています。

発売日はお話の内容に合わせまして、12月27日(都内・大型チェーンでは、23日からの週末にはもう並ぶところもあるかと)。

追って、いろいろ情報は出していきたいと考えておりますが、まずは正式な第一報をおとどけしました。
皆様、お楽しみに! (編集Y)

2011年12月14日 17:17 | | コメント(16)

スティーヴン・ハンター『デッド・ゼロ 一撃必殺』(上・下)
昨年に引き続き、たいへんよく売れております!
本当にありがとうございます。
シリーズを続けられるのも、新刊で購入して買い支えてくださるファンの皆様のおかげです。
今回、(すでに読まれた方はご納得いただけると思いますが)あんまり事前の紹介で内容に深入りすると興を削ぎかねないので、とにかく抜群に面白い、とだけいっておきます。


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それから、今月6日に発売されました『本の雑誌増刊 おすすめ文庫王国2012』の、海外ミステリー文庫ベスト10に、弊社『装飾庭園殺人事件』(ジェフ・ニコルスン)と『硝子の殺人者』(ジョー・ゴアズ)が2点ランクインいたしました! 快挙です。関口さん、ありがとうございます!

さらにさらに・・・
同じ増刊号内の企画「おすすめ文庫王国二〇一二杯 最強文庫決定戦 年の瀬場所」で、なんと弊社『装飾庭園殺人事件』が優勝! 「最強文庫」の称号を手に入れました!!
ぜひ、この機会に書店でGETしてくださいねっ!

2011年12月14日 16:17 | | コメント(0)

お待たせいたしました。
一年ぶりに、ハンターの新作『デッド・ゼロ 一撃必殺』をお届けいたします。
全国では明日から。
都内の書店さんでは今日くらいからもう並んでいるかと思います。


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今回はあまり事前情報はなしの方向で。
あらすじはこんな感じです。


海兵隊きっての狙撃手レイ・クルーズが密命を帯びアフガンへ派遣された。
彼の任務は駐留アメリカ軍の悩みの種であるザルジという男を始末することだった。
西欧で高等教育を受けたザルジは人心の魅了者でありながら、タリバンやアルカイダの協力者という複雑な背景を持っていた。
クルーズは彼の本拠地へ向かうが、途中で正体不明の傭兵チームに襲われ同行した相棒を失う。
何とか単身ザルジの邸に接近し狙撃の用意にかかるクルーズだったが、そこでまた不測の事態に見舞われ……。

クルーズが消息を絶って半年後、親米派に豹変したザルジを高く評価したアメリカ政府は、彼を国賓としてワシントンに招待する。
だがザルジの訪米直前にクルーズらしき人物から計画通り作戦行動を実行する旨の連絡が海兵隊に入る。
国賓を守るためFBIとCIAは合同チームを結成、両機関の代表者としてニック・メンフィスとスーザン・オカダがボブ・リーを訪ねクルーズの捜索を要請した。
クルーズの真意とは? FBIとCIAの目論みは? 傭兵チームの正体は? そしてボブはどう動くのか?

ハンターが、ついにアフガンを扱います。
そして、テロリズムを。

シリーズ史上、最大規模のスケールで送る
スナイプ・アクションの金字塔。
最高にエキサイティングな時間をお約束します。

お楽しみに!!! (編集Y)

2011年12月 1日 19:41 | | コメント(3)

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