2013年8月アーカイブ

リチャード・マシスン『縮みゆく男』が、ついに書店店頭に並びます。

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「リチャード・マシスンにしかなしえない、恐怖と胸に迫る感動を兼ねそなえた最上級のサスペンス」――ディーン・クーンツ

「かつてない恐怖と、すばらしい冒険の物語。これほど他人に薦めてきた小説はすくない。これからはじめて読む人たちがうらやましい」――スティーヴン・キング

そして、町山智浩氏にいただいた解説の表題は、『私も縮みゆく男だった I Was A Middle-Aged Shrinking Man』・・・・(なんてイカしたタイトル!)。

そう、あなたも、「縮みゆく男」かもしれないのです。
日々の経過と、加齢と、衰えのなかで、われわれは皆、何かを喪いながら生きています。
喪うのは、地位かもしれないし、誇りかもしれないし、家族かもしれない。身体の自由かもしれない。
あるいは命かもしれない。
人は誰しも一度は(あるいは一度だけ)死ぬものです。

そんななかで、なお生き抜こうとする意志。最後まで抗おうとする反骨心。
そうして戦い抜くことで得られる、人生の本当の意味。

SFふうの体裁で描かれたこの「寓話」を通じて、マシスンが語りかけてくるのは、そんな実存主義的なテーマです。

一日に7分の1インチずつ身長が縮んでゆく男が、黒後家蜘蛛と戦う・・・・。
設定だけ聞くと、なんだそりゃ、と思う方もいるかもしれません。

しかしその実、本書で扱われている題材は、大変に現代的です。
放射能恐怖。薬害。マスコミ禍。
男性の権威の喪失。あるいは中性化。
社会と家庭の恒常的ストレス。
死に際してのQOLの維持と、心の準備・・・・。

まさに、今の時代にこそ読まれるにふさわしい一書ではないか。
編集者はそう考えています。

SF界の巨星ハーラン・エリスンが、『白鯨』に匹敵するアメリカ文学の傑作として評価しているくらいの名作。ぜひ、ご一読ください!(編集Y)

2013年8月31日 19:23 | | コメント(0)

遅々として進まぬ『シュリンキングマン』の映画化と、せまる版権切れ。

実は、もうひとつ、我々にとってはずっと気にかかっていることがありました。

本書を翻訳してくださった本間有さんこと黒田直見さんは、2009年12月に逝去されました。編集者は『ロマンス作家「殺人」事件』と『ある日系人の肖像』の二冊でご一緒させていただきましたが、大変丁寧な仕事をされる翻訳者さんでした。
新訳版『縮みゆく男』は、弊社の依頼を受けて本間さんが訳了されたあと、映画化の遅滞にあわせて発売時期が延びてしまった、いわゆる「塩漬け」案件でした。

そんななか、我々にもたらされた本間さんの訃報は、あまりに唐突なものでした。

当時、Tがこんな記事をアップしています。(こちら

まだお若かったということもありますが、本来なら生前に出せていたはずの本の出版を、こちらの都合で延ばしていたこと、もし連絡を頻繁にとりあっていれば、お加減についてこちらも何らかの形で気づけただろうことを思うと、今も悔やまれてなりません。

ですから、どういう形であっても、いつの日かこの原稿をちゃんと書籍化して世に出すというのは、前任の編集者との約束でもあり、ご遺族の方との約束でもあったのでした。

本書は、マシスンの追悼本であると同時に、我々にとっては本間さんの追悼本でもあります。
こうして、本間さんの遺した最後のお仕事を、三年越しではありますがようやく世に問うことができて、正直すこし胸のつかえがとれた思いです。
ご遺族からは、ちょうど今日、ご仏前に本書を供えてご報告されるとうかがいました。
あらためて、本間さんに感謝し、完成した本書を捧げたいと思います。

巻末には、本間さんによる、女性ならではの視点から書かれた含蓄のあるあとがきが収録されています。マレルと町山さんのあとがきと合わせて、熟読玩味していただければと思います。
あとがきの附として本間さんの作品リストも入れさせていただきました。多少奇異な印象を持たれた方もいらっしゃるかもしれませんが、上記のような経緯があってのこととご理解を賜われば幸いです。

結局、本間さんの生前に映画はできなかったところか、その後、製作は頓挫してしまいました。
でも、帯にも歌いましたとおり、本作はMGMで仕切り直しの再映画化が進められています。
おそらくマシスン亡きあとも、息子のリチャード・クリスチャン・マシスンが脚本を書き継いでくれることでしょう。公開されるのが楽しみです。

それまでに、一人でも多くの方が、この素晴らしい作品を手にとって、読んでくださることを祈ってやみません。(編集Y)

2013年8月31日 19:14 | | コメント(0)

リチャード・マシスンが今年6月に亡くなったのは、記憶に新しいところだと思います。
日本では、キングやクーンツほどの知名度はないかもしれませんが、
本国アメリカでは、知らぬ人のいない国を代表する大作家さん。

『激突!』『アイ・アム・レジェンド』の原作者といえばわかるかもしれません。

弊社でも『奇術師の密室』『深夜の逃亡者』の二冊を出しています。

あらためまして、謹んでご冥福をお祈りいたします。

そこで!

8月末刊でチャールズ・ボーモントの短篇集をお届けすると予告しておりましたが、
急きょ、予定を変更いたしまして、前々からじつは準備だけはしておりましたマシスンの代表作『縮みゆく男』(早川版と映画タイトルは『縮むゆく人間』)を完全新訳版で復刊することにいたしました。(ボーモントは、9月の末にお届けすることにいたします。)


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解説は町山智浩さん。これがもう、圧倒的にすばらしい!! ほんとうに頼んで良かったと心底思える名解説!

さらに、『ランボー』の原作者であるデイヴィッド・マレルによる、きわめて詳細かつ緻密な愛蔵版「あとがき」を併録。

この二本のすばらしい論評を読むためだけでも、すべてのSF、ミステリー、ホラーのジャンルファンは、ぜひ手にとってほしい!!


リチャード・マシスンの訃報は、衝撃的なニュースでした。
87歳と高齢ながらも、『闇の王国』(ハヤカワ文庫)とか、『Generations』とか、新刊も出していたし、何より『縮みゆく人間』再映画化で息子とともに共同脚本・製作にあたるというニュースが今年の2月に流れていたので、まさか亡くなるとは思っていませんでいた。
実は、映画が無事完成した暁には、今度こそ、ずっと手元で暖めていた原稿......『シュリンキングマン』の新訳を世に問う予定だったのです。

今度こそ、と申しますのは、本書はもともと何年か前にエディ・マーフィ主演でユニバーサルのもと再映画化されることが決定しておりまして、それに合わせて前任者のTが権利を獲得したものだったんですね。
ラスベガスのマジシャンが魔法をかけられて......というコメディー・タッチに翻案してあったらしいのですが、この映画化プロジェクトがどういうわけか(ままあることですが)暗礁に乗り上げてしまいます。
さあ、困った。いつ映画ができるかわからない。かといって、なんのフックもなく復刊するのは難しい。
悩みながらも手元で塩漬けにしているうちに、3年が経過。本自体の出版契約期限切れもせまってきます。
そこにエディ・マーフィ版の契約期限切れと、MGMによる再映画化の話が立ち上がったわけです。
よし、ようやく新訳版を世に出せる!

マシスンの訃報は、このような状況下で届けられたのでした。(編集Y 以下続く)

2013年8月22日 18:17 | | コメント(3)

 エリザベス・ピーターズとバーバラ・マイクルズの2つのペンネームを使い、ミステリーやサスペンスを生みつづけたバーバラ・マーツ(本名)が、8月8日にメリーランド州の自宅で亡くなったということです。
 85歳でした。

 23歳でエジプト学で博士号を修得しますが、第二次大戦後で研究者の職を見つけられないのではないかとの懸念から、結婚して2人の子供を育てます。
 本名でエジプトの本を出版したのち、バーバラ・マイクルズ名義でヴィクトリア朝を舞台にしたサスペンスで小説家デビュー。
 その後、歴史ミステリーを発表する際に、彼女はまた新たなペンネームを作ります。娘のエリザベスさんと息子のピーターさんの名をくっつけた、エリザベス・ピーターズの誕生です。
 旺盛な作家活動をつづけた彼女はベストセラー作家となり、1998年にはMWAのグランド・マスター賞も受賞しました。

 扶桑社海外文庫では、マイクルズ名義の『残り火』(片岡しのぶ訳)と『不思議な遺言』(細身遙子訳)を出版。
 ピーターズ名義では、図書館司書から作家に転身するジャクリーン・カービーが活躍する『リチャード三世「殺人」事件』(安野玲訳)、『ロマンス作家「殺人」事件』(本間有訳)、『ベストセラー「殺人」事件』(田村義進訳)があります。
 その他、ピーターズ名義のアメリア・ピーボディ(ピーバディー)シリーズの『砂州にひそむワニ』(青柳伸子訳/原書房)が紹介されています。

2013年8月 9日 11:35 | | コメント(0)

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