2014年3月アーカイブ

皆様、新刊の紹介の前にひとこと。本欄右のバナーをご覧ください。

周年企画の一環として、扶桑社海外文庫の現担当・前担当・ケッチャム信者兼販売担当の三人で、うちわの座談会をさせていただきました。

Twitter などでも、杉江松恋さん、白石朗さん他、皆様のお声がけをいただいたおかげで、過分なまでのご注目を頂戴して、深く感謝いたしております。初日だけで1000くらいアクセスがあったと担当者がいっておりました。本当にありがとうございました。

特に、扶桑社ミステリーのマイBESTとして、いろいろなタイトルを皆様にあげていただき、こんなにうれしいことはありません。そうそう、ドビンズ『奇妙な人生』はガチ傑作ですよね・・・それから『踊る女』こそはジョン・ソールの・・・いや、これをやりだしたらきりがないか。

皆様から寄せられた声は、必ずや今後の販売促進につなげていきたいと考えております。

 

まずは第一回として、さわりの部分がアップされていますが、これからよりディープな話題が更新されてゆく予定です。第二回配信まで今しばらくお待ちください。

 

それでは、今月の新刊のご紹介を、担当いたしました編集Iから。ゲラで読みましたが、とてもいい作品ですよ!(編集Y)

 

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北アイルランド在住の女性作家、ジョー・バニスター『摩天楼の密室』をご紹介します。
バニスターは、本邦ではこれが初の翻訳出版となりますが、すでに30以上の長編を発表している実力派です。
その文章力、描写力がしばしば称賛の的になってきました。

本作はそんなバニスターが1997年に発表したミステリーです。
邦題からもわかるように、密室を題材にした作品ですが、その舞台が建築中の高層ホテル、そのペントハウスというのが読みどころの一つとなっています。
建築業者の手違いからエレベーターの電源が落ち、最上階で心理カウンセリングに参加していた人々が取り残されます。固定電話も携帯電話もありません。
そこで不可解な事件が立て続けに起こり、無残な死が忍び寄ってくる......。
おなじみの、「犯人はこの中にいる!」という展開ではあります。
カーカス・レビューは、本作をして「最上のパスティーシュ」と称しました。
さてしかし、実質的に密室となったペントハウスには、エレベーター・シャフトという地上への通路があります。
高層階にいる者にとっては無用の回路でしかないわけですが、このなにもない空間の存在(というのもヘンですけど)と、そこを貫く垂直の運動性こそ、物語にツイストを与え、本作を不穏で魅惑的な響きを持つ独特な作品にしています。

キャラクターの巧みな書き分け、種々雑多な細部を書き出す筆捌き......本邦初お目見えとなる「バニスター調」をご堪能ください。
(編集I)

2014年3月 3日 14:33 | | コメント(0)

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