まず最初に。
本作の主人公ジャック・カートランドは、竹書房さんの〈シグマ・フォース〉シリーズ『ギルドの系譜』にも、ちょい役ではありますが、登場しております。
〈シグマ・フォース〉シリーズを愛読されている皆様! ぜひ、こちらにも手を伸ばしていただければ幸いです!

 

ロリンズは、弊社でご紹介してきたノンシリーズの作品群において、極地、地底世界、アマゾンの密林など、毎回デイヴィッド・アッテンボローばりのフットワークの軽さで、厳しい自然の限界状況――いわゆる「秘境」での探検・冒険劇を扱ってきました。

 

今回の舞台は、深海。
まさに、ザ・秘境オブ秘境ですね。

日本でも、邦人研究者によるダイオウイカ撮影成功というビッグニュース以降、テレビの特別番組や、科学博物館での「深海」展、「へんないきもの」本などを通じて、一般の人びとのあいだで急速に深海への関心が高まっているかのように思えます。

 

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あらすじはこんな感じです。

 

新世紀最初の日食。世界中の人びとが黒い太陽から放たれるフレアに見とれていたそのとき、巨大地震が太平洋全域を襲う。

中部太平洋で沈没船調査をしていたジャックのもとには米海軍からの救援要請が届いた。

米大統領を乗せたエアフォース・ワンが太平洋上空で姿を消したのだ。軍に遺恨のあるジャックは渋りながらも捜索に乗り出す。一方そのころ人類学者のカレンは、与那国島沖に沈むという〈ドラゴン〉と呼ばれる遺跡に向かっていた。そこで彼女は地震で隆起した古代都市を目にして......。

 

本作は、太平洋沿岸域での巨大地震勃発から話が始まりますが、本書が本国で刊行されたのは2000年でして、2011年より10年以上も前に書かれた物語なんですね。

前半、ヒーローとヒロインは、それぞれ別の場所で調査にあたります。
一つは、〈バミューダ・トライアングル〉から見て地球の裏側にあたる〈ドラゴン・トライアングル〉海域で、大統領専用機エアフォース・ワンが墜落、その捜索にジャック船長率いる海洋探索船〈ディープ・ファゾム〉が駆り出されるという流れ。
もう一つは、海底地震の影響で突如、与那国島沖に浮上した古代遺跡を、女性人類学者カレンが友人の日本人コンピュータ研究者ミユキと極秘調査する流れ。

 

やがて、〈ドラゴン・トライアングル〉の海底にそびえ立つ謎の巨大石柱と、与那国島の遺跡の双方から、共通の古代文字が発見されるに至って、いよいよ二つのチームは合流することに。ここから、ロリンズ印の大冒険活劇が、今回も加速していきます。

 

あとはまあ、とにかく読んで下さい。
いやー、やっぱりめちゃくちゃ面白いですよ、ロリンズ。

 

大地震、深海探検、巨大生物、未知の遺跡、超古代文字(わかる)、
→ 天変地異、核戦争勃発(えっ?)
→ 地球滅亡の危機(えっ?ええっ?)。

 

ロリンズらしい大風呂敷の広げ方は相変わらずですが、今回は、けっこうマジで大変なカタストロフィに発展。いつものように主人公が水際で何とかするのかと思いきや、なんだかどんどんひどい感じで事態が悪化していきます。
おいおい、どうするのこれ??
さすがにこの風呂敷閉じるのはロリンズにしても難しいんじゃ?
......と思わせておいての、まさかの大ネタ炸裂! 
個人的には、思い切りしてやられました。うわああ、そうきたか、と。

 

巨匠ロリンズが魅せるストーリーテリングの妙。
ぜひご堪能ください!!

 

---

 

なお、本書で登場する与那国島海底地形は、1986年に発見された実在する有名なスポットで、ダイビングのメッカとしても知られています。現在でも人工遺物なのか、それとも自然地形なのかという論争が続いており、そのうち海底遺跡説を唱えている代表的研究者が、1992年から実地調査にあたった、琉球大学理学部教授(当時、現名誉教授)の木村政昭さん(海洋地質学、地震学)です。
本書の78頁でも、

 

〈沖縄のドラゴン〉は一九九一年、琉球大学の地質学教授、マサアキ・キムラによって、与那国島沖合で発見された一対の水中ピラミッドである。キムラ教授はこのピラミッドを、中央アメリカ、古代マヤ遺跡で発見されたものと比較している。

 

という形でしっかり記述されています。ちなみに今回、文庫の装丁には実際の与那国海底地形の写真を使用してみました。なかなか雰囲気が出ているのではないでしょうか。


弊社では、もう1冊(最後の1冊ですが)、ロリンズのノンシリーズ作品『Excavation』の版権を獲得しております。

こちらも(出し惜しみせず)来年くらいにお届けできれば、と考えておりますので、よろしくお願いいたします。(編集Y) 

2017年7月31日 16:15

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