お待たせいたしました! 二ヶ月ぶりのクライブ・カッスラーの新刊『ソロモン海底都市の呪いを解け!(上・下)』。今回は、愛すべきトレジャー・ハンター・コンビ、ファーゴ夫妻ものの最新刊です。

共著者は、前作にひきつづきラッセル・ブレイクが務めています。

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今回の二人は、ソロモン諸島のガダルカナル島にやってきています。

二人の友人である考古学者から、ソロモン諸島沖の海底で人工遺物を発見したとの連絡が入り、その調査の援軍として島を訪れたのです。

いざ調べてみると、遺物は840年ほど前に自然災害によって沈んだ建造物の可能性がでてきて、調査は本格化。やがて二人は、傲慢な王が都市を建設したが、神々の怒りで破壊され呪いがかけられたとの伝承を知ります。しかし島で言い伝えられているのはそれだけではありませんでした。密林の洞窟群に住み、人間を食らう「巨人族」の伝説。実際、島では子供の失踪事件が頻発していました。

(一応、勘違いされる向きも多いかと思うのでご注意いただきたいのですが、本書の「ソロモンの呪い」は、「ソロモン王の呪い」ではなくて、あくまで「ソロモン諸島の呪い」ということなんですね)

そんななか、ファーゴ夫妻は聞き取り調査の途中、何者かの襲撃に遭って、九死に一生を得ます。さらには反政府勢力が台頭し、 島にはいつしか不穏な気配がみなぎってきて・・・。

大規模な潜水調査の結果発見される、巨万の財宝の痕跡。

いよいよ高まってくる暴動のきざしと、暗躍する何者かの影。

やがて夫妻は、島に隠された驚くべき秘密を知ることになるのです。

 

さて、本書の見どころとしては、何と言ってもファーゴ夫妻の日本上陸があげられるでしょう。

海底遺跡と財宝のゆくえを解くカギが、第二次世界大戦中にガダルカナル島沖に沈没したと思しき日本軍駆逐艦に隠されていると知ったふたりは、乗船していた日本軍将校の子孫に話を聴くべく、成田へ飛ぶのです。

まあ、なぜか目的地は東京ではなく、千葉の佐原なんですが(笑)。東京より空港に近い、ってネタをやりたかったのかな? あと、来る経緯が日本人にとってはちょっと刺激の強いネタなので、多少読者を選ぶかもしれませんが。

 

もう一点、今回は、比較的地味にスタートして、漸進的に物語のスケールを拡大させていく組み立てが顕著なのも特徴かと思います。

序盤は、油断してたらワニに食われたさあ大変みたいな、牧歌的なドメスティック・アクションをやってたのが、下巻では内乱危機で戒厳令みたいになってるわ、恐るべき陰謀(本当に今回の悪玉は超ろくでもない)の真相が明らかになるわで、なかなかにどえらいことになっております。

また、前半の海洋調査から一転して、後半は壮大な鍾乳洞アドベンチャーとなりますので、地底ものがお好きな皆様には、必ずや喜んでいただけるかと。

ゲストキャラも魅力的。とくにオーソン・マンチェスターという島の国会議員が出て来るのですが、これが非常にインパクトのある人物で、作品のカラーを決定する役割を果たしています。

それと、個人的感想ですが、今回はサムとレミの掛け合いが、いつも以上に数が多いし、切れもいいような気が。なんといっても、編集者のなかではファーゴ夫妻シリーズは、『探偵ハート&ハート』のトレジャー・ハント・アドヴェンチャー版といった位置づけなので(笑)、こういう気の利いたラブラブなやりとりがあるとやっぱり胸躍りますね。

 

お正月休み。あんまり小難しい本は読みたくないですよね? そんな貴方にほろ酔い気分のお屠蘇気分で愉しく読んでほしい、圧倒的リーダビリティとサーヴィス精神に支えられた極上エンターテインメント。よろしくお願いいたします!

なお予定は未定ですが、次回のカッスラーは2018年の夏ごろにオレゴン・ファイル・シリーズの最新刊をお届けするつもりです。こちらも、ぜひご期待ください。

 

末筆ではございますが、今年も一年間、扶桑社ミステリーにご愛顧賜り、誠にありがとうございました。来年も、よりパワーアップしたラインナップで、皆様のご期待に何とかこたえていければと思っております。引き続きのご愛顧のほど、衷心よりお願い申し上げます。

(編集Y)

 

 

 

2017年12月27日 07:56

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