20193月末、すでに当欄でご紹介したカッスラーの新刊とあわせまして、弊社販売部の主導のもと、十数年ぶりに、とある傑作サスペンスが復刊されました。

 

スコット・スミス著『シンプル・プラン』!

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そう、かつて『このミステリーがすごい!』1995年版第1を獲得した、扶桑社ミステリーを代表する一作です。

ある雪の日に、町外れで、墜落した小型飛行機の残骸と、パイロットの死体、それに440万ドルの現金が詰まった袋に出くわしてしまった3人がたどる、恐るべき運命とは――

デビュー作にしてすでに、圧倒的な完成度とリーダビリティを誇るその内容は、多くの読者にただ事ならぬ衝撃を与えました。さらには刊行後、サム・ライミ監督による映画化作品も公開され、これまた大きな話題を呼びました。

 

販売部が本作の復刊を考え始めたそもそものきっかけは、『このミス』2019年版でおこなわれた「30年間の1位作品からベストを選ぶ」という企画「キング・オブ・キングス」で、『シンプル・プラン』が6位に選ばれたことでした(1位は『薔薇の名前』ですが、弊社刊のジム・トンプスン著『ポップ1280』も、第5位にランクインしております!)

 

販売部から復刊の打診があって、編集者もすぐに動きました。まず翻訳者の近藤純夫さんと連絡をとり、情報更新も兼ねて、訳者あとがきを新たにご執筆いただきました。

評論家の池上冬樹さんからは、

 

犯罪小説の金字塔。一度は読むべき絶対的名作! 一歩間違えれば人はみな狂った道を転がり落ちるという恐怖をとことん味わわせてくれる。

 

という大絶賛のお言葉をいただき(この作品のためなら、もういくらでも褒めますよ、とは池上先生の言!)、現在、新帯をまいて全国の書店さんにて展開中でございます。

長らく品切れ状態となっておりましたが、こうしてまた、新たな装いのもとあの傑作を皆様にお届けできる。編集部といたしましても、たいへん嬉しい話でございます! 

 

 

 で、ようやく本題なのですが......

ここからは、販売促進部二年目のホープMくんが訊いてきてくれた、ときわ書房本店の文庫担当・宇田川拓也さんのインタビューをお届けしたいと思います!

 なんでも、Mくんから復刊を伝えると「平積み展開したいから50部ほしい」とおっしゃって、早速ご注文いただけたとのこと!(涙) さらには、こんな素晴らしい推薦コメントまで寄せてくださいました。

 

『手を汚し、罪を重ね、堕ちて堕ちて堕ち続ける。誰の内にもある人間の愚かしさと恐ろしさをこれほどシンプルな構成で深く生々しく残酷に掘り下げた、一瞬も目が離せないほど強烈な小説は他にない。』

 

作品愛に満ちた推薦の辞、本当にありがとうございます!

 

というわけで、弊社Mくんが宇田川さんから伺ってきた、『シンプル・プラン』と「扶桑社ミステリー」の魅力についての含蓄あるお話を、存分にお楽しみください!

 


 ――『シンプル・プラン』はどんな人におすすめですか

 

 この作品は、犯罪小説に興味を持った人にはもちろんのこと、改めて読み巧者やマニアの方々にも手にとってほしいです。手に入りにくい期間がここ数年あったわけですから、いま犯罪小説ファンでも未読の方がいてもおかしくないですよね。そうした人にはぜひ読んでいただいて、『シンプル・プラン』には犯罪小説マニア全世代必須の通過点となってほしい。

 1995年邦訳作品ではありますが、古びにくさ、そして何度でも再読に耐え、何度でも読者の心を揺さぶる底力がこの作品にはあります。

 また、もし「映画は観たことある」で終わっている人がいたら、それはもったいない! ぜひともすぐに読んでください()



――扶桑社では今回はじめて復刊企画をおこないましたが、こうした企画やフェアについてはどうお考えですか

 

それはもう、大歓迎です!

内容はいいのに時流に乗れなかったなどの理由で埋もれていった作品はたくさんあるので、そういったタイトルを現代に復活させるのは、新旧のミステリファンにも喜ばれるのではないでしょうか。

 新刊で出た際には、ファンも盛りあがってブームにもなります。でもそれが過ぎてしまうと区切りがついてしまい、いつの間にか手に入りにくくなってしまう、というもったいない作品は多くありますよね。

まさに『シンプル・プラン』もそうで、ついこのあいだまで絶版に近い状態だったというのが信じられません。でも今回の復刊を再燃のきっかけとして、ロングセラーとなってほしいですね。

 

 

――「扶桑社ミステリー文庫」についてはどのような印象をお持ちですか?

 

 単に優れた作品だけでなく、思いがけない異色作やB級テイストな作品にも理解があるラインナップ、といったものでしょうか()

 古典や本格ミステリーを出したかと思えば、『インターンズ・ハンドブック』のような変わり種も出す。その視野の広さが面白いと思いますし、老舗の早川書房さんや東京創元社さんとは異なる姿勢で作品を紹介してくださるのは非常に重要な役割だとも思います。

 


――宇田川さんにとって印象深い扶桑社ミステリーのタイトルは?

 

クレイグ・トーマスの『闇の奥へ』(註・田村源二翻訳・1989年刊)です。

 いまではクレイグ・トーマスの作品というと『ファイアフォックス』(ハヤカワ文庫NV)くらいしか手に入らなくなってしまいましたね。

この『闇の奥へ』という作品は、『ファイアフォックス』の主人公である米空軍パイロットのミッチェル・ガントと並ぶクレイグ・トーマス作品の看板キャラ、SIS(英国情報局秘密情報部)工作員のパトリック・ハイドが、長官ケネス・オーブリーのスパイ容疑の真相と黒幕を満身創痍になって追いかける謀略冒険小説の傑作です。苛烈極まりない「ミッション:インポッシブル」のようなテイストが、いまでもとても気に入っています。

また、扶桑社ミステリーでもうひとつ欠かせないものといえば、やっぱり赤い背表紙の「ホラー」でしょうか......。スティーヴン・キングやクーンツ、マキャモン。当時十代だった自分にとって特別な作家たちの作品が「赤背」にはたくさんありました。


 

――今後復刊シリーズは続いていくかもしれませんが、その第一歩となる『シンプル・プラン』にはどんな期待をされていますか

 

 先日店に届いた『シンプル・プラン』の店頭POPを見て、驚きました。「まだ25万部なのか」って。正直もっともっと売れていたような感覚がありました。

 私は100万部売れてもおかしくない内容だと思っていますので、そうなると、あと75万もの人に今後お求めいただける可能性がある(笑)。この本をこれから75万人に届けていくとして、そのうち少なくとも74.5万人には間違いなく面白いと思ってもらえるはずです。

 

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――というわけで、復刊したての『シンプル・プラン』、かつて読んだ方もまだ読んでいないという方も、ぜひお手に取ってください。一気読み必至の作品です!

 また、船橋を支える本屋さん・ときわ書房本店にも足を運んでみてくださいね!(販売促進M)


~今回お話を聞いた本屋さん~

■ときわ書房本店

千葉県船橋市本町4-2-17 JR船橋駅南口より徒歩1分

営業時間:10:00~24:00(日・祝23:00) TEL:047-424-0750

2019年4月16日 12:07

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