われらがジャック・ケッチャム先生が亡くなってから、はや2年。

(そのときの追悼記事は こちら

このたび、扶桑社では命日の1月24日に合わせまして、当然ながら日本全国津々浦々の書店さんでケッチャム・フェアが開催されることを期して、2月頭に著者の代表作&デビュー作である『オフシーズン』を新刊扱いで復刊いたしました!

10年以上にわたって、ながらく品切れ扱いが続いていた本書を、ようやく書店の店頭でみなさんにお届けできるようになったことを、心からうれしく思います!

 

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 昨年復刊した『シンプル・プラン』(スコット・スミス 近藤純夫訳)同様、カヴァーは旧作のままで、帯だけ新帯に変更しての復刊でございます。

帯には、愛蔵版公刊時に付されたスティーヴン・キングの推薦文。いわく、

 

『全米一怖い作家は誰だ? きっとジャック・ケッチャムさ。

「オフシーズン」の無修正版を感謝祭の日に読んだら、きっとクリスマスの日まで眠れなくなること請け合いだ。スティーヴおじさんが警告しなかったなんて言うなよ、はっはっは......』

 

風間賢二さんの旧版あとがきは、ケッチャムデビュー当時の空気感と世の中の評価が伝わってくる歴史的価値のある評論ですので、そのまま再録いたしました。

代わりといってはなんですが、訳者の金子浩さんに、ケッチャム逝去後の最新の状況を簡潔にまとめたあとがきを、新たに書いていただきました。

あらためまして、あらすじはこちら。

 

避暑客が去り冷たい秋風が吹き始めた九月のメイン州の避暑地。

ニューヨークから六人の男女が休暇をとって当地にやって来る。

最初に到着したのは書箱編集者のカーラ。すこし遅れて、彼女の現在のボーイフレンドのジム、彼女の妹のマージーとそのボーイフレンドのダン、そしてカーラのかつてのボーイフレンドのニックとそのガールフレンドのローラが到着した。

六人全員が到着した晩に事件は勃発した。

当地に住む"食人族"が六人に襲い掛かったのだ。

"食人族"対"都会族"の凄惨な死闘が開始する。

 

ケッチャムといえばみなさん、『隣の家の少女』を想起される方がほとんどかと存じます。

でも、『オフシーズン』こそは、彼のもう一つの代表作。ゆめ読み逃してはなりません。

デビュー作でありながら、あまりの内容の凄惨さにビビった出版社の検閲まがいの発禁処分にあって、長らく幻となっていた大問題作。

両作を揃えてこそ、ケッチャムという作家は初めて理解できる、といっても過言ではないでしょう。

 

突然ふりかかる天災のような暴力と、繰り広げられる露悪的なまでに過剰な血みどろの惨劇。

苦難に立ち向かう者たちへと向けられる思いのほか真摯なまなざしと、彼らが迎える結末の善悪を超えたある種の絶対的な平等性。

デビュー作には作家のすべてがあらわれる、とはよくいう言い回しですが、まさにここには、ジャック・ケッチャムという偉大な作家の文学的本質が、まざまざと刻印されています。

あと、なんとしても読んでいただきたいのが、〈作者あとがき〉。

出版社とのいざこざを熱い筆致で活写しつつ、ケッチャム自身の口から、自らの作家性のなんたるかがきわめて明快に語られています。

 

さまざまな恐怖と災厄に直面して、誰もが不安におののく今日にこそ、本書はこの苛烈で不透明な世界の真実と向き合う一書になるやもしれぬ、とすら編集者はひそかに考えています。

遺された未訳作をお届けするという編集者&翻訳者さんの野望をかなえる足がかりとしても、ぜひ皆さんのお力添えをいただければ幸いです!(編集Y)

 

 

 

 

2020年3月10日 21:47

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