先月の既刊を今ごろアップしてすみません! 
もうレヴィンソン&リンク『皮肉な終幕』は読んでいただけたでしょうか。
編集部に復帰した編集Tが長年温めてきた好企画。
海外短編好きには、こたえられない一作だと思います。
ぜひ「買って」応援していただければ!

同月刊で、トム・クランシー&スティーヴ・ピチェニック〈トム・クランシーのオプ・センター〉シリーズ新章第4弾『暗黒地帯(ダーク・ゾーン)』(上・下)も発刊いたしました。
こちらも合わせてお楽しみください。

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あらすじはこんな感じです。

ニューヨークでウクライナの女性諜報員がロシアの暗殺者の手にかかって殺された。
直前に彼女と会っていた元駐ウクライナ米大使ダグラス・フラナリーも命の危険を感じて、オプ・センター作戦部長ブライアン・ドーソンに助けを求める。
どうやらウクライナ軍の離叛分子が、国境近くのロシア基地への侵攻作戦を計画しているらしい。
いまロシアとウクライナの間に火が付くと、世界大戦の引き金になりかねない。
オプ・センター長官チェイス・ウィリアムズはフラナリーの保護と事態への介入を決断する。

今回の舞台はウクライナ
中東(イラン&サウジ)、北朝鮮、中東(ISIS)と続いてきた本シリーズで、若干縁遠い地帯かもしれませんが、ロシアによる侵攻作戦以降、もっともホットな戦略地域だといっていいでしょう。

本作のタイトル「暗黒地帯(ダーク・ゾーン)」は、作中に登場するプーチン大統領その人が部下に語る内容から取られています。

「抵抗を受けずにウクライナに侵入したい」プーチンはつづけた。「スッジャのわれわれの部隊のプレゼンスがきわめて優勢に見られれば、戦う必要がなくなるだろう。ああ、たしかにわれわれには、突入できるような戦車と兵員と砲兵がある。だが、未来の戦争は心理戦だ。巧みな配置、二十四時間態勢の活動、兵士の士気がきわめて高いのを見せつけることで、スッジャが濃い影を落とすようにする。完全な暗黒地帯(ダーク・ゾーン)を創りあげ、だれであろうとわれわれに挑むのを怖れるよう仕向ける。そうしておいてから、なんの支障もなく進撃する。......」(上巻p116より)

要するに、対外的に「得体の知れない怖い国」という印象を強めていくことで、核や実際の軍事行動に頼らずに勝利していきたい、というロシア側のイメージ戦略を表してる語ですね。
北方領土問題を抱える日本にとって、ロシアは決して友好一本槍の国ではありません。
そういったロシアの国としてのあり方も考えながら読んでいただけば、「身近な」謀略小説として楽しんでいただけるのではないでしょうか。

これまでの新〈オプ・センター〉シリーズは、あくまで戦略&アクションがメインで、登場人物は若干コマのような扱いで組み立てられていた感がありますが、今回はかなりブライアン・ドーソンや各メンバーの心理描写に力が入れられています。
また、「発生してしまった大きな事件に対応する流れ」から「大きな事件が起きないように事前に対処する流れ」にプロットが変更されているのも、本来のオプ・センターのあり方に近いかもしれません(その分、話が地味になった懸念もありますが)。
このあたり、ライター陣にジョージ・ガルドリシに加えて、旧〈オプ・センター〉シリーズのジェフ・ロヴィンが戻ってきたことも影響しているのかもしれませんね。

次の〈オプ・センター〉シリーズは、新章第5弾『For Honor』を、来年春くらいに出せればと考えております。ロシアとイランが結託したミサイルの脅威に、オプ・センターの面々が立ち向かいます。こちらもお楽しみに。(編集Y)










2021年10月 2日 23:46

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