今月の新刊はもう手に取っていただけたでしょうか。
クライブ・カッスラー&ロビン・バーセルによる、『ヴァンダル王国の神託を解き明かせ!』。ファーゴ夫妻ものの第11弾となります。

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あらすじはこんな感じです。

ファーゴ夫妻は、財政的に支援しているチュニジアの遺跡発掘計画の会計処理に不正の気配を嗅ぎ取る。
夫妻はアフリカに飛んで、発掘の責任者でレミの大学時代の親友レネイ博士に直接会って帳簿を精査しようとするが、再会の喜びもつかの間レネイは足場の崩落事故で怪我を負う。
一方、夫妻がナイジェリアの自然公園内に建設中の女子学校で、開校準備のための輸送物資が何
者かに強奪される事件が発生。夫妻自らが新たな物資を運ぶ役を買って出たものの、トラックを狙う怪しい影が迫ってくる。
攻防のなかで、ファーゴ夫妻は街のギャングに使われていたナイジェリア人の少女ナーシャを救い出し、絆を深めていく。さらには、女子学校を占拠して身代金を得ようと画策する武装集団との壮絶な死闘が二人を待ち受ける。
やがてチュニジアに戻った二人は、すべての謎が現地で発掘が進められているヴァンダル王国の遺跡とつながっていることに気づく。古代より巫女に継承されてきた「神託」の真の意味とは? 
アフリカの地を舞台に巨匠が贈る冒険活劇の決定版!

カッスラー最晩年の時期の共作ということもあってか、今回はロビン・バーセルの関心や興味の強く打ち出された一作になっているというのが、編集を担当しての率直な感想です。
ロビン・バーセルは、気づいていない方もいらっしゃるかもしれませんが、女流作家さんです。
単独では、FBI捜査官ものの国際スリラーと、サンフランシスコの女性刑事を主人公にした警察ものの2シリーズを執筆しています。
今作では、悪党とのガンファイトや、女子生徒たちを連れての逃避行など、レミが身体を張って戦うシーンが明らかに増えていて、「強い女性」としてのレミ・ファーゴ像がはっきりと打ち出されています。
さらにもうひとりの主人公ともいうべき、ナイジェリア人少女ナーシャの存在と、彼女の八面六臂の大活躍ぶりからも、ロビン・バーセルなりの新機軸が感じられます。
ファーゴ夫妻の慈善活動家としての側面の強調、現代の奴隷として搾取される少年少女の悲劇を描く視点など、社会派的なメッセージ性が高まっているのも、本作の特徴といえるでしょう。

総じて、子供たちの生き生きとした描写は今までのカッスラーにない感じで、とても新鮮な魅力があります。それでいて従来のファーゴ夫妻ものの「お宝さがし」×「Vs悪の組織」の醍醐味も喪われていません。
日本人には若干縁遠いアフリカ中部の大自然や街のようすがクローズアップされているのも、楽しみのひとつです。ぜひご堪能いただければ幸いです。

なお、次回のカッスラーは来年1月刊行予定の『The Devil's Sea』となります。ひさびさのダーク・ピットもの。こちらもお楽しみに!(編集Y)





2021年11月 5日 15:47

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