2022年1月アーカイブ

いよいよ、クリント・イーストウッド監督・主演による『クライ・マッチョ』が1月14日より全国公開となりました。
本作は、監督生活50周年、監督作品40作目の記念作となっております。

それに合わせまして! 扶桑社より、本作の原作『クライ・マッチョ』を緊急出版することになりました。
著者は、N.リチャード・ナッシュ。彼の作品が翻訳されるのは、本邦初となります。翻訳者は、古賀紅美さん。
本書がアメリカで書かれたのは、1975年。それから、何度も映画化の話がありながら、ようやく今回実現した作品でもあります。
映画公開に合わせて13日発売で世に送り出しましたので、今日あたりには全国津々浦々の書店店頭にもう並んでいることかと思います。

カバーはこちら!

クライ・マッチョカバー表1ブログ.jpg

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あらすじはこんな感じです。

かつてロデオスターとして盛名を馳せたマイク・マイロは、落馬事故のあと雇い主のハワードから首を宣告される。
一方で彼から、メキシコで母親と住む息子のラファエルを米テキサスに住む自分のもとに送り届けることができれば、5万ドルを支払うという仕事の依頼を受ける。メキシコに向かったマイクは、路上で闘鶏に生きる少年ラファエルを遂に見出すが......。

熾烈な逃避行と、道中の交流を通じて再生してゆくふたりの姿を描き出す、C・イーストウッド監督&主演映画の原作本、遂に本邦初訳!


出だしを見てもらってもわかるとおり、本作にはいろいろと映画版『クライ・マッチョ』とは異なる部分があります。
たとえば、主人公の年齢。
なんと、原作のマイクは38歳なのです。

たしかに、70年代で38歳はそれなりにいい齢だし、ましてロデオやスポーツをやる人間からすると、大ベテランといっていい齢です。
でも、御年91歳になるクリント・イーストウッドが御自ら主演を買って出るってのは、たぶん今は天国にいる著者も、さすがに想定外だったことでしょう(笑)。

映画版は映画版で、「クリント・イーストウッドを愉しむ」作品として、実に味のある作品に仕上がっています。でも手前みそながら、この原作小説のほうも、本当に素晴らしいんですよ。
たぶん、読み始める前に予想されるより、ずっと「ぐっとくる」小説だと思います。

すでに読んでくださった北上次郎さんが、翻訳ミステリー大賞シンジケートの『書評七福神の十二月度ベスト』で、(少し早いですがw)さっそくご紹介くださっています。(こちら
ありがとうございます!!

曰く、
「(前略)映画化のおかげで、1975年の原作が翻訳された波乱万丈のロードノベルだ。
 ふーんと思って読み始めたら、なかなか面白い。
 こういう小品が世界にはまだまだたくさんあることを教えてくれる一冊です。」
とのこと。

そう言っていただけると、担当としても本当にうれしいです。

冒頭、佳境で登場するアクションシーンがそのまま掲載されています。
そこから、そのシーンに至るまでの過程が順を追って語られるわけですが、まずは驚かされるのが、上のあらすじにも書いてあるメインイベント、「少年ラフォ」と出逢うまでが、異様に長い!(笑)

映画では、始まってしばらくしたら、もうマイクはメキシコにいますが、原作ではそこまでに、なんと100ページ以上かかるのです。
じゃあ、何をやってるかというと、マイクの不幸な結末に終わった結婚と、喪った子どもの話がじっくり描き込まれるんですね。で、なぜ敗残のロデオスターであるマイクが、この理不尽で危険な任務に身を投じることにしたかが、筆を費やして描かれる。

原作では、この前提があって、初めて少年ラフォとの出逢いと交流が描かれるわけです。

結果として、原作は映画版と比べて、かなりテイストはシビアだし、アクションも暴力的だし、少年も映画版ほどには素直な性格ではありません。

でも、これはこれで、本当に胸を打つ、本格的な「南部小説」「ロデオ小説」なんですね。

映画を観る前に読むもよし。
映画を観てから読むもよし。

本作を読むことで、クリント・イーストウッドが「自分がこの作品に出るために、どう原作を改変したか」という、大変面白い分析も可能になります(冒頭からラストまで、実に考え抜かれた改変ぶりなんですよ)。

読んだら、観よう!
観たら、読もう!
というわけで、
ぜひ、映画と合わせて、皆さんも原作の魅力に触れていただけると幸いです!

ー ー ー ー

弊社としても、今回の映画化がなければ出すこともなかったし、検討の俎上にすらのぼらなかった作品ではあります。でも、こうやって出してみると、本当にうちから出せて良かった。そう素直に思います。

南部小説の衣鉢を継ぐ、巨匠スティーヴン・ハンターの作品を出している扶桑社。
かつてビリヤードの世界を描いた小説『ハスラー』と、ポーカーの世界を描いた小説『シンシナティ・キッズ』を出していた扶桑社。
直近でチャールズ・ウィルフォードの「闘鶏小説」、『コックファイター』を世に問うてみせた扶桑社。

で、『クライ・マッチョ』ですよ!
この、南部男によるバリバリのロデオ小説を今更、復刻出版するとしたら、やっぱりうちしかないでしょう!?
だろ? なあ、マッチョ?(注:本作に登場する裏主人公であるニワトリの名前)

ちなみに、編集者のなかでは『コックファイター』『クライ・マッチョ』『ナイトメア・アリー 悪夢小路』は、「扶桑社『ニワトリ』三部作」と位置付けられております(笑)。
今あげたようなノワールやギャンブル小説が好きな人にも、100%楽しんでいただける小説だと思います。皆様、ぜひご一読ください! (編集Y)












2022年1月15日 15:43 | | コメント(0)

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