だいたい2年に1作くらいのペースで書き継がれてきたクライブ・カッスラー&ダーク・カッスラーダーク・ピットもの。
その最新作、『悪魔の海の荒波を越えよ』(上・下)(中山善之・訳)がいよいよ発売になりました。ダークが引き続き、著者をつとめています。
内容は、まさに原点回帰のバリバリの海洋&山岳冒険小説で、個人的には扶桑社に移ってからいちばんおもしろいのではないかと。

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あらすじは、こんな感じです。

フィリピン沖のルソン海峡で深海流の調査を行っていたダーク・ピット親子とジョルディーノたちは、突然発生した高波に襲われながらも、海底に沈んでいる古いダグラスC-47輸送機を発見する。
そんな折、サンデッカー副大統領から、中国が最近発射して海に墜落した超高速ミサイルの残骸を中国に先んじて回収せよとの依頼が入る。
ピットとジョルディーノが水中艇でその任務へ向かう一方、ダークとサマーは墜落機の機内を探索、スーツケースの中に収められたチベット製の彫像を発見するが......。

今回、ダーク・ピットとジョルディーノの年長組は、海中探索艇に乗って謎の津波現象と対峙したうえ、遭難して南海の孤島でのサバイバル生活をいやおうなく体験します。いっぽうで、息子のダークと妹サマーの若者コンビは、台湾からインドへと飛び、ヒマラヤの高山地帯でチベット仏教の秘宝を捜索することに。
いわば、「海」と「山」を舞台とした極限のアクションがひたすら続く、ファンにとっては一粒で二度美味しいつくりとなっています。

敵が「中国」というのも、いままさに北京オリンピックが開催されているまっただなかで、なかなかに刺激的な設定ではありますが、チベット問題と台湾問題に焦点を当てた本作の内容は、まさに覇権国の生々しい野望を浮き彫りにしており、時事的にヴィヴィッドな題材選択といえるのではないでしょうか。
ラストには、あの「チベットを象徴する人物」が登場して、お話を締めくくってくれます。

「大国とアメリカとの諜報合戦」に「新型ミサイル開発」と「稀少鉱物」が絡み、海洋での「引き揚げ」合戦で両国がしのぎを削る......本作がまさに『タイタニックを引き揚げろ』と相似形を成すプロットを有するのは、「もう一度初心に帰って、この世界を代表する海洋冒険シリーズをいっそう骨太に盛り上げてゆく」という、ダークの強い決意の現われといっていいでしょう。

読み応え十分、無条件に面白い最強のエンターテインメント、ダーク・ピット・シリーズはこれからも不滅です。ぜひお楽しみください。

なお、3月末にはクライブ・カッスラー&グラハム・ブラウンによる本作の姉妹編、カート・オースチンが大活躍するNUMAファイル・シリーズの第13弾、『The Pharaoh's Secret』(上・下)をお届けする予定です。こちらもお楽しみに! (編集Y)



2022年2月 7日 19:37

コメント(1)

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  • スティーヴンハンターの新作、Targetedの情報が全然発信されない!



    |とっくん|2022年2月17日 12:05

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