新刊案内アーカイブ

また更新が間遠になってしまって、申し訳ありません。

まずは、先月に刊行したクライブ・カッスラー&グラハム・ブラウンの新刊『気象兵器の嵐を打ち払え』(上・下)のご紹介から。

本年2月に逝去した海洋冒険小説の第一人者が贈る、

カート・オースティンが主役を張る〈NUMAファイル〉シリーズの弊社における第2弾。

新潮社さんから数えて、通算第10弾となる作品です。

 

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あらすじはこんな感じです。

 

インド洋を漂流する焼けただれた船が発見された。

水温調査をしていたNUMA(国立海中海洋機関)の双胴船だった。

サルベージと真相究明にモルディブへ向かったオースチンらNUMA特別出動班は、船体の燃え滓の中に異常な物体を大量に見つける。

顕微鏡を覗いてみれば、まるで微小な"機械"のようにも見えるが、これは......。

出動班の面々は手がかりを求め、電子の神と称されるエンジニアにして環境保護主義者のマルケッティのもとに急ぐが、彼らはそこでさらに大きな脅威を目撃することになる。

マルケッティが根城とする人工島で浮かび上がってきたのは、気候の改変を目論む一派の存在だった。

地球環境が激変すれば、あまりにも多くの人間の生活が破壊されることになる。

人工島へ送り込まれた刺客を振り切ったオースチンと相棒のザバーラは、首謀者と目されるイエメンの実業家のもとへ急行する。

待ち受ける危機の連続を知恵とガッツと軽口で乗り越えながら、ふたりは野望粉砕に突き進む。

含み笑いを携えて、カッスラー活劇が最高速度で展開する、"NUMAファイル"シリーズ第10弾。

 

今回のお題は、ナノマシンを用いた「気象兵器」

気象兵器ときくと、嵐を呼んだり、雷撃を放ったりといった魔法のような力の行使を想起する人が多いかもしれません。

しかし今回の敵は、どちらかというと「人喰いアメーバ」のような、不定形の怪物に近いものです。

冒頭で、NUMAの調査船が怪現象に見舞われ、メアリー・セレスト号事件さながらの状況で発見されます。これを引き起こしたのが、くだんの「気象兵器」なんですね。

敵は、この気象兵器を用いて世界を支配しようとする、イエメンの大富豪。

その野望を阻止するべく、快男児カート・オースティンと盟友ジョー・ザバーラが大活躍するというわけです。

作品としては2012年の作品ですが、まさに今にぴったりの「気候改変」ネタ。

カッスラーは、最新のテクノロジーと、最新の社会情勢を作品に組み込むことに、常に尽力してきた作家でした。

 

このあと、追悼めいた形にはなりますが、6月、7月とカッスラー作品の刊行が続きます。

まずは、6月1日発売で、オレゴン号シリーズの最新刊『悪の分身船(ドッペルゲンガー)を撃て!』(上・下)(原題『Final Option』)が発売されます。

翻訳者の伏見威蕃さんが、ここしばらくではダントツに面白いと太鼓判を押す、大傑作!

最強の敵が現れ、ファン・カブリーヨ船長とオレゴン号の仲間たちが、シリーズ最大の危機に見舞われます。

ある意味「節目」となる作品(意味深)。

終盤には、衝撃的な展開が待ちうけています。

ぜひお楽しみに!(編集Y)

2020年5月12日 08:14 | | コメント(0)

 ケン・フォレットの『火の柱』(上・中・下)

 

あの世界2000万部の大ベストセラー、

『大聖堂』『大聖堂―果てしなき世界』の正統なる続編。キングズブリッジ・シリーズの最新作、待望の登場です!

上・「中」・下巻構成ですので、お間違えのなきよう!

 

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本書は、扶桑社ミステリーから発売されてはいますが、いわゆる「歴史小説」です。(当然、謎解きの要素や冒険の要素はあります)。

舞台となる街は『大聖堂』『大聖堂ー果てしなき世界』と同じですが、今回は大聖堂を建てる話ではありません。

時代も前作から数世紀過ぎた16世紀に設定されていて、前作とは基本お話のつながりはなく、本書から読んでいただいてまったく差し支えありません。

ただし節目節目で、あの大聖堂が祝祭と悲劇の舞台となりますし、前作の登場人物の子孫が登場したりはしますが。

途中から、お話はイギリスを飛び出して、パリやセヴィーリャ、スコットランド、カリブ諸島、アントワープなど、各地で様々な登場人物が、仕事や宗教、人生の苦難、運命の愛にそれぞれ直面することになります。

 

先に言っておきます。

 

こんなに読んでいて無性に先が気になり、

ほとんど力ずくで夢中にさせられた本は

編集やってて本当に久しぶりかもしれません。

 

さらにいえば、

この「分断の時代」に、これほど皆さんに読んでほしい本もありません。

ここで描かれるプロテスタントとカトリックの壮絶な対立と闘争の歴史は、そのまま、21世紀に現出した西洋対アラブ、あるいは保守対リベラル、穏健派対強硬派といった、現代社会の「写し絵」にほかならないからです。

登場人物たちの苦悩は、そのまま、今の時代に生きるわれわれの苦悩でもあります。

 

フォレット、マジぱねえ!

商売上のリップサーヴィスではなく、正真正銘「一読者」としての編集者の感想です。

歴史小説としても、恋愛小説としても、一人の若者の一代記としても、まごうことなきランクAクラスの傑作!

こんなに面白い本を、扶桑社から出てるからってだけの理由で読まないでおくのは、本当にもったいない!! そう思います。

 

上巻出だしのあらすじはこんな感じです。

 

 16世紀中葉のイングランド。大聖堂を擁する河畔の商業都市キングズブリッジで貿易を営むウィラード家は、カトリックでありながらもプロテスタントに対しても寛容な家柄だった。一方、商売敵でもあるフィッツジェラルド家は頑ななカトリックで、両家の仲は決していいとは言えなかった。ネッド・ウィラードとマージェリー・フィッツジェラルドは恋仲だったが、彼女の両親の反対にあって引き裂かれる。失意のネッドはサー・セシルを頼ってエリザベス・チューダーの下で仕事をするようになるが...。

 

舞台は16世紀。英仏宗教戦争のまっただなか。

時代に翻弄されるふたりの女王と、市井の人々。

布教、秘密礼拝、暗躍するスパイ、密告、拷問、火炙り。

王族の対立、大虐殺、報復の連鎖、戦争、大海戦、斬首刑。

秘められた愛、非業の死、跋扈する悪、やがて待ち受ける宿命の対決。

すべてが終わったあとに残される、未来への希望。新世界。

ありとあらゆる「物語の醍醐味」が、文庫本で1700ページになんなんとするこの長大な小説のなかでひしめきあっています。

 

とにかく、長年ケン・フォレットを訳してこられた翻訳者の戸田裕之さん自身が、

『大聖堂』に勝るとも劣らない、フォレットの最高傑作だ

とはっきりおっしゃっています。信じてもらって、大丈夫です。

 

かつて『大聖堂』を読まれて、あれはめっぽう面白かったという方にとっては、本書はもちろんマストアイテム。

お読みになって後悔されることは断じてない、と版元として請け合います。

そうじゃない方、ケン・フォレットを知らなかった方、あるいは昔の古い作家だと思っていたという方も、騙されたと思ってぜひ読んでみてください。

たとえ扱っている時代が16世紀であっても、驚くほどヴィヴィッドに「いまのお話」として読める小説ですから。

もちろん、ヨーロッパ史のなかでもとくに難解な時期の宗教と政治の闘争史が、すっきりわかりやすく頭に入ってくるという、歴史小説としての役得もあります。塩野七生さんや北方謙三さんの歴史ものが楽しめる方なら、『火の柱』もきっと存分にご堪能いただけるはず。

小説としては、......とにかく悪役が憎たらしい。これに尽きるかも(笑)。

本書の主人公はネッド・ウィラードですが、ピエール・オーモンドもまた、立派にもうひとりの主人公といっていいでしょう。こういうゆがんだ人間の業みたいなものを描かせると、フォレットは本当に天才的ですよね......。そういえば、出世作『針の眼』も、ある種の悪漢小説でした。

 

長い。そうですね。確かに長い。

それでも、費やされる労力と時間に見合うだけの、至高の読書体験をお約束します。

いろいろ大変な時期で、在宅時間も伸びているであろう今こそ、ぜひこの超大作歴史ロマンをお供に、長い夜をのりきっていただけると幸いです!

(編集Y)

 

2020年3月16日 04:34 | | コメント(0)

われらがジャック・ケッチャム先生が亡くなってから、はや2年。

(そのときの追悼記事は こちら

このたび、扶桑社では命日の1月24日に合わせまして、当然ながら日本全国津々浦々の書店さんでケッチャム・フェアが開催されることを期して、2月頭に著者の代表作&デビュー作である『オフシーズン』を新刊扱いで復刊いたしました!

10年以上にわたって、ながらく品切れ扱いが続いていた本書を、ようやく書店の店頭でみなさんにお届けできるようになったことを、心からうれしく思います!

 

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 昨年復刊した『シンプル・プラン』(スコット・スミス 近藤純夫訳)同様、カヴァーは旧作のままで、帯だけ新帯に変更しての復刊でございます。

帯には、愛蔵版公刊時に付されたスティーヴン・キングの推薦文。いわく、

 

『全米一怖い作家は誰だ? きっとジャック・ケッチャムさ。

「オフシーズン」の無修正版を感謝祭の日に読んだら、きっとクリスマスの日まで眠れなくなること請け合いだ。スティーヴおじさんが警告しなかったなんて言うなよ、はっはっは......』

 

風間賢二さんの旧版あとがきは、ケッチャムデビュー当時の空気感と世の中の評価が伝わってくる歴史的価値のある評論ですので、そのまま再録いたしました。

代わりといってはなんですが、訳者の金子浩さんに、ケッチャム逝去後の最新の状況を簡潔にまとめたあとがきを、新たに書いていただきました。

あらためまして、あらすじはこちら。

 

避暑客が去り冷たい秋風が吹き始めた九月のメイン州の避暑地。

ニューヨークから六人の男女が休暇をとって当地にやって来る。

最初に到着したのは書箱編集者のカーラ。すこし遅れて、彼女の現在のボーイフレンドのジム、彼女の妹のマージーとそのボーイフレンドのダン、そしてカーラのかつてのボーイフレンドのニックとそのガールフレンドのローラが到着した。

六人全員が到着した晩に事件は勃発した。

当地に住む"食人族"が六人に襲い掛かったのだ。

"食人族"対"都会族"の凄惨な死闘が開始する。

 

ケッチャムといえばみなさん、『隣の家の少女』を想起される方がほとんどかと存じます。

でも、『オフシーズン』こそは、彼のもう一つの代表作。ゆめ読み逃してはなりません。

デビュー作でありながら、あまりの内容の凄惨さにビビった出版社の検閲まがいの発禁処分にあって、長らく幻となっていた大問題作。

両作を揃えてこそ、ケッチャムという作家は初めて理解できる、といっても過言ではないでしょう。

 

突然ふりかかる天災のような暴力と、繰り広げられる露悪的なまでに過剰な血みどろの惨劇。

苦難に立ち向かう者たちへと向けられる思いのほか真摯なまなざしと、彼らが迎える結末の善悪を超えたある種の絶対的な平等性。

デビュー作には作家のすべてがあらわれる、とはよくいう言い回しですが、まさにここには、ジャック・ケッチャムという偉大な作家の文学的本質が、まざまざと刻印されています。

あと、なんとしても読んでいただきたいのが、〈作者あとがき〉。

出版社とのいざこざを熱い筆致で活写しつつ、ケッチャム自身の口から、自らの作家性のなんたるかがきわめて明快に語られています。

 

さまざまな恐怖と災厄に直面して、誰もが不安におののく今日にこそ、本書はこの苛烈で不透明な世界の真実と向き合う一書になるやもしれぬ、とすら編集者はひそかに考えています。

遺された未訳作をお届けするという編集者&翻訳者さんの野望をかなえる足がかりとしても、ぜひ皆さんのお力添えをいただければ幸いです!(編集Y)

 

 

 

 

2020年3月10日 21:47 | | コメント(0)

2月の頭には、扶桑社文庫(国内版)のほうで、猫のショートショート・アンソロジーを上梓いたしました。

タイトルは『猫の扉 猫ショートショート傑作選』

選者は、4年前に出した姉妹編『30の神品 ショートショート傑作選』と同じく、星新一唯一の弟子にして、斯界の第一人者である、江坂遊

もちろん、今回のメインキャラクターは猫、猫、猫。

帯には、『3分で読める猫、集めました』と銘打ちました。

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ラインナップは以下のとおりです。

シャルル・ボードレール「時計」
石川喬司「猫の月見」
サキ「トバモリー」
内海隆一郎「子猫」
フレドリック・ブラウン「猫泥棒」
小松左京「中毒」
リチャード・マーティン・スターン「ミンナへの贈り物」
川又千秋「猫と王子」
ハワード・ジョーンズ「猫」
坪田譲治「ネコとネズミ」
森田拳次『森田拳次のヒトコマ・ランド』より
ジョン・D・マクドナルド「黒猫が雪の上をあるいた」
岸田今日子「暖炉の前できいた話」
シャルル・ペロー「ねこ先生または長靴をはいた猫」
佐久やえ「福光寺の猫」
イギリス民話「猫の王様」
大懸朋雪「義足をはいた猫」
アーサー・C・クラーク「幽霊宇宙服」
星新一「ネコ」
ピーター・ラヴゼイ「イースター・ボンネット事件」
深田亨「猫の手帳」
深谷かほる『夜廻り猫』より「わがままモネ」
H・P・ラヴクラフト「ウルサルの猫」
宮沢賢治「注文の多い料理店」
フランツ・カフカ『ある戦いの記録』より
江坂遊「猫かつぎ」
シオドア・スタージョン「音楽」
筒井康隆「善猫メダル」
ヘンリイ・スレッサー「二世の契り」
井上雅彦 「黒猫キネマ」
アーネスト・ヘミングウェイ「雨のなかの猫」
梅崎春生「猫の話」


 

今回も、前作同様、海外作品と日本作品を交互に並べる「歌合わせ」スタイル。

いかにもショートショートらしいお話から、ミニミステリー、文豪の名作、有名童話、コミックまで、なんでもござれの「読む猫だまり」。巻末には、選者による各作品の解題も付されています。

猫好きはもちろんのこと、誰にでも楽しんでいただける、純粋に面白いSSばかりをとりそろえたつもりです。そのうえで、通をうならせるレアな掘り出し物も多数含まれております。

あと、とある著者名にお遊びの仕掛けが隠されていたりもしますので、お見過ごしになりませんように。

 

ぜひご一読いただければ幸いです!

 

*  *  *  * 

年末から2月にかけて、編集者がなぜに、ブログすら更新できないほどに忙しかったかと申しますと、ひとつには、この本の編集作業があまりに大変だったから、というのがあります。

実際にやったことのある編集者以外には、読者のみなさんはもちろん、作家や翻訳者の先生にすらきっとわかっていただけないと思うんですよ......。

ショートショート・アンソロジー編集の実務が、こんなに大変だ、ということを!!

 

そこで、今回はいつもと趣向を変えて、作品の解題は江坂さんの解説にまかせて、「ショートショート・アンソロジーができるまで」って話でも書いてみようかと思います。

まず重要なのは、ラインナップ決め。どんなアンソロジーを編むか、というのは最終的には、選者、アンソロジストの方の意向によります。

本書で選定作業をやってくださったのは、もちろん江坂遊さん。

昨年の夏。江坂さんとSS選集の第二弾をどうしようかと打ち合わせていて、「やっぱりやるなら、次は猫でしょう!猫!」との編集者の一言から、企画が急ピッチでスタート。

とにかく先生は、ただ事ではない量の短編集と雑誌の蔵書をお持ちで(星新一先生から直接引き継いだ蔵書もかなりあるらしい)、洋の東西を問わないあらゆるショートショート作品の情報が、びしっと頭の中に入っておられる。

そのデータベースから、独特のセンサーで作品をピックアップしてきては、次から次へと波状的にラインナップのアイディアを送ってきてくださるわけです。

とにかく、視野が広い。知識が深い。アイディアが尽きない。

編集者が「これなんとなく落ち弱いんで別の話はないですか?」「なんかただ短いだけでSSっぽくないんですけど」みたいなアホな返しをしても、それじゃあと、またべつの代案がバンバン出されてくる。江坂さんは本当にすごい。

こういう作品選定の作業は、アンソロジーづくりで一番楽しいところです。

編集者のほうでも、数十ある候補作をじっくり読ませていただいたうえで、先生といっしょに絞り込みを行い、ラインナップを練り上げていきました。

 

で、いよいよラインナップが固まると、ここからが編集者の仕事になります。

通常、編集者が一冊の本でやりとりする相手は作家さん(訳者さん)ひとりとあとはデザイナー、校正者など数人程度。これが短編のアンソロジーであっても、著者はたかだか7、8人といったところです。

ところが、ショートショート・アンソロジーの場合、そんな数では到底すみません。今回の場合など、掲載作数だけで32もあります。

一部、版権切れの作品(著者と交渉する必要がない)もありますが、一方で版権がまだ生きている海外の著者(別途、交渉しないといけない)もいる。

さらに、親本が生きている場合は、一部の版元にも確認作業と支払いを行う義務が発生します。

結局、40件近い著者・訳者・版元・権利元を相手に、掲載許可や支払いのご相談、ゲラの確認などを、バラバラに進行しないといけないわけです。

これがもう、想像以上に大変なんですよね。

手紙でしかやりとりできない方もいらっしゃれば、メールでのやりとりを希望される方もいる。ゲラの確認を希望される方もいれば、されない方もいる。掲載を拒否される方もいれば、お金はいらないとおっしゃる方もいる。ほんと、やりとりの方法から過程、内容まで、全員が千差万別で、それを編集者はひとりで管理しないといけない。一方で原稿をゲラにしてチェックする作業も平行しながら、このやりとりを2ヶ月くらいのあいだに粛々とすすめていくわけです。

さらには、その相手先自体が簡単には見つからない(笑)。

まず、もともと弊社とお仕事をしてくださったことのある著者さんとは、直接やりとりできます。

文藝家協会に権利業務を委託している著者さんとは、その団体を通じて事務的に交渉を進められます。

出版社御用達の某年鑑に記載のある方とも、なんとか連絡はとることができます。

でも、そこからは、半分私立探偵みたいな仕事が待っているわけです。

今回、ぶっちゃけ著者・訳者の半分は、連絡先が五里霧中の状態から捜索を始めました。

とくに、何年も前に亡くなられた方のご遺族(著作権継承者)を見つけ出す作業が、かなり困難をきわめます。

まずは、親本を出されている出版社さんにうかがうのが筋ですが、10年も経つといま著者がどうしているかはもはや消息不明ってケースもでてくるわけです。

そうなると、昔の仕事をたどっていろいろな版元さんに訊いて回ったり、懇意にしてる他社の編集者さんに教えていただいたり(今回もT社のK様、本当にお世話になりました!)。

かつて交流のあった作家さんに頼んで年賀状を調べてもらったり、むかし講師をされていた翻訳学校経由で調べてもらったりもしました。

あと、亡くなられた際の訃報記事が調査の役に立つことも(喪主として掲載されていたご遺族が、実は有名な俳優さんだったケース。翻訳者の坂口玲子さんと俳優の坂口芳貞さんですが、なんと芳貞さんはご許可をいただいたのち、本書発売の二週間後にご逝去されました。謹んでお悔やみ申し上げます)。

さらには、徹夜で会社に泊まり込んで、海外のジョン・D・マクドナルド(故人)・ファンサイトと英語で直接やりとりして、ご子息のメアドをゲットしたうえで、掲載許諾のお願いをさせていただいたり・・・。ちなみにヘンリイ・スレッサー(故人)との版権交渉には、タトル・モリ エイジェンシーさんがあたってくださいましたが、本国のエージェントが老齢を理由に引退したらしく、ご存命の老未亡人にタトルの担当者が英語のお手紙を直送してくれたそうです(戻ってきた承諾書の、震えてのたくった、年輪を感じさせるサインを見て、編集者は胸を突かれる思いでした。いま自分は、あのヘンリイ・スレッサーとともに人生を歩んだ女性の書いた、直筆のサインを見てるんだ!)。

 

まあ、そんなこんなで出来上がったショートショート集は、なんだか可愛い子どものようでもあります。

かけた労力のわりには、さくっと読めちゃう軽便な本ですが、ショートショート集ってのはもともと、そうじゃなくっちゃいけませんしね。

江坂さん渾身のまえがき&解説といい、板倉アユミさんの素晴らしいイラストといい、最終的に決定したタイトルといい(100案以上出し合って、販売部と2週間くらい揉んで、こっちも大変だったんですね。とにかく類書が多くて、ぱっと思いつくタイトルがみんなどこかで使用済みだっていう罠w 『サルまん』のファミリー4コマ回さながらのやりとりが実際に・・・w)、本当にいい感じの本にしあがったと自負しております。

みなさんにも、楽しんでいただけたなら、こんなにうれしいことはありません。(編集Y)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2020年3月 9日 22:50 | | コメント(0)

もう一冊、年末に発売いたしましたミステリーが、エリオット・チェイズ『天使は黒い翼をもつ』

ジム・トンプスン『POP1280』チャールズ・ウィルフォード『拾った女』などに続く、扶桑社ノワール発掘路線の隠し玉でございます。

原題は『Black Wings Has My Angel』

あらまあ、なんて綺麗な倒置法! ちょっとウィリアム・アイリッシュっぽくもあり、いかにもノワールっぽくもある。うーむ、実に魅力的なタイトルじゃないですか。

 

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本作を「再発見」してくださったのは、翻訳者の浜野アキオさんです。

そもそもは、『拾った女』で皆様から望外のご評価をちょうだいして以降、弊社といたしましても、せっかくできたノワール紹介の流れを絶やしてなるものかと、次なるノワール作品を探していたわけです。

どこかにまだ、刊行に値する未訳の傑作ノワールは眠っていないものか。

で、浜野さんにも、いろいろ原書を読んでもらっておりました。

そうしましたらある日、浜野さんから胸がふるえるようなご連絡が舞い込んだのです。

「すごい作品にぶつかった。これぞまさに、ロスト・ジェム(失われた宝石)だ」

おおおおお!

さっそく、浜野さんから頂いたレジュメには、こんなことが書かれていました(一部抜粋)。

「主人公である男女が出会う物語の劈頭から不穏な気配が強烈に立ちこめ、読者は一気に物語のなかへと引きずり込まれる。前科者にして流れ者という主人公の設定、ファム・ファタール(宿命の女)の登場、着々と進められていく犯罪計画の準備、犯罪の決行とアクション、次第に二人の間に生じる齟齬、そして破綻と転落。そのことごとくがノワール小説のクリシェから構成されているにもかかわらず、微塵も陳腐さは感じられない。物語は一級のサスペンス小説がもつ、鋼線をはりつめたようなテンションで進められていく。けっして波乱万丈というわけではないが、巧みなストーリーテリング、鮮烈で奥深い人物造形と相俟って、結末に至るまで一切、中弛みを感じさせずに疾走するのだ」

 

どうです? すっげえ面白そうじゃないですか??

これは、ぜひともやりたい!!

たしかに日本で知られた著者じゃないし、ジャンルとしても、そこまで売れるパイはないかもしれない。でも、読み巧者で目利きの翻訳者さんに、これだけのことを言わせる作品を、出版社として受けられなかったら、それはもう「駄目」でしょう。

一応はノワールで売ってきた扶桑社。そーさ、うちで出さなきゃ、どこで出すってんだ!!

こうして、『天使は黒い翼をもつ』刊行への道は始まったのです。

 

ちなみに「幻の」とかいいつつ、エリオット・チェイズには既訳作が実は三冊もあります。

30年以上前に、キール・セント・ジェイムスという新聞記者を主人公にした、軽ミステリーのシリーズがほぼリアルタイムで刊行されているのです。

しかも、版元はなんと弊社の前身であるサンケイ出版!

大変お恥ずかしながら、編集者は本書を出そうと決めて調べはじめてから、ようやくこの事実を知りました。そういや、本書を発売してすぐ、当時を知る元編集長K氏から早速メールが来て、「なんで、エリオット・チェイズが出たの?」って聞かれたんですが、うちでやろうと思ったのは本当に偶然なんですよね。

 

そんな「えにし」で弊社から出ました『天使は黒い翼をもつ』。

本国では、名うての評論家たちがこぞって、絶賛しています。

「完全無欠の小説」――エド・ゴーマン

「私が〈ブラック・リザード叢書〉の編集者として、最も復刊したかった一冊こそが、この『天使は黒い翼をもつ』だった」――バリー・ギフォー ド

「エリオット・チェイズは、優れた散文家のスタイリストで、機知に富み、ノスタルジックで、不敬で、第一級のストーリーテラーだ」――ビル・ プロンジーニ

「一読忘れがたいのは、『郵便配達は二度ベルを鳴らす』並みに強烈な、恋人たちの猫と鼠の関係だ。
......ティムとヴァージニアの本能的な結びつきと比べれば、すべての要素は最終的には些細なことに思える」――ワシントン・ポスト

「流れの速い物語、セックス、すぐれた描写による文章など、独自の良さとすべてかねそなえている」――マックス・アラン・コリンズ

 

あとがきは、日本を代表するノワール研究の権威、吉野仁さんにお願いいたしました。

編集者の思いに応える、18ページに及ぶ素晴らしい解説原稿をいただけて、心から感謝。この作品について知っておくべきことは、ほとんどすべて、そこに書かれているといって過言ではありません。

なんと言っても、興味深いのは、本書のことを吉野さんも参加した座談会において、翻訳家の故・小鷹信光さんが絶賛していたというエピソードで、「久しぶりに途中でやめられなくなって一気に終わりまで読んじゃった」と興奮気味に作品の魅力を語っていたとのこと。

日本一のペーパーバック・コレクターだった小鷹さんを虜にした幻の逸品。

ね、読んでみたくなりますよね??

 

すでに、既に読んでいただいた皆様からは、「傑作」の声を多数いただいております。

書評でも激賞してくださる方が結構いらっしゃって、本当にありがたいかぎりですが・・・長くなってまいりましたので、本書に関してはもう一回、稿を改めたうえで、サンケイ文庫旧作のご紹介なども含めて記事をアップしたいと思います。

ノワール好きのあなた。絶対損はさせませんので、ぜひご一読くださいませ!(編集Y)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2020年3月 3日 00:09 | | コメント(0)

今月は、まあまあ殺人的な反・働き方改革強化月間を一路邁進中の編集Yです。

そんなわけで......またもブログの更新が大幅に遅れてしまい、まことに申し訳ありません!

今月の扶桑社ミステリー新刊は、もう読んでいただけましたでしょうか?

ご存じファーゴ夫妻ものの第9弾クライブ・カッスラー&ロビン・バーセル著の『ロマノフ王朝の秘宝を奪え!』(上・下)。ただいま絶賛発売中です!

 

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今回のあらすじ(上巻)は、こんな感じです。

 

ファーゴ夫妻の元に、財団の調査主任セルマの親戚にあたる兄弟がモロッコで行方不明になったとの知らせが舞い込む。

二人が調査していたのは第二次大戦後にナチスの残党がヨーロッパから脱出する際に使用した"逃走経路(ラットライン)"と呼ばれるルートだった。

現地に飛んだ夫妻は、謎の勢力からの妨害を受けながらも、なんとか二人を無事救出することに成功。さらには兄弟が調べていたナチスの墜落機にあった暗号の書かれた手紙と地図を手に入れる。
そこからは〈ロマノフの身代〉という言葉が浮上して......。

今回のファーゴ夫妻は、モロッコからスタートして、ロシア、ポーランド、ドイツとめぐって、最後はアルゼンチンの密林で、ナチスの残党を激しい戦いを繰り広げます。

本作の目玉としては、モロッコで一回、アンデス山脈で一回、本格的な登山シーンがあって、文字通りのクリフハンガー・アクションが繰り広げられます。

ちなみに、落ちた飛行機の探索も二回、地下通路での冒険も二回、城の管理人との接触が二回、現地ガイドがふたり登場、現地通訳もふたり登場、と、なぜかおなじモチーフが前半と後半で、はかったように二度繰り返されるのも本作の特徴で、妙に眩暈感のあるふしぎな構成となっております。なんだろう、この趣向? 『郵便配達は二度ベルを鳴らす』?......なわけないか(笑)。

ファーゴ夫妻の活躍ぶり(今回は新機軸としてベイビーをどうするかみたいな話しがちらほら。あれ、なんかもっと年食った夫婦だと勝手に思いこんでたかも......)はもちろんのことながら、敵役のナチス残党の面々も、なかなか味のあるキャラクターぶりで楽しませてくれます。

若干、ロマノフとか暗号とか、直近の作品とネタかぶりが目に付きますし、多少のアラ(とくにロシア人エージェントの下っ端の、目に余る無能ぶり)もあったりもしますが、まあカッスラー先生はもともとおおらかな陽性の作家さんなので(笑)、読者の皆様も些末なことはあまり気にせず、ぜひおおらかなスタンスで楽しんでいただけますよう。

基本的にはいつもどおり、最高に面白くて最高にスカっとする、エンターテインメントまっしぐらのカッスラー節を存分にご堪能いただけると思います。

 

ちなみに、次のカッスラー作品は来年3月末発売(4月10日奥付)で、うちでの第二弾となりますNUMAファイル・シリーズの『The Storm』(上・下)の刊行を予定しております。

これからもカッスラーの冒険小説に皆様のご愛顧賜りますよう、せつにお願い申し上げます!(編集Y)

 

2019年12月22日 22:41 | | コメント(0)

更新がだいぶ遅くなりまして申し訳ありません!

さて、もう今月の新刊は読んでいただけたでしょうか?

弊社では二冊目となる、新生〈トム・クランシーのオプ・センター〉シリーズ第二弾『北朝鮮急襲』(上・下)(原題:Into the Fire)。今回の舞台は、いま現実世界においても軍事的・政治的に極めてホットな地域である、黄海一帯。原書の刊行は2015年ですが、アップトゥデートなポリティカル・ノヴェルとしても十分通用する、ヴィヴィッドな軍事サスペンスとなっております!

 

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上巻のあらすじはこんな感じです。

米海軍沿岸域戦闘艦〈ミルウォーキー〉は、黄海における韓国軍との掃海訓練演習の最中に、北朝鮮軍のコルヴェット三隻が漢江と仁川沖に機雷を敷設しているとの情報を受信する。

さらには北朝鮮のフリゲイト二隻から突然の攻撃を受け、ついに交戦状態に突入。

女性艦長のケイト・ビギロー中佐は、友軍の逃走を支援するため敵を引きつけながら回避行動を取ることを決意する。

一方、チェイス・ウィリアムズ長官率いるアメリカの情報機関オプ・センターにも、北朝鮮急襲の報は逐次届いていた...!

 

今回、本書の前半では、シリーズ・キャラクターであるオプ・センターの面々は、もっぱら裏方というか、発生事案の情報収集に徹するシーンが続きます。

いっぽうで、真の主役として大活躍するのが、沿岸域戦闘艦〈ミルウォーキー〉の女性艦長ケイト・ビギロー。ごく当たり前の合同掃海訓練演習に参加していたはずが、唐突に北朝鮮のフリゲイトに襲われ、標的として追い回されることになった、大変に不運な艦長さんです。

 

指揮官として危機を回避するために、ビギローは何度も何度も、大きな決断に迫られます。

艦内には、あらゆるシチュエイションで、彼女より慎重な判断をなにかと具申してくる副官がおりまして、両者の対立と彼女の最終的な判断、というシチュが繰り返されます。その結果として、新たな打開すべき状況がもたらされる――これが本書の基本構造です。

こうして、軍事スリラーとしての緊迫したサスペンスが醸成されてゆくとともに、作者チームの有する「軍」「国家」「リーダー」についての哲学、思想のようなものが、読者にも自然と伝わるような仕掛けとなっています。

 

〈ミルウォーキー〉に強力な兵器はそなわっておらず、性能と装備で圧倒的に上回る北朝鮮のフリゲイト二隻との戦いは、きわめて厳しいものに。ついに被弾、炎上する〈ミルウォーキー〉。ビギローたちは、沈没寸前の船を捨てて、無人島へ避難することを余儀なくされます。

まさに、絶体絶命! そんな彼らを救うべく、いよいよ登場するのが、オプ・センターの誇る実働部隊の面々・・・というわけです。

 

さらに下巻後半では、一転ニューヨークが舞台に。

北朝鮮サイドがついに発動した大規模テロ計画を前に、前作で大量殺戮を食い止められなかった新生オプ・センターのメンバーが、そのメンツにかけて、命がけの戦いに挑みます。

終盤の展開は、黄海パートをいざ書いてみると意外に原稿枚数がいかなかった結果としての、埋草っぽい感じもしょうじきしないでもないですが(笑)、海上戦、島内での陸戦、そして都市内での対テロ作戦と、ヴァラエティに富んだ戦闘シーンがてんこ盛りで、さまざまなメンバーの活躍が見られるという意味では、大変よろしいのではないでしょうか。

 

まさに北朝鮮とアメリカが緊張を増し、駆け引きを展開している今日に読むには、うってつけの軍事エンターテインメントといえるでしょう。

 

ありがたいことに現状、大変売れ行きもよく、来年の同じころには、第三弾がきっとお届けできることと確信しております! 引き続き、〈トム・クランシーのオプ・センター〉シリーズをお楽しみに!(編集Y)

2019年11月16日 04:31 | | コメント(0)

お待たせいたしました!

スティーヴン・ハンターの新刊が、ついに発売となりました!

その名も、『狙撃手のゲーム』(上・下)。

原題は『Game of Snipers』。なんか、かっこよくないっすか?(著者いわく、タイトルは『ゲーム・オブ・スローンズ』に影響されたらしいw)

最後にsがついているのをみてもわかるとおり、スナイパーは一人ではありません。

「二人」の天才による壮絶な死闘。ゲームは、「ゲーム」であり、「獲物」でもあります。

   狙撃手のゲーム ブログ用.png

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ついに、我らが天才スナイパー、ボブ・リー・スワガーが、バリバリのアクション・ヒーローとして僕たちのもとに帰ってきました!

 

前作『Gマン 宿命の銃弾』(上・下)では、祖父チャールズの過去を追う狂言回しに徹した感のあったボブ・リーですが、今回は冒頭から事件に積極的に関与し、全編にわたって捜査に、追撃にと大活躍。

走る! 飛ぶ!   そして撃つ!!

燃え盛る業火の中に単身飛び込む!(マジか!?)

武装したテロリストに、丸腰でタックルかます!!(正気か爺さん!?)

とにかく、ボブ・リーが元気、元気。

それだけで、なんかもう泣けてきます!

これでこそ、俺たちのボブ・リーだぜ!

 

解説の野崎六助さんが、「ヒーローの高齢化問題」という、きわめて重大かつタイムリーな切り口で、今回のボブ・リーの扱いについて鋭く切り込んでくださっていますが、(かつて前任編集者Tもこのブログで、ミステリー主人公の年齢問題について言及しておりました→こちら その1 その2 その3)、

本作におけるハンターは、ある意味、長い迷いの時期を抜けて、ようやくどこか吹っ切れた感があります。

これまで、ボブ・リーの息子を出して代替わりを狙ってみたり、老いたボブ・リーの出番を限定的に絞ってみたりと、いろいろな試みにチャレンジしてきてはみたものの、広範な読者からの支持はどうも得られないらしい。

ならば、いっそのこと居直ってみるか。

「いいじゃん、おじいちゃんが活躍しても! どうせ作者も読者のメインも同世代さ!」

「実際、今日びの70代は肉体的にも断然若いし、アクションだって上等だぜ!」

ホントにそんな感じかどうかは知りませんが、本書『狙撃手のゲーム』には、いい意味での「肯定的な高齢ヒーロー」としてのボブ・リー・スワガーが、神々しく降臨しております。

まあ、クリント・イーストウッド(89)の大活躍ぶりを見ても、日本における里見浩太朗(82)や千葉真一(80)、北大路欣也(76)諸氏のすこぶるお元気そうなご様子を見ても、ボブ・リーの74歳なんて、まだまだ若い若い。

ボブ・リーはちょうど、スタローンやシュワルツネッガーと同世代。

変に作者が気をつかって、楽なミッションやらせてお茶を濁すよりも、バンバン動かしバンバン戦わせたほうが、「むしろ自然」な気さえします。

 

「帰ってきた」のは、超人的シューター、絶対的ヒーローとしてのボブ・リーの勇姿だけではありません。

過去編に話の力点が置かれていたここ数作と異なり、今回は久方ぶりに、現代アメリカを舞台とした、全編追いつ追われつの、圧倒的な王道スナイプ・アクションに仕上がっています。

敵役であるジハーディスト「ジューバ・ザ・スナイパー」は、ボブ・リー自身が「自分より射撃の腕は上」だと語る、真の意味での強敵中の強敵。

アメリカ本土に潜入し、超・長距離狙撃をくわだてる彼の壮大なミッションを、果たしてボブ・リーと仲間たちは止めることができるのか。そもそも、ジューバの標的とは、いったい誰なのか。

ハンターは、ジューバ・サイドが緻密に進捗させてゆく狙撃計画の過程と、それを阻止するため知恵を絞って必死で追い続けるボブ・リー&メンフィス・チームの動向を交互に描きながら、手に汗握るサスペンスをじわじわと醸成していきます。

 

撃つことを生業とし、その技倆においてそれぞれの神に祝福された、究極の存在が二人。

世界でもっとも反発しあい、同時にもっともわかりあう二人の男が、相対します。

それぞれが、属する世界と信じる正義のすべてを背負って、激突する。

当然ながら、スナイパー対スナイパーの極限の闘争は、

やがて、命を懸けた「狩りのとき」(タイム・トゥ・ハント)へと導かれることでしょう。

お互いの額に、お互いのレティクルの十字がピタリと合う、その瞬間・・・・・・。

はたして、最後に立っている(ラストマン・スタンディング)のは、どちらの男なのか??

 

いやあ、シビレますね。

ね、読みたくなってきたでしょう?

ぶっちゃけ、絶対に後悔はさせません。

パブリッシャーズ・ウィークリーの「『ジャッカルの日』と並べおくべき一書。それほどに素晴らしい」の言を引くまでもなく、編集者として、皆さまに最高の読書体験をお約束します。

 

さて今回、ちょっと気にして欲しいのが、巻頭にひかれた文言です。

言葉の主は、「親衛隊中佐レップ」。この名前、皆さん、どこかで耳にした覚えがないでしょうか?

実はこの「レップ」という人物、実在の人間ではありません。

これは、昨年弊社から復刊させていただいた、スティーヴン・ハンターのデビュー作、『マスター・スナイパー』の主人公の名前なんですね。そう、あの、ナチス・ドイツが誇る凄腕スナイパー。

では、なぜ、そのレップの言葉がわざわざ巻頭で引用されているのか。

そうやって改めて考えてみると、本作『狙撃手のゲーム』の作品構造は、実は『マスター・スナイパー』と随所でかなり似かよっていることに気付かされます。

敵の狙撃手が、味方の追跡者とともに、ダブル主人公として話を引っ張る構図と展開。

敵の作戦遂行過程と、それを阻止する側の追跡劇を交互に描写してゆく、シンプルな物語構造。

味方陣営(『マスター・スナイパー』なら連合国、『狙撃手のゲーム』なら米国)とは、まったく異なる大義と正義に基づいて行動する、アンチ・ヒーローとしてのレップ(ジューバ)の描写。

細部のモチーフにも相似が見られます。アンチ・ヒーロー側の作戦内容(ジューバが過去に遂行した凶行と、レップが携わる任務の究極の目的)の類似は火を見るより明らかですし、何より、「試し撃ち」が準備行動として重要な役割を果たす点がまるきり共通しています。それぞれの第一章は、実のところ、同じエピソードの変奏といってもいいでしょう。

 

『極大射程』から26年。

ハンターは、ボブ・リーが活躍する初期三部作のあと、彼の父を主人公とする新・三部作を書き、その後今度は息子を登場させ、さらには祖父の事績を掘り下げてきました。

ボブ・リー自身はすでに老境に足を踏み入れています。

そんななか、ハンターは、ボブ・リーを久々に本格的なスナイプ・アクションの只中に復帰させることを決意したわけです。ヒーローとしての復帰戦。いわばシリーズの中締め、仕切り直しです。

ここでハンターは、ある種の「原点復帰」を志したのではなかったか。

だからこそ、彼はあえて自分の第一作である『マスター・スナイパー』の祖型を、「米対アラブ」の現代的テーマに再導入し、作品間の随所にリンクをはってみせたのではないか。

さらには巻頭にレップの言を引くことで、この「自作の本歌取り」を包み隠すことなく、おおっぴらにわれわれに明示してみせたのではなかったか。

そんなことを思うわけです。

 

全体としては、正調のスナイプ・アクションに真正面からシリアスに取り組みつつも、

矢継ぎ早に速射砲のような質問をボブ・リーに浴びせるモサドの変人エージェントのくだりとか、

アメリカのジャンク・フードに舌鼓をうつジューバの妙にフレンドリー(?)な描写だとか、

老人扱いされて、中盤からなかなか銃を手にさせてもらえないボブ・リーの描写などからは、

『四十七人目の男』を実に楽しそうに書いていた著者のオフビートなユーモアのセンスもうかがえます。

終盤の展開自体は、ハンターにしては直球勝負というか、言うほど凝っていない感じもしますが、かわりに中盤付近に、かなり意表を突く展開が待ち受けています。

冒頭でボブ・リーを「現場」にカムバックさせただけでなく、その後も随所で大活躍を見せる「アメリカの母」の印象的なキャラクターにも、ぜひご注目ください。

それから、非常に注意深い筆致で、アメリカの「分断」の双方に深入りすることを巧みに避け、相応にバランスのとれた立ち位置から、純粋に面白いアクション小説を書くことに専心しようとするハンターの作家的姿勢にも、編集者は大きな感銘を受けました。

 

そして、あいも変わらずネチネチと書き継がれる銃器の描写!

やっぱり、これがないとハンターじゃないですよね! 最初に、本作の主役は二人のスナイパーだと言いましたが、正確にいえば、ハンター世界においては、銃器こそが常に真の主役の座に君臨するのです。

今回は、ライフルのみならず、その銃弾が物語上、大きな意味をもちます(ここのところも『マスター・スナイパー』と共通します)。ハンターらしい、いつ終わるともしれないマニアックなガン描写と薀蓄が引き起こす、眩暈のようなトリップ感覚を、じっくりご堪能ください。

 

なんにせよ、ハンターの愛読者で、狙撃手VS狙撃手というシチュエーションで、燃えない方はいらっしゃらないでしょう。ですよね?

久方ぶりとなる、誰もが待ちに待った、ハンター印の本格スナイプ・アクションを皆様にお届けすることができて、編集者としても嬉しいかぎりです。

ぜひ、ご一読くださいませ!(編集Y)

 

 

 

2019年9月 7日 18:19 | | コメント(0)

今月の扶桑社ミステリーは、もう読んでいただけましたでしょうか。

ゾラン・ドヴェンカー『沈黙の少女』

本日発売の『週刊文春』文春図書館「ミステリーレビュー」で、評論家の池上冬樹さんがご紹介くださり、★★★★の評価をつけてくださいました!

「構成の妙、視点の交錯、会心のミステリー」というキーワードで、グリシャムの『危険な弁護士』と合わせて、実にうまく本書の面白さを語ってくれています。

本当にありがとうございます!!

 

ドヴェンカーは、かつて早川書房さんでポケミス&文庫で同時発売されたことで記憶に残る『謝罪代行社』(2009、邦訳2011年)の著者さんです。

この作品でドイツ推理作家協会賞を受賞したあと、『Du』という大作を挟んで2014年に発表したのが本作となります。

扶桑社としては、ドイツ・ミステリーの翻訳出版は久々の挑戦となりますが、なにがなんでも世に出したい一作ではありました。

 

これを扶桑社が出さずして、どこが出す。

そういうテイストの小説だからです。

  沈黙の少女ブログJpeg.jpg

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こちらでカバーに付したあらすじは、こんな感じです。

 

雪の夜、ベルリン。13歳のルチアとその弟が何者かに誘拐された。
2週間後保護された彼女はそれから6年間、謎の沈黙を守りつづけることになる――。
一方、教師のミカはパブで4人の男たちと接触を持ち、仲間として加わることに成功する。
それはずっと温めてきた計画の第一歩――ミカを衝き動かすのは、父親としての妄執にも似た狂おしい想いだけだった。
予想を超える展開の果てに待ち受ける驚愕の真相とは? 
黒々とした衝撃が胸を貫き、腹を震わせる傑作ミステリー登場!

 

実は最初はもう少し踏み込んだ内容まで書いてしまっていたのですが、酒井貞道さんから頂戴した素晴らしい解説を読んで編集者としても大いに自戒し、なるべく初読の方に余計な情報を与えないようにリライトしたのでした。そのぶん、ちょっとわかりにくいかもしれませんが・・・。

酒井さんもおっしゃるとおり、本書は序盤でいろいろと伏せられている内容が多く、読者のみなさんにその面白さをストレートに紹介するのは大変むずかしいところがあります。

本来なら、本作がどういうジャンルの小説で、なにがテーマかすらも、こういうところで語るのはよろしくないのかもしれない。

だから、まずはお願いします。

騙されたと思って、とにかく真っ白な状態で手にとってみてください。

 

とはいえ紹介記事なので、蛇足ながらいちおう編集者なりに(内容に立ち入らない範囲で)読みどころを紹介しておこうとも思います。先入観なしで読まれたい方はここで画面を閉じて、書店へとお向かいください。

 

正直、読み進めていて、あまり気持ちの良い小説ではないかもしれません。

ひとによっては、イヤミスのたぐいだと思われることでしょう。

社内でも、途中で読めなくなった、という男性がいました。

 

編集者は、この作品の本質は「ノワール」だと思っています。

でも同時に、間違いなく本作は、驚くべき仕掛けを巧みに配した、極めて上質の「ミステリー」でもあります。

そして、不快な要素もひっくるめて、いつまでもどんよりと読者の胸と腹に響いて残る、本物の「文学」でもあります。

ミステリーとしては、「ああ、こういう趣向ね」という読者の勘ぐりをアクロバティックにかいくぐって、3並びの頁でいったんの頂点を迎えます。

初読時、編集者は完全にしてやられました。

うまい。この切れ味。ぞくっとくる。

すれっからしの読者ほど、この展開を予想できる人は少ないのではないか。

で、そのあとは、作家の筆力に引きずられるように、ラストまで一息で読まされるばかりです。

 

ここで描かれるのは、敢えて抽象的に述べるなら、魂の地獄であり、世界の冷徹であり、そのなかでもがき苦しむ人間の、善も悪もいっしょくたに呑み込んだ壮絶なる闘争です。

単なる、「いやな」だけの話ではない。だから胸にぐさりと突き刺さる。

しかもそれを、あえてミステリー(本格ものに近い)の文法で描こうとしている。

そこにこそ、本作が「ノワール」と呼ばれ得る所以があります。

 

それと、もう一つ、どうしても強調しておきたいことが。

ゾラン・ドヴェンカーの著作活動のベースは、じつはミステリーではありません。

児童文学なのです。

彼は、これまでにいくつもの賞を総なめにしてきた、第一線の児童文学者なのです。

日本でも、岩波書店さんから、『走れ!半ズボン隊』『帰ってきた半ズボン隊』という2冊が、すでに紹介されています。これが驚くなかれ、カナダの田舎を舞台に、少年たちが探偵として大活躍する児童向けのミステリー小説だったりするんですね。

しかもドヴェンカーは発表当初、これを架空のカナダ人作家をでっち上げたうえ「翻訳書」として出版し、あげく名義貸ししただけの翻訳者が賞まで受賞してしまったというオチまでついたそうで(笑)。なんとも人を食った――どこまでもミステリー・マインドに満ちたお遊びではないですか。

 

『沈黙の少女』は、そういう作家さんの手によって生み出された作品です。

読了後、そのことに立ち戻ったとき、みなさんはいったい何を思われるでしょうか。

 

個人的には、かなりの思い入れがある作品でございます。

ひとりでも多くの方に読んでいただけると幸いです。(編集Y)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2019年7月11日 22:13 | | コメント(0)

今月の扶桑社ミステリー新刊、『秘密結社の野望を阻止せよ!』(上・下)は、もうお読みいただけましたでしょうか?
クライブ・カッスラー&ボイド・モリソン著の〈オレゴン号〉シリーズ新刊です。
担当編集者として、これは言っていいことなのかどうかわかりませんが・・・・・・
ここ数年で担当したカッスラー作品のなかでは、ぶっちゃけ断トツの面白さであると断言していいと思います! 
近年なんとなく手にとってないや、なんて古いファンの方も、ぜひ騙されたと思って読んでいただけると幸いです。仕上がりは版元として保証いたします。


秘密結社上下ブログ用.png

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今回のあらすじは、こんな感じです。

18カ月前にアラビア海で発生したエアバス失踪事件。
ナポリの造船所で破壊工作に見舞われた謎の貨物船コロッサス5。
さらには西インド洋で、貨物船トライトン・スター号が、遭遇した正体不明の遭難船による電光石火の作戦行動を受け乗っ取られる。
これら一見無関係に思えるすべての出来事の裏には、とある秘密結社が進行する巨大な陰謀が絡んでいた。
秘密任務の遂行中に不穏な動きを察知したオレゴン号船長ファン・カブリーヨと仲間たちは、背後に秘められた計画の全貌を探り出すため奔走する――。

本作の敵には、インドを舞台にしたいというカッスラーサイドの意図もあってか、かなりマニアックなネタが選ばれています。
その名も〈無名の九賢〉――紀元前のインドを仏法の徳をもって治めた賢王、アショーカ王に由来する秘密結社です。
英語では、〈The Nine Unknown〉。あまり日本では聞き覚えのない組織名ですが(ネット上では「九未知会」「九人覆面団」と訳されている例もあり)、英米圏では、タルボット・マンディという秘境冒険小説作家がとりあげたおかげで、意外に知名度の高い存在のようです(ちゃんとWikiもある)。

タルボット・マンディは、エドガー・ライス・バロウズやH・R・ハガードと同様、冒険小説の大家として名を残している作家さんです。インドやチベットといった南インドを舞台に、アメリカ人諜報部員が活躍するオカルト冒険活劇など、50冊近い単行本を著しています。今となってはほぼ忘れ去られた作家かもしれませんが、ジョン・フォードが映画化していたり、監督兼脚本家のフィリップ・カウフマンを通じて『インディ・ジョーンズ』シリーズに影響を与えていたりと、無視できない存在であることもたしかです。(詳しくは、小山正氏の「〈インディ・ジョーンズ秘史〉知られざる小説家タルボット・マンディーの影」、『ミステリ映画の大海の中で』所収、を参照のこと)
このマンディが1912年に『The Nine Unknown』という冒険小説を出版しています。晩年、神智学の影響を強く受けたマンディは、本書のなかでこの秘密結社を、カーリー邪神信奉者と対峙する善なる存在として登場させていると、復刻版(2019)のAmazonの紹介には書かれています。
前述のカウフマンは1983年、本書を含む三冊を原作として『Jimgrim vs. the Nine Unknown』(Jimgrim は、マンディの冒険小説におけるシリーズ・ヒーロー)という映画を企画し、実際脚本まで執筆していたのですが、本人の監督した『ライトスタッフ』の興行的失敗を受けて、結局企画はポシャってしまいました。

その後も〈無名の九賢〉は、ルイ・ポーウェルとジャック・ベルジェの怪書『神秘学大全―魔術師が未来の扉を開く』(1960年、邦訳版2002年、学研M文庫)でも、実在する秘密結社として言及されています。また、インド人作家クリストファー・C・ドイルのダン・ブラウン・テイストの冒険小説『The Mahabharata Secret(マハーバーラタの秘密)』(2013)でも登場しているそうです。このインドの秘密結社は、陰謀論や神智学的言説の定番として、フィクションの世界でいまも息づいているのです。

実際に〈無名の九賢〉がどのような経緯で発生した結社とされているのかは、本書の冒頭でアショーカ王の逸話が語られているので、そちらをお読みいただければと思いますが、とにかく本書では、この2000年の歴史を持つ秘密結社が積年の悲願を達成するために動き出し、それを嗅ぎつけたファン・カブリーヨ船長とオレゴン号メンバーが陰謀を阻止するべく対峙する、という大筋となっております。

本書の物語としてのキモは、この〈無名の九賢〉サイドも一枚岩ではなく、むしろ冒頭から組織内の二つの勢力が激しい抗争を繰り広げているという点です。
すなわちカブリーヨたちは、対立する二つの勢力の双方を相手しながら、ときにはどちらかに利する行動をとったりする必要も出てくるわけです。
いうなれば、今回カブリーヨたちは、黒澤明の『用心棒』っぽい立ち居振る舞いを要求され、物語上は、『続・夕陽のガンマン』みたいな、三つ巴のつばぜり合いが、丁々発止の勢いで続いていくんですね。

しかも、この二つの勢力は、それぞれ単純な「悪」であったり、金や権力のためであったりというよりは、自分たちの信念に従って世界を変革すれば、必ずや「正しい」新秩序と輝かしい未来が生み出せるという、強い信念に基づいて行動しています。
なので、終盤にいたるまで、物語の緊張感が途切れませんし、カブリーヨたちも、二つの勢力双方を倒さないと事件が解決できないんで、いつもの倍は頑張らないといけないことになっております(笑)。

お話は、船内での銃撃戦から、海上でのミサイル・魚雷戦、さらにはロケット打ち上げをめぐる攻防まで、どんどんスケールを広げながらヒートアップしていきます。
中盤の、ボリウッド女優になりすましてパーティに潜入するあたりのコミカルなやりとりとか、敵に拉致された仲間を助けるための飛行機上での知略に富んだ戦いとかもそうですが、とにかく無条件に楽しめるシーンが目白押し。カッスラー活劇の最良の部分が出た一書といって間違いないかと思います。

ぜひ、梅雨のじめっとした気分を、1000%エンタメの爽快パワーでどーんと吹き飛ばしてくださいね!(編集Y)


2019年6月17日 15:15 | | コメント(0)

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