新刊案内

2013年11月15日
【新刊案内】

さらにインスブルック葬送曲


先日、二夜連続で在京オケの演奏する(指揮者はハーディングとインバル)
マーラーの交響曲第七番を聴くという得難い体験をして、
いまだ興奮さめやらぬ編集Yです。
日本ってのは、ほんとにおそろしい国だ……。

さて、レーナ・アヴァンツィーニ『インスブルック葬送曲』
現在店頭にて好評発売中です!

なお、一部ネット書店で、訳者表記が「颯田あきら」さんとなっているものがありますが、正しくは「小津薫」さんです。
弊社販売部の提供した初期資料のミスが原因で、お恥ずかしい限りです。
謹んで訂正させていただきます。

■オンライン書店で購入する
amazon7&Y楽天ブックサービスbk1


担当Iに引き続き、今回は私もゲラを読ませていただきましたので、
皆様にもぜひお勧めしたいと思います。


昨今、北欧圏およびドイツのミステリーの紹介が盛んですが、
こちらはまだまだ未開の沃野といっていい、オーストリアのミステリー。

作家さんは、これがデビュー作で、
なんと本職はピアノ、リコーダー、チェンバロを弾きこなす
プロの音楽家さんです。
彼女が受賞したフリードリヒ・グラウザー賞というのは、
ドイツ語圏における推理作家協会賞にあたる、
年度最高作を決める権威ある賞です。

枠組みは酸鼻極まるバラバラ殺人をめぐる、
オーソドックスなサイコ・サスペンスですが、
キャラクター描写やストーリー展開、警察機構の描き方などは、
英米圏とは異なる独特のローカルな味わいが感じ取れて興味深いです。

インスブルックの風光明媚な風景を想起しながら
読んでいただけると、いっそう楽しめるかと。
(著者のHPには具体的な各シーンのスナップショットが掲載されています)

なんといっても面白いのが、メイン・アイディアとなる某ネタ。
個人的にじつはほかに「これ」の前例を知らないんですが、
言われてみると「たしかにこれはアリ」って感じでしょう。

ネタが割れたら、ぜひネットで検索してみてください。
百聞は一見にしかず。
ご自身の「眼」で、アヴァンツィーニの見出した「それ」の
ミステリー的な可能性をご確認いただけると思います。
びっくりするほど多彩で豊穣な世界なんですよね
・・・◯◯◯◯の世界って。


あと、ドイツ語圏のサイコものといえばフィツェックですが、

●ジャズ演奏シーンや既存曲の巧みな引用
●舞台が芸術の都にある古い音楽学校
●盲目のピアニストが出てきて◯◯される
●異邦人の主人公が往く先々で事件が起きる
●職人じみた人体破壊と蛆虫への奇妙な執着

その他、個々のシーンも含めて、本作における著者さんって、
編集者の敬愛してやまないイタリアの某ジャッロ監督
影響を受けている気が。やばい、おもしろそうじゃないすか!

個人的には大好物でございます。
ぜひ皆様もご賞味くださいませ。(編集Y)

2013年11月12日
【新刊案内】

グラウザー賞受賞作『インスブルック葬送曲』発売!



TiI_Cover_H1_20131004.jpg

■オンライン書店で購入する
amazon7&Y楽天ブックサービスbk1

昨年、権威あるドイツのミステリー賞(の新人賞)を受賞した『インスブルック葬送曲』をご紹介します。

本作は、作家レーナ・アヴァンツィーニのデビュー作になります。
作品の舞台は作家の故郷、オーストリアのインスブルック。
あの世界中のスキーヤー憧れのリゾートです。
といえば、バカンス気分横溢する楽しげなミステリーを想像されるかもしれません……というのは、タイトルからしていかにもありえない、とってつけたような前振りです。
そう、これはむしろ、古都の街角の、埃っぽい暗がりで覚醒した狂気の物語なのです。
そして、その狂気の冷え冷えとした手触りこそ、本書の魅力をなすものです。

しかし一方で、音楽ファンの方は、本書にまた違った楽しみを見出すかもしれません。
作中で言及される音楽家の名前を挙げておきましょう。
サラ・ヴォーン、カサンドラ・ウィルソン、マイルス・デイヴィス、キース・ジャレット、ハービー・ハンコック、ベートーヴェン、シューマン、ジョン・ケージ、マウリツィオ・ポリーニ……。
もちろん、こうした固有名は音楽ファンをくすぐるためだけに口にされるわけではなく、物語の本質と深くかかわってくるのですが、どうかかわってくるかは、ぜひ本書をお手にとってお確かめください。

いずれにせよ、三度の飯より猟奇殺人が好きな方はもちろん、ジャズ好きも、クラシック好きも、あるいはヨーロッパの中小都市めぐりが好きな方も、ツンデレ女子に目がない方も……つまり誰にとっても楽しめる作品となっています。

〈あらすじ〉
イザベルが死んだ。彼女は家族から離れ、オーストリアのインスブルックでピアノを学んでいた。心不全だったという。妹の死に不可解なものを感じたヴェラは、真実を突き止めるべく、ミュンヘンからインスブルックに居を移し独自の調査を開始する。時を同じくして、切断された腕だけが発見されるという猟奇殺人が当地で発生した。チロル州警察首席捜査官のハイゼンベルクが捜査に当たるが、事件はやがて連続殺人の様相を呈していく……。

2013年10月21日
【新刊案内】

ボーモント短篇集 後半収録作のご紹介


 予告しておりました、『予期せぬ結末2 トロイメライ』の収録作品解題後半です。


■オンライン書店で購入する
amazon7&Y楽天ブックサービスbk1


 大きなネタバレにつながる記述は伏せたつもりですが、先入観を持たず作品にあたりたい方はくれぐれも読了後にお読み下さいね。(編集Y)


続きを読む "ボーモント短篇集 後半収録作のご紹介" »

2013年10月11日
【新刊案内】

ボーモント短篇集 前半収録作のご紹介


もう、『予期せぬ出来事2 トロイメライ』はお読みいただけたでしょうか。

「WEB本の雑誌」で牧眞司さんが、とても素敵な書評を掲載してくださいました。
関係者一同感激しております。

  こちら


皆様もお読みになって、これは面白そうだぞ、と少しでも思われましたらぜひご購入ください!

■オンライン書店で購入する
amazon7&Y楽天ブックサービスbk1


こちらとしてはもう何も申しあげることはないのですが、
せっかくなので、編集者としても本書収録作の簡単な解題をのせておこうかと思います。
(本書解説のほうでは、植草さんにはボーモントの人となりを中心にご執筆いただきましたので)

量があるので、二回にわけて掲載いたしますが、まずは前半の第一部&インターミッションの計7本から。

落ちのネタバレなどは極力避けておりますが、アイディアや素材自体、予備知識なしに読まれたい方は、このあとの雑文は読まれませんように。(編集Y)

続きを読む "ボーモント短篇集 前半収録作のご紹介" »

2013年09月25日
【新刊案内】

『予期せぬ結末2 トロイメライ』 ついに発刊!


前巻『予期せぬ結末1 ミッドナイト・ブルー』(ジョン・コリア著)は、志を同じくするファンの皆様にはたいへん喜んでいただけたようで、とても嬉しく思っております。
諸般の都合でひと月伸ばしましたが、本日9月26日に、いよいよ第二巻、『予期せぬ結末2 トロイメライ』が発刊されます! 今回はチャールズ・ボーモント集


traumerei.jpg

■オンライン書店で購入する
amazon7&Y楽天ブックサービスbk1


古くからのミステリー、SFのファンの方なら、チャールズ・ボーモントの名前はご存じだと思います。

あの伝説的な海外TVドラマ『ミステリーゾーン』の脚本を、メインライターのロッド・サーリングについで、マシスンなどとともに執筆した人物で、代表的な作品のいくつかを担当しています。
作家としては、早川さんが出されている『異色作家短篇集』の『夜の旅その他の旅』でご存じの方もいるかもしれません。

ロジャー・コーマンと組んでの映画脚本でも大きな成果を示したほか、前の記事でも紹介したとおり、映画に出演したり、イラストレイターとしても活躍したり、カーレースに血道をあげたり・・・と多ジャンルで才能の発露を見せながら、若くして悲劇的な病に冒され斃れた天才型の作家です。

本書では、既存の個人集二作に含まれない最初期の傑作と晩年の未訳名品を中心に、井上雅彦氏が13篇をセレクト。ほとばしるアイディアと、その多彩な芸風にきっとびっくりされると思います。

掲載作は以下のとおり。

「血の兄弟」宮脇孝雄訳
「とむらいの唄」植草昌実訳
「トロイメライ」村上博基訳
「悪魔が来たりて――?」矢野浩三郎訳
「幽霊の3/3」植草昌実訳
「秘密結社SPOL」植草昌実訳
「殺人者たち」植草昌実訳
「フリッチェン」伊藤典夫訳
「集合場所」植草昌実訳
「エレジー」深町眞理子訳
「変身処置」深町眞理子訳
「老人と森」植草昌実訳
「終油の秘蹟」植草昌実訳

個人的なおすすめは、伊藤典夫先生の名訳で贈る「フリッチェン」。その圧倒的な不気味さは、きっと「奇妙な味」愛好家のお口に合うと存じます。怪物小説の傑作です。

それから、深町眞理子先生訳の二篇「変身処置」と「エレジー」も、『ミステリーゾーン』ドラマ化作中屈指の名品として名高いSF小説。

その他、どれもほんとにすばらしい作品ばかりなので、前からご存じだった方も、いままでボの字も知らなかった方も、ぜひ読んでもらえたら嬉しいです。
このあと、当ブログでは、各作品の読みどころなどを紹介していきたいと思っております!

文庫形態では、本邦初のボーモント傑作選。
ぜひお手にとって、ロアルド・ダールやリチャード・マシスンに勝るとも劣らない、その全貌をお楽しみ下さい! (編集Y)

2013年09月05日
【新刊案内】

『縮みゆく男』をTBSラジオにて町山さんが紹介!


町山智浩さんが、TBSラジオ「たまむすび」のレギュラーで出演されている火曜日「たいしたたま」で、『縮みゆく男』の紹介をしてくださいました!

(こちらからたどってください)

これがもう、ほんと素晴らしい内容で・・・・、百見は一聴にしかず。
聴けばだれだって、マシスンという人と、この本の真価ががっつりわかっていただけるかと。

あなたも、私も、縮みゆく男なのだから。

みなさんもぜひ、ご一聴ください!(9/9までアップされているようです)

で、これはぜひとも読みたい、ということになりましたら、ぜひぽちっとご購入ください!


■オンライン書店で購入する
amazon7&Y楽天ブックサービスbk1


実際、おかげさまで、放送後、売れ行きもなんだか絶好調でございます。
町山さん、ほんとうにありがとうございます!
マシスンという真に偉大な作家の代表作が、ひとりでも多くの人の手に届けば、こんなにうれしいことはありません!

(編集Y)


2013年08月31日
【新刊案内】

「人は皆、縮みゆく男である」――町山智浩


リチャード・マシスン『縮みゆく男』が、ついに書店店頭に並びます。

■オンライン書店で購入する
amazon7&Y楽天ブックサービスbk1

「リチャード・マシスンにしかなしえない、恐怖と胸に迫る感動を兼ねそなえた最上級のサスペンス」――ディーン・クーンツ

「かつてない恐怖と、すばらしい冒険の物語。これほど他人に薦めてきた小説はすくない。これからはじめて読む人たちがうらやましい」――スティーヴン・キング

そして、町山智浩氏にいただいた解説の表題は、『私も縮みゆく男だった I Was A Middle-Aged Shrinking Man』・・・・(なんてイカしたタイトル!)。

そう、あなたも、「縮みゆく男」かもしれないのです。
日々の経過と、加齢と、衰えのなかで、われわれは皆、何かを喪いながら生きています。
喪うのは、地位かもしれないし、誇りかもしれないし、家族かもしれない。身体の自由かもしれない。
あるいは命かもしれない。
人は誰しも一度は(あるいは一度だけ)死ぬものです。

そんななかで、なお生き抜こうとする意志。最後まで抗おうとする反骨心。
そうして戦い抜くことで得られる、人生の本当の意味。

SFふうの体裁で描かれたこの「寓話」を通じて、マシスンが語りかけてくるのは、そんな実存主義的なテーマです。

一日に7分の1インチずつ身長が縮んでゆく男が、黒後家蜘蛛と戦う・・・・。
設定だけ聞くと、なんだそりゃ、と思う方もいるかもしれません。

しかしその実、本書で扱われている題材は、大変に現代的です。
放射能恐怖。薬害。マスコミ禍。
男性の権威の喪失。あるいは中性化。
社会と家庭の恒常的ストレス。
死に際してのQOLの維持と、心の準備・・・・。

まさに、今の時代にこそ読まれるにふさわしい一書ではないか。
編集者はそう考えています。

SF界の巨星ハーラン・エリスンが、『白鯨』に匹敵するアメリカ文学の傑作として評価しているくらいの名作。ぜひ、ご一読ください!(編集Y)



1 2 3 4 5 ...