業界ニュース

2013年08月09日
【業界ニュース】

エリザベス・ピーターズ/バーバラ・マイクルズ死去


 エリザベス・ピーターズとバーバラ・マイクルズの2つのペンネームを使い、ミステリーやサスペンスを生みつづけたバーバラ・マーツ(本名)が、8月8日にメリーランド州の自宅で亡くなったということです。
 85歳でした。

 23歳でエジプト学で博士号を修得しますが、第二次大戦後で研究者の職を見つけられないのではないかとの懸念から、結婚して2人の子供を育てます。
 本名でエジプトの本を出版したのち、バーバラ・マイクルズ名義でヴィクトリア朝を舞台にしたサスペンスで小説家デビュー。
 その後、歴史ミステリーを発表する際に、彼女はまた新たなペンネームを作ります。娘のエリザベスさんと息子のピーターさんの名をくっつけた、エリザベス・ピーターズの誕生です。
 旺盛な作家活動をつづけた彼女はベストセラー作家となり、1998年にはMWAのグランド・マスター賞も受賞しました。

 扶桑社海外文庫では、マイクルズ名義の『残り火』(片岡しのぶ訳)と『不思議な遺言』(細身遙子訳)を出版。
 ピーターズ名義では、図書館司書から作家に転身するジャクリーン・カービーが活躍する『リチャード三世「殺人」事件』(安野玲訳)、『ロマンス作家「殺人」事件』(本間有訳)、『ベストセラー「殺人」事件』(田村義進訳)があります。
 その他、ピーターズ名義のアメリア・ピーボディ(ピーバディー)シリーズの『砂州にひそむワニ』(青柳伸子訳/原書房)が紹介されています。

2013年07月01日
【業界ニュース】

S・ハンター・フェア!


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大垣書店のブログも御覧ください。

2012年01月05日
【業界ニュース】

ミステリー専門書店@カンザスシティ


 昨年のアメリカ書店業界では、Bordersという大チェーンが倒れるというたいへんな出来事がありました。
 おかげで、カンザスシティ周辺でも、5店舗が消える事態になったのですが、さらにもう1件、独立系のミステリー専門書店〈I Love A Mystery〉が閉店すると発表されました。
 この店のオーナーが2009年に亡くなり、そのあとを継いだベッチ・ウェストがコロラド州の書店のバイヤーとなったため、昨年の夏、ついに店を閉める決断をしたのです。

 しかし、9月になっても建物の売却先が決まらなかったことから、それならとウェストは店の存続を決定。
 もちろん、閉店セールで売り上げが伸びたことも一因だったようです。
 この書店、2万点の古書と3000点の新刊をそろえていたのですが、すでに古書の4分の1、新刊の半分をセールで売ってしまっていました。
 そこで店のマネジャーたちは、年末のホリデー・シーズンにむけて、あらためて在庫を立てなおさなければなりませんでした。

 これだけでもカンザスのミステリー・ファンは喜んだことでしょうが、さらにオマケが。
 閉店が決定して解雇された〈I Love A Mystery〉の店員が、この地域の読者を捨ておけないと、みずからミステリー専門店を立ちあげようと準備をはじめていたのです。
 5マイルと離れていない商業地区に店舗を借り、今月中にリノベーションが終われば開店する予定だといいます。
〈Mysteryscape〉という店名で、すでに〈I Love A Mystery〉で開催されていたコージー・ミステリーの読書会2組のうちひとつが、こちらに移ることになっているとか。
 もっとも、〈Mysteryscape〉は新刊6:古書4の割合の品ぞろえで、SF、ホラー、パラノーマルといったジャンルでもミステリー要素があれば仕入れるとのこと。
 客層が若いので、両店が食いあうことはないだろうと見られているそうです。

 いずれにしても、ちょっとうらやましい話です。
 彼の地の書店は、地域文化に根ざしているようですね。

2011年08月16日
【業界ニュース】

リチャード・ノース・パタースンの新作について


 リチャード・ノース・パタースンといえば、扶桑社ではずいぶんまえに『サイレント・スクリーン』(田村義進訳)、『ケアリ家の黒い遺産』(大西央士訳)という埋もれた2作品をお贈りしましたが、『罪の段階』(東江一紀訳/新潮社)以降ブレイクして、法廷サスペンスのイメージが強い読者も多いかもしれません。

 そんな彼の新作が、アメリカで5月に発売された“The Devil's Light”。
 半年ぐらい前に、当社にも検討しないかと回ってきたのですが、けっきょく見送ることになりました。
 ネーム・ヴァリューもある著者なのに、なぜか?
 まずは、作品の内容をご紹介しましょう...

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2011年04月08日
【業界ニュース】

Dorchester 対 ホラー作家


 以前お伝えした、アメリカのペイパーバック出版社 Dorchester(ドーチェスター)のニュース。

 この出版社が、ペイパーバックの出版をやめて、すべて電子書籍に移行するという大変革を発表したのですが【詳細はこちら】、その後、著者との契約が切れたはずのものを売りつづけ、あやしい雲行きになっている【詳細はこちら】という話でした。

 最近になって、ホラー作家 Brian Keene(ブライアン・キーン)がアクションを起こし、業界をひろく巻きこんだ騒ぎになっています。

 ブライアン・キーンは、ドーチェスターから10冊以上の本を出版してきました。
 ところが、2009年の末から支払いが滞ってしまったのだそうです(海外の出版界では、本が売れれば、その冊数ぶんの印税が著者に入るシステム)。
 しかも、未払い問題を解決しないまま、ドーチェスターはペイパーバックから電子書籍への大転換を一方的に発表したわけです。

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2011年04月06日
【業界ニュース】

ビリー・ジョエル自伝


 というのが話題になっていたんです。
 6月にアメリカで出版予定で、初版25万部を予定。
 執筆の契約額は300万ドルとも言われ、カバー・デザインもできあがっていました。
 が...

 ビリー・ジョエル側が、出版を一方的にキャンセル。
「過去を振り返ることに興味がなくなった」
「おれの人生の浮き沈みを知るには、音楽を聴いてもらったほうがいい」
とのこと。

 聞き書きをする作家がついて作業をしていたはずだし、時期的にも原稿ができていないとは思えないので、じっさいに自分の過去を語っていて思うところがあったのかもしれません。
 孤独な幼少期や地獄のアルコール問題、妻たちとの泥沼の離婚などについて、本人がどのように語るか注目されていただけに、残念。

 というような話を、なぜミステリーのブログでご紹介するのというと、こんな本があるからです。
 ジョエル本人と長く親交を結ぶ著者による、決定版の伝記。
 本国版にも使われなかった秘蔵写真の数々を収録したもので、自伝の企画がなくなったいま、本書の価値は高まったと言えるでしょう。
 ファンのみならず、音楽に興味のあるすべての人に読んでいただきたい1冊です。

2011年03月29日
【業界ニュース】

ハリー・ボッシュ、ついに映画化へ!?


 震災お見舞い申しあげます。
 こんなときにミステリーなんて、というかたも多いかと思いますが、わたしたちは節電で暗めのオフィスのなかで、いつもどおり営業中です。


 さて、以前、マイクル・コナリーとパラマウント映画との争いについて話をしましたが、その続報が入りましたので、お伝えします。

 パラマウントが、コナリーの初期2作『ナイトホークス』と『ブラック・アイス』の映画化権を取得しながら、15年ものあいだ実現しなかったため、映像作品に情熱を燃やすコナリーが、契約期限の隙をついて権利を取りもどした...というのが、これまでの経緯でした。

 パラマウントから映画化権を取りもどすために、どうやらコナリーは、自腹で300万ドルを支払った模様。
 さすがは世界的ベストセラー作家です。

 コナリーは、あらためてこの2作の映画化にむけて、Yellow Bird Films と交渉に入ったとのことです。
 この相手はスウェーデンの映画会社で、そう、スティーグ・ラーソンの『ミレニアム』3部作を製作し、いま、デヴィッド・フィンチャーによるハリウッドでのリメイクにも取り組んでいます。
(個人的には、『ソーシャル・ネットワーク』に引きつづいてフィンチャーに抜擢されたルーニー・マーラのリスベット・サランデルに、すっかりやられました)

 今回は、期待ができそうです。
 本国では、ちょうど『リンカーン弁護士』の映画化が公開されたところで、コナリーの映画熱にいっそう力が入ることになるかもしれません。
 版元としても、早く実現してくれるよう祈りたいと思います。



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