編集部日記
| 2011年12月22日 |
【編集部日記】
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ロバート・ラドラムは殺された?
映画化されたジェイソン・ボーンのシリーズ『暗殺者』等々、世界的な大ベストセラー作家だったロバート・ラドラムについて、不穏な噂が飛びかっています。
問題となったのは、今年の春に出版された The Ludlum Identity という本。
これは、ラドラムの最初の妻の甥で、生前の彼と親交もあった医師ケネス・カーンズが書いたもので、人気作家の死にまつわる謎を世に知らしめました。
ラドラムは、実の父母を知らずに養子として育てられ、あまり幸せな幼少期ではなかったようです(そのアイデンティティの問題が『暗殺者』に見られるという人もいます)。
その後、海兵隊に入隊して南太平洋に従軍し、帰国後は大学を経て、NYの演劇界に入ります。そこでいっしょになったのが、最初の妻メアリー。女優としてのメアリーはウィリアム・シャトナーなどとも共演していたそうですし、ラドラムのほうは、押し出しの強さからか悪役や弁護士役などで200本以上のTVに出演。2人は劇場を経営するまでになり、アラン・アルダやマーティン・シーンを俳優として育てたといいます。
しかし、ラドラムは一念発起して作家に転身。1971年『スカーラッチ家の遺産』でデビューして、たちまちベストセラー作家になります。
その後の活躍はみなさんもご存じでしょう(2人には、CIAやFBIの友人も多く、取材に役だったとか)。
そんなラドラムの私生活に陰りが見えたのが、1997年。長年連れ添ったメアリーが、癌で亡くなったのです。
一時はすっかり意気消沈した彼でしたが、そこに新たな女性カレンが現われます。
彼女はあっという間にラドラムの心をつかんだようです。なぜか弁護士が強く主張して、2人は1年後に結婚。しかも、資産家にはめずらしく、婚前の取り決め(もし離婚した際の財産分与などを事前に契約する)をいっさいしなかったといいます。
ラドラムは、長年住みなれたサウスポートの屋敷(ご近所にはポール・ニューマンやマーサ・スチュアートが住む)を売却し、フロリダへ移ります。しかし、そこでは寝室もべつになり、親密な夫婦生活はみじんもなかったといいます。
そして、2001年1月24日、ラドラムは遺言書を書きかえます。350万ドルのフロリダの屋敷、モンタナの広大な土地、そして100万ドルとその他のすべての個人資産が、死後カレンに贈られることになったのです。
それから2週間あまりで、事件が起きます。
2001年2月10日、ラドラムはリクライニング・チェアで炎につつまれていました。消防が駆けつけたとき、まだラドラムの体からは火が出ていて、叫び声をあげていたといいます。数年前に心臓のバイパス手術をし、さらに骨関節症にかかっていたラドラムは、自分で動けなかったのでした。
消防士が妻のカレンを探すと、彼女はキッチンにいて、自分の飲み物を作っていたそうです。消防士に「Fuck off!」と罵声をあびせ、取りつく島がなかったといいます。
火傷と煙の影響で病院に搬送されたラドラムですが、やがて退院して自宅にもどります。しかし、退院すべきではなかったのでしょう。痛みがひどく、モルヒネを要求しつづけたそうです。
そして3月12日、ラドラムは死去しました。
死後は生まれ育ったNYに埋葬してほしいと語っていたラドラムですが、じっさいには彼の遺体は、検視も行なわれずに草々に火葬され、灰は湖にまかれました。
その2年前、ラドラムは出版社セント・マーティンズと4作ディールをしていました。フォーブス誌によると、亡くなった年の彼の収入は、500万ドルにのぼるとのこと。
その後、ボーン・シリーズが映画化されて大ヒットし、ラドラムのキャラクターを使って他の作家が作品を発表しつづけるなど、死後も彼の名声は衰えていません。
カレンのラドラムに対する態度は、当初から変わらないようです。高価な婚約指輪を贈られても、ラドラムに知らせずにさらに高価で派手な指輪に取り替えさせたとか、夫の死後、家政婦に向かって、「会計士に電話して、わたしのもう200万ドルがどこにあるか聞きたいの」と言っているのが聞かれています。
ラドラムがなぜ火事に見舞われたのかも、よくわかっていません。不自然な燃えかたから、ラドラムの息子ジョナサンは、燃焼促進剤が使われたのではないかと疑っていました。
そのジョナサンは、父の死について調査をし、ラドラム・エステイトの運営に加わろうと試みましたが、行方不明になり、けっきょく自宅で遺体となって発見されました。
そして、疑惑のカレンも亡くなります。「自殺」とされていますが、周囲の人びとは薬物の過剰摂取が原因と考えているようです。
こうして、世界的ベストセラー作家の最期の謎は、未解決のままになってしまったのです。
| 2011年12月14日 |
【編集部日記】
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スティーヴン・ハンター、たちまち増刷!アンド・・・
スティーヴン・ハンター『デッド・ゼロ 一撃必殺』(上・下)
昨年に引き続き、たいへんよく売れております!
本当にありがとうございます。
シリーズを続けられるのも、新刊で購入して買い支えてくださるファンの皆様のおかげです。
今回、(すでに読まれた方はご納得いただけると思いますが)あんまり事前の紹介で内容に深入りすると興を削ぎかねないので、とにかく抜群に面白い、とだけいっておきます。

それから、今月6日に発売されました『本の雑誌増刊 おすすめ文庫王国2012』の、海外ミステリー文庫ベスト10に、弊社『装飾庭園殺人事件』(ジェフ・ニコルスン)と『硝子の殺人者』(ジョー・ゴアズ)が2点ランクインいたしました! 快挙です。関口さん、ありがとうございます!
さらにさらに・・・
同じ増刊号内の企画「おすすめ文庫王国二〇一二杯 最強文庫決定戦 年の瀬場所」で、なんと弊社『装飾庭園殺人事件』が優勝! 「最強文庫」の称号を手に入れました!!
ぜひ、この機会に書店でGETしてくださいねっ!
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| 2011年11月10日 |
【編集部日記】
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『装飾庭園殺人事件』続報! そしてハンターが・・・
『装飾庭園殺人事件』、お陰様でひっそりと評判を呼んでおりまして、あちこちで高名な書評家の方々にご紹介いただけているようで、本当にありがたいかぎりでございます。
●翻訳ミステリー大賞シンジケートの今月(10月度)の書評七福神では、ミステリー評論家の千街晶之さんが本書をご紹介くださっています!
●読売オンラインの「本よみうり堂」では、11月11日付で、書評家の石井千湖さんが本書をご紹介くださっています!
●NHK・BSの『NHK週刊ブックレビュー』で、批評家の佐々木敦さんの推薦で、本書が紹介されることとなりました(合評じゃないですけど、超うれしい)!
放送日時: 11月12日(土) 06:30〜07:24
18日(金) 12:00〜12:54 ※再放送
ぜひ、ご興味のある方はご覧下さいね!
それと、AXNミステリーの年末恒例番組、
「第3回 AXNミステリー 闘うベストテン」のBEST30に、
本書がノミネートされました! パチパチパチ!
最終順位は果たして? その結果は
12月29日(木)23:00 からの放送をお楽しみに。
でも・・・・
「年末まで結果が待てない!」「自分も参加してみたい!」
「ナマ杉江松恋さんが見たい!」(他に豊ア由美さん、香山二三郎さん、大森望さん、石井千湖さんの計5名が出演されます)
そんなあなたに、耳寄りなお知らせです。
現在、AXNミステリーウェブサイト(mystery.co.jp)では、
抽選で本イベントの公開収録に40名様をご招待する「闘うベストテン プレゼントキャンペーン」を実施中です!
ふるってご応募くださいねっ!(って紹介してって、AXNの人に言われました。しますとも、いくらでも!)
さて・・・・
いよいよ、スティーヴン・ハンター『DEAD ZERO』の発売が近づいてまいりました。
本日、隣席の担当者が責了しているのをこの目でしかと確認したので、間違いなく今月末に発売されることでしょう。
邦題は、『デッド・ゼロ 一撃必殺』。
デッド・ゼロというのは、射程をあわせてどんぴしゃにターゲットに的中させることをさすスナイパー用語です。作中でも気の利いた決め台詞として使われているので、今回は、そのままタイトルとしました。
ちなみに、副題は最もよく知られた海兵隊のスナイパー標語から取っております(ONE SHOT,ONE KILL というやつですね)。ゴッドハンドは基本関係ありません。
内容に関してましては・・・また後日。お楽しみに!(編集Y)
| 2011年09月27日 |
【編集部日記】
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扶桑社ミステリー在庫僅少本フェア
先週より、紀伊國屋書店新宿本店にて、
扶桑社ミステリー在庫僅少本フェアを開催中です!
二階文庫コーナーのレジ真正面の一等地。
本当にありがとうございます!
↑ おおっ 『ドクターから愛をこめて』がもう売り切れそうです!!
新宿紀伊國屋さんで扱っていただけたのは、以下のタイトル。
すべて、ほぼ残部100部未満です。
・ドクターから愛をこめて アーヴィング・ウォーレス著 591円
東京駅栄松堂で海外文庫売上一位を永年驀進した
究極のロングセラー、ついにその役目を終える!
オジサン向けSEX浪漫ノヴェルの金字塔!
・夜の終わる場所 クレイグ・ホールデン著 820円
『この年の自信のベスト1だったのに、各種アンケート
では下位に甘んじて淋しかった。(北上次郎氏・談)泣』!!
2000年度翻訳界を代表する重厚なる警察小説!
刑事エイブ・リーバーマン シリーズ スチュアート・カミンスキー著
あらゆる書評家の絶賛を浴び、5作で力尽きた名シリーズ!
都市を、犯罪を、そして人間を知りつくしたシカゴの老刑事。
今は亡き知と情の才人が心をこめて彫琢した、感動のモジュラー型警察小説。
大傑作『憎しみの連鎖』は残部15冊、早いもの勝ち〜
・愚者たちの町 680円
・裏切りの銃弾 650円
・冬の裁き 660円
・人間たちの絆 820円
・憎しみの連鎖 980円
・狼の夜(上) トム・エーゲラン著 840円
・狼の夜(下) 840円
空前の北欧ミステリーブーム前夜にひっそり発売され、
ひっそり散った傑作(時代を先取りしすぎた編集T orz)
生放送中のスタジオを占拠したテロリストとの息詰まる攻防!
危機また危機、『24』を超えるスリルと謀略が展開する。
ぜひ、皆様、足をお運びくださいね!
(以下、生々しいぶっちゃけ話)
| 2011年08月27日 |
【編集部日記】
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(速報)スティーヴン・ハンター新作、ついに訳了! ほか
かねてより、続報があればお伝えすると申し上げておりました、スティーヴン・ハンターの新作『Dead Zero』(邦題未定)ですが、ついに上・下巻分とも翻訳があがりました!
これから、鋭意編集作業が進められるわけですが、
一応のところ、例年どおり12月頭の発売で世に問うめどはたったかと存じます。
といいつつ、何がどうなるかはわかりませんので、あくまで「予定」ということで御了承ください。
いろいろ、すごいっすよ、マジで。ご期待ください。
また、F.P.ウィルスンの始末屋ジャックシリーズ最新作、『Infernal』(邦題未定)も無事、翻訳はあがっております。
いよいよ、大詰めに向けて物語も盛り上がってまいりました。
会社の要請で隔月刊でお届けしていることもあり、これから発売時期を販売部と詰めなければならないのですが、なるべく早く読んでいただけるよう頑張って交渉したいと思います。
刊行時期が決まったら、またご報告申し上げますね。
なお、10月頭に出す次の新刊は、
ジェフ・ニコルスンの『装飾庭園殺人事件』。
別冊宝島の「隠し玉」で、編集子が本年度最大級の魔球としてご紹介した、例のやつ。
翻訳してくださった風間賢二さんがツイッターでもさかんに発信されているとおり、
ぶっちゃけ、傑作です。
もしかすると、もしかするよね・・・・これ。
刊行点数は(発行部数も)微々たるものですが、アクション、ホラー、本格系と全方位作戦を展開中の扶桑社に、よりいっそうのご支援のほどをよろしくお願い申し上げます。(編集Y)
| 2011年07月20日 |
【編集部日記】
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またまた『キラー・インサイド・ミー』情報
このブログで何度となく取りあげてきたので、いいかげん嫌がられるかもしれませんが、ジム・トンプスン不朽のノワール『おれの中の殺し屋』の映画化『キラー・インサイド・ミー』について、また朗報です。
DVD発売を記念して、ヒューマントラストシネマ渋谷にてミステリーサスペンス映画祭が行なわれます。
おなじみ滝本誠氏がセレクトしたあざやかな映画群に、トークショーをプラスした特別企画。
その開幕と閉幕を飾るのが、『キラー・インサイド・ミー』です。
扶桑社のミステリー読者にはど真ん中のイベントではないでしょうか!?
なお、『キラー・インサイド・ミー』は全国での公開がつづいていますので、お近くの映画館をチェックしてください。
DVD発売を待つのもいいですが、ぜひ映画館の暗闇で!
| 2011年07月04日 |
【編集部日記】
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名探偵たちの年齢【その2】
さて、そもそも話の発端になったコナリーですが、彼の場合はボッシュにきちんと年をとらせているのですね。
みなさんの印象では、いかがですか?
たしかに近年の作品では、警察の年金について細かく語ったり、足腰が弱くなったり、老眼鏡を使ったりといったシーンが見られます。
さらに今度の新作では、ホテルの屋上を調べるのに、自分では行きたくないからと、若い刑事に非常階段をのぼらせる、というくだりも。むかしのボッシュとは思えないですよね。
じつは、じっさいのLAPDでは、現在最年長の殺人課刑事は58歳だといいます。つまり、ボッシュはその年齢を越えていることになります。こうなってくると、リアリティの問題が出てきます。ウソくさくなってしまっては、シリーズの存続にかかわります。
そのためコナリーは、ボッシュに犯罪捜査を続けさせるための道を模索中だそうです。
たとえば、市警をやめて、検察庁づきの特別捜査班に就かせるとか、あるいは、ボッシュの娘にバトンをわたしてしまう、といった思いきった変化を加えることになるかもしれないとのことです。
こんな話を聞くと、扶桑社海外文庫で出版していた、スチュアート・カミンスキーの老刑事エイブ・リーバーマンのシリーズを思いだします。
シカゴ市警の刑事リーバーマンは、シリーズ開始当時で、すでに60歳(ちなみに、パートナーのハンラハンも50代)。それから、物語の進展とともに年をとっていきました。
アメリカは実質上、定年制度がないらしいので、自分が働けると思うかぎりは現役なのですね。
リーバーマンは、年齢を逆手にとった人生経験と知恵で、事件を解決していきます。いいシリーズでしたが、わたしどもの力およばず、途中で断念することになってしまいました。申し訳ありません。
これが英国だと、公務員たる警官には、退職・引退の時期がやってきます。
ご存じのとおり、イアン・ランキンのリーバス警部は『最後の音楽』で引退となりました。
それでも読者は、リーバスの復帰をもとめているそうです。ミステリー界の大立者オットー・ペンズラーも、ランキンに言ったそうです。「イアン、これはバカげているよ。きみは作家なんだ。リーバスに年をとらせなきゃいいだろう」アメリカ作家たちの作品を見てきたペンズラーらしい言葉です。
ベストセラー作家のリーバスらしく、政治界からも反応があったそうです。スコットランド議会で、警察官の退職年齢を65歳に引きあげるよう法務省に嘆願しよう、という声があがったのです。そうなれば、リーバスがあと5年働けるから。もちろんこれは、政治家のジョークだったようですが。
ま、いずれにしろ、ランキンはリーバスの復帰を考えているようですよ。
引退後も事件にかかわることになったのが、大御所ルース・レンデルの主人公ウェクスフォード警部(失礼、「元警部」ですね)。
前作で退職し、孫と遊んだり読書にふけったりして暮らすウェクスフォードは、この夏に出版される新作 The Vault で、コンサルタントとして捜査に復帰します。
しかし、その立場上、みずから現場に立つことができません。
作中で彼は、自分で目撃者を尋問できないと妻にこぼすそうです。「入っていって、直接話を聞けたらいいんだが。小説のなかの素人探偵みたいに」
話は一転、ヤングアダルト小説が流行した英米では、ミステリー作家がつぎつぎとジュヴナイルを発表しました。
たとえば、ジョン・グリシャムが昨年はじめたシリーズの主人公は、13歳。
これはこれで、年をとっていくのでしょうか?
そうそう、扶桑社にはもうひとつ、スティーヴン・ハンターのボブ・リー・スワガーのシリーズがあります。
こちらは、ご存じのとおり、着々と年齢を重ねています。
父親からつづく年代記でもあり、生まれたときもヴェトナム経験も描かれていますから隠しようがありませんし、なにより、年をごまかすといった操作はこの作風には合いません。
さて、そのハンターですが...詳細はまた追って!
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