扶桑社ロマンス

2008年08月28日
【新刊案内】

ケイ・フーパーの秘蔵ロマンス


ケイ・フーパーといえば、超能力者が活躍するサイキック・サスペンスで人気のある作家ですが、本書は彼女の初期のロマンス作品。
1984年にアメリカで出版された後、しばらくのあいだ品切れ状態が続いていましたがファンの要望に応えて、出版社が最近復刊したものです。

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図書館勤務の学術研究員CJ・アダムスは26歳。
歴史書を読むのが唯一無二の趣味で、恋愛への関心は全くなしという至ってサッパリした日々を送っています。
友人たちはCJにお似合いの相手を見つけようと世話を焼いてくるのですが、それがCJにとっては煩わしくて仕方がありません。
そこで彼女は、スキー場で出会ったイケメン独身弁護士を、とっさに恋人と偽ってしまい……
さて、この偽の恋愛関係の結末は?
ロマンス小説で作家デビューしたケイ・フーパーの、若かりし頃の初々しさが伝わってくる作品です。

ちなみに本書に登場するイケメン弁護士の名前ですが、フェイト・ウェストン。CJはフェイト(運命)と出会った、と洒落たわけですが、昨年、弊社ロマンス文庫で刊行されたケイ・フーパー作『ラプンツェルの秘密』にもサイラス・フォーチュン(運命、幸運)なる人物が出てきます。
このフォーチュン氏の容貌はサンタクロースそっくりだと書かれています。未読の方はぜひご一読を。
こちらの方は、どんでん返しの連続で、キックのある読み心地が楽しめます。

2008年07月28日
【扶桑社ロマンス】

扶桑社ロマンス メールマガジンはじめます


「新作の予定を知りたい」という読者のみなさまのご要望にいち早くお応えするため、扶桑社ロマンスのメールマガジンをはじめることにいたしました。

 メールアドレスを登録していただけば、毎月の情報を直接送信いたします。

 くわしくは、このページをご覧ください。

 携帯電話のかたは、ノーラ・ロバーツの新刊『炎の壁の彼方から』をご覧ください。
 オビにQRコードの案内がございますので、そちらからもご登録いただけます。

ノーラ・ロバーツのサスペンス!


 5月で完結した〈光の輪トリロジー〉は、ファンタジー色が濃厚の3部作でしたが、本書は一変してサスペンスが漲っているロマンス作品です。

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 舞台はボルティモアのリトル・イタリー。
 11歳の夏の夜、両親のピザ・レストランが何者かの放火により焼失してしまうのを目撃したリーナ。
 火災現場の炎は、恐怖と圧倒的な美しさを持って彼女に迫ってきます。
 そう、リーナは炎に魅了されてしまったのです。
 リーナは炎の魅力を解明しようと、放火担当の警察官を志すことになります。

 この作品は、イタリア系大家族の豊かな愛情に囲まれたひとりの女性の二十年間を描いたドラマであると同時に、連続殺人放火犯を追い詰め、対決するサスペンス・アクションでもあります。
 そしてまた、十数年間、彼女を思いつづけてきた男性との純愛小説でもあります。

 サスペンス、家族愛、そしてロマンスが見事に詰まった読み応えのある作品です。(編集部・N)

2008年07月02日
【新刊案内】

海から来た伯爵


今月の扶桑社ロマンス新刊は、本邦初紹介作家、カレン・ホーキンスの『海から来た伯爵』でございます。

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あらすじはこんな感じです。

トリスタン船長はトラファルガー海戦の英雄。伯爵を父にもちながら、幼い日に母を失い双子の弟とも生き別れ、海の男として生きてきた。
そんな彼のもとに、父の死の報せをもって執事のリーヴスがやってくる。
しかし、爵位を継承し莫大な遺産を受け継ぐには、管財人による審査があるという。
トリスタンは、隣に住む若き未亡人で、いつも庭に迷い込む羊の苦情を言いに来る堅苦しいプルーデンスに、マナーの個人教授を頼むことにするが……。

カレン・ホーキンスは、本国では、NYタイムズ・ベストセラーリストをはじめ、各紙リストをにぎわせている人気作家です。穏やかなユーモアと愛らしいストーリー立てが彼女の最大の魅力で、HPをのぞいてみても、その愉快なひととなりが伝わってきます。

本作でも、海賊あがりの船長トリスタンと、若き未亡人プルーデンスの、どこか純でほのぼのとした恋愛模様が、練達の筆致で描かれています。マナーを教えようとするプルーデンスに、船長がちょっかいをだしつづける(ちょっとセクハラっぽい…)ようすは、まさに恋の個人教授(笑)。
二人の抱える過去や家族の問題も、たくみに物語に織り込まれています。
あと、羊ですね、羊。

しかし、本作の見所は、なんといっても万能の執事リーヴスの大活躍。
ぴん、と来られる方もいらっしゃるでしょう。そう、彼の元ネタはウッドハウス御大のユーモア小説に登場する天才執事ジーヴスなんですね。本家に劣らぬ、慇懃無礼なスーパーバトラーぶりは実に愉快。このところマンガ・小説・アニメでも大人気の「執事もの」としても大いに楽しめること請け合いです。

本作、実は2部作でございまして、秋ごろには主人公の弟クリスチャンの恋と冒険を描く続編をお届けできると思います。もちろんリーヴスも引き続き大活躍。その他の作品も順にご紹介していく予定ですので、今後も、末永くご愛顧賜れば幸いです。

扶桑社といえば、ノーラとHOTと飛び道具、といった印象もあるかと存じますが(それはそれで最高の褒め言葉でございます)、今回は、軽やか爽やか路線でお送りしました。さまざまなタイプの面白いロマンスをご紹介すべく、地道に芸域を広げていきたいと考えておりますので、温かい目で見守ってくださいねっ!

2008年06月09日
【新刊案内】

闇を駆けぬけて


大変、長らく、お待たせいたしました……。
〈真夜中〉シリーズで人気爆発のリサ・マリー・ライスの新刊をようやくお届けする運びとなりました。『闇を駆けぬけて』でございます。

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あらすじはこんな感じです。

私はサリーなんかじゃない。
殺人事件の重要証人として命を狙われ、名を変え、身分を偽ってアイダホの片田舎で暮らすことになり、ジュリアはわが身の不幸を嘆くばかり。
しかし、孤独に震える日々は一変した……クーパーと出会ってから。
元特殊部隊の寡黙な牧場主。でも優しさを内に秘めた男。
やがて彼女の持ち前の明るさは、クーパーを、そして寂れた田舎町を希望で照らしてゆく。
だが、殺し屋の影は着実に彼女へと迫っていた!
〈真夜中〉シリーズの著者が放つ究極のロマンティック・サスペンス!

恋愛には不器用だけど、圧倒的な男性的魅力を発散させる過保護系ヒーロー。
危機に立たされる、聡明で自立心のあるヒロイン。
手に汗にぎる怒濤のサスペンス、あふれるユーモア、そしてHOTな官能描写。
〈真夜中〉シリーズをお楽しみいただいた方なら、きっとご満足いただける作品だと思います。〈真夜中〉シリーズと較べても、小説としての完成度はさらにパワーアップ。
これまでの「男と女」の密室劇っぽい組み立てから一歩進んで、「人と街」というテーマを取り上げ、成功を収めているのは本書の大きな魅力です。人の心を溶かし、街のよどみを一掃してゆくヒロインの活躍ぶりは、「野のユリ」や「バグダッド・カフェ」(どっちも古い映画でごめんなさい)ばりの感動を与えてくれます。
ミステリーとしても、なめてかかってると結構してやられるんじゃないかなあ。
あと、なんといってもリサ・マリーの魅力はヒーローの造形。クーパーが期待にたがわず、とってもおちゃめさんです。「寡黙な男」という設定が、じつに上手に活かされていて、編集者は終盤思わず「う、うまい!」と舌を巻きました。
“レンガ社長”こと、ジョン・ハンティントンほか、〈真夜中〉シリーズのヒーローたちともども、ご愛顧たまわれば幸いに存じます。

2008年06月04日
【新刊案内】

ノーラ・ロバーツのファンタジー・ロマンス3部作、完結!


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 第一巻『魔女と魔術師』では、現代ニューヨークに生きる若く魅力的な〈魔女〉グレンナと、十二世紀のアイルランドから時空を超えて現代ニューヨークやってきた〈魔術師〉ホイトのカップル。
 第二巻『女狩人と竜の戦士』では、男まさりのヴァンパイア・ハンター〈戦士〉ブレアと、変幻自在の変身能力を持つ〈姿を変える者〉ラーキンのカップル。
 この二組のカップルのロマンスを中心に、〈光の輪トリロジー〉の冒険物語が展開されて来ました。

 そして三部作の最終巻である本作『王女と闇の王子』では、かつてヴァンパイアに母親を殺された過去を持つガイアルの王女で新女王になるモアラと、ホイトの弟でやはりヴァンパイアの女王リリスによりヴァンパイアにされてしまったキアンのカップル。
 この2人のおよそ不可能としか思えないロマンスを中心に、お話は進行して行きます。
 物語は、女王リリスやデイヴィーの過去などがあきらかにされながら、〈沈黙の谷〉での最終決戦に向けてクライマックスに突入します。

〈光の輪トリロジー〉の大団円です。(編集部・N)

2008年05月01日
【新刊案内】

裏切りは愛ゆえに


4月刊のロマンスは、新星カレン・フェネックの中世ヒストリカル『裏切りは愛ゆえに』でございます。

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お話はこんな感じです。

12世紀イングランド。
女領主キャサリンの居城は、敵の猛攻にさらされていた。頼れるのはかつての婚約者ド・ローラン卿のみ。窮状を聞いた彼は、結婚を条件に、城の奪還を約束するが、五年前に婚約を一方的に破棄した彼女の裏切りを許してはいなかった。
しかもキャサリンには秘密があった。攻められる直前、彼女は死別した夫の息子を出産していたのだ。
偽りと裏切りが交錯するなか、夫婦となった二人のあいだに芽生える熱い想いとは……

本作の読みどころは、何と言っても中世物ならではの味わいでしょう。
きびしい領地争いの過中で、かつての婚約者に今も深い愛情を抱きながら、生まれたばかりの息子の存在を隠すという重い秘密を背負わざるを得ないヒロイン。
ずっとヒロインのことを想いつづけながらも、かつての手ひどい裏切り(これにも深い理由があるのですが)から、今も疑心暗鬼に苦しむヒーロー。
中世が舞台でなければ描けない、苛烈な戦闘と渦巻く陰謀に彩られた濃密な愛憎の物語です。ロマサスも書いている作家さんだけあって、謎が謎を呼ぶミステリー仕立の展開や、強烈な印象を残す悪役の描写にも光るものがあります。
また、冗長な表現や過剰な台詞を極力排した独特の文体も、中世という苛酷な現実とロマンが交錯する時代にいざなってくれます。
リージェンシーもの全盛の昨今、たまには他の時代の雰囲気のちがうヒストリカルも読んでみたいなあ、という貴女。ぜひ手にとってお楽しみいただければ幸いです。



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