アマゾンの電子書籍読み放題サービス「Kindle Unlimited」をご存じのかたも多いと思います。

 月額980円で、参加している電子書籍を何冊でも読めるというサービスです。

 

「Kindle Unlimited」には、扶桑社海外文庫からも以下のロマンス作品が提供されています。

 

ナリーニ・シン/藤井喜美枝訳

 『黒き狩人と夜空の瞳』

ナリーニ・シン/河井直子訳

 『気高き豹と炎の天使』

 

リサ・マリー・ライス/上中京訳

 『明日を追いかけて』

 

サブリナ・ジェフリーズ/上中京訳

 『ストーンヴィル公爵の真実』

 

コニー・メイスン/野崎莉紗訳

 『カリブに燃える愛』

 

ジェス・マイケルズ/河村恵訳

 『悦びの手ほどき』

 

リンダ・ウィンステッド・ジョーンズ/山口まなみ訳

 『ためらいの媚薬』

 

 ただし、以上の作品は2016年12月末をもって読み放題サービスでの提供が終了します

(読み放題ではなくなるというだけで、通常の電子書籍版の販売はつづきますので、ひきつづきそちらでお求めいただけます)

 

 これらの作品を読んだことがない、あるいは再読したいというかた、この機会にぜひどうぞ。

「Kindle Unlimited」は、はじめてのかたには30日間の無料期間もありますので、この機会に試されてみるのもよいのではないでしょうか。

 

 なお、扶桑社海外文庫のミステリー作品も参加していますので、こちらもご覧ください。

2016年12月 1日 11:03 | | コメント(0)

更新がまたも遅くなって相済みません・・・。

もう、今月の新刊はお読みいただけたでしょうか?

 

米国を代表するパラノーマル・ロマンス作家、ナリーニ・シンによる〈サイ=チェンジリング〉シリーズ第12弾、『黒曜石の心と真夜中の瞳』(上・下)。

熱烈な読者の皆様のご支持を賜り、ついになんとかここまでやってまいりました!

本国ではシリーズ屈指の傑作との呼び声も高い大人気作です。

 

サイ12上下帯なし.jpg

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出だしはこんな感じで始まります。

 

カーディナル(特級能力者)の念動力者であり〈サイ評議会〉のメンバーでもあったケイレブ・クライチェックは、7年の長きにわたって行方を追いつづけてきた人物をようやく敵から奪い返し、手にいれたところだ。
サハラ。運命の女性。若き日に出逢い、ずっと寄り添って生きてきた彼にとっての唯一の光。
しかしあの日ふたりの深い絆は無残に引き裂かれた。
拉致されたサハラを待っていたのは、檻に囚われ拷問を受ける地獄のような毎日だった。
凄絶な監禁生活のなか、自ら心に迷路を作って閉じこもり何とか生きぬいてきたサハラ。

ケイレブは、救い出しはしたものの、記憶まで喪った彼女を献身的に支えるが・・・。

 

本来、この本の原書では、発売日まで主人公の正体を隠しきり、カバー周りにも一切名前を出さなかったという話でしたので、われも試さんといろいろ頑張ってみたのですが・・・無理でした。

さすがに、上下巻の裏のあらすじコーナーは結構なボリュームで、ふたりの名前を出さないともちませんで・・・。

それと、上巻のあらすじで、よりによってケイレブの苗字を、本来「クライチェック」と表記すべきところを「クラチェック」としてしまいました。完全に編集者の見落としであり、穴があったら入りたい気分です。大変申し訳ありませんでした。この場を借りて陳謝いたします。

 

で、本書の内容ですが、とにもかくにも

主人公のケイレブがかっこいい。

結局のところ、それに尽きるのではないかと。

 

よく宣伝文句などで、「最強のヒーロー」とか「究極のヒーロー」といった言い回しが使われますよね。かくいう編集者も、何かにつけ、ついついそういう言い方をしてしまうのですが、「ホントに最強で究極なのか」と言われると、まあ実際は、そんな感じで描かれてるだけってのがほとんどなわけです。

 

ところが、本作の我らがヒーロー、ケイレブは違います。

文字通りの「最強」。リタラリー「究極」の能力者。

まずスペックが桁違いです。

彼は、もし望むなら、地球を壊すことすらできる最強の念動力者であり、地球上のありとあらゆる場所へと瞬時に移動できるテレポーターでもあります。

しかも世界の支配的地位にあるサイの、最高意思決定機関であるサイ評議会のメンバーであり、評議会崩壊後は、サイ社会の中枢を実質ひとりでとりしきっています。

能力においても、地位においても、そのへんのロマンスに出てくるギリシャの富豪や剣の達人や一介の伯爵とは、まるで「モノ」が違う。

要するに、このヒーローは、世界の命運を文字通り握っている。

本作は「セカイ系」のパラノーマル・ロマンスなのです!

 

単に強くて地位が高いから、ケイレブは最強・究極のヒーローというわけではありません。

彼は、ロマンス小説における究極のヒーロー像を具現化するために設定を与えられたキャラクターです。だからこそ、彼のことを「最強・究極」と呼びうるのです。

 

たとえば、ロマンス小説のお約束として、「ヒーローはヒロインのピンチに必ずかけつける」「ヒーローはヒロインが今いて欲しいと願うときに姿を現す」というのがあると思います。

通例、それは偶然の成り行きや、ヒーローの深謀遠慮によって、かなりご都合主義的に実現される「お約束」なわけですが、本書ではこれが「必然」として成立しています。

なにせ、ケイレブはテレパシーでいつもサハラの状況を知ることができるうえ、彼女がピンチだと思ったらテレポートで瞬速で現れるのです。さらには、ヒロインが行きたいといえば、その数行後には海にも山にもアラスカにもアフリカにも一瞬で飛べてしまう。敵に立ち向かえば無敵。災害救助でも異次元の力で町をまるごと救ってしまいます。

守護天使としてのヒーロー像。願望充足器としてのヒーロー像。

ケイレブほどに、完璧にそれをこなしてくれるロマンス・ヒーローはそうはいません。

 

もっと重要なのは、ケイレブが「ただサハラのためだけに」生きているということです。

彼が世界を滅ぼそうというとき、それはサハラが滅びを願うからです。

彼が世界を救おうというとき、それはサハラがその存続を願うからです。

彼が評議員に上り詰め、世界の変革に乗り出したのも、サハラを救うためでした。

幼き日に悪の手から救えなかった彼女を、もう一度取り戻す。そのためだけに、彼は7年の歳月を費やして、戦い、自らの力を伸ばし、激動の世界を独り生き抜いてきたのです。

そして、彼女を手許に取り戻した今、彼は、彼女の担う苦難も喜びも弱さも正しさも、すべてを受け入れ、彼女にひたすら尽くそうとします。

 

よくロマンスの決まり文句で「君のためならなんだってできる」「なんなら世界を敵に回したっていい」などといいますよね。

ケイレブの場合、それはガチです(笑)。

本当に、ヒロインのためならなんだってするし、世界を滅ぼそうとすらします。逆にヒロインが願えば、新たなる世界の救世主に祀り上げられることすらいとわない。

「すべては君のために」

このロマンスにおける究極の標語を、全編を通じてその身をもって体現しつづけるからこそ、彼は「最強・究極のヒーロー」と呼びうる存在なのです。

 

リサ・マリー・ライス作品に出てくるヒーローに、ヒロインに対する性的興奮を抑えきれず、思わずレンガを握りつぶした人外めいたパワーの持ち主がいたのはつとに知られるところですが、ケイレブの場合は、それどころではありません。

なんてったって、彼が興奮したら、地平線まで地割れが出来るんですよ!!(マジ)

二人で住むための大邸宅(これもヒロインのために彼がせっせと建てた)の前にも、一大渓谷が出来ちゃう。

テラフォーミングしちゃうんですね(笑)。ちょっと油断すると愛が漏れ出して。

幼い日からヒロインが好きすぎて、これまで女を知らずに生きて来たというだけでもポイントはえらく高いのですが、そんなヒーローが、愛を交わすたびに文字通り地殻変動を引き起こすのです。なんて力強い愛の告白なのでしょうか。

いつもヒロインへのあたりはキツいですが、ケイレブのあらゆる行動、あらゆる発言はすべて彼女のためになされるものです。彼は、セカイ系のヒーローであると同時に、究極のツンデレヒーローでもあるのです。

 

ケイレブの愛は重い。だって、その愛の重さは地球の重さだから。世界の重さだから。

 

通常なら、こういうヒーロー像はさすがにやりすぎで、漫画チックで、ギャグめいた印象を与えかねません。しかし、実際にお読みいただければ(ここでは紹介なので面白おかしく書いてはいますが)、きわめてすんなりと彼の究極のヒーローぶりは受け入れられるでしょうし、貴方の胸を熱く躍らせてくれるはずです。

壊れかけ、スクラップも同然の心を抱えたヒロインを、おずおずと、しかし力強く庇護し、忍耐ぶかく見守りつづける彼の姿には、誰しも胸がきゅんとなること請け合いです。

そのためにこそ・・・この究極のヒーロー像を受容可能な形で描くためにこそ、ナリーニ・シンは12巻に及ぶ長いシリーズを書き継いできたのだ、・・・そう思えてなりません。

読者がケイレブの存在を、単なる絵空事ではないリアルなキャラとして素直に受け入れられるようになるまで、著者は、これまで入念な準備を積み重ねてきました。長い巻数をかけて膨大な規模の世界観を構築し、サイ特有の思考と能力を読者に入念に刷り込み、ケイレブのキャラクターを醸成してきた。

それでも、彼がヒーローをはるまでには、12巻の積み重ねが必要だったのです。

 

そして、ついに満を持してケイレブの物語が、こうやって語られました。

その完成度、興奮度の高さは、すでに読まれた方がいちばんご存じでしょう。

 

一人でも多くの方が、この「究極のロマンス」を楽しんでくださることを願ってやみません。

 

なお今のところ、シリーズ13弾は来年の夏ごろにお届けできればなあ、と考えております。結構ぎりぎりのところでやっておりますので、ぜひこれまでどおり買い支えていただけると助かります。

そして、みんなで力を合わせてなんとか最終巻までたどり着きましょうね!(編集J) 

 

 

 

 

 

 

 

2016年11月26日 04:05 | | コメント(4)

続いて、今月の新刊のご紹介をば。

他社さんでも続々紹介の続いている人気作家カレン・ラニー(本当の発音はカレン・レイニーだそうですが、今作に関しては他社さんの先例に従いました。ご理解のほどを)の、扶桑社初登場となる『伯爵とキスのつづきを』をご紹介します。

 

伯爵とキスのつづきをblog画像.jpg

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 あらすじはこんな感じです。

 

ロンドンの貴族に稀覯本を売りに来ていたマーガレットは、訪れた屋敷の仮面舞踏会でモントレイン伯爵マイケルと出会う。

お互い名前も知らないまま月の下でダンスする二人。キスする直前でマーガレットは逃げ出すが、マイケルは彼女の面影がどうしても忘れられない。

やがて再会の機会を得たマイケルは、彼女にただ一度だけのキスを要求する。しかし強く惹かれ合う二人がキスだけで終われるはずもなく......。

繊細な心理描写と美しく官能的なラブシーン。大人の恋愛を描く極上のリージェンシー!

 

ぶっちゃけ、傑作だと思います。

 

翻訳者さんは、昔からこの小説が本当に好きで好きでたまらなかったそうで、自分にとっては宝物のような作品で、何度も何度も読み返してきた「とっておき」だとのお話でした。

 

ゲラを読んだ上司の出版局長(女性)も、「なにこれ、すごく面白いんだけど」と一言。大変めずらしいことに(笑)、本が出来たら持って帰ってもう一回読むと申しておりました。

 

お話自体は実にオーソドックスなヒストリカルです。そこにエキセントリックなところは何もない。

だから、あらすじを書いてみても、どこがどう本作は素晴らしいのかという大切な部分を、うまく皆様にお伝えできていないもどかしさがあります。

でも実際読んでいただければ、すぐわかります。ああ、これは、ものが違うな、と。

 

世間的にはカレン・ラニーはスコティッシュものの作家だと思われているかもしれませんが、そこは先入観を持たずに、ぜひ本書を手にとっていただきたい。

なぜなら本書には、読者がヒストリカルに求めるすべてが、ぎゅっと凝縮された形で詰まっているからです。

 

とにかく、まず文章が美しい。ヒストリカルには珍しい、磨き抜かれた短文を積み重ねてゆく、詩的な文体。会話の応酬もしっかり練り込まれ、無駄なく切り詰められています。

それから、ヒロインとヒーローの二人――マーガレットとマイケルが、じつに愛おしい。

本書の主人公は双方、最近のロマンスでは珍しいほどに、奇矯なところのない、ごくふつうで奥ゆかしく、ただひたすら真摯に生きる地に足のついた人物です。そんな、知的で良識的で我慢強く一途な二人の、不器用でせつない大人の恋模様が、ベテラン作家の手慣れた筆致でしっとりと展開するわけです。

しかも、本作ではキャラクターが必要最小限まで絞り込まれ、実際、多くのシーンがマーガレットとマイケルのやりとりだけで成立しています。だからこそ、ふたりが近づき、結ばれ、それでも離れようと決意し、なお離れがたく、しだいに胸を焦がしてゆく過程が、どこまでも生き生きと伝わってきて、読む私たちの胸を切々と打つのです。

後半で展開される濃密でピクチャレスクなラブ・シーンの数々(いちおう、表紙にはメイン・アイテムのリボンをちゃんと入れてみました!)も、エロティックでありながら実にセンシティブで、読んでいると温かい情感で心が満たされていくかのようです。

若干、終盤の締めに関しては、甘いというか足早なところもありますが、二人が巻き込まれる事件の首謀者像の造形もよくできていると感心しました。

いわば、『伯爵とキスのつづきを』は「ロマンス小説そのもの」――どこまでも無駄を削ぎ落とし、リージェンシー・ロマンスのエッセンスだけで構成したうえで、さらにすみずみまでじっくり磨き抜いたような、まさに王道をゆく逸品なのです(いわゆる「劇的な部分」は少ないかもしれませんが、そこを売りにしないこぢんまりしたつくり自体が、リージェンシー・ロマンスの本道ともいえるでしょう)。

 

最近、いいヒストリカルにめぐりあっていないとお嘆きの皆様、ぜひ本書を読んでその渇を癒やしていただければ、と願ってやみません。

出来栄えはこちらが保証いたします。ぜひご一読のほどを!(編集J)

2016年10月22日 05:37 | | コメント(0)

またまた更新を滞ってしまって申し訳ありません。

まず先月発売したリサ・マリー・ライス『真夜中の秘密』のご紹介から!

 

真夜中の秘密ブログ用画像.jpg

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あらすじはこんな感じです。

 

 元SEALのジョーは任務中の大怪我から回復し、意気軒高。

軍隊仲間たちが待つASI社で働ける日を待ち焦がれていた。

一方、彼の隣人のイザベルは大きなトラウマを抱えたままのようだ。

何が原因なのかは謎だ。

家の修理のお礼に料理をそっと届けてくれる彼女への想いを募らせながら、

ジョーはただ彼女を見守っていた。

ところがある日、ジョーの元に「イザベルを守れ!」と書かれた謎のメールが届く。

メールの主は、敵か味方か、そもそも彼女は何者なのか?

大人気シリーズ新章もいよいよ佳境に!

 

いったん整理しますと、〈真夜中〉シリーズは、まず『真夜中の男』、『真夜中の誘惑』、『真夜中の天使』という三部作がありまして、昨年お届けした『真夜中の復讐』、『真夜中の約束』、そして本作とつづくわけです。

初期三部作は、〈ミッドナイト・マン〉ジョン・ハンティントンが、命を狙われたインテリア・デザイナー、スザンヌをガードマンとして守り抜き、やがて恋に落ちる『真夜中の男』から始まります(当時インターネットでは、ジョンがとある理由で壁のレンガを握りつぶす衝撃シーンから広く「レンガ社長」と呼称されており、本当に読者の皆様から愛されているなあと嬉しく思ったものでした......)。

彼の友人で刑事のバドが主役を張る『真夜中の誘惑』が第二作。彼女が素晴らしすぎてすぐに果ててしまうので、そうならないようにポーの『大鴉』と野球の散文詩を、行為のあいだじゅうヒーローが暗唱し続けるという前代未聞の長大なラブシーンは、猛烈にエロティックでありながら、ユーモアもたっぷり。LMR(リサ・マリー・ライス)史上最高のラブシーンだと、編集者は今も信じてやみません。

第三作『真夜中の天使』は、ジョンの盟友コワルスキが、盲目の歌姫アレグラのボディガードとして戦う物語。まさに「美女と野獣」の古典的設定に、「盲目」というファクターを絡めたアイディアは秀逸で、ヒロインがついに光を取り戻そうというなかで、自分の面相が受け入れられるか不安にかられるこわもてのコワルスキ、というラストのシチュエイションも、じつにロマンティックでした。

 

で、このジョンとコワルスキの会社が順調に軌道にのって、部下たちも増えた現状をふまえて展開しているのが、昨年新たに開幕した新章というわけです。カップルも部下の世代へと移行しています。

 

前の三部作はエローラ・ブックスというセンシュアルなロマンスをメインにした電子専門の出版社から発売されていましたが、『真夜中の復讐』からは版元をハーレクイン系列の電子出版社カリーナ・プレスへと変えています。他社さんの別シリーズではエイヴォンを版元にしていたので、この版元選択にはちょっと驚きましたが、結果的には引き続き弊社から新章をご紹介できるかたちになって、本当に良かったと思っております。

ちなみに余談ですが、アメリカでは、Amazonの読み放題スタートの煽りを受け、多くの電子出版社が大変な損失をこうむり、会社をおおいに傾かせました(ちゃんとお金を出して買っていた多くのロマンス・ファンが、みなさん定額に移行して、出版社の収入が激減してしまった)。エローラ・ブックスも同様で、編集者やデザイナーを放出し会社規模を縮小せざるを得ない状況に陥り、どうやら噂にきくところでは今後の展開もなかなかに厳しいようです(本当に残念な話です)。

おそらく、そういうこともあっての移籍なんでしょうね・・・なんかせつないですが。

 

さて新章に関してはみなさんご存じのとおり、『真夜中の復讐』と『真夜中の約束』の二作は、登場人物(ジャッコとメタル)がほぼセットで扱われているうえラストでつながっているので、明らかにひとかたまりのお話と考えてよいでしょう。

今作『真夜中の秘密』では、心機一転、新たなる展開を迎えます。

 

ヒロイン、イザベルは現代のケネディ家と称される名家の令嬢(このパターンはLMRでは初めて)でありながら、一族郎党数千人皆殺しという恐ろしいテロの悪夢を経て、今は傷ついた心と身体を抱えたまま、ようやっとその日の暮らしをやり過ごしています。彼女の隣人であるジョーも、戦地で簡易爆弾にやられて九死に一生を得たものの、大怪我を負ってのリハビリには時間がかかり、なんとかようやくもうすぐ社会復帰できそうといった状況。

この二人が、お互いを求め、癒やしを得ていく過程が本書の読みどころとなっています。

正直をいえば、LMRには今までにも似たプロットをとるスタンドアローンの長編があったかとは思いますが、キャラが変わればずいぶんお話の雰囲気も変わりますし、何より、ぼろぼろの「要介護ヒロイン」状態から脱したイザベルの、目の覚めるような「闘うヒロイン」への変貌ぶりは驚くばかりです。おそらくLMR史上、もっとも振り幅の大きいヒロインといえるのではないでしょうか(笑)。

一方でサスペンス小説としては、本書だけでは大統領候補爆殺テロの全貌はいまだ明らかにならず、ラストシーンで次回に続く、という構成。主人公カップルも、ちょっと意外な二人が務めることになっております。

というわけで、なるべく早めに続編をお届けしたいということで、『真夜中の炎(仮)』は12月2日に発売の予定でございます。こちらもぜひお楽しみに。(編集J)

2016年10月22日 02:25 | | コメント(2)

先月発売の新刊、もう読んでいただけたでしょうか?

 

ロマンスの女王、ノーラ・ロバーツが贈る『ささやく海に抱かれて』

超人的な能力を持った6人の勇者が、幸運の三つ星を守るため悪の女王との闘いに挑む、

<星の守り人トリロジー>第二弾です!

 

  Nora gardian2-s.jpg

 

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(あらすじ)

月の女神たちが生みだした幸運の三つ星を、闇の女・ネレイザの手から守るという使命を負った人魚のアニカ、時空旅行者のソーヤー、先見者のサーシャ、魔術師のブラン、人狼のライリー、不死の戦士ドイル。コルフ島で<炎の星>を発見した六人が次に向かった先は、イタリア屈指の観光地、カプリ島だった。神秘的な青の洞窟を擁し、古くはローマ皇帝にも愛された風光明媚な島で、彼らはふたつ目の星である<水の星>を探すことになる。

そんな中、人魚のアニカはソーヤーへの恋心に身を焦がしていた。一方ソーヤーも、美しい彼女に対して淡い想いを抱きながら、心を動かされないよう自分を戒めてしまう。

アニカが陸に留まることができるのはあと3か月。タイムリミットが刻々と迫るなか、ふたりの距離は少しずつ近づいていく。

 

 

本作のヒロインは人魚のアニカ。人間のルールや言葉を知らない彼女は、突然人魚の姿に変身したり、開けっぴろげなガールズトークでソーヤーをどぎまぎさせたりと絶好調です。

一方、前作『幸運の星の守り人』で思わぬ敗北を喫したネレイザは、新たな"武器"として、極悪非道な悪党で、ソーヤーの大敵でもあるマルモンを味方に引き入れることに。

六人は仲間と三つ星を守るため、訓練を重ね、武器を強化してさらなる闘いに挑んでいくのですが......。

 

美しき青の洞窟。煌めく海で繰り広げられる愛の駆け引き。宿敵ネレイザが企む新たな陰謀――<星のアベンジャーズ>たちは運命を切り拓くことができるのか?

夏にぴったりの一冊です!

 

シリーズ最終巻に関してましては、いったん12月に、年に一度のお楽しみであります上下巻のロマンティック・サスペンス『Obsession』(邦題未定)をはさませていただき、そのあと来年の年度内にお送りしたいと考えております(というか本国の発売がおそらくその頃なので、先に出すわけにもいかないんですね)。

期待してお待ちいただけると幸いです!(編集K2)

 

2016年9月 2日 14:40 | | コメント(0)

ご存じ、ノーラ・ロバーツの名作『モンタナ・スカイ』が、今回はじめて電子書籍になりました。
 
モンタナの大牧場主が死去し、それぞれ母親がちがう娘3人が集まります。
ハリウッドの脚本家で勝ち気な長女テス、DV夫から逃げだしてきた内気な次女リリー、そして父の牧場を継いで奮闘する芯の強い末娘ウィラ。
ところが父の遺言のために、タイプが異なるこの3人が、牧場でいっしょに1年をすごすことになります。
ときにぶつかりあい、ときにわかりあいながら、絆を深めていく3姉妹。
そして、彼女たちが見つける、それぞれの愛の形。
しかし、危険な殺人者が大牧場の闇に潜み、3人を狙っていたのです...
 
きびしい大自然にいだかれたモンタナの美しい四季の風景のなかで展開する、恋とサスペンスの物語。
作品数でも人気の点でも世界一のロマンス作家ノーラ・ロバーツの作品のなかで、読者投票で堂々第1位に輝いた長編であり、扶桑社海外文庫が出版した彼女の記念すべき第1作が、この『モンタナ・スカイ』です。
 
世界中で愛される名作が、読みやすい電子書籍になりました。
ノーラの作品を知らなかったというかたも、あるいはもう一度読みなおしたいという長年のファンのかたも、ぜひチェックしてみてください。
 
 
 

2016年7月15日 17:46 | | コメント(0)

先月、扶桑社ロマンスから新刊が出なくて、「すわ、ここも廃業か」とか思っておられるロマンス愛好者の方もいらっしゃるかもしれません。実は、今月末搬入の7月2日配本の海外文庫でも扶桑社ロマンスは出ないのです。

 

え、まさか?・・・・・いえいえ。

 

ご安心ください!! 扶桑社ロマンスは終わりません!(少なくともまだ)

 

実は、5月はもともと空いてしまう予定だったんですが、6月刊予定までスケジュールから飛んじゃったのでこんなことになってしまいまして。ご心配をおかけして(誰も心配なんてしてない?)本当に申し訳ありません!

 

これについては、別段内緒にするようなことでもないので書いちゃいますが、もともとはリサ・マリー・ライスの中篇を7月2日で出す予定でいたんです。

昨年『シチリアの獅子に抱かれて』を出版いたしましたが、本当はあの作品と、シリーズ第三作『真夜中の天使』の主人公カップル(アレグラ&コワルスキ)の後日譚である短篇『Midnight Shadow』をセットにして出そうと思っていたわけです。ところが権利元から、短篇を出すのならどうしても、今リサが書いている最中の中篇とのセットにしてほしいという強いご要望がありまして、では書きあがり次第そうしましょう、ということで契約を交わしたのでした。

 

その後、第四作『真夜中の復讐』、第五作『真夜中の約束』を昨年中に出しまして、それから本国で第六作『Midnight Secret』と第七作『Midnight Fire』も出たので、そちらの版権も押さえたうえで、中篇の完成をずっと待っていました。

 

で、今年に入ってようやく本国から送られてきた、完成ほやほやの中篇『Midnight Quest』のデータ原稿!

ようやく来たか、これで短篇ともどもやっと世に出せるぜ、と胸をなでおろしたのもつかのま・・・・翻訳者さんからまさかのご連絡!

 

「これ『Midnight Fire』のあとの話ですよ」

 

お、おふう!? ぎゃふん!

 

要するに、ずっと『真夜中の約束』に続く5.5弾だと思って待っていた中篇は、実は7.5弾だったんですね...だって、中篇の主人公が『真夜中の約束』の二人だっていうからてっきり・・・・。

 

まあ、書いてる順番を考えれば、編集者にも容易に予測のついたオチなわけで、ホント思い込みっていうのはこわいもんです。

 

というわけで、先に長篇二本を出してからでないと出せない作品であることが確定し、もともとかつかつの冊数で組んでいた年間スケジュールはあえなく崩壊したのでした・・・・。今後、気をつけます。

 

で、ご報告がてら、今年の扶桑社ロマンスの予定をご報告しておきます。

ええ、ちゃあんと出しますとも。

 

まず直近では、7月末搬入(8月1日発売)予定で、ノーラ・ロバーツ〈星の守り人〉トリロジーの第二弾『Bay of Sighs』が発売されます。

その後は、上述のリサ・マリー・ライスの〈真夜中〉シリーズの長篇第六弾、第七弾と、中篇+短篇という三冊を隔月くらいのペースで出しつつ、年内の予定として、

最近矢継ぎ早に各社から絶賛紹介中のヒストリカル作家カレン・ラニーの代表作『After the Kiss』(訳者さんいわく、宝物のような小説とのこと)

そして皆様お待ちかね、ナリーニ・シンの現時点での最高傑作とも目される、「あの人」がヒーローを務める〈サイ=チェンジリング〉シリーズ第12弾の刊行を予定しております。

ノーラ・ロバーツの長篇ロマンティック・サスペンス『Obsession』も、ほかとの兼ね合いもありますが、もしかすると年内にもお届け出来る予定です。

その他、サブリナ・ジェフリーズ〈公爵の探偵団〉シリーズ第二弾、ノーラのトリロジー最終作、期待の新人によるコンテンポラリーの傑作などが来年前半のタマとして控えております。

 

予定は未定ではございますが、これからも良質なロマンスの火を守り続けるべく、扶桑社は頑張ってまいります。

今後とも扶桑社ロマンスにご愛顧を賜りますよう、平にお願い申し上げます。

 

残念ながら来月末まで扶桑社ロマンスの新刊は出ませんが、そのあいだは、読者の皆様におかれましては、買い逃していた既刊でもご購入いただきまして、ぜひとも肩をあっためておいていただければと思います!(編集J)

 

 

 

 

2016年6月22日 19:44 | | コメント(7)

今月の新刊、もう読んでいただけましたでしょうか?

サブリナ・ジェフリーズ『公爵の望みのままに』、いよいよ新シリーズ〈デュークズ・マン(公爵の探偵団)〉の開幕です!

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サブリナ・ジェフリーズといえば、いまやヒストリカルの世界では押しも押されもせぬトップ作家の一人であり、弊社でも、すでに〈淑女たちの修養学校〉シリーズと、〈ヘリオン〉シリーズを出版してまいりました。

 

本作では、〈ヘリオン〉でも登場していたマクシミリアン・ケールがヒーローを務めますが、ほとんど前シリーズとのつながりはないので、この作品から読みだしていただいても全く問題ありません。

 

お話の出だしでまず、この著者の定石どおり過去編――ヒロインとそのきょうだいが、なぜに子爵家を出て自活せねばならなくなったか、が描かれ、舞台は12年後のロンドンへ。

フランスから久方ぶりに英国に帰国したリゼットは、ロンドンで義兄ドミニクの探偵社を手伝っています。

彼女は子爵の妾腹の娘で、当家の兄弟と一緒に育てられていましたが、12年前、子爵の突然の死のあと、跡取りである長男によって母親・兄とともに子爵家から追い出されてしまったのです。その後、ずっと母の故郷であるフランスで暮らしてきましたが、ここ最近になって、当時いっしょに子爵家を出て今はロンドンで探偵をやっている義兄のドミニクのところに身を寄せています。

そんな折り、ドミニクがスコットランドに調査旅行に出て不在にしているときに、ライヨンズ公爵のマクシミリアンが事務所を訪ねてきます。彼は、リゼットの実の兄でフランスにいるはずのトリスタンを探していると言います。

トリスタンのほうから、幼少時に誘拐されたマクシミリアンの実兄の消息を知っているとわざわざ連絡をしてきたにもかかわらず、勝手に姿を消してしまった。これは怪しいというわけです。

リゼットにすると、兄のトリスタンがロンドンにいるということ自体が信じられません。なぜなら幼い頃のいきさつで、彼はロンドンではお尋ね者だったからです。

というわけで、二人は連れ立ってトリスタンを探しに海峡を渡ってフランスに向かうことになります。リゼットの世間体を守るため、「夫婦」を装いながら・・・。

 

典型的な偽装結婚ものではありますが、英仏を股にかけるスケールの大きな舞台設定、著者ならではの理知的で複雑な構成、ヴィドックなど実在の歴史的人物を物語に絡ませるうまさ、そして、ヒーロー、ヒロイン間の激しい応酬と機微の描出が光ります。

愛を拒絶せざるをえない「理由」を抱え、それでもなおヒロインに惹かれてゆくヒーロー、マクシミリアンがとにかくけなげで魅力的。

圧倒的な権力と家名によって裏付けられた、傲岸で誇り高い人物でありながら、道義心の高さ、女性を思いやる優しさをも併せ持っています。そして何より、賢くて行動力があり、頼りになる。

他のジェフリーズ作品と同様、勝ち気なヒロインに、何かと理不尽な理由でやり込められたり反抗されたりする姿は若干不憫ですが(笑)、ラストで颯爽と登場し、ヒロイン(とその家族)を悪の手から(いかにも高貴な家柄の公爵らしい方法で)救い出すかっこよさといったら、もうこたえられません。エロティックなシーンも実によく練られています。

 

これぞ、「デューク(公爵)もの」の真髄といっていい、王道のリージェンシー。

ぜひ未読の方はお手にとってお楽しみいただければ幸いです。

 

なお、5月2日に発売される次の扶桑社ロマンス新刊は、ノーラ・ロバーツの新たな三部作、〈星の守り人〉トリロジーの第一弾、『幸運の星の守り人』(原題:Stars of Fortune)。運命で結ばれた6人が、ギリシャの地で邂逅します。ファンタジー要素を含んだ壮大なスケールの愛と戦いの物語。

こちらもぜひお楽しみに!(編集J)

 

2016年4月25日 19:26 | | コメント(1)

扶桑社ロマンスの新刊、コニー・メイスン『復讐の女海賊』のほう、もうお読みいただけましたか?

個人的には久々に、「これぞコニー」と身悶えしたくなるようなぶっ飛んだ内容に大興奮。

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あらすじは、こんな感じです。

英国令嬢アレクサは婚約披露の舞踏会の最中、
ペンウェル伯爵アダムによって誘拐される。
復讐のため、父親を殺した憎き敵の娘を愛人
にしてから送り返す計画なのだ。
私掠船の船内に幽閉されたアレクサに、仮面
の船長フォックスもまた強引に迫る。彼の魅力
に屈した彼女は遂に身体を奪われるが......
男たちの思惑とアメリカ独立戦争の帰趨に翻弄
されながら、彼女はやがて自ら運命を切り開く
べく大海へと乗り出す――
女海賊ヴィクセンとして! コニーの初期を
代表する一大海洋冒険ロマンス堂々登場。

 

コニーの作品としては最初期の作品ということで、どういう仕上がりが期待半分、不安半分でしたが、いざ読んでみるとこれが実に面白い!!

とにかく波瀾万丈。ノンストップで事件が起こり続け、

ヨーロッパからカリブ海まで、世界各地を股にかけ、

臆面もない一人二役がダブル、トリプルで錯綜し、

ウザさ1000%のコニー印の悪役・愛人が跋扈し、

あらゆるシチュで熱く官能のほむらが燃え上がる!

 

いい意味で、はちゃめちゃです、ぶっとんでます。まさにやりたい放題。

後年彼女が発表したオラオラ系ヒーローもの、海洋冒険もののすべてが、よくも悪くもすべてぎっちりと詰まっています(終盤になぜかロンドンに戻って、かなりどうでもいい展開が続く悪癖も含めて・・・)。

作品に完成度を求める向きには、眉をひそめる方もいらっしゃるかもしれませんが、コニーを愛する長年の読者の皆様には、久々に脳がうにょーんとゆがむような興奮をお約束できるかと。

 

こんな19世紀以前の作家さんしかやらないようなバレバレの一人二役を大真面目でやってのけ、細部のつながりなどそっちのけで、筆力の赴くままサーヴィス精神に富んだ名シーンを連発しまくる、コニーのおおらかさと大家然としたスケール感、生粋のエンターテイナーぶりが、編集者はほんとうに、ほんとうに大好きなのです。

 

コニー作品もこれまでずいぶん紹介してまいりまして、

日本人には少々なじみの薄いウエスタン物をのぞけば、

だいたいの評判の良い作品は、邦訳を皆様のお手元に届けられたかと考えております。

事前に予告しておりましたとおり、コニー作品のご紹介はしばらく一段落させるつもりですが、

また機会をみてぜひご紹介していけたらなあ、と。

もし、これだけはどうしても邦訳で読みたい! みたいなものがあれば、ぜひお教えくださいね。(編集J)

 

 

 

2016年3月16日 17:50 | | コメント(0)

2月1日に無事発売されました、サイ=チェンジリング・シリーズ第11弾『金眼の黒狼と月下の戦姫』は、もうご購入いただけたでしょうか?

皆様の熱いご支持とご声援をいただき、なんとかシリーズを継続させていただいておりますこと、心より感謝いたします。今回は、9巻『藍色の瞳の女神と戯れて』のヒロイン、インディゴの叔母にあたるアドリアと、同じ巻でヨーロッパから配置換えで戻ってきた副官リアズの物語です。

叔母とは言っても年はそう離れておらず、ふたりの容貌はそっくりという設定でして、一応、カバーの写真もその方向で気をつかって、9巻を意識したつくりにしてみました。

 

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今回のお話の出だしは、こんな感じです。

狼チェンジリング〈スノーダンサー〉の副官リアズは、ヨーロッパ配属中に自分の"伴侶"となるべき女性と出逢うが、彼女はすでに別の男性と幸せな結婚生活を送っていた。
一方、上級戦士のアドリアは自身より強さで劣る男性とつきあっていたが、やがて二人の関係には無理が生じて別れることに。
巣穴に転属となり戻ってきたリアズとアドリアは、傷ついた心を持つものどうし、お互いに強く惹かれ合うものを感じるが、リアズは"伴侶"である女性への裏切りに等しい自分の衝動を容易には認めることができなかった。それでも、まずは親密な"肌でふれあう特権"を共有する関係を築こうとする二人。

そんな折、不安定さを増す〈サイネット〉で暗躍する〈純粋なるサイ〉たちが恐るべき事態を引き起こす。危
機を前にして狼たちの下す決断とは?

 

また、アドリアとリアズの物語と並行して、負けないくらいのボリュームで、全巻『雪の狼と紅蓮の宝玉』で結ばれたアルファのホークとXサイのシェンナの「後日談」が展開されています。

 

アドリアとリアズの関係について言えば、今回、ナリーニ・シンは結構こみいったことをしていて、何巻もかけて定着させてきた「伴侶の絆」という作品内ルール、いわゆる「運命の相手」という概念をメインに据えて、では、愛した相手が、宇宙の理として定められた「運命の相手」ではなかったとしたらどうなるのか、という話を展開しているわけです。

もちろん、このネタは、前巻のホークの物語における「伴侶を喪った男」というネタの派生的な内容です。(ナリーニ・シンはサイを主人公にした『遠き記憶が輝くとき』と『裁きの剣と氷獄の乙女』でも、執筆中に思いついたらしい派生的な設定を、次巻で試してみるといったことをしています。)

さらにハードルの上がった関係性の阻害要因を、二人がどうやって乗り越えていくかは、ぜひご自身の目でご確認ください。

 

ホークとシェンナに関しては、結構イチャコラしてて、こたえられませんね(笑)

通例のロマンスでは、ヒーローとヒロインがくっついて永遠の愛を誓ったら基本的にハッピーエンドでして、シリーズ作品の後続作に登場しても、子どもができて超ハッピーみたいな後日談が出てくる程度なのが普通ですが(実際、サイ=チェンジリングでもそんな感じでした)、本作ではそれこそ、がっちり、みっちりと、「愛を誓った後の二人」がいったいどうなっていくのかを描きこんでいます。

このあたりには、ナリーニ・シンの作家的成長と問題意識の広がりが示されている気がします。

そういえば、アドリアの抱える問題も、通例のロマンスならハッピーエンドでケリがついたはずの恋の、悲しい「後日談」ですものね。

 

さて、次巻はいよいよ満を持して、「あの人」がヒーローとして登場します。

シリーズ屈指の傑作として名高い『Heart of Obsidian』。

今のところ、2016年の秋ごろを予定しております。お楽しみに。

 

なお、来月3月2日発売予定の扶桑社ロマンス新刊は、コニー・メイスンの最初期の海洋冒険大活劇、『復讐の女海賊』(My Lady Vixen)。いやあ、マジでぶっ飛んでて面白いです。

これぞ、コニー。すごいぞ、コニー(笑)。

ぜひこちらも、お楽しみに! (編集J)

 

 


 

 

 

 

 

2016年2月 6日 18:32 | | コメント(1)

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