大変お待たせいたしました!
ノーラ・ロバーツ最新シリーズ『世界の果てに生まれる光』はお読みいただけましたでしょうか?
今シリーズは3部作を予定しており、今作はその序章となります。

 

世界の果てに 上下.jpg

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上巻のお話はこんな感じです。

【あらすじ】
全世界の人口半数以上が死に至る謎のウイルスが発見された。瞬く間にパンデミックと化し、人々が混乱と狂気に陥るさなか、人気作家のマックスと恋人のラナは疫病の蔓延するニューヨークを脱出。途中で知り合った生存者たちと力を合わせて安住の地を求める。仲間になった者には一見なんの共通点もなかったが、実はあの大規模なパンデミック以降、それぞれ不思議な念力を手に入れていた。ロマンスの女王がディストピアを舞台に描く、震撼のラブサスペンス&ファンタジー!

物語は、ロサンゼルス空港で謎の伝染病"ドゥーム"が発見され、みるみる世界が朽ちていくというスリリングな描写からはじまります。
ちなみに原題は『YEAR ONE』。パンデミックで何十億もの人々が亡くなった後、新しく始まる歴史の"最初の一年"を意味しています。

今作でスポットが当たるのは、人気作家のマックスと恋人のシェフであるラナのふたり。
作中では、ドゥームに罹患した影響で特殊能力を発動した者たちが次々に現れるのですが、実はこのカップルは元から能力保持者でした。といってもラナは蝋燭を灯せるくらいの念力しか持っておらず、己の力を自在に操るマックスを熱いまなざしで見つめるばかり。しかしそんなか弱き乙女も、次第に恋人に劣らぬ能力を花開かせ、敵を戦慄させるほどの最強っぷりへと急成長を遂げるのです。
マックスたちは狂暴化した住民に襲われながらも魔術で撃退、何とかハドソン川を渡り、ペンシルバニア州へと向かいますが......。

ラナのように、ウイルスの免疫者として不思議な能力に目覚めた者たちを、作中では「アンキャニー(uncanny)」と呼んでいます。これには神秘的な、不気味な、超人的な、不自然な......などの意味があるようでして。そんな彼らに襲い掛かる犯罪者集団「レイダース」は、アンキャニーたちを"人ならざる者"として無残に痛めつける悪魔的存在として描かれています。
荒廃した世界で覚醒したのは「光」と「闇」の魔法でした。
ラナとマックスはふたりで過ごした愛おしい日々を取り戻すことができるのでしょうか。

そんな彼らに下巻の終盤では衝撃の展開が訪れます。

【あらすじ】
マックスとラナは生存者たちが身を寄せ合う街「ニュー・ホープ」へと辿り着き、久々の安息を手に入れる。新たな命を授かったふたりは静かな幸福を噛みしめるものの、心の奥には、弟のエリックが仲間を殺め、裏切りとともに姿を消した記憶が暗くわだかまっていた。ある日、平和な日々を取り戻すべく街のリーダーとなったマックスのもとへ、犯罪集団が大規模な奇襲を仕掛けてくる。彼らの狙いがラナだと知ったマックスは命を賭けて闘うのだが......。恋人たちの想いが胸を打つ衝撃のラスト!

そう、マックスの弟であるエリックが曲者なのです。
昔から出来の良いお兄ちゃんへのコンプレックスをこじらせていた彼は、念力を手に入れた途端、「もうお兄ちゃんの言うことなんてきかない! ひとりできるもん!」と人格を豹変させてしまったのでした。
重度の中二病ウイルスに見舞われたエリック。遅れてきた反抗期です。
裏切者へと転じたエリックのとある行動が、ラナを窮地に陥れるのですが--。

ノーラ渾身の終末ファンタジー、最後まで目が離せませんので、ぜひお手に取ってみてくださいませ!
〈光の魔法〉3部作は、このあと年1冊(各上下巻)のペースで出版されていく予定のため、日本での刊行も少しお時間いただいてしまいますが、お待ちいただけましたら幸いです。(編集K)

 

2018年4月25日 21:44 | | コメント(0)

毎年、ネット上のファンサイト『Romance Hills 勝手にロマンス』様で開催されている、『勝手にロマンス大賞』も今年で5回め。

これまでも、弊社はリサ・マリー・ライス、ナリーニ・シン、カレン・ラニーなどで入賞をはたしてまいりました。

 

そして今年! なんとミア・シェリダンの『世界で一番美しい声』がロマンス小説のコンテンポラリ部門と、エロティック・ロマンス部門の二部門で、第一位を獲得しました!

 

ご投票いただいた皆様、本当にありがとうございました!

 

世界で一番美しい声 ブログ画像.jpg

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 当ブログでの記事は こちら

 

当初、ご連絡をいただいた際、コンテンポラリー部門とエロティック部門の二冠とうかがい、軽くのけぞりました......(前回のカレン・ラニーのときも思いましたが、そんなにエロティックでしたかね?)。いやあ、本当に感謝感激でございます。

編集者もトーチャード・ヒーローもの(ヒーローが苛烈に虐げられる展開の作品)は大好きで、ローラ・キンセイル『嵐に舞う花びら』のゲラを新宿の喫茶店で泣きながら校正していたのを思い出します。そういえば、同じく類似要素のあるジュディス・デイヴィス『折れた翼』をご紹介くださったのも、本書の翻訳者である高里ひろさんでした。

『世界で一番美しい声』のほうも、個人的に担当できて本当にしあわせでした(本当にいい話なんですよ! 詳しくは過去記事をご参照ください)。
熱い応援をくださった読者の皆様(とくに出版されてすぐにAmazonレビューに激烈な賛辞を送ってくださった皆様)、それから、最高の目利きにして練達の翻訳者さんである高里さんに、この場を借りて心からの感謝を捧げたいと思います。

また、合わせて下記の作品もベスト5に選んでいただきました!

 

ロマンス小説 パラノーマル部門
3位 冬の盾と陽光の乙女(上下) ナリーニ・シン
ナリーニ13上下ブログ.jpg

当ブログでの記事はこちら。

 


ロマンス小説 エロティックロマンス部門
4位 天国の港 リサ・マリー・ライス
天国の港帯なしブログ.jpg

当ブログでの記事はこちら。

 

▼ロマンス小説 エロティックロマンス部門
5位 真夜中の探訪 リサ・マリー・ライス

Midnight Quest Blog.jpg

当ブログでの記事はこちら。

こちらの三点も、まだお読みでないなら、ぜひお手にとっていただけると幸いです!

なお、『勝手にロマンス』様には、恒例のプレゼントとして、新刊のノーラ・ロバーツ上下巻に加えて、ミア・シェリダンの原書にはさまっていた特製しおりをつけて提供いたしました。ほしいと思ってくださる方に当たりますように!

 

今後とも、扶桑社ロマンスにご愛顧賜りますよう、よろしくお願い申し上げます!(編集J)

2018年4月19日 13:48 | | コメント(1)

お待たせいたしました。

いよいよリサ・マリー・ライスの新刊『シエナに恋して』が発売されます。

ちなみにこれで、最新作を除く彼女の全作品が、うちと二見さんからちゃんと出版されたことになります。すごくないですか? 実はこれ、めったにないことなんですよね。

すべては、買い支えてくださっているファンの皆様のおかげでございます。改めて心より感謝申し上げます!!

シエナに恋して 小画像.jpg 

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 お話はこんな感じです。

 

ニック・ロッシは写真が掲載されるだけで女性誌を売り切れにするセクシーセレブ。

フェイス・マーフィーにとっても、親友の兄というだけでなく憧れの人だった。

そんな彼と夢の一夜を過ごし、不運続きの人生は終わったと思った彼女だったが、

出張先のイタリア・シエナで大事件に巻き込まれる。

一方フェイスを追って、自分のルーツでもあるシエナへやって来たニックは、

街をあげての祝祭の中、帰属意識を実感し、新たな人生を考え始める。

大人気作家のイタリアへの愛着にあふれたラブ・サスペンス!

 

今回の本は原題を『Murphy's Law』、すなわち、『マーフィーの法則』といいまして、ある程度お歳を召された方なら覚えておられるだろうアレを、タイトルにしているんですね。

「マーフィーの法則」は、「失敗する可能性がある場合、必ず失敗する」みたいな、なかなかうまくいかないことへの笑いをふくんだ、標語・教訓集のようなもので、日本でも80年代から流布し始め、90年代前半には大流行しました。別にマーフィーという人がひとりで考えたものではなくて、自然発生的に成立したアメリカのジョーク集のようです。

本書では、各章の冒頭に「マーフィーの法則」が付され、とことんついていない人生を送ってきたヒロインのフェイス・マーフィーの有り様とオーバーラップさせています。

そもそも本書は、『Dying for Sienna』のタイトルで2006年にエリザベス・ジェニングズ名義で出ていた初期の作品を、2014年に大幅な加筆・改筆を施したうえ、リサ・マリー・ライス名義で出し直したものです。

邦題は一応、この旧タイトルに寄せてつけたものですが、実際、新版では、シエナの風光明媚な街の様子や、パーリオと呼ばれるお祭りの情景描写が大増量されており、むしろ邦題にふさわしい内容に仕上がっているのではないかと思っております。

 

今回のヒロインは、数学の天才という、LMRお得意の理系才女。ナチュラルな美貌の持ち主ですが、男性経験はほとんどないという、いつもながらのうぶな性格設定となっています。

一方のヒーロー、ニックは、大人気スポーツ選手で究極のセレブ。ロマンスのヒーローとしてはオーソドックスな人物像ですが、この作家としては珍しいヒーロー・キャラかもしれません。

冒頭から、いきなり二人の熱くたぎる官能シーンで幕をあけるのも、いつにない展開。

しかし、夢のような一夜は、ニックの不用意な一言で最悪の結末を迎えることに・・・。

 

その40数時間後、ヒロインは仕事で飛んだシエナで、殺人事件に巻き込まれます。さらにヒロインを追って(それとシエナ最大の競馬祭りパーリオに参加するため)、ニックも自身のルーツでもあるシエナへとやって来て、物語は恋愛・ミステリーの両面進行で展開していきます。

 

内容として特記すべきは、作品のテイストが、ロマンティック・サスペンスというより、コージー・ミステリーに近い部分ではないかと思ったり。もともと初期に書かれた作品だからでしょうか、なんかLMRとしてはとても新鮮なテイストだという感じがします!

ふだんの「何者かに命を狙われる女性と、それを護る特殊部隊あがりのヒーロー」という、サスペンス/スリラー要素はかなり薄められ、代わりに本書では、冒頭で起きる殺人事件の謎解きと犯人当てというミステリー要素が、作品の中心的なテーマとなっています。つまり、どちらかといえば、旅情ミステリーのような雰囲気が濃厚なんですね。終盤では、それなりに意外な真相も明らかになりますし。

まあ本作でも、ヒロインは終盤、真犯人に命を狙われて危機一髪の目にあったりもしますが、追い詰められたときのアクションが、ふだんが昨今のアクション映画風のノリだとすれば、今回のはヒッチコック映画の1シーンのような、ちょっとクラシカルなのんびりしたところがあります。

このへんのテイストを意識して読んでいただくと、いっそう楽しめること請け合いかと。

 

脇役陣も、かなり変人度の高い数学者軍団に、イケメン刑事、毒舌検死医など、大変魅力的。

それから、彼女のイタリアもの(『ヒーローの見つけ方』『シチリアの獅子に抱かれて』)ではいつもそうですが、とにかく異国情緒にあふれた描写に目を惹かれます。シエナのお祭りと風物、町並み、歴史、料理などについて、観光ガイドのように詳細に触れられており、皆さんも読めばきっと、シエナに行ってみたくなるはずです。

ぜひ、ご一読いただけると幸いです!(編集J)

 

追伸:

コメント欄のほうで問い合わせがありました、ナリーニ・シンの新刊についてですが、いろいろと社的な事情もございまして、早くても年内、もしかすると年度内、といった感じで進行できればいいなと今のところ考えております。お待たせいたしますが、なにとぞご理解を賜れば幸いに存じます。 

2018年3月 1日 22:28 | | コメント(1)

ノーラの新刊のご紹介ができていなくて、本当にすみません。

担当編集者が長く修羅場にありまして、本人は解消されしだい必ずや更新すると申しておりますので、なにとぞご寛恕のほどを・・・。

 

で、スキップして、まずは今月刊のご紹介をさせてください。

季節ものということで、今月の扶桑社新刊はクリスマス・アンソロジー!

書名は王道で『聖なる夜に抱きしめて』としました。

 

そして著者は・・・ダイアナ・パーマー さらには、リンゼイ・マッケンナマーガレット・ウェイ

最初のページには、ダイアナ・パーマーからの日本の読者へのメッセージも入っています!

 

で・・・・なんで扶桑社から、ダイアナ・パーマーが???

クリスマス帯なしブログ.jpg

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実は、ダイアナ・パーマーは、ハーレクインからケンジントンに移籍いたしまして、こうしてついにうちでも扱えるようになったのですね。

どれくらいハーレクインさんとの契約がまだ残っているのかは正直こちらにはよくわからないのですけれども、本人は謝辞にもあるとおり、今後ともケンジントンで書いていくつもりのようです。

経緯としては、シルエットを出てケンジントンに移籍したタラ・ギャヴィンという名物編集者を追って、彼女を慕うパーマーやマッケンナ、ウェイといった作家たちが次々とケンジントンと契約を交わしたということのようです。

なんにせよ、しがないロマンス編集者といたしましては、ハーレクインのど真ん中で活躍してきた大作家さんたちに対しては、どこか憧れに近いような感情がずっとあったわけでして(まあ「隣の芝生は青い」っていうのも、もちろんあるんですが、やはり、どストレートのカテゴリーロマンスをいっぺん担当してみたいな、という思いが強かったと申しましょうか)。

彼女たちの作品をこうやって担当できるのは、本当に編集者冥利に尽きます。

 

収録作は以下の三作品。いずれも、カテゴリー感の強い王道のクリスマス・ロマンス揃いです。

 

まず、全体の半分350ページを占めるのが、ダイアナ・パーマーの『スノウ・マン』。

彼女の代名詞ともいえる(?)、傲慢ヒーローとドアマットヒロインの出てくる典型的なラブ・ロマンスです。

FBIの職を首同然で辞して、父の農場を継ぐために故郷のコロラドに戻ってきたメドウ。農場のことは古参のカウボーイたちに任せつつ、請われるままに保安官補の職を始めたメドウでしたが、悩みのタネは農場経営だけではありませんでした。隣の牧場に、飼っている犬のスノウがひっきりなしに侵入し、逆に隣の牧場からは先方の飼い猫のジャービスがやって来るのです。そのたびに、牧場主のダルが怒鳴り込んでくるのですが・・・・・・ダル。傲慢で不愉快な天敵。若き日のメドウの恋心を踏みにじり、あざ笑った嫌な奴。でも、彼の前に出ると緊張してドジばかりしでかしてしまう・・・今も彼のことを愛しているから。

骨董品盗難の事件捜査と平行して、反発しあいながらも惹かれあう不器用な男女の恋模様が描かれます。とくに、ヒロインに難癖ばかりつけてくるろくでもないヒーロー像は、まさにこれぞダイアナ・パーマーといったところ(ヒロインのおいおい大丈夫かと不安になるくらいのダメさかげんも、いかにもって感じです)。愛らしいワンコとニャンコの大活躍にもご注目を。

長らくハーレクインさんで『テキサスの恋』『ワイオミングの風』のシリーズを続けてきたダイアナ・パーマーですが、心機一転、新たな設定で物語を執筆しており、しがらみのない形で読める久しぶりの新作ということもできます。未だにダイアナ・パーマーを読んだことのないロマンス・ファンの皆様にとっても、大御所の芸風を知る格好の入門編となるでしょう。「踏みつけられれば踏みつけられるほどに輝きを増す」といわれる(笑)D・パーマー印の「ドアマットヒロイン」の衝撃を、あなたもぜひ体感してみてください。

さらにパーマーは、本作を皮切りにこれから新しいシリーズを始めるつもりのようです。本作がなんとか売れてくれれば次の作品もまた順次紹介してまいりますので、ハーレからの古参ファンの皆様も含めて、ぜひ(買って)応援していただければ幸いです。

 

続くリンゼイ・マッケンナの『キャスのカウボーイ』。純愛系のハートフルなクリスマス・ラブ・ストーリーとしては、アンソロジー中でも一番素直に楽しめる一作かと。

雪嵐で閉ざされんとするワイオミング。高級家具の職人であるトラビスの住む住居兼仕事場であるログハウスの前で、車が事故を起こします。車中で意識を喪っていたのはキャス――高校生のころ愛し合っていたものの、彼の海兵隊入隊とともに離れ離れになってしまった忘れられない女性でした。

トラビスの介抱を受け、気がついたキャスは、自分が別れてからもずっと愛してきた男性の元にいることに驚愕します。猛吹雪で、これから一週間は身動きがとれないなか、閉じ込められた二人は過去、そして現在と向き合うことになります。

従軍経験者を苦しめるPTSDをメインテーマに、ミリタリー・ロマンスの書き手としては第一人者といっていいリンゼイ・マッケンナが、愛し合いながら離別した二人が再び真実の愛を見つけるまでを、詠嘆的な筆致で温かに描き出します。終盤の、これでもかといわんばかりの「感動のプレゼント」イベント連打には、マッケンナのロマンス作家としての技の冴えが感じられます。

退役シールズ・ヒーローものが流行るずっと昔から、ミリタリーものを書き続けてきた大御所の実力が存分にうかがえる一作です。

 

収録作の最後は、マーガレット・ウェイの『アウトバックの夫』。

雪まみれだった前二話とは打って変わって、こちらは真夏のアウトバック(オーストラリアの奥地)を舞台とした陽光と熱気に満ちたお話。ご存じの方も多いかと思いますが、マーガレット・ウェイはオーストラリアの作家さん。そして、オーストラリアの12月は、夏真っ盛りのうだるような暑さのなかでクリスマスを迎えるのです。

スコット・マッカーシーと結婚して18ヶ月、幸せの絶頂にいたダーシーは、夫の浮気を伯母から伝えられ絶望の淵へと叩き落とされます。激しい口論の日々、そして離婚・・・・・・それから二年後、義母だったソフィーからのたっての願いで、久しぶりにアウトバックにあるマッカーシー領を訪ねることにしたダーシーは、空港まで迎えに来たかつての夫スコットと再会を果たします。運命の相手と信じた人。今も素敵で魅力的な男性。でもその口ぶりは当然ながら、いまやすげなくて・・・。

これもマッケンナ作品と同様、一度すれちがって別れざるを得なかったふたりが、再びクリスマスという特別のときを過ごすなかで愛を取り戻すまでを描いたラブ・ロマンスですが、とにかく脇役で出てくる女性たちが強烈!

とくに、ダーシーの伯母であるレイチェルは、この人物を読むための小説といってもいいくらいに圧倒的な個性を発揮しています。思えば、ジェーン・オースティンの諸作にせよ、『ダウントン・アビー』にせよ、こういう強烈なおばちゃんの存在なくして名作とはなり得なかったのでした。

喧嘩別れした元ダンナの家族すらなお魅了する、絶世の美女としてのヒロイン像。

アウトバックに一大帝国を築き上げた富豪一家の、ゴージャスきわまりない描写。

この21世紀を舞台に、英国貴族以上に貴族的な生活ぶりを美男美女たちがエンジョイする姿は、まさに夢の世界を覗き見しているかのよう。マーガレット・ウェイの特徴がよく出た作品だと思います。

 

 久しぶりに落としたら立ちそうな700ページのヘヴィー&ボリューミーな1冊となりましたが、ノーラ・ロバーツやナリーニ・シンの旧刊で慣れている弊社ロマンス読者の皆様なら平気の平左でありましょう。

ぜひ本書を片手に、クリスマスの聖なる夜に(寝正月でもいいですが)、幸せで心温まるひとときをお過ごしください!(編集J)

 

 

 

2017年12月 2日 05:09 | | コメント(4)

8月刊行のリサ・マリー・ライス『天国の港』、もう読んでいただけましたでしょうか?

このところ、〈真夜中〉シリーズの新作が続いておりましたが、今回は一休み(?)して、著者お得意のイタリアものをご紹介いたします。

 

天国の港オビありブログ.jpg

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あらすじはこんな感じです。

 

ホープはイタリア南部の都市バーリで、事故で入院した親友のかわりに英会話学校の
校長代理を務めている。

学校経営自体は順調だが、借りている家のまわりで不可解な現象が頻発。

住居侵入事件が発生するに及び、現地警察組織の本部長フランコ・リベラが護衛につくことになる。

かつて警察に容疑者扱いされ厳しい追及を受けたことのあるホープの警官嫌いは筋金入りだったが、フランコが放つセクシーで危険な魅力には抗えず......

イタリアの景勝地を舞台に大人気作家が贈る傑作ラブ・サスペンス! 

 

本作は、リサ・マリー・ライスが2003年にエリザベス・ジェニングズ名義で発表した作品を、大幅に書き直したうえ、2017年にリサ・マリー・ライス名義で出し直したものです。

初期作をベースにしているだけあって、この作家お得意のシチュエイションとストーリーラインとキャラ造形が、じつにストレートな形で打ち出された作品となっています。

また、イタリアは、ご本人が長く住んでいる土地柄(たしか夫君が外交官だったか)。勝手知ったる筆致で、美しい景勝地の風景や、人びとの生活ぶりがいきいきと描かれています。

リサ・マリーのイタリアものといえば、『ヒーローの作り方』『シチリアの獅子に抱かれて』がありまして、まあこういう言い方はなんですが、そこそこ似たり寄ったりの内容なわけですが(笑)、本作の場合、「海」が舞台、という部分が他の二作と異なる部分かと。編集者としては、二人で岩まで泳ぎっこするシーンなどは結構お気に入りです。

まあ、本作における『天国の港』というタイトル自体は、作中でも解説があるとおり、楽園にある実際の港、というよりは、『困った人間にとっての避難所』みたいな意味合いが強いようですが。

 

あれだけ家が危ないとわかっているのに、やたらと帰宅したがるヒロインの精神構造が解せないとか、ヒーローのお母さんのうっかりさん描写がほとんどアルツみたいになってるとか、多少気になる点もないではないですが、総じてリサ・マリー・ライスの魅力を堪能できる一作になっております。

 HOTなシーンもてんこ盛り(こういうのは初期作のいいところですね)で、リサ・マリー先生のそういった部分を特に欲しておられる皆様には、無条件に喜んでいただけるお話かと。

 

なお余談ですが、編集者といたしましては、今回は結構カバーまわりがうまくいったかな、と自負しております。

まずは、作中に登場するヒロインの「プラチナ・ブロンドのストレート、青い瞳の超絶美女」という設定にぴったりの写真が見つけられたこと。

加えて、女性にオーバーラップさせてある風景は、本作の舞台となるバーリの写真なのですが、オビをとったら・・・・

天国の港帯なしブログ.jpg

ね、どうです!? ちゃんと家が崖の上に立ってるんですね。そして周囲は海・・・。

読了された方なら、いい写真を見つけてきたな、ときっとわかっていただけると思います!(以上、どうせ誰も褒めてくれないので自賛してみました)

 

リサ・マリー・ライスに関しては、やはり旧作をリライトした未訳作をもう一作、すでに版権を獲得してあります(これで彼女の作品は二見さんとうちとで、全てが翻訳されることになります、すごいですね)。

さらに〈真夜中〉シリーズの最新作(『Midnight Fever』)を発表しているので、こちらもいずれご紹介できれば、と考えております(さらにもう1冊書いている最中、との噂も)。

 

ちなみに、扶桑社ロマンスは今月いっかいお休みをはさみまして、9月28日発売(いつもより早めですのでご注意ください)でノーラ・ロバーツの最新ロマンティック・サスペンス『Come Sundown』を発売いたします。

邦題は、『夕陽に染まるキス』(上・下)ときまりました。

ノーラ・ロバーツらしい、圧巻のサスペンスにしあがっております。こちらもお楽しみに!(編集J)

 

2017年9月 5日 21:07 | | コメント(1)

いつもいつも更新が遅くて申し訳ありません・・・。

今月発売のナリーニ・シン、〈サイ=チェンジリング〉シリーズ第13弾 『冬の盾と陽光の乙女』(上・下)、もう読んでいただけたでしょうか?

 

ナリーニ13上下ブログ.jpg

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あらすじはこんな感じです。

 

 〈アロー部隊〉に所属する瞬間移動者(テレポーター)のヴァシックは、暗殺者としての過酷な任務を果たすなか、いつしか死の安らぎを望むようになっていた。そんな彼に、実験のため集められた共感能力者(エンパス)たちの護衛という新たな任務が与えられる。ヴァシックが担当することになったアイビーは、能力の高まりのせいで再度の条件づけを経験しながらも自我を保ってみせた強い女性だった。その輝きに触れて、彼の凍てついた心は溶け始める。

〈サイネット〉をむしばみ壊滅的な被害を引き起こす感染。それを食いとめる鍵が、共感能力者たちの封じ込められていた能力にあることが改めて確認され、〈アロー部隊〉のメンバーとEサイたちは、感染の影響で生じる大規模な集団発症事件と〈サイネット〉崩壊の危機に力を合わせて立ち向かう。命を懸けた作戦のなかで、ヴァシックとアイビーはその精神的な絆をしだいに深めてゆくが、一方でアイビーはヴァシックの身体に生命に関わる問題が潜んでいることを知る......巻末には特別短編を収録!

 

今回の主役は、最近登場機会が増えて、ヒーロー昇格の予兆をなんとなく漂わせていた(笑)ヴァシック。

彼は暗殺集団〈アロー〉の戦士であり、もともとはミン・ルボンの私兵のような位置づけにありましたが、ケイレブ・クライチェックがサイ社会の実権を握ってからは、ケイレブの指揮のもと親友のエイデンたちとともにサイネット崩壊現象の最前線に立って、身体を張って戦っています。

一方、彼は手に最新鋭の籠手状コンピュートロニック装置を装着しているのですが、これが彼の脳や神経と直結されているにもかかわらず機能不全を起こしているせいで、そのまま放置すれば命を落とすことになるとの恐ろしい宣告を受けています。

もともと彼は命の危険を承知でこの実験的装置のテスターを引き受けており、その意味ではいわゆる「デス・ウィッシュ(死にたがり)」として描かれています。過酷な任務の繰り返しのなかで心をすり減らし、意識下ではいつ死んでもいいと本気で思っているんですね。

この「死」に引き寄せられた「冬の霜」のような目をした男に、生きる意思と未来への希望をもう一度与え、諦念にとらわれた捨て鉢な生き方を変えさせる......それが、本作で登場する「陽の光」のように暖かな心をもつヒロイン、共感能力者アイビーの役割、というわけです。

 

物語の外見上は、ヴァシックが特命を受けてアイビーを警護するという、「男が女を守る」ロマサス系の王道パターンをとりつつ、実際には、闇にとらわれたヒーローを陽のヒロインが癒やすという、いわゆる「トーチャード・ヒーローもの」の変奏にもなっている点が本作のキモではないかと。

 

実際、お姫様のように「命のタイムリミット」を抱えているのは、今回ヒロインではなくてヒーローの側です。また、ヴァシックが幼年期に経験した凄惨な訓練の描写にはたっぷり筆が割かれる一方で、アイビーの方は後半に進むにしたがって自らの強大な能力に目覚め、常に前向きにヒーローを導き、母性的ともいえる愛の力で包み込み、ゆっくりと癒やしてゆきます。

その意味で、これまで「圧倒的に強い男が壊れかけの女性を救う」という定式をとることが多かった〈サイ=チェンジリング〉シリーズにおいて、本作はその「裏パターン」を志向しているといっていいかもしれません。

「騎士とお姫様」パターンの究極形ともいえるケイレブとサハラの物語(『黒曜石の心と真夜中の瞳』)の次作に、同じサイどうしのカップルを主役に当てつつも、太陽のような女性が影に生きる男性を救済してみせる物語をもってくるというのは、いかにもナリーニ・シンらしい。とある作品を書いている際に出てきた別のアイディアを次作で模索するというのは、これまでも彼女が何度もとってきた手法だからです。

また本作は、ヴァシックとエイデンという、親友どうしの真実の絆を描く「バディもの」としても機能しています。これまで出てきた、チェンジリングのアルファどうしのライヴァル関係や、「ゴースト」三人組の緩やかな仲間意識もとても魅力的でしたが、幼い頃から支え合ってきた二人の友情というのは、飛び抜けてきわめつきに尊いもんです。

あと、前作で結ばれたケイレブとサハラのその後の様子(ほとんどバカップル)も堪能できます。ほんとケイレブってのは、いろんな意味でいいキャラしてますね(笑)。

物語としても、サイネット崩壊現象がカタストロフィ寸前の状況に突入すると同時に、「どうすればサイネットは救われるのか」という究極の命題にもある程度の答えが見えてきて、いよいよ終幕、という切迫感がみなぎってきました。

 

ラブシーンについていえば、前作では地上最強の念動力者が興奮するたびに地割れや地殻変動を引き起こしてなかば笑わせにかかっていましたが、本作のヒーローはテレポーターなので、興奮しすぎて我を忘れると、ついつい馴染みの場所に転々とテレポートしてしまうという(笑)。

「やだお尻冷たい」「今度は俺が下になろう」みたいなことをそこそこ大真面目にやってて、結構受けます。

カバーでヒロイン(ちゃんと瞳に金色の輪っかを入れてあるんですよ)の両サイドに、雪景色の林地と星空の下に広がる砂漠を入れてあるのは、そのへんから来ております。

でも、この「テレポーター」という設定自体、ヴァシックのよるべなさというか、どこにもとどまれる場所がない彼の内面と深くつながっていて、その「碇」を下ろす場所となるのがアイビーってことなんでしょうから、なかなかよくできているなあ、と相変わらず感心させられる次第。

 

最後に個人的なおすすめとしては、上巻314頁あたりのヴァシックにぜひご注目ください。強もてのくせしてなんなんですかこの中学生男子みたいなうぶな可愛さは!ふう......もう、こたえられません!

 

ちなみに次作の『Shards of Hope』はエイデンの物語。その次の『Allegiance of Honor』でいよいよシリーズも一区切りとなります。

お恥ずかしながら、13巻ともなると、さすがに近年は結構ぎりぎりの採算となっておりまして、会社に脅かされながらも「熱いファンの皆さんが待っているんです」と説得して、なんとかシリーズを続けているというのが実情でございます。皆様に置かれましては、ぜひとも「買って」応援していただければ、こんなに嬉しいことはございません。

あと一息です。ゴールを目指して、みんなで力をあわせて頑張ってまいりましょう!(編集J)

 

2017年7月29日 19:34 | | コメント(1)

続きまして、今月発売されました新刊、ミア・シェリダン『世界で一番美しい声』のご紹介です。

日本では初紹介となる作家さん。セルフ・パブリッシングで人気が出て、商業出版に進出してからもなお、たいへんな勢いを維持している人です。

本作は、アメリカのAmazonの読者レビューで、2017年5月の時点で3200を超え、しかもほとんどのレビューは満点の5つ星をつけ、平均4.8と大絶賛をうけています。

3200っすよ、3200。

日本でも、よほど期待度が高かったのか、発売3日の売上初速はすごい伸びを示しまして、「ああ、みなさん発刊を本当に心待ちにしてくださっていたんだなあ」と感慨しきり。

さらには、すでに国内のAmazonでも、弊社としては珍しく8つもレビューがついていて、そのうち7つが5つ星、1つが4つ星。いずれもみなさん絶賛してくださっていて、じつにありがたいかぎりです。

「間違いなく、今年のロマンス本のベストの一つ」との声もあります。正直、もっと言って、言って、あちこちで言いまわってほしいところです(笑)。その一つ一つの声が、次のミア・シェリダン作品を出す大きな力となりますので・・・。

 

世界で一番美しい声 ブログ画像.jpg

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あらすじはこんな感じです。

 

ブリー・プレスコットは、父親と自分を襲った恐ろしい事件のせいで心に深く傷を負い、逃げるように故郷を離れてメイン州にある湖畔の町ペリオンへとやってきた。

新しい環境で人生をたてなおそうとするブリーを、周囲の人びとは温かく支える。

そんななかブリーは町で偶然、アーチャーとい う若者に出逢う。

彼もまた、過去の事件でひどい傷を負い、苦しみを抱えて孤独に生きてきた人間だった。

二人は友情をはぐくみ、やがて惹かれあうが――甘美なラブシーンに彩られた純愛ロマンスの傑作登場!

 

カバーまわりでは一応伏せているのですが(途中までブリーはそのことを知らないので)、本作のヒーロー像は、「トーチャード・ヒーロー(傷ついたヒーロー)もの」の、とある典型を示しています。

日本語版のタイトルに採用した「世界で一番美しい声」というフレーズも、オビで用いた「あなたのくれた静寂」というフレーズも、じつは本書のなかで実際に登場する言い回しです。

まあ、別に隠すほどの設定でもないとはいえ、ぎりぎりのところを攻めてみたわけです。

弊社では昔、ローラ・キンセイル『嵐に舞う花びら(上・下)』や、ジュディス・ジェイムズ『折れた翼』といった、トーチャード・ヒーローものの傑作を出版したこともあるので、路線としてもやってみたかった本でした。

 

とにかく、美しく、そして、爽やかに胸に迫る物語です。

主人公のふたりはそれぞれ、愛する家族の死に関わる、重く辛い過去を抱えています。

メイン州の湖のほとりにあるスモールタウン、ペリオン。

疲れ果て、そこに逃げこんできたヒロインと、その街で世捨て人同然に生きるヒーロー。

世界の片隅で、二人に運命的な出逢いが訪れます。

自らに自信がもてず、相手への想いに応えられないのではないかと、つねに不安にとらわれる二人が、不器用に、お互いを思いやりながら、近づき、やがて愛を深めていく過程は、真に感動的です。

とくに、世間から独り離れて生きてきたせいで子供のまま大きくなったかのような、純粋無垢なアーチャーのキャラクターは、ロマンスの文脈では珍しく、新鮮な魅力を放っています。

そして何より、平明でリリカルな散文詩のような文章が胸にしみる。すべては、原文の繊細な語感を丁寧に日本語へと落とし込んでくれた訳者さんのおかげといえます。

 

ラブシーンの、ひめやかで叙情的な美しさも、本書の大きな魅力のひとつでしょう。

お話の展開上、前半はブリーがアーチャーをリードする流れが続くので、無垢なヒーローにいちから愛の手ほどきをするヒロイン、という極上の設定が楽しめます。

そのうち、アーチャーは大変物覚えが良いということで(笑)、後半では攻守交代したセンシュアルなシーンが頻発します。たとえ激しくとも決して品位を喪わない、ピクチャレスクなラブシーンをご堪能ください。

 

本作を含む、12星座をモチーフとした〈サイン・オブ・ラヴ〉シリーズには、結構他にも作品がありますので、この流れで別のミア・シェリダン作品もご紹介していければうれしいかぎりです。ぜひ皆様も仲間内のロマンス好きにお勧めくださいね!(編集J)

 

 

 

 

2017年6月23日 16:16 | | コメント(3)

ブログの更新を怠りまして、大変申しわけありませんでした。
月刊四冊の進行に加えて、某サイトの作成などありまして、ついタイミングを逃してしまいまして・・・。反省しております。

まずは先月の新刊、サブリナ・ジェフリーズ『輝く宝石は愛の言葉』のご紹介です。
一年ぶりのご紹介となる〈公爵の探偵団〉シリーズ第二弾です。

輝く宝石は ブログ.jpg

 
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あらすじは、こんな感じです。

宝飾品職人のイーザは、姉夫婦が引き起こした宝石盗難事件に巻き込まれ、
新婚の夫に別れを告げる間もなく逃亡を余儀なくされた。
事情を知らぬまま残された夫のヴィクターは事件の容疑者として拷問され、
また妻に棄てられた傷心から疑い深い人間になってしまう。
それから十年後、友人の探偵社でイーザらしき女性の消息をつかんだ
彼はスコットランドにおもむき、ついに妻と再会する。
互いへの強い想いは戻りながらも疑心は消えず、しかもイーザには大き
な秘密があった......人気シリーズ新展開!

今回ヒーローを務めますのは、前作で船で帰還しながら病に倒れて危うく命を落としかけていた、公爵の親戚(だとわかった)ヴィクター・ケールです。
実は彼には十年前に行き別れたきりの当時新婚だった奥さんがいて、それからずっとその行方をさがしてきたというのが出だしの設定です。
一方、ヒロインのイーザは、オランダから逃れてエジンバラに渡り、自らの宝石職人としての手腕をたよりに、宝石店の共同経営者として生きてきました。
ここでポイントとなるのは、当時起きた王室の宝石盗難事件に関し、ヴィクターはイーザと彼女の姉夫婦の犯行だと信じており、いっぽうイーザは夫と姉夫婦がグルだったと誤解してるんですね。
すなわち、お互いがお互いに裏切られたと思い込んでいて、警戒しあっているというのが前提となります。もともと愛し合っていたにもかかわらず・・・。
しかもヒロインには、渡英時に生まれたヴィクターとのあいだの女の子がいて、彼にばれたら奪われてしまうと信じ込んでいるイーザは、なんとかしてその存在を隠そうとします。

要するに本作は、近年たいへんはやりのシークレット・ベイビーものなんですね。
これに加えて、イーザに恋をしている若き男爵や、それを快く思わない放埓な母親などが登場し、ふたりの危うい関係をさらにこんがらがったものにしていきます。さらには男爵家秘蔵のダイヤを狙って、ろくでなしの姉夫婦が姿を現すにいたり・・・。

いつもながら、ジェフリーズの筆致は実に理知的で、寄せ木細工のように物語のパーツを組み立てていきます。そのロジカルな構造は若干、理屈ばっているようにも感じますが、矛盾のない構成は彼女のいいところでもあります。
本当にいらっとくるような悪役の存在も、いかにもジェフリーズらしいところ。
それと、ヒロインをしたう男爵は、いまの観点からするといわゆるアスペルガーっぽい理系男子のキャラクター設定になっていますが、じつに愛らしい人物でみなさん好きになるにちがいありません。

なお、タイトルはちょっと妙な日本語に感じられるかもしれませんが、本当に「宝石が愛の言葉」としてもちいられる遊びが当時流行っていたという話が出てくるんですね。非常にロマンティックな趣向なので、ぜひご自分でも試したり、旦那さんにせがんだりしてみてはどうかと思ったり。

あと二作でこのシリーズもゴールなので、ぜひ買い支えていただけると助かります!(編集J)



2017年6月17日 05:02 | | コメント(0)

皆様ご存じのことかとは思いますが、先般、第四回勝手にロマンス大賞が発表されました。

 

第四回勝手にロマンス大賞 ご案内ページ

で、弊社作品でございますが・・・

 

【エロティックロマンス部門】

1位 リサ・マリー・ライス「
真夜中の秘密
2位 リサ・マリー・ライス「
真夜中の炎
3位 カレン・ラニー「
伯爵とキスのつづきを

3位まで独占でした!(爆笑)

 

え、そういう出版社だっけ、うち? マヤ・バンクスとか流行りのエロティカとか出したことないんですけど!

カレン・ラニーって、編集者のなかでは可憐ラニー?ってくらいソフトなときめき路線のつもりだったんですけど!

などと思いつつも、超嬉しいです!

さすがは、リサ・マリー・ライス先生だなあ・・・。

 

ちなみに、

【パラノーマル・ロマンス部門】でも、

2位 ナリーニ・シン「黒曜石の心と真夜中の瞳
3位 ナリーニ・シン「
金眼の黒狼と月下の戦姫
5位 ノーラ・ロバーツ「
ささやく海に抱かれて

 

で、こちらも健闘いたしました!

 

『勝手にロマンス』管理人様宛に、プレゼント用の書籍を新刊・旧刊取り揃えて、(半ば強制的に)大量に送りつけておきましたので、皆様にうまくあたってくれることをお祈りいたします。


今後共、扶桑社ロマンスにご愛顧賜りますよう、心からお願い申し上げます。

 

次の新刊は、4月末搬入、5月2日発売予定のサブリナ・ジェフリーズ、〈公爵の探偵団(デュークズ・マン)〉シリーズ第二弾、『When the Rogue Returns』。おそらく邦題は『輝く宝石は愛の言葉』になるかと思います。近頃はやりのシークレット・ベビーものの絶品。乞うご期待、お楽しみに!(編集J)

 

 

 

 

 

 


 

2017年4月 5日 21:29 | | コメント(1)

またもや更新が遅れてしまってすみません。

今やっている某書の編集作業であっぷあっぷの状態でございまして・・・・。

 

先月の新刊、もうお読みいただけましたでしょうか?

リサ・マリー・ライス『真夜中の探訪』〈ミッドナイト〉シリーズ初の番外編二本を収録したスピンオフです!

Midnight Quest Blog.jpg

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あらすじはこんな感じです。

 

 愛するローレンと満ち足りた生活を送っていたジャッコ。

しかし、ローレンから妊娠を知らされた彼は、激しく動揺し家を飛び出してしまう。

薬物中毒者の息子である自分に、子どもを持つことは許されるのか。

ジャッコは改めて自らの出生の真実と向き合うため、探訪の旅に出ることを決意する。

表題作の他、ダグラス・コワルスキとアレグラ夫婦が訪れたギリシャのリゾート島で

体験する事件を描く『真夜中の影』を併録。

二組のカップルのその後を切なく描くファン待望の〈真夜中〉シリーズ、スピンオフ!

 

リサ・マリー・ライスが、自らの作品に登場したキャラクターの後日譚を発表したのは、この本が初めてではないかと思います。

実際には、本書の後半に収録されている「真夜中の影」のほうが、電子書籍として先に発表されており(2013年)、こちらは、第三作『真夜中の天使』のスピンオフです。

分量的には短いものなので、弊社では『シチリアの獅子に抱かれて』とでもセットにして出そうかな、ともともとは思っていたわけです。

ところが著者サイドから、もう一本〈ミッドナイト〉シリーズのスピンオフとして、ノヴェッラ(中編)を書く予定があるから、それまでしばし待て とのお達しがあり、結局『シチリア』は単品で出して、「真夜中の影」は(すでに翻訳も終わった状態で)発表できるタイミングをずっと待っていたのでした。

で、ようやく原稿が届いて、いざ訳して出そうかと思ったら、すぐには出せないことがわかってびっくり。

作品としてはたしかに『真夜中の復讐』の続編なのですが、いざ読んでみたら、時系列的にはその後の『真夜中の約束』『真夜中の秘密』『真夜中の炎』を経過した「後」のお話だったのです。

という感じでいろいろありましたが、〈ミッドナイト〉シリーズも前作『真夜中の炎』で一段落を迎え、ようやく皆様にこの愛すべき二作品をお披露目することができました! お楽しみいただけたなら幸いです。

 

表題作「真夜中の探訪」は、L・M・ライスとしては異色作と言っていいでしょう。

いままで示してきた彼女の芸風では、余り強調されてこなかった、「ヒーローサイドの苦悩」を前面に押し出したお話で、作者の新たな一面をきっと楽しんでいただけることと思います。

まあ個人的には、ここまでどツボにはまるものなのか、とか、最後くらいはもう少し下手に出てもいいんじゃないの(笑)、とか思わないでもなかったのですが、久々にキャラクターの心情の奥底まで深く沈潜し、キャラに寄り添って心理を描き出す、著者の凄みを堪能できたように思います。

悪夢のシーンで示した、スリラー寄りの筆致の冴えにも、思わず唸らされました。

それと、姿を消したまま帰ってこないジャッコを敢えて追わず、心痛に耐えながらも、ただじっと黙って待つローレンの「菩薩力」の高さにも、素直に胸を打たれます。

ここでは、単に都合のいい女、というより、いまジャッコにとって必要な手助けが何かを直感的にわかっている「聡明な女性」としてのイメージが強く感じ取れます。この手の「母性」の強調も、リサ・マリー・ライスとしては新境地といっていいのではないでしょうか。

 

「真夜中の影」のほうは短いお話ですが、ラブ分たっぷり、アクション満載でLMRワールドを堪能していただけるはず。

新シリーズになっていきなり陽気な姉御キャラに変貌して登場、旧来のファンを唖然とさせたアレグラでしたが、気弱で繊細なタイプだった彼女が明るく前向きな性格へと変化してゆく過程が、まさに本作では描かれます。ぶ男代表コワルスキさんの包容力、安定感もじつに魅力的! ぜひ「真夜中の探訪」と合わせてお楽しみください。

 

あとですね。これはこの機会にぜひ申し上げておきたかったんですが・・・(笑)

今回の装丁では、ヒロインの写真に、ちゃんと『真夜中の復讐』と同じモデルさんのアザーカットをわざわざ選んで使ってるんですよ・・・。

しかもよく観ていただければ、彼女、右手に携帯を持ってるんですね。

で、帯をとったら、車が走ってるんですよ。 ね? いい感じじゃないですか?(押し付け)

もしかすると気づいていただけないかもしれないので、みっともなくも自分から言ってみました!

 

さて、リサ・マリー・ライスの次回作ですが、今年に入ってエージェントから連絡があり、2017年度にもMidnightシリーズを二作ほど執筆する予定が立っているそうです。まだまだ彼らの物語が楽しめる、ということですね! ホントによかったです。

今後とも、真夜中の男と愉快な仲間たちの活躍を、皆様にご紹介していけると嬉しく思います。

なお今年度に関しましては、リサ・マリーの未訳の二長編を順にご紹介してゆく予定でございます(たぶん、これでLMR作品はすべて邦訳が出ることに)。

乞うご期待!

 

それと、3/2にノーラ・ロバーツ〈星の守り人〉トリロジーの最終話『光の戦士にくちづけを』(原題 Island of Glass)が発売されました! (メルマガでお送りした仮タイトルから邦題が変わってしまい、申し訳ありません)。いよいよ六人の守り人たちの物語も大団円。悪しき女神との戦いのゆくえは? そして、それぞれの愛は成就するのか?

こちらのほうも、ぜひお楽しいただければ幸いです!(編集J)

 

 

 

 

 

 

2017年3月 3日 23:51 | | コメント(0)

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