8月刊行のリサ・マリー・ライス『天国の港』、もう読んでいただけましたでしょうか?

このところ、〈真夜中〉シリーズの新作が続いておりましたが、今回は一休み(?)して、著者お得意のイタリアものをご紹介いたします。

 

天国の港オビありブログ.jpg

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あらすじはこんな感じです。

 

ホープはイタリア南部の都市バーリで、事故で入院した親友のかわりに英会話学校の
校長代理を務めている。

学校経営自体は順調だが、借りている家のまわりで不可解な現象が頻発。

住居侵入事件が発生するに及び、現地警察組織の本部長フランコ・リベラが護衛につくことになる。

かつて警察に容疑者扱いされ厳しい追及を受けたことのあるホープの警官嫌いは筋金入りだったが、フランコが放つセクシーで危険な魅力には抗えず......

イタリアの景勝地を舞台に大人気作家が贈る傑作ラブ・サスペンス! 

 

本作は、リサ・マリー・ライスが2003年にエリザベス・ジェニングズ名義で発表した作品を、大幅に書き直したうえ、2017年にリサ・マリー・ライス名義で出し直したものです。

初期作をベースにしているだけあって、この作家お得意のシチュエイションとストーリーラインとキャラ造形が、じつにストレートな形で打ち出された作品となっています。

また、イタリアは、ご本人が長く住んでいる土地柄(たしか夫君が外交官だったか)。勝手知ったる筆致で、美しい景勝地の風景や、人びとの生活ぶりがいきいきと描かれています。

リサ・マリーのイタリアものといえば、『ヒーローの作り方』『シチリアの獅子に抱かれて』がありまして、まあこういう言い方はなんですが、そこそこ似たり寄ったりの内容なわけですが(笑)、本作の場合、「海」が舞台、という部分が他の二作と異なる部分かと。編集者としては、二人で岩まで泳ぎっこするシーンなどは結構お気に入りです。

まあ、本作における『天国の港』というタイトル自体は、作中でも解説があるとおり、楽園にある実際の港、というよりは、『困った人間にとっての避難所』みたいな意味合いが強いようですが。

 

あれだけ家が危ないとわかっているのに、やたらと帰宅したがるヒロインの精神構造が解せないとか、ヒーローのお母さんのうっかりさん描写がほとんどアルツみたいになってるとか、多少気になる点もないではないですが、総じてリサ・マリー・ライスの魅力を堪能できる一作になっております。

 HOTなシーンもてんこ盛り(こういうのは初期作のいいところですね)で、リサ・マリー先生のそういった部分を特に欲しておられる皆様には、無条件に喜んでいただけるお話かと。

 

なお余談ですが、編集者といたしましては、今回は結構カバーまわりがうまくいったかな、と自負しております。

まずは、作中に登場するヒロインの「プラチナ・ブロンドのストレート、青い瞳の超絶美女」という設定にぴったりの写真が見つけられたこと。

加えて、女性にオーバーラップさせてある風景は、本作の舞台となるバーリの写真なのですが、オビをとったら・・・・

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ね、どうです!? ちゃんと家が崖の上に立ってるんですね。そして周囲は海・・・。

読了された方なら、いい写真を見つけてきたな、ときっとわかっていただけると思います!(以上、どうせ誰も褒めてくれないので自賛してみました)

 

リサ・マリー・ライスに関しては、やはり旧作をリライトした未訳作をもう一作、すでに版権を獲得してあります(これで彼女の作品は二見さんとうちとで、全てが翻訳されることになります、すごいですね)。

さらに〈真夜中〉シリーズの最新作(『Midnight Fever』)を発表しているので、こちらもいずれご紹介できれば、と考えております(さらにもう1冊書いている最中、との噂も)。

 

ちなみに、扶桑社ロマンスは今月いっかいお休みをはさみまして、9月28日発売(いつもより早めですのでご注意ください)でノーラ・ロバーツの最新ロマンティック・サスペンス『Come Sundown』を発売いたします。

邦題は、『夕陽に染まるキス』(上・下)ときまりました。

ノーラ・ロバーツらしい、圧巻のサスペンスにしあがっております。こちらもお楽しみに!(編集J)

 

2017年9月 5日 21:07 | | コメント(1)

いつもいつも更新が遅くて申し訳ありません・・・。

今月発売のナリーニ・シン、〈サイ=チェンジリング〉シリーズ第13弾 『冬の盾と陽光の乙女』(上・下)、もう読んでいただけたでしょうか?

 

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あらすじはこんな感じです。

 

 〈アロー部隊〉に所属する瞬間移動者(テレポーター)のヴァシックは、暗殺者としての過酷な任務を果たすなか、いつしか死の安らぎを望むようになっていた。そんな彼に、実験のため集められた共感能力者(エンパス)たちの護衛という新たな任務が与えられる。ヴァシックが担当することになったアイビーは、能力の高まりのせいで再度の条件づけを経験しながらも自我を保ってみせた強い女性だった。その輝きに触れて、彼の凍てついた心は溶け始める。

〈サイネット〉をむしばみ壊滅的な被害を引き起こす感染。それを食いとめる鍵が、共感能力者たちの封じ込められていた能力にあることが改めて確認され、〈アロー部隊〉のメンバーとEサイたちは、感染の影響で生じる大規模な集団発症事件と〈サイネット〉崩壊の危機に力を合わせて立ち向かう。命を懸けた作戦のなかで、ヴァシックとアイビーはその精神的な絆をしだいに深めてゆくが、一方でアイビーはヴァシックの身体に生命に関わる問題が潜んでいることを知る......巻末には特別短編を収録!

 

今回の主役は、最近登場機会が増えて、ヒーロー昇格の予兆をなんとなく漂わせていた(笑)ヴァシック。

彼は暗殺集団〈アロー〉の戦士であり、もともとはミン・ルボンの私兵のような位置づけにありましたが、ケイレブ・クライチェックがサイ社会の実権を握ってからは、ケイレブの指揮のもと親友のエイデンたちとともにサイネット崩壊現象の最前線に立って、身体を張って戦っています。

一方、彼は手に最新鋭の籠手状コンピュートロニック装置を装着しているのですが、これが彼の脳や神経と直結されているにもかかわらず機能不全を起こしているせいで、そのまま放置すれば命を落とすことになるとの恐ろしい宣告を受けています。

もともと彼は命の危険を承知でこの実験的装置のテスターを引き受けており、その意味ではいわゆる「デス・ウィッシュ(死にたがり)」として描かれています。過酷な任務の繰り返しのなかで心をすり減らし、意識下ではいつ死んでもいいと本気で思っているんですね。

この「死」に引き寄せられた「冬の霜」のような目をした男に、生きる意思と未来への希望をもう一度与え、諦念にとらわれた捨て鉢な生き方を変えさせる......それが、本作で登場する「陽の光」のように暖かな心をもつヒロイン、共感能力者アイビーの役割、というわけです。

 

物語の外見上は、ヴァシックが特命を受けてアイビーを警護するという、「男が女を守る」ロマサス系の王道パターンをとりつつ、実際には、闇にとらわれたヒーローを陽のヒロインが癒やすという、いわゆる「トーチャード・ヒーローもの」の変奏にもなっている点が本作のキモではないかと。

 

実際、お姫様のように「命のタイムリミット」を抱えているのは、今回ヒロインではなくてヒーローの側です。また、ヴァシックが幼年期に経験した凄惨な訓練の描写にはたっぷり筆が割かれる一方で、アイビーの方は後半に進むにしたがって自らの強大な能力に目覚め、常に前向きにヒーローを導き、母性的ともいえる愛の力で包み込み、ゆっくりと癒やしてゆきます。

その意味で、これまで「圧倒的に強い男が壊れかけの女性を救う」という定式をとることが多かった〈サイ=チェンジリング〉シリーズにおいて、本作はその「裏パターン」を志向しているといっていいかもしれません。

「騎士とお姫様」パターンの究極形ともいえるケイレブとサハラの物語(『黒曜石の心と真夜中の瞳』)の次作に、同じサイどうしのカップルを主役に当てつつも、太陽のような女性が影に生きる男性を救済してみせる物語をもってくるというのは、いかにもナリーニ・シンらしい。とある作品を書いている際に出てきた別のアイディアを次作で模索するというのは、これまでも彼女が何度もとってきた手法だからです。

また本作は、ヴァシックとエイデンという、親友どうしの真実の絆を描く「バディもの」としても機能しています。これまで出てきた、チェンジリングのアルファどうしのライヴァル関係や、「ゴースト」三人組の緩やかな仲間意識もとても魅力的でしたが、幼い頃から支え合ってきた二人の友情というのは、飛び抜けてきわめつきに尊いもんです。

あと、前作で結ばれたケイレブとサハラのその後の様子(ほとんどバカップル)も堪能できます。ほんとケイレブってのは、いろんな意味でいいキャラしてますね(笑)。

物語としても、サイネット崩壊現象がカタストロフィ寸前の状況に突入すると同時に、「どうすればサイネットは救われるのか」という究極の命題にもある程度の答えが見えてきて、いよいよ終幕、という切迫感がみなぎってきました。

 

ラブシーンについていえば、前作では地上最強の念動力者が興奮するたびに地割れや地殻変動を引き起こしてなかば笑わせにかかっていましたが、本作のヒーローはテレポーターなので、興奮しすぎて我を忘れると、ついつい馴染みの場所に転々とテレポートしてしまうという(笑)。

「やだお尻冷たい」「今度は俺が下になろう」みたいなことをそこそこ大真面目にやってて、結構受けます。

カバーでヒロイン(ちゃんと瞳に金色の輪っかを入れてあるんですよ)の両サイドに、雪景色の林地と星空の下に広がる砂漠を入れてあるのは、そのへんから来ております。

でも、この「テレポーター」という設定自体、ヴァシックのよるべなさというか、どこにもとどまれる場所がない彼の内面と深くつながっていて、その「碇」を下ろす場所となるのがアイビーってことなんでしょうから、なかなかよくできているなあ、と相変わらず感心させられる次第。

 

最後に個人的なおすすめとしては、上巻314頁あたりのヴァシックにぜひご注目ください。強もてのくせしてなんなんですかこの中学生男子みたいなうぶな可愛さは!ふう......もう、こたえられません!

 

ちなみに次作の『Shards of Hope』はエイデンの物語。その次の『Allegiance of Honor』でいよいよシリーズも一区切りとなります。

お恥ずかしながら、13巻ともなると、さすがに近年は結構ぎりぎりの採算となっておりまして、会社に脅かされながらも「熱いファンの皆さんが待っているんです」と説得して、なんとかシリーズを続けているというのが実情でございます。皆様に置かれましては、ぜひとも「買って」応援していただければ、こんなに嬉しいことはございません。

あと一息です。ゴールを目指して、みんなで力をあわせて頑張ってまいりましょう!(編集J)

 

2017年7月29日 19:34 | | コメント(1)

続きまして、今月発売されました新刊、ミア・シェリダン『世界で一番美しい声』のご紹介です。

日本では初紹介となる作家さん。セルフ・パブリッシングで人気が出て、商業出版に進出してからもなお、たいへんな勢いを維持している人です。

本作は、アメリカのAmazonの読者レビューで、2017年5月の時点で3200を超え、しかもほとんどのレビューは満点の5つ星をつけ、平均4.8と大絶賛をうけています。

3200っすよ、3200。

日本でも、よほど期待度が高かったのか、発売3日の売上初速はすごい伸びを示しまして、「ああ、みなさん発刊を本当に心待ちにしてくださっていたんだなあ」と感慨しきり。

さらには、すでに国内のAmazonでも、弊社としては珍しく8つもレビューがついていて、そのうち7つが5つ星、1つが4つ星。いずれもみなさん絶賛してくださっていて、じつにありがたいかぎりです。

「間違いなく、今年のロマンス本のベストの一つ」との声もあります。正直、もっと言って、言って、あちこちで言いまわってほしいところです(笑)。その一つ一つの声が、次のミア・シェリダン作品を出す大きな力となりますので・・・。

 

世界で一番美しい声 ブログ画像.jpg

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あらすじはこんな感じです。

 

ブリー・プレスコットは、父親と自分を襲った恐ろしい事件のせいで心に深く傷を負い、逃げるように故郷を離れてメイン州にある湖畔の町ペリオンへとやってきた。

新しい環境で人生をたてなおそうとするブリーを、周囲の人びとは温かく支える。

そんななかブリーは町で偶然、アーチャーとい う若者に出逢う。

彼もまた、過去の事件でひどい傷を負い、苦しみを抱えて孤独に生きてきた人間だった。

二人は友情をはぐくみ、やがて惹かれあうが――甘美なラブシーンに彩られた純愛ロマンスの傑作登場!

 

カバーまわりでは一応伏せているのですが(途中までブリーはそのことを知らないので)、本作のヒーロー像は、「トーチャード・ヒーロー(傷ついたヒーロー)もの」の、とある典型を示しています。

日本語版のタイトルに採用した「世界で一番美しい声」というフレーズも、オビで用いた「あなたのくれた静寂」というフレーズも、じつは本書のなかで実際に登場する言い回しです。

まあ、別に隠すほどの設定でもないとはいえ、ぎりぎりのところを攻めてみたわけです。

弊社では昔、ローラ・キンセイル『嵐に舞う花びら(上・下)』や、ジュディス・ジェイムズ『折れた翼』といった、トーチャード・ヒーローものの傑作を出版したこともあるので、路線としてもやってみたかった本でした。

 

とにかく、美しく、そして、爽やかに胸に迫る物語です。

主人公のふたりはそれぞれ、愛する家族の死に関わる、重く辛い過去を抱えています。

メイン州の湖のほとりにあるスモールタウン、ペリオン。

疲れ果て、そこに逃げこんできたヒロインと、その街で世捨て人同然に生きるヒーロー。

世界の片隅で、二人に運命的な出逢いが訪れます。

自らに自信がもてず、相手への想いに応えられないのではないかと、つねに不安にとらわれる二人が、不器用に、お互いを思いやりながら、近づき、やがて愛を深めていく過程は、真に感動的です。

とくに、世間から独り離れて生きてきたせいで子供のまま大きくなったかのような、純粋無垢なアーチャーのキャラクターは、ロマンスの文脈では珍しく、新鮮な魅力を放っています。

そして何より、平明でリリカルな散文詩のような文章が胸にしみる。すべては、原文の繊細な語感を丁寧に日本語へと落とし込んでくれた訳者さんのおかげといえます。

 

ラブシーンの、ひめやかで叙情的な美しさも、本書の大きな魅力のひとつでしょう。

お話の展開上、前半はブリーがアーチャーをリードする流れが続くので、無垢なヒーローにいちから愛の手ほどきをするヒロイン、という極上の設定が楽しめます。

そのうち、アーチャーは大変物覚えが良いということで(笑)、後半では攻守交代したセンシュアルなシーンが頻発します。たとえ激しくとも決して品位を喪わない、ピクチャレスクなラブシーンをご堪能ください。

 

本作を含む、12星座をモチーフとした〈サイン・オブ・ラヴ〉シリーズには、結構他にも作品がありますので、この流れで別のミア・シェリダン作品もご紹介していければうれしいかぎりです。ぜひ皆様も仲間内のロマンス好きにお勧めくださいね!(編集J)

 

 

 

 

2017年6月23日 16:16 | | コメント(3)

ブログの更新を怠りまして、大変申しわけありませんでした。
月刊四冊の進行に加えて、某サイトの作成などありまして、ついタイミングを逃してしまいまして・・・。反省しております。

まずは先月の新刊、サブリナ・ジェフリーズ『輝く宝石は愛の言葉』のご紹介です。
一年ぶりのご紹介となる〈公爵の探偵団〉シリーズ第二弾です。

輝く宝石は ブログ.jpg

 
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あらすじは、こんな感じです。

宝飾品職人のイーザは、姉夫婦が引き起こした宝石盗難事件に巻き込まれ、
新婚の夫に別れを告げる間もなく逃亡を余儀なくされた。
事情を知らぬまま残された夫のヴィクターは事件の容疑者として拷問され、
また妻に棄てられた傷心から疑い深い人間になってしまう。
それから十年後、友人の探偵社でイーザらしき女性の消息をつかんだ
彼はスコットランドにおもむき、ついに妻と再会する。
互いへの強い想いは戻りながらも疑心は消えず、しかもイーザには大き
な秘密があった......人気シリーズ新展開!

今回ヒーローを務めますのは、前作で船で帰還しながら病に倒れて危うく命を落としかけていた、公爵の親戚(だとわかった)ヴィクター・ケールです。
実は彼には十年前に行き別れたきりの当時新婚だった奥さんがいて、それからずっとその行方をさがしてきたというのが出だしの設定です。
一方、ヒロインのイーザは、オランダから逃れてエジンバラに渡り、自らの宝石職人としての手腕をたよりに、宝石店の共同経営者として生きてきました。
ここでポイントとなるのは、当時起きた王室の宝石盗難事件に関し、ヴィクターはイーザと彼女の姉夫婦の犯行だと信じており、いっぽうイーザは夫と姉夫婦がグルだったと誤解してるんですね。
すなわち、お互いがお互いに裏切られたと思い込んでいて、警戒しあっているというのが前提となります。もともと愛し合っていたにもかかわらず・・・。
しかもヒロインには、渡英時に生まれたヴィクターとのあいだの女の子がいて、彼にばれたら奪われてしまうと信じ込んでいるイーザは、なんとかしてその存在を隠そうとします。

要するに本作は、近年たいへんはやりのシークレット・ベイビーものなんですね。
これに加えて、イーザに恋をしている若き男爵や、それを快く思わない放埓な母親などが登場し、ふたりの危うい関係をさらにこんがらがったものにしていきます。さらには男爵家秘蔵のダイヤを狙って、ろくでなしの姉夫婦が姿を現すにいたり・・・。

いつもながら、ジェフリーズの筆致は実に理知的で、寄せ木細工のように物語のパーツを組み立てていきます。そのロジカルな構造は若干、理屈ばっているようにも感じますが、矛盾のない構成は彼女のいいところでもあります。
本当にいらっとくるような悪役の存在も、いかにもジェフリーズらしいところ。
それと、ヒロインをしたう男爵は、いまの観点からするといわゆるアスペルガーっぽい理系男子のキャラクター設定になっていますが、じつに愛らしい人物でみなさん好きになるにちがいありません。

なお、タイトルはちょっと妙な日本語に感じられるかもしれませんが、本当に「宝石が愛の言葉」としてもちいられる遊びが当時流行っていたという話が出てくるんですね。非常にロマンティックな趣向なので、ぜひご自分でも試したり、旦那さんにせがんだりしてみてはどうかと思ったり。

あと二作でこのシリーズもゴールなので、ぜひ買い支えていただけると助かります!(編集J)



2017年6月17日 05:02 | | コメント(0)

皆様ご存じのことかとは思いますが、先般、第四回勝手にロマンス大賞が発表されました。

 

第四回勝手にロマンス大賞 ご案内ページ

で、弊社作品でございますが・・・

 

【エロティックロマンス部門】

1位 リサ・マリー・ライス「
真夜中の秘密
2位 リサ・マリー・ライス「
真夜中の炎
3位 カレン・ラニー「
伯爵とキスのつづきを

3位まで独占でした!(爆笑)

 

え、そういう出版社だっけ、うち? マヤ・バンクスとか流行りのエロティカとか出したことないんですけど!

カレン・ラニーって、編集者のなかでは可憐ラニー?ってくらいソフトなときめき路線のつもりだったんですけど!

などと思いつつも、超嬉しいです!

さすがは、リサ・マリー・ライス先生だなあ・・・。

 

ちなみに、

【パラノーマル・ロマンス部門】でも、

2位 ナリーニ・シン「黒曜石の心と真夜中の瞳
3位 ナリーニ・シン「
金眼の黒狼と月下の戦姫
5位 ノーラ・ロバーツ「
ささやく海に抱かれて

 

で、こちらも健闘いたしました!

 

『勝手にロマンス』管理人様宛に、プレゼント用の書籍を新刊・旧刊取り揃えて、(半ば強制的に)大量に送りつけておきましたので、皆様にうまくあたってくれることをお祈りいたします。


今後共、扶桑社ロマンスにご愛顧賜りますよう、心からお願い申し上げます。

 

次の新刊は、4月末搬入、5月2日発売予定のサブリナ・ジェフリーズ、〈公爵の探偵団(デュークズ・マン)〉シリーズ第二弾、『When the Rogue Returns』。おそらく邦題は『輝く宝石は愛の言葉』になるかと思います。近頃はやりのシークレット・ベビーものの絶品。乞うご期待、お楽しみに!(編集J)

 

 

 

 

 

 


 

2017年4月 5日 21:29 | | コメント(1)

またもや更新が遅れてしまってすみません。

今やっている某書の編集作業であっぷあっぷの状態でございまして・・・・。

 

先月の新刊、もうお読みいただけましたでしょうか?

リサ・マリー・ライス『真夜中の探訪』〈ミッドナイト〉シリーズ初の番外編二本を収録したスピンオフです!

Midnight Quest Blog.jpg

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あらすじはこんな感じです。

 

 愛するローレンと満ち足りた生活を送っていたジャッコ。

しかし、ローレンから妊娠を知らされた彼は、激しく動揺し家を飛び出してしまう。

薬物中毒者の息子である自分に、子どもを持つことは許されるのか。

ジャッコは改めて自らの出生の真実と向き合うため、探訪の旅に出ることを決意する。

表題作の他、ダグラス・コワルスキとアレグラ夫婦が訪れたギリシャのリゾート島で

体験する事件を描く『真夜中の影』を併録。

二組のカップルのその後を切なく描くファン待望の〈真夜中〉シリーズ、スピンオフ!

 

リサ・マリー・ライスが、自らの作品に登場したキャラクターの後日譚を発表したのは、この本が初めてではないかと思います。

実際には、本書の後半に収録されている「真夜中の影」のほうが、電子書籍として先に発表されており(2013年)、こちらは、第三作『真夜中の天使』のスピンオフです。

分量的には短いものなので、弊社では『シチリアの獅子に抱かれて』とでもセットにして出そうかな、ともともとは思っていたわけです。

ところが著者サイドから、もう一本〈ミッドナイト〉シリーズのスピンオフとして、ノヴェッラ(中編)を書く予定があるから、それまでしばし待て とのお達しがあり、結局『シチリア』は単品で出して、「真夜中の影」は(すでに翻訳も終わった状態で)発表できるタイミングをずっと待っていたのでした。

で、ようやく原稿が届いて、いざ訳して出そうかと思ったら、すぐには出せないことがわかってびっくり。

作品としてはたしかに『真夜中の復讐』の続編なのですが、いざ読んでみたら、時系列的にはその後の『真夜中の約束』『真夜中の秘密』『真夜中の炎』を経過した「後」のお話だったのです。

という感じでいろいろありましたが、〈ミッドナイト〉シリーズも前作『真夜中の炎』で一段落を迎え、ようやく皆様にこの愛すべき二作品をお披露目することができました! お楽しみいただけたなら幸いです。

 

表題作「真夜中の探訪」は、L・M・ライスとしては異色作と言っていいでしょう。

いままで示してきた彼女の芸風では、余り強調されてこなかった、「ヒーローサイドの苦悩」を前面に押し出したお話で、作者の新たな一面をきっと楽しんでいただけることと思います。

まあ個人的には、ここまでどツボにはまるものなのか、とか、最後くらいはもう少し下手に出てもいいんじゃないの(笑)、とか思わないでもなかったのですが、久々にキャラクターの心情の奥底まで深く沈潜し、キャラに寄り添って心理を描き出す、著者の凄みを堪能できたように思います。

悪夢のシーンで示した、スリラー寄りの筆致の冴えにも、思わず唸らされました。

それと、姿を消したまま帰ってこないジャッコを敢えて追わず、心痛に耐えながらも、ただじっと黙って待つローレンの「菩薩力」の高さにも、素直に胸を打たれます。

ここでは、単に都合のいい女、というより、いまジャッコにとって必要な手助けが何かを直感的にわかっている「聡明な女性」としてのイメージが強く感じ取れます。この手の「母性」の強調も、リサ・マリー・ライスとしては新境地といっていいのではないでしょうか。

 

「真夜中の影」のほうは短いお話ですが、ラブ分たっぷり、アクション満載でLMRワールドを堪能していただけるはず。

新シリーズになっていきなり陽気な姉御キャラに変貌して登場、旧来のファンを唖然とさせたアレグラでしたが、気弱で繊細なタイプだった彼女が明るく前向きな性格へと変化してゆく過程が、まさに本作では描かれます。ぶ男代表コワルスキさんの包容力、安定感もじつに魅力的! ぜひ「真夜中の探訪」と合わせてお楽しみください。

 

あとですね。これはこの機会にぜひ申し上げておきたかったんですが・・・(笑)

今回の装丁では、ヒロインの写真に、ちゃんと『真夜中の復讐』と同じモデルさんのアザーカットをわざわざ選んで使ってるんですよ・・・。

しかもよく観ていただければ、彼女、右手に携帯を持ってるんですね。

で、帯をとったら、車が走ってるんですよ。 ね? いい感じじゃないですか?(押し付け)

もしかすると気づいていただけないかもしれないので、みっともなくも自分から言ってみました!

 

さて、リサ・マリー・ライスの次回作ですが、今年に入ってエージェントから連絡があり、2017年度にもMidnightシリーズを二作ほど執筆する予定が立っているそうです。まだまだ彼らの物語が楽しめる、ということですね! ホントによかったです。

今後とも、真夜中の男と愉快な仲間たちの活躍を、皆様にご紹介していけると嬉しく思います。

なお今年度に関しましては、リサ・マリーの未訳の二長編を順にご紹介してゆく予定でございます(たぶん、これでLMR作品はすべて邦訳が出ることに)。

乞うご期待!

 

それと、3/2にノーラ・ロバーツ〈星の守り人〉トリロジーの最終話『光の戦士にくちづけを』(原題 Island of Glass)が発売されました! (メルマガでお送りした仮タイトルから邦題が変わってしまい、申し訳ありません)。いよいよ六人の守り人たちの物語も大団円。悪しき女神との戦いのゆくえは? そして、それぞれの愛は成就するのか?

こちらのほうも、ぜひお楽しいただければ幸いです!(編集J)

 

 

 

 

 

 

2017年3月 3日 23:51 | | コメント(0)

あけましておめでとうございます(おそい!)。
ノーラ・ロバーツの最新長篇『ひそやかな悪夢』、お楽しみいただけましたでしょうか。
お久しぶりの上下巻は、息を呑むラブサスペンスに仕上がっております。

 

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内容はこんな感じです。


12歳の時、父親が連続強姦殺人犯として逮捕されて以来、名前を変え、人目を避けるように各地を転々としながら暮らしてきたナオミ。事件から18年が経ち、カメラマンとして成功した彼女は、港町のはずれに建つ古い屋敷を購入し、孤独だが満たされた日々を送っていた。魅惑的な瞳をした整備士の青年・サンダーと出会うまでは......。仕事熱心で少し強引な彼に反発しながらも惹かれるナオミ。捨て犬タグとの新生活も始まり、彼女の凍てついた心は次第に溶かされてゆくかのように思えたが――。

主人公のナオミは、才能豊かなカメラマンにして、類まれなる美貌と約180㎝(!)のスレンダーボディを備えたハイスペック女子。おまけに、ふらりと訪れた旅先で巨大な屋敷をぽんと購入できてしまう経済力ときたら、もう女でも惚れ惚れしてしまいます。
ちなみに彼女が撮影した写真のポストカードはネットでバカ売れ。「出せば売れるのよ」と時折ちらつかせる富豪感がまばゆいのですが、あくまでさりげなく......決してドヤ顔で主張することなどありません。
大人の余裕ってこういうことなんですね。

 

そんな彼女の前に現れたのは伊達男サンダー。出会った瞬間からまるで雷に打たれたように、ナオミの心はサンダーに囚われてゆきます。(そう、サンダーだけに)
しかし、ナオミは孤高の女でした。殺人者の娘に生まれてしまったが故に、大切な人を失い、ずっと自分の欲望を押し殺しながら生きてきたのだから。「私なんて一生幸せになっちゃいけない」とばかりに、サンダーの熱視線を蹴散らし、「これは単なるセフレよ」と強がり、心の鎧を脱ぎ捨てることができないのです。

 

しかしそこで諦めないのがサンダー。
暇さえあればナオミの前をうろつき、悪夢を見た日にはよしよしと甘い言葉で寝かしつけ、ピンチの時には一目散に駆けつけてくれる甲斐甲斐しさ(しかし到着する前にナオミが対処していることが多い)で、魅力は大爆発。ナオミの心は滑落寸前まで追い込まれてゆきます。
ふたりで拾った犬の存在も潤滑油となり、トキメキ指数はぐんぐん加速。ギターボーカルで熱唱し始めた日にはロマンティックがとまらない状態になってしまいました。
そりゃ恋もはかどるわ! あーあ! オレもロックンロールの調べにのせてイケメンと酔いしれてえなぁ!

 

ふたりがそんなアツアツぶりを繰り広げているあいだ、周囲では不可解な殺人事件が発生していました。
被害者はナオミと同じブロンドで長身の女性。犯行はまるでナオミが訪れた場所を狙うかのように立て続けに起こり、しかもそれは幼い頃に目撃した父親による殺しの手口とそっくりという、なにやら不穏な事件だったのです。
どこまで逃げても切り離すことのできない父親の幻影に打ちのめされるナオミ。やがて命を狙われ始めた彼女は、己の忌まわしい過去に隠された、ひとつの恐ろしい真実へと辿りつくことになるのですが――。

 

事件の結末やナオミ姐さんたちのロマンスも必見ですが、個人的には、屋敷の改修を手伝ってくれる友人夫婦の距離感がすきでした。
付き合いの浅いカップルには到達できない、絶妙なコンビネーション。皮肉ったり愚痴を言っていても、どこか愛情がこもっている理想の間柄。
夫はナオミにふらついていたような気もするけれど。(大丈夫かな)

 

あとは、
犬、めっちゃ活躍してる!!
シスコンのFBIが登場!!
......とか、読みどころはまだあるのですが、ひとまずこのへんで。

 

寒い冬を熱くする乙女なサスペンス、この機会にいかがでしょうか。
ひたすらに孤独を抱えながら生きてゆくだけの人生に、やわらかい光が差す――。 
そんな恋の素晴らしさを、ぜひ堪能してみてください。(編集K2)

 

2017年2月 4日 12:53 | | コメント(1)

メリークリスマス!(遅い)

もう今月の新刊はお読みいただけましたでしょうか?

リサ・マリー・ライス『真夜中の炎』真夜中シリーズの第7弾、新章に入ってからだと4冊目の長編となります。昨年2冊(ジャッコ&ローレン、メタル&フェリシティ)今年2冊(ジョー&イザベル、本書)と発売された形です。

 

真夜中の炎帯なし小.jpg

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 あらすじはこんな感じです。

 

気鋭の政治ブロガー、サマー・レディングは、上院議員の不審死を探ろうとその葬儀に出席したところ、死んだはずのジャック・デルヴォーを見かけて驚いた。

彼は半年前に起きたテロ事件で、家族ごと殺されたはずのセレブ一家の長男。

幼馴染で初恋の人。

大学に入ってやっと恋人になれたものの、当たり前のように捨てられた。

なぜ彼は生きて、いや、死んだことになっているのか。危険な戦士へと変貌したジャックとの再会を機に、彼女は巨大な陰謀へと巻き込まれてゆく......。

 

今回は、前作『真夜中の秘密』で実質、主人公ジョーよりずっとちゃんと活躍していた感のある(笑)元CIA捜査官ジャック・デルヴォー(前作のヒロイン、イザベルのお兄さんですね)がヒーローをつとめます。

対するヒロインは、前作でもすでに若干の言及があった気鋭のジャーナリスト、サマー・レディング。

背景となるのは、米大統領選と軍事テロ、そして某国の軍事的脅威・・・アップトゥデートな話題ばかりですね。終盤は漫画チックなくらいに派手に米国に危機が訪れ、読み物としてもじゅうぶん楽しめます。

 

一方で、今回のロマンスとしてのキモは、なんといっても、「初恋の人との再会」。

ミッドナイト・シリーズで、ヒロインとヒーローがもともと顔見知りというのは、初めてのパターンです。ヒーローがまともにモテる美男子で、かつては名うての女たらしというのも、このシリーズにおいては変化球といっていいでしょう。

サマーはハーバード大学に入ってすぐに、上級生にいた幼馴染のジャックに熱をあげ、初めてを捧げるのですが、さくっと捨てられてしまいます。

それから年月が流れて、元CIA捜査官として両親・親族全員を皆殺しにした仇である巨悪の謎を負うジャック。その潜入捜査中にサマーに正体を見破られ、ジャックは接触せざるを得なくなり......。

 

かつてすれ違った想いは成就するのか。二人の身の上に訪れた大きな変化は、彼ら自身をどう変え、お互いの関係をどう変えていくのか。その辺が読みどころとなってきます。

リサ・マリー・ライス作品のプロットの特徴として、「逃げる女」/「守られる弱い女」がヒーローの庇護のもと成長し、いつしか本当の強さに目覚めるという点が指摘できるかと思いますが、今回のヒロインは「強い女」として登場しながら、敵の圧倒的な脅威の前に次第に弱さを見せていき、それをヒーローが支えるという展開をとります。

今までになく「まっとう」なヒーロー像を演じるジャックですが、全体の仕上がりはちゃんと、いかにもミッドナイト・シリーズらしいものとなっています。

 

なお、来年度のリサ・マリー・ライス新刊ですが、いったん真夜中シリーズを離れ、スタンドアローンのロマンティック・サスペンスをご紹介する予定です。

ただ、すでに来年に向けて著者は真夜中シリーズの新作を鋭意執筆中との情報も入ってきておりますので、安心してお待ちいただければと思います!

 

なお、本日ノーラ・ロバーツの最新ロマンティック・サスペンス『ひそやかな悪夢』(上・下)も発売されました。

 

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 年末年始の都合で、12月は二回も発刊があってすみません。

こちらも、年越しのお休みを利用してぜひお読みいただければ!

よろしくお願いいたします。(編集J)

 

 

2016年12月27日 03:00 | | コメント(0)

更新がまたも遅くなって相済みません・・・。

もう、今月の新刊はお読みいただけたでしょうか?

 

米国を代表するパラノーマル・ロマンス作家、ナリーニ・シンによる〈サイ=チェンジリング〉シリーズ第12弾、『黒曜石の心と真夜中の瞳』(上・下)。

熱烈な読者の皆様のご支持を賜り、ついになんとかここまでやってまいりました!

本国ではシリーズ屈指の傑作との呼び声も高い大人気作です。

 

サイ12上下帯なし.jpg

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出だしはこんな感じで始まります。

 

カーディナル(特級能力者)の念動力者であり〈サイ評議会〉のメンバーでもあったケイレブ・クライチェックは、7年の長きにわたって行方を追いつづけてきた人物をようやく敵から奪い返し、手にいれたところだ。
サハラ。運命の女性。若き日に出逢い、ずっと寄り添って生きてきた彼にとっての唯一の光。
しかしあの日ふたりの深い絆は無残に引き裂かれた。
拉致されたサハラを待っていたのは、檻に囚われ拷問を受ける地獄のような毎日だった。
凄絶な監禁生活のなか、自ら心に迷路を作って閉じこもり何とか生きぬいてきたサハラ。

ケイレブは、救い出しはしたものの、記憶まで喪った彼女を献身的に支えるが・・・。

 

本来、この本の原書では、発売日まで主人公の正体を隠しきり、カバー周りにも一切名前を出さなかったという話でしたので、われも試さんといろいろ頑張ってみたのですが・・・無理でした。

さすがに、上下巻の裏のあらすじコーナーは結構なボリュームで、ふたりの名前を出さないともちませんで・・・。

それと、上巻のあらすじで、よりによってケイレブの苗字を、本来「クライチェック」と表記すべきところを「クラチェック」としてしまいました。完全に編集者の見落としであり、穴があったら入りたい気分です。大変申し訳ありませんでした。この場を借りて陳謝いたします。

 

で、本書の内容ですが、とにもかくにも

主人公のケイレブがかっこいい。

結局のところ、それに尽きるのではないかと。

 

よく宣伝文句などで、「最強のヒーロー」とか「究極のヒーロー」といった言い回しが使われますよね。かくいう編集者も、何かにつけ、ついついそういう言い方をしてしまうのですが、「ホントに最強で究極なのか」と言われると、まあ実際は、そんな感じで描かれてるだけってのがほとんどなわけです。

 

ところが、本作の我らがヒーロー、ケイレブは違います。

文字通りの「最強」。リタラリー「究極」の能力者。

まずスペックが桁違いです。

彼は、もし望むなら、地球を壊すことすらできる最強の念動力者であり、地球上のありとあらゆる場所へと瞬時に移動できるテレポーターでもあります。

しかも世界の支配的地位にあるサイの、最高意思決定機関であるサイ評議会のメンバーであり、評議会崩壊後は、サイ社会の中枢を実質ひとりでとりしきっています。

能力においても、地位においても、そのへんのロマンスに出てくるギリシャの富豪や剣の達人や一介の伯爵とは、まるで「モノ」が違う。

要するに、このヒーローは、世界の命運を文字通り握っている。

本作は「セカイ系」のパラノーマル・ロマンスなのです!

 

単に強くて地位が高いから、ケイレブは最強・究極のヒーローというわけではありません。

彼は、ロマンス小説における究極のヒーロー像を具現化するために設定を与えられたキャラクターです。だからこそ、彼のことを「最強・究極」と呼びうるのです。

 

たとえば、ロマンス小説のお約束として、「ヒーローはヒロインのピンチに必ずかけつける」「ヒーローはヒロインが今いて欲しいと願うときに姿を現す」というのがあると思います。

通例、それは偶然の成り行きや、ヒーローの深謀遠慮によって、かなりご都合主義的に実現される「お約束」なわけですが、本書ではこれが「必然」として成立しています。

なにせ、ケイレブはテレパシーでいつもサハラの状況を知ることができるうえ、彼女がピンチだと思ったらテレポートで瞬速で現れるのです。さらには、ヒロインが行きたいといえば、その数行後には海にも山にもアラスカにもアフリカにも一瞬で飛べてしまう。敵に立ち向かえば無敵。災害救助でも異次元の力で町をまるごと救ってしまいます。

守護天使としてのヒーロー像。願望充足器としてのヒーロー像。

ケイレブほどに、完璧にそれをこなしてくれるロマンス・ヒーローはそうはいません。

 

もっと重要なのは、ケイレブが「ただサハラのためだけに」生きているということです。

彼が世界を滅ぼそうというとき、それはサハラが滅びを願うからです。

彼が世界を救おうというとき、それはサハラがその存続を願うからです。

彼が評議員に上り詰め、世界の変革に乗り出したのも、サハラを救うためでした。

幼き日に悪の手から救えなかった彼女を、もう一度取り戻す。そのためだけに、彼は7年の歳月を費やして、戦い、自らの力を伸ばし、激動の世界を独り生き抜いてきたのです。

そして、彼女を手許に取り戻した今、彼は、彼女の担う苦難も喜びも弱さも正しさも、すべてを受け入れ、彼女にひたすら尽くそうとします。

 

よくロマンスの決まり文句で「君のためならなんだってできる」「なんなら世界を敵に回したっていい」などといいますよね。

ケイレブの場合、それはガチです(笑)。

本当に、ヒロインのためならなんだってするし、世界を滅ぼそうとすらします。逆にヒロインが願えば、新たなる世界の救世主に祀り上げられることすらいとわない。

「すべては君のために」

このロマンスにおける究極の標語を、全編を通じてその身をもって体現しつづけるからこそ、彼は「最強・究極のヒーロー」と呼びうる存在なのです。

 

リサ・マリー・ライス作品に出てくるヒーローに、ヒロインに対する性的興奮を抑えきれず、思わずレンガを握りつぶした人外めいたパワーの持ち主がいたのはつとに知られるところですが、ケイレブの場合は、それどころではありません。

なんてったって、彼が興奮したら、地平線まで地割れが出来るんですよ!!(マジ)

二人で住むための大邸宅(これもヒロインのために彼がせっせと建てた)の前にも、一大渓谷が出来ちゃう。

テラフォーミングしちゃうんですね(笑)。ちょっと油断すると愛が漏れ出して。

幼い日からヒロインが好きすぎて、これまで女を知らずに生きて来たというだけでもポイントはえらく高いのですが、そんなヒーローが、愛を交わすたびに文字通り地殻変動を引き起こすのです。なんて力強い愛の告白なのでしょうか。

いつもヒロインへのあたりはキツいですが、ケイレブのあらゆる行動、あらゆる発言はすべて彼女のためになされるものです。彼は、セカイ系のヒーローであると同時に、究極のツンデレヒーローでもあるのです。

 

ケイレブの愛は重い。だって、その愛の重さは地球の重さだから。世界の重さだから。

 

通常なら、こういうヒーロー像はさすがにやりすぎで、漫画チックで、ギャグめいた印象を与えかねません。しかし、実際にお読みいただければ(ここでは紹介なので面白おかしく書いてはいますが)、きわめてすんなりと彼の究極のヒーローぶりは受け入れられるでしょうし、貴方の胸を熱く躍らせてくれるはずです。

壊れかけ、スクラップも同然の心を抱えたヒロインを、おずおずと、しかし力強く庇護し、忍耐ぶかく見守りつづける彼の姿には、誰しも胸がきゅんとなること請け合いです。

そのためにこそ・・・この究極のヒーロー像を受容可能な形で描くためにこそ、ナリーニ・シンは12巻に及ぶ長いシリーズを書き継いできたのだ、・・・そう思えてなりません。

読者がケイレブの存在を、単なる絵空事ではないリアルなキャラとして素直に受け入れられるようになるまで、著者は、これまで入念な準備を積み重ねてきました。長い巻数をかけて膨大な規模の世界観を構築し、サイ特有の思考と能力を読者に入念に刷り込み、ケイレブのキャラクターを醸成してきた。

それでも、彼がヒーローをはるまでには、12巻の積み重ねが必要だったのです。

 

そして、ついに満を持してケイレブの物語が、こうやって語られました。

その完成度、興奮度の高さは、すでに読まれた方がいちばんご存じでしょう。

 

一人でも多くの方が、この「究極のロマンス」を楽しんでくださることを願ってやみません。

 

なお今のところ、シリーズ13弾は来年の夏ごろにお届けできればなあ、と考えております。結構ぎりぎりのところでやっておりますので、ぜひこれまでどおり買い支えていただけると助かります。

そして、みんなで力を合わせてなんとか最終巻までたどり着きましょうね!(編集J) 

 

 

 

 

 

 

 

2016年11月26日 04:05 | | コメント(4)

続いて、今月の新刊のご紹介をば。

他社さんでも続々紹介の続いている人気作家カレン・ラニー(本当の発音はカレン・レイニーだそうですが、今作に関しては他社さんの先例に従いました。ご理解のほどを)の、扶桑社初登場となる『伯爵とキスのつづきを』をご紹介します。

 

伯爵とキスのつづきをblog画像.jpg

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 あらすじはこんな感じです。

 

ロンドンの貴族に稀覯本を売りに来ていたマーガレットは、訪れた屋敷の仮面舞踏会でモントレイン伯爵マイケルと出会う。

お互い名前も知らないまま月の下でダンスする二人。キスする直前でマーガレットは逃げ出すが、マイケルは彼女の面影がどうしても忘れられない。

やがて再会の機会を得たマイケルは、彼女にただ一度だけのキスを要求する。しかし強く惹かれ合う二人がキスだけで終われるはずもなく......。

繊細な心理描写と美しく官能的なラブシーン。大人の恋愛を描く極上のリージェンシー!

 

ぶっちゃけ、傑作だと思います。

 

翻訳者さんは、昔からこの小説が本当に好きで好きでたまらなかったそうで、自分にとっては宝物のような作品で、何度も何度も読み返してきた「とっておき」だとのお話でした。

 

ゲラを読んだ上司の出版局長(女性)も、「なにこれ、すごく面白いんだけど」と一言。大変めずらしいことに(笑)、本が出来たら持って帰ってもう一回読むと申しておりました。

 

お話自体は実にオーソドックスなヒストリカルです。そこにエキセントリックなところは何もない。

だから、あらすじを書いてみても、どこがどう本作は素晴らしいのかという大切な部分を、うまく皆様にお伝えできていないもどかしさがあります。

でも実際読んでいただければ、すぐわかります。ああ、これは、ものが違うな、と。

 

世間的にはカレン・ラニーはスコティッシュものの作家だと思われているかもしれませんが、そこは先入観を持たずに、ぜひ本書を手にとっていただきたい。

なぜなら本書には、読者がヒストリカルに求めるすべてが、ぎゅっと凝縮された形で詰まっているからです。

 

とにかく、まず文章が美しい。ヒストリカルには珍しい、磨き抜かれた短文を積み重ねてゆく、詩的な文体。会話の応酬もしっかり練り込まれ、無駄なく切り詰められています。

それから、ヒロインとヒーローの二人――マーガレットとマイケルが、じつに愛おしい。

本書の主人公は双方、最近のロマンスでは珍しいほどに、奇矯なところのない、ごくふつうで奥ゆかしく、ただひたすら真摯に生きる地に足のついた人物です。そんな、知的で良識的で我慢強く一途な二人の、不器用でせつない大人の恋模様が、ベテラン作家の手慣れた筆致でしっとりと展開するわけです。

しかも、本作ではキャラクターが必要最小限まで絞り込まれ、実際、多くのシーンがマーガレットとマイケルのやりとりだけで成立しています。だからこそ、ふたりが近づき、結ばれ、それでも離れようと決意し、なお離れがたく、しだいに胸を焦がしてゆく過程が、どこまでも生き生きと伝わってきて、読む私たちの胸を切々と打つのです。

後半で展開される濃密でピクチャレスクなラブ・シーンの数々(いちおう、表紙にはメイン・アイテムのリボンをちゃんと入れてみました!)も、エロティックでありながら実にセンシティブで、読んでいると温かい情感で心が満たされていくかのようです。

若干、終盤の締めに関しては、甘いというか足早なところもありますが、二人が巻き込まれる事件の首謀者像の造形もよくできていると感心しました。

いわば、『伯爵とキスのつづきを』は「ロマンス小説そのもの」――どこまでも無駄を削ぎ落とし、リージェンシー・ロマンスのエッセンスだけで構成したうえで、さらにすみずみまでじっくり磨き抜いたような、まさに王道をゆく逸品なのです(いわゆる「劇的な部分」は少ないかもしれませんが、そこを売りにしないこぢんまりしたつくり自体が、リージェンシー・ロマンスの本道ともいえるでしょう)。

 

最近、いいヒストリカルにめぐりあっていないとお嘆きの皆様、ぜひ本書を読んでその渇を癒やしていただければ、と願ってやみません。

出来栄えはこちらが保証いたします。ぜひご一読のほどを!(編集J)

2016年10月22日 05:37 | | コメント(0)

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