今回の新刊『凍った愛がとけるとき』は、「クリーン・ロマンス」と謳っています。
この「クリーン・ロマンス」が、昨今のアメリカ・ロマンス界で注目されるジャンルのひとつになっています。
この欄の読者のみなさまにはご説明の必要もないかと思いますが、扶桑社もふくめ、各社のロマンス文庫で翻訳出版されているのは、「ホットな」小説が大半です。
すなわち、エロティックな描写に満ち、読む者の興奮をかき立ててくれる作品ですね。
いっぽうで、アメリカで急速に広がっているのが「クリーンな」ロマンスです。これは、「ホットな」ものとは逆に、セクシュアルな描写を避け、接触はせいぜいキスまで。
恋人たちの関係の推移や、家族・友人関係などによりフォーカスしたもので、「健全な」ロマンス小説などとも呼ばれます。
米Amazonでは、「クリーン・ロマンス」というサブジャンルが導入されてから、5年間で売上が3倍以上に伸びたといいます。
過激な描写がないために安心して読めますし、読んだ人同士で共有しやすく(アメリカでは読書会文化が盛んです)、また若年層も手に取りやすい点などが、支持を得ているようです。
そこで扶桑社ロマンス編集部が注目したのが、このアメリア・アドラー『凍った愛がとけるとき』でした。
ヒロインが、失った恋人への思いから恋愛を断念しているため、自然と「クリーンな」関係が築かれていきます。そんな彼女に惹かれていくヒーローの純愛に心を奪われた読者も、アメリカには多かったようです。
ぜひ、みなさんも体験してください。
扶桑社ロマンスでは、これからもさまざまな作品を選んで、読者のみなさまにお届けしていきたいと思っております。
みなさまがもとめるロマンス作品などについても、ご意見をお寄せください。
(編集K)
2023年8月30日 13:07 | | コメント(0)
扶桑社ロマンス編集部が選んだ、新人作家の注目の作品をお贈りします!
『凍った愛がとけるとき』
アメリア・アドラー
鮎川由美/訳
定価:1,540円(1,400円+税)

■オンライン書店で購入する (下巻)
ヒロインのカリスタ(略称カリ)は、病院勤務の看護師。
念願の救急病棟の担当になり、優秀さを発揮しているところに、魅力的な男性が急患として運ばれてきます。
所持品から、名前は「クレイグ」だとわかるのですが、みずからに関する記憶をいっさい失っていたのです。
身よりもなく極寒の街へ出たクレイグに、カリは救いの手をさしのべ、民泊用にリノベーションした自宅に住まわせることにするのですが......
カリはかつて、心から愛した人を病で亡くしてしまい、それ以来、恋愛を捨てて、看護の道に生きる決心をしています。そのため、彼に心を寄せないように、距離を取りつづけてしまいます。
いっぽうのクレイグは、他の看護師たちがみんな夢中になるほどいい男なのですが、話すのはなぜかイギリス英語で、やたらと軽口ばかり叩きます。なんとか日銭を稼ごうと、慣れないトイレ工事に奮闘するいっぽうで、すこしずつカリへの思いをつのらせていきます......
クレイグの驚くべき正体が判明するのが、物語の大きなターニング・ポイントになり、彼のほんとうの人生がわかってくるいっぽうで、カリは生涯をかけた仕事を失う危機に直面します。
終盤は、クレイグが仕掛ける予想外の大逆転劇という、スリリングな展開になります。
と、謎めかしてしまいましたが、クレイグが何者かは、本作品のもともとの英語のタイトルや、「クリーン・ビリオネア・ロマンス」というキャッチフレーズなどからわかりですよね。
それがわかったとしても、記憶喪失のヒーロー、恋を捨てたヒロイン、そして、そんな2人がどのように関係を気づいていくか、など、すてきな魅力にあふれた1冊です。
ぜひご体験ください!
(編集K)
そして、この作品のもうひとつの特色が、ちょっと言及した「クリーン・ロマンス」というところなのですが......
2023年8月30日 13:06 | | コメント(0)
今夏、ノーラ・ロバーツの最新刊『夜に心を奪われて』(上・下 古賀紅美・訳)をお届けいたします。


■オンライン書店で購入する (上巻)
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■オンライン書店で購入する (下巻)
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あらすじは、こんな感じです。
貧しい家に育ったハリー・ブースは病と闘う母の生活を支えるため、9歳から盗みをはじめた。
母が亡くなってからは、ニューオーリンズで外国語やハッキングの技術を学ぶかたわら、金持ちだけを標的に盗みの仕事を続けていた。
とある大富豪からの依頼をこなしたのち、ノースカロライナに移住し大学へ入学したブースはあるとき、文学や語学、美術などはばひろく学ぶかたわら、夜の仕事にその知識を活かすべく参加した教授主宰の演劇クラブで、その教授の娘で見事な赤毛と明晰な頭脳をもつミランダに一目惚れしてしまう。
泥棒稼業に本気の恋は禁物と考えながらも、理性とは裏腹に想いはつのる一方で......。
今回は、泥棒を生業にしているハリーという少年を主人公にしたノンシリーズの長編です。
前半はほとんどこの彼・ハリーの視点から語られ、「なぜ泥棒をしなければならないのか」だったり、
「なぜミランダと恋に落ちたのか」だったりが綿密に語られます。
男性が視点の中心となるロマンスは珍しいですし、主人公が「泥棒」ってどうなのよ、と思われるかもしれませんが、そこはご安心を。彼が生きるために仕方なく幼い時分に始めた生業から足を洗おうとする様、そしてヒロイン、強く、まっすぐな心と意志を持つヒロイン・ミランダの活躍は胸を打たれます。
脇を固めるキャラクターも魅力たっぷりで、ハリーのおばで占い師であるマグスや、先輩泥棒など、紹介したいのですが......こちらは読んでのお楽しみということで、ぜひ彼らにもご注目ください。
「ロマンスの女王」といわれることの多いノーラ・ロバーツ。今作もその卓越した描写力を存分に楽しむことができます。
たとえば、家に侵入し目当てのものを探すハリーの鼓動さえ聞こえてきそうな、ハラハラすること間違いなしのサスペンスシーン。
あるいは、ハリーとミランダの周囲での、家族愛の伝わるシーン。
私は今回、とある場面ではゲラを読みながら落涙を禁じえませんでした。
さて、ノーラの次回作はドラゴンハート・トリロジーの最終巻『The Choice』です。
"一時の平和の中で愛を育むブリーンとキーガン。
だが、暗黒神オドランとの最後の闘いが幕を開けて......"
こちらは今年12月末ごろに、みなさんへお届けする予定ですので、ぜひお楽しみに。 (編集 M)
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あらすじは、こんな感じです。
貧しい家に育ったハリー・ブースは病と闘う母の生活を支えるため、9歳から盗みをはじめた。
母が亡くなってからは、ニューオーリンズで外国語やハッキングの技術を学ぶかたわら、金持ちだけを標的に盗みの仕事を続けていた。
とある大富豪からの依頼をこなしたのち、ノースカロライナに移住し大学へ入学したブースはあるとき、文学や語学、美術などはばひろく学ぶかたわら、夜の仕事にその知識を活かすべく参加した教授主宰の演劇クラブで、その教授の娘で見事な赤毛と明晰な頭脳をもつミランダに一目惚れしてしまう。
泥棒稼業に本気の恋は禁物と考えながらも、理性とは裏腹に想いはつのる一方で......。
今回は、泥棒を生業にしているハリーという少年を主人公にしたノンシリーズの長編です。
前半はほとんどこの彼・ハリーの視点から語られ、「なぜ泥棒をしなければならないのか」だったり、
「なぜミランダと恋に落ちたのか」だったりが綿密に語られます。
男性が視点の中心となるロマンスは珍しいですし、主人公が「泥棒」ってどうなのよ、と思われるかもしれませんが、そこはご安心を。彼が生きるために仕方なく幼い時分に始めた生業から足を洗おうとする様、そしてヒロイン、強く、まっすぐな心と意志を持つヒロイン・ミランダの活躍は胸を打たれます。
脇を固めるキャラクターも魅力たっぷりで、ハリーのおばで占い師であるマグスや、先輩泥棒など、紹介したいのですが......こちらは読んでのお楽しみということで、ぜひ彼らにもご注目ください。
「ロマンスの女王」といわれることの多いノーラ・ロバーツ。今作もその卓越した描写力を存分に楽しむことができます。
たとえば、家に侵入し目当てのものを探すハリーの鼓動さえ聞こえてきそうな、ハラハラすること間違いなしのサスペンスシーン。
あるいは、ハリーとミランダの周囲での、家族愛の伝わるシーン。
私は今回、とある場面ではゲラを読みながら落涙を禁じえませんでした。
さて、ノーラの次回作はドラゴンハート・トリロジーの最終巻『The Choice』です。
"一時の平和の中で愛を育むブリーンとキーガン。
だが、暗黒神オドランとの最後の闘いが幕を開けて......"
こちらは今年12月末ごろに、みなさんへお届けする予定ですので、ぜひお楽しみに。 (編集 M)
2022年8月 5日 13:47 | | コメント(0)
ノーラ・ロバーツの最新刊、ドラゴンハート・トリロジー第2弾『星まとう君に約束を』(上・下 香山栞 訳)をクリスマスごろにお届けしました。もう読んでいただけましたでしょうか?

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■オンライン書店で購入する(下巻)
あらすじは、こんな感じです(前作の内容もなんとなく思い出せるように書いたつもりです)。
アイルランドで小説家として歩みだしたブリーン。
彼女は迷い込んだ異世界タラムで、自らが魔女の祖母と暗黒神の祖父の血を受け継ぐ、強大な魔力を備えた存在であることを知る。
そんななかいったん帰国したアリカから、迎えに来た族長のキーガンとラムへ戻ろうとした際、彼女の身を案じ親友のマルコまでがついてきてしまう。
はじめは異世界の勝手にとまどいながらもキーガンたちに温かく受け入れられ、次第になじんでゆくマルコ。それはブリーンにとっても新たなる日々の始まりだった。
異世界にひとり飛びこんで魔法修行や戦闘訓練に奮闘していたブリーンは、マルコという強い味方を得て、徐々に自らの能力に自信を深めていく。
彼女は遠くない将来、世界征服をたくらむ暗黒神オドランと雌雄を決する運命にあるのだ。
だが、オドランはそんな彼女の魔力を奪おうと秘かに策略をめぐらせていた。
邪悪な宗教儀式、身近な者による裏切り。
ブリーンとキーガンは惹かれあう気持ちを抑えつつ、迫り来る決戦に備えていたが......
ロマンスの女王が贈る傑作ラブ・ファンタジー三部作第二弾!
本ブログにおける前作のご紹介でも書いたとおり、アメリカのロマンス界にも新しい風が吹き始めていて、斯界の第一人者であるノーラ・ロバーツも、第一人者であるからこそ、率先して時代の要請にこたえていこうとしているかに見えます。
本作のマルコは、まさにその象徴ともいえるキャラクターです。
トリロジー第一作『目覚めの朝に花束を』(上・下)では、もしかしたらヒーローのキーガンより台詞が多いのではないかというくらい活躍し、ヒロインのブリーンを支えたゲイの親友。
彼は前作ラストで、ブリーンとともにポータルを通過して、異世界タラムへとやってきます。
今作でも彼は、相変わらずのおおらかさと愛嬌でブリーンを支え続けることになりますが、いっぽうでいよいよ「彼自身の新たな物語」も描かれることになります。
ノーラ作品における典型的ヒーロー像として、「強いヒロインの横で無条件に応援し、そっと支える温厚な男性」というキャラクターがあげられるかと思いますが、本トリロジーでは、その要素の多くを「マルコのほうに」担わせることで、久々にキーガンというヒーローらしい雄々しさとたけだけしさをもったアルファを登場させることができた、ともいえるでしょう。
自らの力と強さに目覚めたブリーンを鍛え上げ、いざ戦闘になったら横に立ってともに背中を預けて戦うのが、キーガンの役割です。本作では、ちょっともたもたしていたふたりの関係が、ついに大きな進展を見せることになります。
それと、やはり今回もっとも読者に大きなインパクトを残すのが、悪女シャナの活躍ぶりでしょう。
こういうキャラクターを描かせると、本当にノーラはうまいというか、生き生きしているというか(笑)。
「悪意」の源泉が、とてもシンプルでまっすぐな子供のような「欲」であるからこそ、われわれはシャナという業深い女性を、どこかで気にせずにはいられないのかもしれません。
さて、ノーラの次回作はすでに第一稿が届いておりまして、『Nightwork』というタイトルのスタンドアローンのロマンティック・サスペンスです。例年どおり、2022年初夏&夏頃にお届けできればと考えております。本作の続編となる、ドラゴンハート・トリロジーの最終巻『The Offering』は、本作の一年後となる2022年末に刊行する予定になっております。いずれも本国での刊行に合わせた最速の進行となりますので、ご了承くださいませ。どちらもお楽しみに!(編集J)
2021年12月31日 18:00 | | コメント(0)
ミーア・ヴィンシーの『噓の口づけを真実に』(高里ひろ/訳)が本日刊行となりました!


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あらすじはこんな感じです。
ロンドンの仮装舞踏会で、ハードバリー侯爵の爵位を相続するために帰国したガイとアラベラは8年ぶりの再会を果たす。
許嫁のアラベラがいたにも関わらず、ほかの女性に振られたガイは海外へと逃げていたのだ。
ふたりの婚約は解消され、アラベラには別の縁談がもちあがるが、結婚を避けたい彼女はあるたくらみをめぐらせる。
それにはガイの助けが必要だった。単なる手段だったはずのふたりの関係はやがて熱を帯び、燃えあがっていく......。
許嫁のアラベラがいたにも関わらず、ほかの女性に振られたガイは海外へと逃げていたのだ。
ふたりの婚約は解消され、アラベラには別の縁談がもちあがるが、結婚を避けたい彼女はあるたくらみをめぐらせる。
それにはガイの助けが必要だった。単なる手段だったはずのふたりの関係はやがて熱を帯び、燃えあがっていく......。
RITA賞受賞作『不埒な夫に焦がれて』待望の続編!
19世紀初めの英国を舞台にしたヒストリカルロマンス。
前作『不埒な夫に焦がれて』と同じく、リージェンシーロマンスらしい華やかな場面が次々に登場する作品です。
煌びやかな雰囲気の中、とりわけ異彩を放つのがヒロインのアラベラ。他人に弱みや甘さを一切見せず、毅然とした態度で自分の意志を貫きます。
そんなアラベラを傲岸不遜で野心家だと、ヒーローのガイは非難します。互いの思惑のためだけに"偽りの婚約"をするふたり、もちろんそこに愛はありません。
会えば口喧嘩ばかりのふたりですが、いつしか自分の本当の気持ちに気づきます。相手に惹かれていることに。
さて、傲岸不遜なふたりですが、先に相手に歩み寄るのはどちらでしょうか?
ぜひ読んでみていただけますとうれしいです。
(編集A)
2021年11月 2日 12:00 | | コメント(0)
アビゲイル・ストロームの『夢見る恋は旅路の果てに』(松尾卯月/訳)が本日刊行となりました!


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あらすじはこんな感じです。
マンハッタンで書店を営むジェーンは、物心ついた頃から、
姉サマンサにコンプレックスを抱き続けている。
幼い頃から本の虫だった自分とは異なり、姉は常に行動的であるうえ、
すれ違う人たちを振り向かせるほどの美人なのだ。
ある日、ジェーンは書店にやってきたハンサムな男性ダニエルにひと目惚れし、
しかも本全般に詳しいことがわかり、ジェーンはさらに彼に惹かれていく。
一方、その様子を眺めていたジェーンとサマンサの親友ケイレブは激しく動揺する。
はたして、ジェーンの恋の行方は?
2018年度RITA賞 最優秀コンテンポラリーロマンス賞受賞作です!
本作の魅力は内向的でコンプレックスを抱えるヒロイン。
美人で頭が良く社交的で、その上精神的にも強い。
完璧としか言いようのないヒロインが、最近の扶桑社ロマンスには多かった気がいたします。
今回のヒロインはその真逆。
美人でモテる姉にコンプレックスを持っている本が大好きな書店員。完全無欠のヒロインよりも共感する読者が多いのではないでしょうか?
自分に自信のないヒロインですが、いつか"理想の恋"をしたいという想いはあります。
そんなある日、書店にまさに理想の相手が現れて......読んでいるこちらが恥ずかしくなるような、甘いひと目惚れ。恋のはじまりのシーンにわくわくしっぱなしです。
さらに、それを知ったヒロインと姉の男友だちがヤキモチを妬いているようで、こちらの三角関係(!?)の展開も見逃せません。
ぜひ読んでみてくださいませ!
(編集A)
2021年10月 2日 12:00 | | コメント(0)
ケイト・ピアースの『最愛の人を取り戻すまで』(上中京/訳)が本日刊行となりました!

2月に刊行しました『公爵の甘美な手ほどき』の続編となります。
※恐れ入りますが、前作『公爵の甘美な手ほどき』のネタバレを含む内容になっておりますので
ご注意くださいませ

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あらすじはこんな感じです。
華やかなディアブル・デラメア公爵家の舞踏会で、
生き別れた夫のジャックと5年ぶりに再会したカーリス。
他の男性にエスコ ートされる彼女を蔑むような夫の視線に
怒りを覚えながら、燃え上がる熱情も意識する。
一方、敵前逃亡の汚名にまみれるジャックは、
名誉を回復できればカーリスとの未来も取り戻せると考えていた。
異なる思惑を抱えて故郷のウェールズへ向かうことになった二人を
大きな陰謀が待ち構えていた......カーリスの秘密とは?
そして、ジャックは過去の問題に終止符を打つことができるのか?
ヒーローは前作にも登場した、ジャック・ルウェイン。
彼は生家である公爵家を飛び出して軍人になるが敵前逃亡の濡れ衣で追放され、落ちぶれた生活をロンドンで送っています。なんて母性本能をくすぐる設定なんでしょうか。傲岸不遜な彼の態度の裏側に、孤独、後悔、悔恨などの気持ちが隠れているかと思うと、「私が癒してあげたい!」と考えずにはいられない読者の方も多いにちがいありません。
そんな色気たっぷりなジャックと5年ぶりに意図せず再会した、妻でヒロインのカーリス。
彼女とジャックは、ロンドンからウェールズまで旅をともにすることになります。積極的なジャックは、馬車、BAR、宿など所構わず彼女を誘惑。カーリスは"複雑な事情"からジャックを受け入れるわけにはいかない。しかし、情熱的なジャックの甘美なテクニックにカーリスの身体は抗えるはずもなく、、、。もう想像するだけでとろけてしまいそうになるシチュエーションです。
物語が進むにつれ明らかになるカーリスの"複雑な事情"。
ジャック、カーリス、ジャックの父親と母親とふたりの兄、ジャックに怪しい依頼を続けてきたフューリー大佐、そしてディアブル・デラメア公爵。それぞれの思惑が交錯するただなかに、ジャックとカーリスは巻き込まれていきます。
カーリスの"複雑な事情"とはいったい何なのか? ふたりの関係はどうなるのか?
ぜひ読んでみていただけますとうれしいです!(編集A)
2021年9月 2日 12:00 | | コメント(0)
更新が遅くなって申し訳ありません。

今月のノーラ・ロバーツの新刊、もう読んでいただけましたでしょうか?
『リッツォ家の愛の遺産』(上・下)。原題は『Legacy』、訳者は香山栞さんです。
昨年12月に発売した『目覚めの朝に花束を』(上・下)の続編をお待ちくださっていた皆様、ごめんなさい。昨年からノーラが書き方を変えまして、三部作は一年に一作、弊社の文庫だと上下巻の長さで、単発のロマンティック・サスペンス、および他社さんのイヴ&ロークと「交互に」刊行されるようになりました。なので、弊社の予定としては、次は冬に三部作の2作目、その次は2022年夏に単発のロマサス、そしてその冬に三部作の3作目が刊行される予定です。
前作のブログの最後ですでに軽くお伝えしてはいたのですが、数名の読者の方からお問合せをいただいてしまいました。最初からわかっていたことなので、『目覚めの朝に花束を』のあとがきでも、訳者さんに触れておいてもらうとよかったかなと反省しております。

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あらすじはこんな感じです。
エイドリアンには恐ろしい過去があった。
7歳のとき、生まれて初めて会った実の父に殺されかけたのだ。
母ともみ合いになった父は階段から落ちて死亡、
正当防衛を認められた母は、その後フィットネス・インストラクターとしてキャリアを築いてきた。
16歳になったエイドリアンは自らもエクササイズを考案、
大学の仲間たちとDVDを発売して成功を収める。
その後、ニューヨークの地で事業を飛躍的に拡大させた彼女だったが、
最愛の祖母の死を契機として、大きな人生の選択を迫られることになる。
一方で、16歳のころから四行詩の殺害予告を毎年送り付けてくる
脅迫者「詩人」の影が身近に迫って......
今回のヒロインは、イタリア系移民の一族の出身。
本書を貫くテーマも、ずばり「家族の絆」ということになります。
イタリア系の人たちが特に「家族」を重視するのは、ご存じのとおり。
ノーラにとってはまさに得意ちゅうの得意のテーマであり、
実の父親に大いに問題がある(というか犯罪者)という設定も
『モンタナ・スカイ』以来、何度か採用されているものです。
危険な連続殺人鬼による脅迫とロマンスを絡めるというパターンも、
ノーラお馴染みのサスペンス要素ですが、最初違和感のあった
犯人の動機や行動パターンに、実はちゃんとした裏付けがあって、
最後まで読むと感心させられます。
愛情ゆたかな祖父母との心温まる交流、
キャリアウーマンで愛し方の不器用な母との微妙な距離感、
日常の心の隙間を埋めてくれる愛犬との日々。
ノーラの「家族」を描く筆致は極めて繊細で、かつ共感を呼びます。
それから、ヒーローについて。
今回、物語の組み立て上、あまり詳しくご紹介できないのですが、
最近のノーラ作品のなかでも、存在感抜群の男性キャラだと感じます。
抱えている喪失の苦しみが深い分、ヒロインの存在に救われていく様が、
あたかも「逆めぞん一刻」のようで、ぐっと胸にせまるんですね。
家庭内DVや、老人介護の問題、母と娘の複雑な関係性、頻発する銃乱射事件。
アメリカがかかえる問題を、ノーラは「リッツォ家」という家庭と周囲のひとびとを描くことで、浮き彫りにしていきます。
あくまで個人的な見解ではありますが、ここ数年のノーラ作品のなかでも、最良の一作に挙げられるのではないでしょうか。
ぜひ、充実したノーラの筆力と人物描写のこまやかさをご堪能ください。
なお、次回のノーラは、年末か年初ごろに、今度こそ〈ドラゴンハート・トリロジー〉の第二弾、
『The Becoming』を、上下巻でお届けする予定です。こちらもお楽しみに!(編集J)
2021年7月25日 08:32 | | コメント(0)
ロマンスを愛する淑女のための小説レビューサイト『勝手にロマンス』(http://romance-hills.com/home)さま主催の「第8回 勝手にロマンス ヒストリカル部門』の1位に『忘れえぬキスを重ねて』(ジュリー・アン・ロング/高里ひろ◎訳)が選ばれました!




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こちらがあらすじになります↓
伯爵の夫に先立たれたデライラのもとに残ったのは、夫が残した借金と荒れ果てた屋敷だけ。もう男には頼らないと誓ったデライラは屋敷を改修し、同じ決意を持つ女性アンジェリークと共同経営で、<グランド・パレス・オン・ザ・テムズ>という下宿屋を始めた。
一方、<グランド・パレス・ オン・ザ・テムズ>へ密輸犯を追ってきた王室海軍艦長のトリスタンは美しくも気丈なデライラと出会う。
真実の愛など信じていないふたりだが、惹かれ合う気持ちを抑えられず衝動的にキスを交わして......。
扶桑社ロマンスでは初めての作家さんなので、読者のみなさまの反応が気になっておりましたが、このようなすばらしい賞をいただきまして、大変うれしいです。
ほかにも、「コンテンポラリ部門」の2位に『銀盤より愛をこめて』(マリアナ・ザパタ/高里ひろ◎訳)、「ヒストリカル部門」の3位に『不埒な夫に焦がれて』(ミーア・ヴィンシー/高里ひろ◎訳)を選んでいただきました!


3作品とも、扶桑社ロマンス初登場の作家さんの作品です。今後、扶桑社ロマンスでは、これまでの作家さんの作品に加えて、新しい作家さんの作品も刊行していければと考えております。
みなさんはどんな作家さんの作品を読みたいでしょうか?
作家さん、ジャンル、扶桑社ロマンスだったらこの作品が好き、などのご意見がもしありましたら教えていただけますとうれしいです。
これから刊行する作品選定の参考にさせていただきます(編集A)。
2021年5月22日 01:41 | | コメント(2)
みなさま、お待たせいたしました。大大大好評だった『世界で一番美しい声』のミア・シェリダンが贈る、純愛ラブロマンス『完璧な恋に魂を捧げて』が発売いたしました!


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あらすじはこんな感じです。
ケンタッキー州の炭鉱町デンヴィルで貧しい生活を送る女子高生テンリー。
石炭会社の奨学金で大学に進学することを夢見る彼女だが、数年前の炭鉱事故で父と兄を亡くした、同じ高校に通うカイランドも奨学金を目指していることを知る。
互いに夢を語り、相手の孤独を癒していくなかで、深く惹かれあっていくふたり。
しかし選ばれる奨学生は、ひとりだけだった。
抑えきれない気持ちをもてあますなか、旅立ちの日が近づき......。
発売直後から、twitterやamazonのレビューでは絶賛の嵐!
編集担当としてこんなにうれしいことはございません。翻訳者の高里さんがまとめてくださったtwitterのモーメントにはイラストあげてくださっている方まで、、、!感無量です
『完璧な恋に魂を捧げて』(ミア・シェリダン/高里ひろ◎訳)twitterモーメント↓
興味のある方はぜひご覧になってくださいませ。
本作はいろいろな事情があり、<サインズ・オブ・ラヴ>シリーズ前作『世界で一番美しい声』から4年間も間が空いてしまっております。なかなか現場の編集者だけでは会社を説得できず途方にくれているところ、読者の方々の強い要望が多数寄せられてついに刊行までたどり着くことができました。
このような素晴らしい作品を世に送りだすことができたのは、まぎれもなく読者の皆様の力によるものです。もしよければ、本ブログのコメント、amazon、twitterなどに次回作への期待のメッセージをお届けしていただけると大変ありがたいです。<サインズ・オブ・ラヴ>シリーズ第三弾へと繋げられればと考えております。
さて、本作の内容は、まさに"完璧"のひとこと。読んでいただければわかると思いますので、こちらで余計なことはなにも言わないようにいたします。『完璧な恋に魂を捧げて』というタイトルにすべてを込めさせていただきました。
こちらのタイトルですが実は編集長と最後の最後まで、
ラヴェンダーは幸せの香り
というタイトルと迷いました。
本作において象徴的な"ラヴェンダー"を目立たせるのもよいかなと思ったのですが、前作『世界で一番美しい声』と並んだときにしっくりくるかどうかを考えたのと、どうしても"純粋無垢な愛"の存在証明とも言える本作のよさを前面に打ち出したかったのです。
タイトルに関して、読者の皆様のご意見もお聞きしたいです!
その代わりに、カバーはラベンダー畑をイメージしたものにいたしました。
ドイツ語版のカバーがとても素敵だったので、参考にさせていただいております↓
https://www.amazon.co.jp/naechsten-Leben-vielleicht-Mia-Sheridan/dp/3492309437
ご時勢柄、なかなか外出をするのがむずかしい方も多いと思いますが、おうち読書のおともにいかがでしょうか? 非日常のロマンスがきっと心を満たしてくれると思います(編集A)
2021年5月14日 12:03 | | コメント(7)