1新刊案内アーカイブ


ブログの更新、またまたお待たせしてしまいました。
ノーラ・ロバーツの新刊『闇に香るキス』はお読みいただけましたでしょうか?
こちらは昨年4月に刊行されました『世界の果てに生まれる光』に続く第二弾。崩壊した世界を救う最後の1ピースとなった少女・ファロンの運命を描く、著者渾身のディストピア・ラブロマンスです。

あらすじはこんな感じです。

<上巻>
死の病ドゥームが発生してから12年後、全世界の人口は8割近くも減少し、街は廃墟と化していた。まもなく13歳を迎えるファロンは、両親のサイモンとラナからこの世で生き抜く術をみっちりと教え込まれて育った。彼女は知っていたのだ。自分が"ザ・ワン"と呼ばれる救世主であり、誕生日になったらマリックという魔法使いが迎えに来て修行に出なければならないことを...。愛する家族と離れ、妖精の住む森で魔法や薬学を学ぶ彼女は、やがて自身に秘められた不思議な能力に目覚めてゆく。 

<下巻>
マリックとの修行が終わりに近づいてきたある日、生存者たちが身を寄せ合う街「ニュー・ホープ」に迫る危機を察知したファロンは、翼を持った美しい馬に乗り、空から奇襲を仕掛けて敵を撃退。街の警備にあたる少年ダンカンは、巨大な能力で事態を動かす彼女の強引さに反発しながらも、欲望とも恋ともつかぬ感情が熱を帯びてゆくのを止められずにいた。やがて次の獲物として犯罪集団に狙われていることに気が付いたファロンは、愛する仲間を守るため戦いへと挑んでいく!

* * *

さて今回は、前作のヒロイン・ラナの娘として生まれた少女ファロンが主人公です。
すくすくと成長したファロンは、魔法使いのマリックおじさんと共に2年間の厳しい修行へと旅立つことに。娘を闘いの世界へと送り出す両親の決意、普段はやんちゃな弟たちとの別れ......と冒頭からやや胸が熱いです。
今回のヒロインは13歳ですので、ハートウォーミングな家族小説とも言えるかもしれません。

もうひとつ、注目していただきたいのは青春小説としての魅力です。
はっきりと訪れた「別れ」の瞬間に立ち尽くしてしまったり、初めての独り暮らしに胸を高鳴らせてみたり、魔力を鍛えたことで心も強くなることができたり......。
そして、ひとりの男の子との恋愛未遂。きっと彼は再びファロンのもとへと現れ、新しい恋の波風を立ててくれる気がします。いいぞいいぞ。

フクロウやオオカミやアリコーンなど愉快な動物も大集合ですので、そんなケモノ描写もぜひお見逃しなく。

次回はシリーズ最終巻です! 
時代設定はなんと10年後。今シリーズならではの大きな世界観を俯瞰しつつ、世代を超えて脈々と続いてゆく闇と光の戦い、愛と憎しみの交差が描かれます。
ラストに備えて、『世界の果てに生まれる光』『闇に香るキス』の2巻を、是非お手に取ってみてくださいませ。

2019年4月 9日 19:31 | | コメント(0)

ブログの更新、大変ながらくお待たせいたしました。
リサ・マリー・ライスの新刊『追憶のマスカレード』はお読みいただけましたでしょうか?

あらすじはこんな感じです。

全世界が待ち望んだ講和実現を祝う仮面舞踏会に、十年前、突然自分の前から姿を消したアーニャがいると知らされた世界有数の大富豪カルビン。貧乏学生だった自分の心を踏みにじった元恋人への怒りと同時に、いつまでも消えない愛がよみがえるのを感じた彼は、やがてすべては誤解だったことを知る。ところが再会の奇跡を喜び合う間もなく、彼女が何者かに誘拐されてしまった。狙われた目的は? 必ず助け出し、今度こそ彼女を離さない! 陰謀と策略が渦巻く怒濤のラブロマンス!!

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前作に続き、リサ・マリー・ライスが贈る三部作の第二弾! しかもみんな大好き"再会モノ"をひっさげてまいりました。

今回、舞台となりましたのは仮面舞踏会。
ヒーローであるカルビンは、飲料水の供給システムを開発した優秀なエンジニア。「彼のおかげで砂漠地帯でも水を手に入れられるようになった」とその功績は全世界から認められており、経済界や政界でも、もっとも熱い眼差しを注がれているキレ者のCEO、といった役どころです。
エンジニアといってもリサが描くのですから、ひょろひょろなもやしっ子ではありません。今回も「屈強でハンサムでセクシー」という三種の神器を身に着けていらっしゃるのでご期待くださいね。

さて、講和条約の締結に一役買ったカルビンは、パーティー会場で元恋人であるアーニャの存在を嗅ぎ取ります。「いやまさかそんな偶然ないない」とポーカーフェイスで乗り切ろうとしますが、過去に深く愛し合った相手とは運命の糸で繋がっているのがお約束。もうこんな謎の会帰るよ......と完全に萎えきった姿を見せつつも、やっぱり遭遇してしまいました。目の前にアーニャ。
しかしこの男、内心では「アーニャッ!」と歓喜しているのに、口では用が無いなら帰れとばかりに突き放してしまいます。それもそのはず、十年前、彼女は自分を捨てて何も言わずに姿を消したのですから......。

謎めいた初恋の君との再会。大規模な和平の交渉を祝したパーティー。何か起こると思いますよね。

そう、誘拐です!

かくかくしかじかあるものの、ある擦れ違いによって凍てついてしまったふたりの心は、ヴェネツィアの夜に訪れた再会の奇跡によってしだいに溶かされてゆきます。
けれどそんな幸せも束の間、彼女がテロ組織によってパーティー会場から誘拐されてしまいました。今度こそ、カルビンはアーニャの手を離さずに守ることができるのでしょうか?
ヴェネツィアの街に身を隠しながら、アクロバティックに繰り広げられる救出劇はとってもスリリングですので、ぜひご注目いただければ幸いです。

完結となる第3弾は5月の上旬に書店さんに並ぶ予定です。
(帯の告知では4月とお知らせしておりましたが、そちらは編集部の誤りです。大変失礼いたしました)
原題は「ESCAPADE」、ゴージャスでスリルなロマンティック・サスペンスをお楽しみに。

2019年3月13日 15:11 | | コメント(0)

ブログの更新、大変ながらくお待たせいたしました。
リサ・マリー・ライスの新刊『魅惑のシャレード』はお読みいただけましたでしょうか?
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あらすじはこんな感じです。

パリ行きの飛行機で隣り合わせたマイクは、芸術に鋭い鑑識眼を持つハーパーの楽しい話し相手にもなれる男性だった。ただ退屈なビジネスマンだと自称する彼が、こんなにセクシーで危険な香りを漂わせているのはなぜ?惹かれ合う二人は翌日ルーブル美術館見学に出かけるが、そこで前代未聞のテロ事件に巻き込まれる。彼女の、そして至宝の芸術作品を助けられるのは、彼の危険な本性だけ......。

冒頭、ハーパーに一目惚れをしたマイクが、彼女とのディナーのチャンスをものにするべく興奮状態で口説きまくる場面からこの物語は始まります。
普段ならばこんな誘いは歯牙にもかけないハーパーですが、何故だかマイクには運命的なものを感じてしまった様子。さっそく彼のエスコートでベッドへとなだれこみ、熱い一夜を過ごすことに......。
しかも場所はパリにおける最高峰の寝所・リッツホテルです。確実にヒロインを落とそうと画策するマイクの気合のほどが伺えます。
夜が深まる前から、抑えきれない情熱のままに性欲をストレートに表明する彼の素直さに、ハーパーもうっかり絆されてしまったのでしょう。
翌日、ハーパーの仕事にともなって訪れたルーヴル美術館で、史上最悪の立て篭もり事件が発生するとは知らずに......。
出張先でのささやかなワンナイトラブかと思いきや、それは危険な恋のはじまりでした。

今回の『魅惑のシャレード』は、リサ・マリーライスが贈る新しい三部作。しかし主人公に共通点はなく、それぞれに独立して楽しめる作品群になっております。
第二作は今月発売の『追憶のマスカレード』、第三作は『ESCAPADE(邦題未定)』です。

いつものLMR以上にゴージャスで情熱的な今作。大富豪ヒーローがもたらす甘いひとときをお楽しみいただけましたら幸いです。

2019年1月15日 18:42 | | コメント(3)

お待たせいたしました。
ノーラ・ロバーツ先生の新刊『月明かりの海辺で』はお読みいただけましたでしょうか?


 

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あらすじはこんな感じです。

2005年7月、メイン州ロックポイントにあるショッピングモールで銃乱射事件が発生し、36人が尊い命を落とした。犯人は地元の高校に通う3人の男子高校生。わずか8分間の凶行だったが、生存者たちは心に深い傷を負い、その後の人生を大きく左右されることになった。
事件当時、親友を喪いながらも第一通報者となった女子高生のシモーネ、モールのレストランでアルバイトをしていた大学生のリード、現場に駆けつけ、主犯格とみられる男子高校生を射殺した女性警察官のエシーは、被害が拡大するのを食い止めたとしてマスコミに称賛され、世間にその名を知られることとなる。しかし、3人を逆恨みした犯人の妹パトリシアは、長い年月をかけて自らの姿を変え、3人に復讐を果たそうと計画していた......。

親友を銃弾から守ることができなかったシモーネ。デートの約束を取りつけたばかりだった片思いの相手を目の前で亡くしたリード。事件現場で彼らを助けることとなった警察官のエシー。
物語は奇しくも事件の救世主となっていた3人を中心に、「あの凄惨な銃乱射事件はなぜ起きなければならなかったのか?」という謎を軸にしながら、生き残った側の記憶や隠された想いを縫うように進んでいきます。

親友を亡くしたことで生きる目的を見失いかけているシモーネは、聖飢魔IIさんもびっくりのファンキーな髪型をすることで憂さを晴らし、男子との一夜の恋に溺れる生活。運よく命を取り留めたもう一人の親友・ミーはそんな彼女を心配しますが、本人はどこ吹く風で、家族とも衝突し孤独を深めていくばかりでした。
一方、警察官として変わらず活躍するエシーと、エシーの部下となり新米警察官としてのキャリアを邁進するリードは、「あの事件」の生存者たちが短期間で次々と死亡していることに不信感を持ち始めます。調べてゆくうちに裏で糸を引いていた真犯人の存在に気が付くのですが......。

上巻は群像劇のスタイルで、随所で起きる殺人事件が3人の生活に少しずつ影を落としていく......という緊張感満載のサスペンス。
殺されるターゲット一人ひとりの人生が崩壊する瞬間と、主要人物たちが自らの記憶を辿りながら行動に踏みだしていくさまが絶妙にリンクし、やがて殺人鬼との追いかけっこが繰り広げられるのですが、飽きさせない展開はさすがノーラ先生。ドキドキさせてくれますよ。

絶賛迷走中のシモーネとリードがどうやって出会うの?とか、まさかの犬が大活躍(恋愛的に)って本当?とか、まだまだ読みどころがてんこ盛りですので、どうぞお手に取っていただければ幸いです。

 

2018年9月21日 17:58 | | コメント(2)

ブログの更新、大変お待たせいたしました。
リサ・マリー・ライスの新刊『真夜中の情熱』はお読みいただけましたでしょうか?


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あらすじはこんな感じです。

ケイは最愛の祖父を誘拐犯から救出してくれたFBI捜査官ニックへの募る想いを心に閉じ込めてきた。政府機関を巻き込む巨大な陰謀を内部告発しようという自分との関係が公になれば、彼のキャリアに傷がついてしまうから。でも今や民間警備会社の社員となった彼とのいちどだけの関係なら許されるはず。そして情熱の一夜のあと、固い決意で彼のもとを去ったケイをバイオテロが襲う。絶対絶命の彼女が助けを求められる相手はただひとり、ニックだった。大人気シリーズが新展開!

今回もやってきましたヒロインが好きすぎるヒーロー選手権。ニック選手はかなり飛ばしてます。
本シリーズのヒーローとヒロインは『真夜中の約束』で脇役をつとめたあと、何度か言及されてきたニックとケイ。互いの存在を忘れられずにいた二人が再会し、組織ぐるみのバイオテロと闘うこととなります。
ともかくニックの愛が強すぎて大変。ケイと会うためなら国境もスッと越えて、隙あらばガンガン口説いてきます。しかしケイのほうはなかなかつれない対応。それもそのはずで、世界を滅亡させるバイオテロ計画を知ってしまった彼女は、不審死を遂げた親友の遺言を守るため、何もかも捨てて卑劣なテロリストと闘うことに決めていたのです。孤高のヒロイン・ケイは、最愛のニックとの関係も断ち、裏社会へ旅立とうとしていました。

と思いきや、惚れた相手を無視し続けられるほど強くはいられず、一度だけならと"最後の夜"をニックと過ごしてしまいます(一度では済まぬ......)。そうしてベッドを共にした日の夜明け、別れも告げずに部屋を抜け出した彼女は、覆面ジャーナリストにUSBデータを渡すべく待ち合わせ場所へと向かうのですが、突然現れたドローンの攻撃によりジャーナリストは死亡。自身も謎のテロリストに追われる身となってしまいました。

まあ、結局もうニックに助けを求めるしかないですよね。ということで「俺、捨てられた!?」と裸でブチ切れ中のニックに着信がいきますが、最初は怒り心頭でケイのSOSを微妙に聞いていません。でもまあ、速攻許しちゃいます......なにせ彼女にベタ惚れなのですから。
強さでいうと傭兵レベルの彼は、ドローンの監視を華麗にかわしながらケイのピンチを救い、所属するASI社(防犯エージェント)が所有する秘密のシェルターへと彼女を匿うことに。常にケイに構って欲しそうにムズムズしつつも、犯人を追いつめるべく腐心する頼もしい男です。

今回は女性生物学者がヒロインということで、生物兵器を駆使した薄っすらリアリティを感じさせる事件。本作のように、DNAを利用して個人攻撃が可能なウイルスが開発されるなんてことはいつか現実になるのでしょうか?
このウイルスちょっと効率悪いよね?とか、この方法じゃ犯人を撒けてないんじゃないかな?とか、敵も味方も時々うっかりさんなところがとても心配になるのですが、フェリシティをはじめとしたASI社員たちの優れた仕事ぶりや社内カップルのイチャ付き具合は前作に比べてもグレードアップしており、その無敵感に本シリーズの醍醐味を感じる人も多いはずです。

読みどころはニックの強すぎる愛です。愛が渋滞している、ということに尽きます。どんなに殺伐とした状況でも息をするように愛を語らおうとするニックですが、それがまた彼の頼もしいところでもあります。ヒロインがどんなに辛い状況でも、逃げずにしっかり受け止めてくれる、そんな胸板厚い系男子がお好きな読者さんにおすすめの一冊です。

2018年9月21日 17:47 | | コメント(0)

更新が大変遅れまして申し訳ありません。

エリザベス・ノートンの新刊、『つめたい夜を抱いて』はお読みいただけましたでしょうか?
本作はRITA賞(ロマンティック・サスペンス部門)を受賞した注目作。本格的なロマサスをお好みの方に、ぜひお手に取っていただきたい一作です!

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お話はこんな感じです。
サマンサ・パーカーは、18年前に兄を目の前で失った忌まわしい記憶に苛まれながら、事件が起きた故郷のヒドゥンフォールズに戻って教師をしている。職場へ派遣されてきた精神科医のイーサンとは生徒のトラブルを通して自然と惹かれあうが、彼もまた誰にも打ち明けられない過去を抱えていた。不器用なふたりの想いが少しずつ熱を帯びてきたある日、同僚の教師が遺体で発見され、その直後にサマンサも命を狙われてしまう。背後には、18年前の事件の真相を知るとある人物が関係していて......!?

サマンサとイーサンはどうやら過去に同じ殺人事件に遭遇したらしく、その記憶は彼らの心に暗い影を落としています。しかしサマンサ目線で語られる記憶にはところどころ靄がかかっていて、「なぜ殺されなくてはならなかったのか?」「だれがどうやって、だれを殺したのか?」が判然としません。18年前にいったい何が起きていたのか? この町で生活する者はみな一様に隠し事をしているような振る舞いをみせ、過去の事件にまつわる謎はラストまで不穏な気配を響かせ続けるのです。
小さな町を舞台にした本作で描かれるのは、学校であり、親子であり、切っても切れない身近な閉塞感でもあります。真実を知る糸口は、どうやら田舎町ならではのこじれた人間関係にあるようですが......。

一方、イーサンがこの町に来てからサマンサに降りかかる不審な出来事も、過去の事件を解明するキーとなっています。自宅に「出ていけ」と落書きされたのを皮切りに、化学準備室に閉じ込められて流血したり、同僚教師の遺体が自宅のテーブルに乗っかっていたり、用務員のケニーに突然襲われたり......と散々な目に遭わされますが、それと同時に18年前の事件に関わっていたとされる人物も、ひとりまたひとりと明らかになっていく。イーサンは過去に何をしでかしてしまったのか?という緊迫感も、ストーリーをさらに盛り上げます。

そんな動きがありながらもロマンスの描写は充実!
心に同じ闇を抱えるふたりはだからこそ惹かれ合うのですが、自身の弱さや幼さををそっと披歴していく静かな会話があり、夜のキャンパスを歩く穏やかなデートがあり、熱い夜もあり......とロマンチックなシーンが満載なのです。
もうひとつの魅力はヒーローがとにかく癒し系なところ。プンスカ不機嫌になる女をいつだって受け止めてくれるイーサン。「僕は頑固で理不尽な人が好きなんだ」ってまじかよ! 辛い経験をした人が優しいと、もはや存在自体が切なくて大好きになります。さまざまな負の感情も知ったうえで、人間の明るさやしなやかさを信じる男なのでした。ちなみに彼の両親や兄弟もとってもいい奴です。

ぶっとんだキャラクターはいませんが、登場人物の内面がしっかりと掘り下げられているので、丁寧な筋運びに委ねてじっくりと楽しめる一冊だと思います。
みなさまからの反響によっては、イーサンの兄弟たちを主人公に据えた続編エピソードを発表できる日が来るかも?しれません。
ぜひ応援いただけましたら幸いです!(編集KY)


2018年7月 9日 21:16 | | コメント(0)

大変お待たせいたしました!
ノーラ・ロバーツ最新シリーズ『世界の果てに生まれる光』はお読みいただけましたでしょうか?
今シリーズは3部作を予定しており、今作はその序章となります。

 

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上巻のお話はこんな感じです。

【あらすじ】
全世界の人口半数以上が死に至る謎のウイルスが発見された。瞬く間にパンデミックと化し、人々が混乱と狂気に陥るさなか、人気作家のマックスと恋人のラナは疫病の蔓延するニューヨークを脱出。途中で知り合った生存者たちと力を合わせて安住の地を求める。仲間になった者には一見なんの共通点もなかったが、実はあの大規模なパンデミック以降、それぞれ不思議な念力を手に入れていた。ロマンスの女王がディストピアを舞台に描く、震撼のラブサスペンス&ファンタジー!

物語は、ロサンゼルス空港で謎の伝染病"ドゥーム"が発見され、みるみる世界が朽ちていくというスリリングな描写からはじまります。
ちなみに原題は『YEAR ONE』。パンデミックで何十億もの人々が亡くなった後、新しく始まる歴史の"最初の一年"を意味しています。

今作でスポットが当たるのは、人気作家のマックスと恋人のシェフであるラナのふたり。
作中では、ドゥームに罹患した影響で特殊能力を発動した者たちが次々に現れるのですが、実はこのカップルは元から能力保持者でした。といってもラナは蝋燭を灯せるくらいの念力しか持っておらず、己の力を自在に操るマックスを熱いまなざしで見つめるばかり。しかしそんなか弱き乙女も、次第に恋人に劣らぬ能力を花開かせ、敵を戦慄させるほどの最強っぷりへと急成長を遂げるのです。
マックスたちは狂暴化した住民に襲われながらも魔術で撃退、何とかハドソン川を渡り、ペンシルバニア州へと向かいますが......。

ラナのように、ウイルスの免疫者として不思議な能力に目覚めた者たちを、作中では「アンキャニー(uncanny)」と呼んでいます。これには神秘的な、不気味な、超人的な、不自然な......などの意味があるようでして。そんな彼らに襲い掛かる犯罪者集団「レイダース」は、アンキャニーたちを"人ならざる者"として無残に痛めつける悪魔的存在として描かれています。
荒廃した世界で覚醒したのは「光」と「闇」の魔法でした。
ラナとマックスはふたりで過ごした愛おしい日々を取り戻すことができるのでしょうか。

そんな彼らに下巻の終盤では衝撃の展開が訪れます。

【あらすじ】
マックスとラナは生存者たちが身を寄せ合う街「ニュー・ホープ」へと辿り着き、久々の安息を手に入れる。新たな命を授かったふたりは静かな幸福を噛みしめるものの、心の奥には、弟のエリックが仲間を殺め、裏切りとともに姿を消した記憶が暗くわだかまっていた。ある日、平和な日々を取り戻すべく街のリーダーとなったマックスのもとへ、犯罪集団が大規模な奇襲を仕掛けてくる。彼らの狙いがラナだと知ったマックスは命を賭けて闘うのだが......。恋人たちの想いが胸を打つ衝撃のラスト!

そう、マックスの弟であるエリックが曲者なのです。
昔から出来の良いお兄ちゃんへのコンプレックスをこじらせていた彼は、念力を手に入れた途端、「もうお兄ちゃんの言うことなんてきかない! ひとりできるもん!」と人格を豹変させてしまったのでした。
重度の中二病ウイルスに見舞われたエリック。遅れてきた反抗期です。
裏切者へと転じたエリックのとある行動が、ラナを窮地に陥れるのですが--。

ノーラ渾身の終末ファンタジー、最後まで目が離せませんので、ぜひお手に取ってみてくださいませ!
〈光の魔法〉3部作は、このあと年1冊(各上下巻)のペースで出版されていく予定のため、日本での刊行も少しお時間いただいてしまいますが、お待ちいただけましたら幸いです。(編集K)

 

2018年4月25日 21:44 | | コメント(0)

お待たせいたしました。

いよいよリサ・マリー・ライスの新刊『シエナに恋して』が発売されます。

ちなみにこれで、最新作を除く彼女の全作品が、うちと二見さんからちゃんと出版されたことになります。すごくないですか? 実はこれ、めったにないことなんですよね。

すべては、買い支えてくださっているファンの皆様のおかげでございます。改めて心より感謝申し上げます!!

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 お話はこんな感じです。

 

ニック・ロッシは写真が掲載されるだけで女性誌を売り切れにするセクシーセレブ。

フェイス・マーフィーにとっても、親友の兄というだけでなく憧れの人だった。

そんな彼と夢の一夜を過ごし、不運続きの人生は終わったと思った彼女だったが、

出張先のイタリア・シエナで大事件に巻き込まれる。

一方フェイスを追って、自分のルーツでもあるシエナへやって来たニックは、

街をあげての祝祭の中、帰属意識を実感し、新たな人生を考え始める。

大人気作家のイタリアへの愛着にあふれたラブ・サスペンス!

 

今回の本は原題を『Murphy's Law』、すなわち、『マーフィーの法則』といいまして、ある程度お歳を召された方なら覚えておられるだろうアレを、タイトルにしているんですね。

「マーフィーの法則」は、「失敗する可能性がある場合、必ず失敗する」みたいな、なかなかうまくいかないことへの笑いをふくんだ、標語・教訓集のようなもので、日本でも80年代から流布し始め、90年代前半には大流行しました。別にマーフィーという人がひとりで考えたものではなくて、自然発生的に成立したアメリカのジョーク集のようです。

本書では、各章の冒頭に「マーフィーの法則」が付され、とことんついていない人生を送ってきたヒロインのフェイス・マーフィーの有り様とオーバーラップさせています。

そもそも本書は、『Dying for Sienna』のタイトルで2006年にエリザベス・ジェニングズ名義で出ていた初期の作品を、2014年に大幅な加筆・改筆を施したうえ、リサ・マリー・ライス名義で出し直したものです。

邦題は一応、この旧タイトルに寄せてつけたものですが、実際、新版では、シエナの風光明媚な街の様子や、パーリオと呼ばれるお祭りの情景描写が大増量されており、むしろ邦題にふさわしい内容に仕上がっているのではないかと思っております。

 

今回のヒロインは、数学の天才という、LMRお得意の理系才女。ナチュラルな美貌の持ち主ですが、男性経験はほとんどないという、いつもながらのうぶな性格設定となっています。

一方のヒーロー、ニックは、大人気スポーツ選手で究極のセレブ。ロマンスのヒーローとしてはオーソドックスな人物像ですが、この作家としては珍しいヒーロー・キャラかもしれません。

冒頭から、いきなり二人の熱くたぎる官能シーンで幕をあけるのも、いつにない展開。

しかし、夢のような一夜は、ニックの不用意な一言で最悪の結末を迎えることに・・・。

 

その40数時間後、ヒロインは仕事で飛んだシエナで、殺人事件に巻き込まれます。さらにヒロインを追って(それとシエナ最大の競馬祭りパーリオに参加するため)、ニックも自身のルーツでもあるシエナへとやって来て、物語は恋愛・ミステリーの両面進行で展開していきます。

 

内容として特記すべきは、作品のテイストが、ロマンティック・サスペンスというより、コージー・ミステリーに近い部分ではないかと思ったり。もともと初期に書かれた作品だからでしょうか、なんかLMRとしてはとても新鮮なテイストだという感じがします!

ふだんの「何者かに命を狙われる女性と、それを護る特殊部隊あがりのヒーロー」という、サスペンス/スリラー要素はかなり薄められ、代わりに本書では、冒頭で起きる殺人事件の謎解きと犯人当てというミステリー要素が、作品の中心的なテーマとなっています。つまり、どちらかといえば、旅情ミステリーのような雰囲気が濃厚なんですね。終盤では、それなりに意外な真相も明らかになりますし。

まあ本作でも、ヒロインは終盤、真犯人に命を狙われて危機一髪の目にあったりもしますが、追い詰められたときのアクションが、ふだんが昨今のアクション映画風のノリだとすれば、今回のはヒッチコック映画の1シーンのような、ちょっとクラシカルなのんびりしたところがあります。

このへんのテイストを意識して読んでいただくと、いっそう楽しめること請け合いかと。

 

脇役陣も、かなり変人度の高い数学者軍団に、イケメン刑事、毒舌検死医など、大変魅力的。

それから、彼女のイタリアもの(『ヒーローの見つけ方』『シチリアの獅子に抱かれて』)ではいつもそうですが、とにかく異国情緒にあふれた描写に目を惹かれます。シエナのお祭りと風物、町並み、歴史、料理などについて、観光ガイドのように詳細に触れられており、皆さんも読めばきっと、シエナに行ってみたくなるはずです。

ぜひ、ご一読いただけると幸いです!(編集J)

 

追伸:

コメント欄のほうで問い合わせがありました、ナリーニ・シンの新刊についてですが、いろいろと社的な事情もございまして、早くても年内、もしかすると年度内、といった感じで進行できればいいなと今のところ考えております。お待たせいたしますが、なにとぞご理解を賜れば幸いに存じます。 

2018年3月 1日 22:28 | | コメント(1)

ノーラの新刊のご紹介ができていなくて、本当にすみません。

担当編集者が長く修羅場にありまして、本人は解消されしだい必ずや更新すると申しておりますので、なにとぞご寛恕のほどを・・・。

 

で、スキップして、まずは今月刊のご紹介をさせてください。

季節ものということで、今月の扶桑社新刊はクリスマス・アンソロジー!

書名は王道で『聖なる夜に抱きしめて』としました。

 

そして著者は・・・ダイアナ・パーマー さらには、リンゼイ・マッケンナマーガレット・ウェイ

最初のページには、ダイアナ・パーマーからの日本の読者へのメッセージも入っています!

 

で・・・・なんで扶桑社から、ダイアナ・パーマーが???

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実は、ダイアナ・パーマーは、ハーレクインからケンジントンに移籍いたしまして、こうしてついにうちでも扱えるようになったのですね。

どれくらいハーレクインさんとの契約がまだ残っているのかは正直こちらにはよくわからないのですけれども、本人は謝辞にもあるとおり、今後ともケンジントンで書いていくつもりのようです。

経緯としては、シルエットを出てケンジントンに移籍したタラ・ギャヴィンという名物編集者を追って、彼女を慕うパーマーやマッケンナ、ウェイといった作家たちが次々とケンジントンと契約を交わしたということのようです。

なんにせよ、しがないロマンス編集者といたしましては、ハーレクインのど真ん中で活躍してきた大作家さんたちに対しては、どこか憧れに近いような感情がずっとあったわけでして(まあ「隣の芝生は青い」っていうのも、もちろんあるんですが、やはり、どストレートのカテゴリーロマンスをいっぺん担当してみたいな、という思いが強かったと申しましょうか)。

彼女たちの作品をこうやって担当できるのは、本当に編集者冥利に尽きます。

 

収録作は以下の三作品。いずれも、カテゴリー感の強い王道のクリスマス・ロマンス揃いです。

 

まず、全体の半分350ページを占めるのが、ダイアナ・パーマーの『スノウ・マン』。

彼女の代名詞ともいえる(?)、傲慢ヒーローとドアマットヒロインの出てくる典型的なラブ・ロマンスです。

FBIの職を首同然で辞して、父の農場を継ぐために故郷のコロラドに戻ってきたメドウ。農場のことは古参のカウボーイたちに任せつつ、請われるままに保安官補の職を始めたメドウでしたが、悩みのタネは農場経営だけではありませんでした。隣の牧場に、飼っている犬のスノウがひっきりなしに侵入し、逆に隣の牧場からは先方の飼い猫のジャービスがやって来るのです。そのたびに、牧場主のダルが怒鳴り込んでくるのですが・・・・・・ダル。傲慢で不愉快な天敵。若き日のメドウの恋心を踏みにじり、あざ笑った嫌な奴。でも、彼の前に出ると緊張してドジばかりしでかしてしまう・・・今も彼のことを愛しているから。

骨董品盗難の事件捜査と平行して、反発しあいながらも惹かれあう不器用な男女の恋模様が描かれます。とくに、ヒロインに難癖ばかりつけてくるろくでもないヒーロー像は、まさにこれぞダイアナ・パーマーといったところ(ヒロインのおいおい大丈夫かと不安になるくらいのダメさかげんも、いかにもって感じです)。愛らしいワンコとニャンコの大活躍にもご注目を。

長らくハーレクインさんで『テキサスの恋』『ワイオミングの風』のシリーズを続けてきたダイアナ・パーマーですが、心機一転、新たな設定で物語を執筆しており、しがらみのない形で読める久しぶりの新作ということもできます。未だにダイアナ・パーマーを読んだことのないロマンス・ファンの皆様にとっても、大御所の芸風を知る格好の入門編となるでしょう。「踏みつけられれば踏みつけられるほどに輝きを増す」といわれる(笑)D・パーマー印の「ドアマットヒロイン」の衝撃を、あなたもぜひ体感してみてください。

さらにパーマーは、本作を皮切りにこれから新しいシリーズを始めるつもりのようです。本作がなんとか売れてくれれば次の作品もまた順次紹介してまいりますので、ハーレからの古参ファンの皆様も含めて、ぜひ(買って)応援していただければ幸いです。

 

続くリンゼイ・マッケンナの『キャスのカウボーイ』。純愛系のハートフルなクリスマス・ラブ・ストーリーとしては、アンソロジー中でも一番素直に楽しめる一作かと。

雪嵐で閉ざされんとするワイオミング。高級家具の職人であるトラビスの住む住居兼仕事場であるログハウスの前で、車が事故を起こします。車中で意識を喪っていたのはキャス――高校生のころ愛し合っていたものの、彼の海兵隊入隊とともに離れ離れになってしまった忘れられない女性でした。

トラビスの介抱を受け、気がついたキャスは、自分が別れてからもずっと愛してきた男性の元にいることに驚愕します。猛吹雪で、これから一週間は身動きがとれないなか、閉じ込められた二人は過去、そして現在と向き合うことになります。

従軍経験者を苦しめるPTSDをメインテーマに、ミリタリー・ロマンスの書き手としては第一人者といっていいリンゼイ・マッケンナが、愛し合いながら離別した二人が再び真実の愛を見つけるまでを、詠嘆的な筆致で温かに描き出します。終盤の、これでもかといわんばかりの「感動のプレゼント」イベント連打には、マッケンナのロマンス作家としての技の冴えが感じられます。

退役シールズ・ヒーローものが流行るずっと昔から、ミリタリーものを書き続けてきた大御所の実力が存分にうかがえる一作です。

 

収録作の最後は、マーガレット・ウェイの『アウトバックの夫』。

雪まみれだった前二話とは打って変わって、こちらは真夏のアウトバック(オーストラリアの奥地)を舞台とした陽光と熱気に満ちたお話。ご存じの方も多いかと思いますが、マーガレット・ウェイはオーストラリアの作家さん。そして、オーストラリアの12月は、夏真っ盛りのうだるような暑さのなかでクリスマスを迎えるのです。

スコット・マッカーシーと結婚して18ヶ月、幸せの絶頂にいたダーシーは、夫の浮気を伯母から伝えられ絶望の淵へと叩き落とされます。激しい口論の日々、そして離婚・・・・・・それから二年後、義母だったソフィーからのたっての願いで、久しぶりにアウトバックにあるマッカーシー領を訪ねることにしたダーシーは、空港まで迎えに来たかつての夫スコットと再会を果たします。運命の相手と信じた人。今も素敵で魅力的な男性。でもその口ぶりは当然ながら、いまやすげなくて・・・。

これもマッケンナ作品と同様、一度すれちがって別れざるを得なかったふたりが、再びクリスマスという特別のときを過ごすなかで愛を取り戻すまでを描いたラブ・ロマンスですが、とにかく脇役で出てくる女性たちが強烈!

とくに、ダーシーの伯母であるレイチェルは、この人物を読むための小説といってもいいくらいに圧倒的な個性を発揮しています。思えば、ジェーン・オースティンの諸作にせよ、『ダウントン・アビー』にせよ、こういう強烈なおばちゃんの存在なくして名作とはなり得なかったのでした。

喧嘩別れした元ダンナの家族すらなお魅了する、絶世の美女としてのヒロイン像。

アウトバックに一大帝国を築き上げた富豪一家の、ゴージャスきわまりない描写。

この21世紀を舞台に、英国貴族以上に貴族的な生活ぶりを美男美女たちがエンジョイする姿は、まさに夢の世界を覗き見しているかのよう。マーガレット・ウェイの特徴がよく出た作品だと思います。

 

 久しぶりに落としたら立ちそうな700ページのヘヴィー&ボリューミーな1冊となりましたが、ノーラ・ロバーツやナリーニ・シンの旧刊で慣れている弊社ロマンス読者の皆様なら平気の平左でありましょう。

ぜひ本書を片手に、クリスマスの聖なる夜に(寝正月でもいいですが)、幸せで心温まるひとときをお過ごしください!(編集J)

 

 

 

2017年12月 2日 05:09 | | コメント(4)

8月刊行のリサ・マリー・ライス『天国の港』、もう読んでいただけましたでしょうか?

このところ、〈真夜中〉シリーズの新作が続いておりましたが、今回は一休み(?)して、著者お得意のイタリアものをご紹介いたします。

 

天国の港オビありブログ.jpg

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あらすじはこんな感じです。

 

ホープはイタリア南部の都市バーリで、事故で入院した親友のかわりに英会話学校の
校長代理を務めている。

学校経営自体は順調だが、借りている家のまわりで不可解な現象が頻発。

住居侵入事件が発生するに及び、現地警察組織の本部長フランコ・リベラが護衛につくことになる。

かつて警察に容疑者扱いされ厳しい追及を受けたことのあるホープの警官嫌いは筋金入りだったが、フランコが放つセクシーで危険な魅力には抗えず......

イタリアの景勝地を舞台に大人気作家が贈る傑作ラブ・サスペンス! 

 

本作は、リサ・マリー・ライスが2003年にエリザベス・ジェニングズ名義で発表した作品を、大幅に書き直したうえ、2017年にリサ・マリー・ライス名義で出し直したものです。

初期作をベースにしているだけあって、この作家お得意のシチュエイションとストーリーラインとキャラ造形が、じつにストレートな形で打ち出された作品となっています。

また、イタリアは、ご本人が長く住んでいる土地柄(たしか夫君が外交官だったか)。勝手知ったる筆致で、美しい景勝地の風景や、人びとの生活ぶりがいきいきと描かれています。

リサ・マリーのイタリアものといえば、『ヒーローの作り方』『シチリアの獅子に抱かれて』がありまして、まあこういう言い方はなんですが、そこそこ似たり寄ったりの内容なわけですが(笑)、本作の場合、「海」が舞台、という部分が他の二作と異なる部分かと。編集者としては、二人で岩まで泳ぎっこするシーンなどは結構お気に入りです。

まあ、本作における『天国の港』というタイトル自体は、作中でも解説があるとおり、楽園にある実際の港、というよりは、『困った人間にとっての避難所』みたいな意味合いが強いようですが。

 

あれだけ家が危ないとわかっているのに、やたらと帰宅したがるヒロインの精神構造が解せないとか、ヒーローのお母さんのうっかりさん描写がほとんどアルツみたいになってるとか、多少気になる点もないではないですが、総じてリサ・マリー・ライスの魅力を堪能できる一作になっております。

 HOTなシーンもてんこ盛り(こういうのは初期作のいいところですね)で、リサ・マリー先生のそういった部分を特に欲しておられる皆様には、無条件に喜んでいただけるお話かと。

 

なお余談ですが、編集者といたしましては、今回は結構カバーまわりがうまくいったかな、と自負しております。

まずは、作中に登場するヒロインの「プラチナ・ブロンドのストレート、青い瞳の超絶美女」という設定にぴったりの写真が見つけられたこと。

加えて、女性にオーバーラップさせてある風景は、本作の舞台となるバーリの写真なのですが、オビをとったら・・・・

天国の港帯なしブログ.jpg

ね、どうです!? ちゃんと家が崖の上に立ってるんですね。そして周囲は海・・・。

読了された方なら、いい写真を見つけてきたな、ときっとわかっていただけると思います!(以上、どうせ誰も褒めてくれないので自賛してみました)

 

リサ・マリー・ライスに関しては、やはり旧作をリライトした未訳作をもう一作、すでに版権を獲得してあります(これで彼女の作品は二見さんとうちとで、全てが翻訳されることになります、すごいですね)。

さらに〈真夜中〉シリーズの最新作(『Midnight Fever』)を発表しているので、こちらもいずれご紹介できれば、と考えております(さらにもう1冊書いている最中、との噂も)。

 

ちなみに、扶桑社ロマンスは今月いっかいお休みをはさみまして、9月28日発売(いつもより早めですのでご注意ください)でノーラ・ロバーツの最新ロマンティック・サスペンス『Come Sundown』を発売いたします。

邦題は、『夕陽に染まるキス』(上・下)ときまりました。

ノーラ・ロバーツらしい、圧巻のサスペンスにしあがっております。こちらもお楽しみに!(編集J)

 

2017年9月 5日 21:07 | | コメント(1)

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