2009年06月12日
編集部日記

今日もタイトル呻吟中!

ロマンスのタイトル決めには、編集者もいつも頭を悩ませています。
編集者それぞれつけ方に好みもあったりするのですが、私は個人的に、なるべく原題の雰囲気を尊重すること、原題をそのまま日本語に移行しづらい場合は、内容に即したタイトルにすることを意識するようにしています。
だいたい、10以上のタイトル案をいろいろな方向性で出し、訳者さんや、懇意のロマンス業界の方、上司や販売部とも相談のうえ、決定しております。オビやカバーの後ろ側の内容紹介も、ああでもない、こうでもないと、自分の無能さにうんざりしながら、何度も推敲を重ねて作っています。読者の皆さまにおかれましては、「なに、このダサい邦題」と思われることもあるかと存じますが、温かい目で見守っていただけると幸いです。なにぶん私はセンスが地味なので、『あなたの牙に首ったけ』みたいなスゴいのはつけられませんけど……。

今月新刊のリサ・マリー・ライスにしても、決定までにはいろいろ苦しみました。
とにかく、ロマンス小説には長い歴史と蓄積があります。平たく言えば、ちょっと考えて出てくるようなタイトルには、たいがい先例があるわけですね(笑)。
まず、ぱっと思いついたのは『美しき標的』。さっそくネットで検索をかけてみます。ヒット。ハーレクインさんのアン・ヘリスに前例がありました。ううっ。ヒストリカルなのにロマサスっぽいタイトルを先に使っちゃうなんでひどいじゃん(なんてもちろん思ってませんよ!)。先方が出された時期がかなり最近なこともあり、やむなく諦めます。
じゃあ『美しきターゲット』では? 検索。またヒット。ハーレクインさんのフィオナ・ブランド作品。くそ、じゃあ『美しき逃亡者』ではどうだ? ……ハーレクインさんのジャニス・カイザーと昔懐かしきサンリオのバーバラ・カートランドに先例あり。
そういや「追いつめられて」って映画があったけど、ロマンス小説だとどうかしら。調べてみると、ハーレクインのシャーロット・ラム&二見のジル・マリー・ランディスに前例が……。

とまあ、こんな調子で、タイトルのかぶらないものを10案くらい出して訳者さんと相談。第一陣は私のほうでも納得がゆかず、全ボツ。さらに10案を出し、結局、私のわがままで今の形に落ち着きました。
正直、インパクトは弱いかもしれませんが、原題の『PURSUIT』(追跡・追求)の、シャーロットを追いかける敵側の様子とともに、自由と安全を求めて逃げ続けるシャーロット、新たな人生を模索するマット双方の様子も含めた意味合いを、ぜひ生かしたいと思いました。あと、前作の『闇を駆けぬけて』と呼応して、夜明けに射す希望の光をつかみ取ろうとする前向きなイメージを出したかったんですね。
いろいろとご意見はあろうかと思いますし、うまくいかないこともありますが、読者の皆様に覚えていただくとても大切な邦題をまかされるのは大変名誉なこと。全力でこれからも取り組んでいきたいと考えております。(編集J)


投稿者romance: 17:44

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コメント

『明日を追いかけて』のタイトルも表紙も気に入ってます。
ストーリーもサスペンス色が強く、今までのリサ・マリー・ライスとは、ひと味違ってて楽しめました。
ただ・・・表紙の男の人の襟足が・・・なんだか少し気になりました。

投稿者 ありす :2009年06月15日 11:37

編集者さんの、ご苦労話 楽しく読ませてもらいました。これだけロマンス小説が増えるとタイトル名を考えられるのも大変ですね。
 私としては、あまりにも買うのが恥ずかしいタイトルは考慮して頂きたいと思います、というのは来月分の文庫本予約する事があって言うのが恥ずかしい場合があるからです。なにぶん地方に住んでいて一冊しか本屋に仕入れないということがあるので・・・。売り切れる恐れがある時は予約しておくんです。

投稿者 みき :2009年06月16日 19:22

いやはや大変なんですね・・・
わたしの知らない世界の一部をのぞかせてもらったようで何だか大変だとは思いながらも楽しませてもらいました。
こんな苦労話きかせてもらって、何だか一冊の本に対しても気持ちも変わってきそうです。タイトルって大事ですもんねぇ〜
これからも頑張って下さいね!

投稿者 ぷぷ :2009年06月19日 22:58




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