2009年12月08日
業界ニュース

ハーレクイン・ホライズン騒動

 アメリカで、ハーレクイン社が騒動を巻き起こしています。
 ロマンス界にも大きな影響をおよぼすかもしれない事態で、成り行きが心配されます。

 事の起こりは、11月中旬。
 ハーレクインが、自費出版を支援するオーサー・ソリューションズ(Author Solutions)と組んで、ハーレクイン・ホライズン(Harlequin Horizon)というインプリント(別レーベル)を起ちあげると発表したことにはじまります。

 これは、著者がお金を出して、自分の作品を「ハーレクイン・ホライズン」の1冊として出版できるというサービス。
 本を出したいと思う人が、「ハーレクイン」のレーベルで出版できるのですから、とても魅力的なサービスに思えますが...

 しかし、まさにそこが問題のようです。

 ハーレクイン・ホライズンから出版できる資格は2つ。
 ひとつは、オーサー・ソリューションに登録している人。
 もうひとつは、ハーレクインに原稿を送り、それが没になった人。

 ハーレクイン社には、作家志望者から数多くのロマンス小説が送られてきていて、そのなかから、ハーレクインで出版される作品もあるのだそうです。
 ですが、そこで没になった作品は、ハーレクイン・ホライズンが受け口になる、というのです。
 つまり、ハーレクインとしては出せないと判断されたレベルの作品について、お金を出すならハーレクインの別なレーベルで出版できる、という仕組みなわけです。

 みなさんは、どう思われますか?


 これには、アメリカロマンス作家協会(RWA)が、強く反発。
 というのも、ぜひとも本を出したい、自分の作品を読んでほしい、と願う作家志望者を食い物にするビジネスだ、というのです。
 RWAは、ハーレクインへの強攻策を発表。
 まず、ハーレクインをコンベンションなどからはずします。
 さらに、ハーレクインから出版された作品は、RWAが主催する各賞などへの選出資格を失うことに。つまり、MIRAをふくむハーレクイン・レーベルの作品は、RITA賞などにノミネートされないことになるのです。

 これには、ハーレクインが驚きと戸惑いを表明。
 ロマンス小説市場の変化に対応する施策であると主張し、ハーレクイン社のRWAに対する長年の多大な貢献を強調します。
 いっぽうで、「ハーレクイン・ホライズン」のレーベル名をデラルテ・プレス(DellArte Press)に変更すると発表。
 しかし、「ハーレクイン」の名をはずしただけで、根本的な解決にはなっていないと反発を呼ぶ結果になりました。

 反発しているのは、RWAばかりではありません。
 アメリカ探偵作家クラブ(MWA)、アメリカSF/ファンタジー作家協会(SFWA)も追随。
 ミステリーやSFの作家までがなぜ、と思われるかもしれませんが、ハーレクイン社はロマンス以外の作品も出版していますし、作家側には自費出版が食い物にされているという認識があるようです。

 ともかく、作家と出版社がこのような形で対立するという事態になり、今後の影響が心配されます。(編集部・T)

投稿者romance: 11:34

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コメント

こんばんは。
『晴れ、ときどきロマンス』というブログをやっているともみと申します。
おもしろい記事ですね。
うちのブログでも取り上げさせていただきました。
作家協会に声援を送りたいと思います。

投稿者 ともみ :2009年12月09日 00:22

こんにちは。
とても貴重な情報をありがとうございました。
こんなことがあったのですね。
日本でも某出版社が自主出版で著作者とトラブルがありましたよね。
RWAがそれを心配するのはもっともな気がします。
とはいえ、ハーレクインには昔からお世話になっているので、よい形で決着してほしいものだと思います。

扶桑社さまの出版作品もそしてブログも楽しみにしておりま〜す☆

投稿者 mari :2009年12月09日 21:42

こんばんは。 
新刊情報を求めて定期巡回?に着てびっくりしました。
でも、興味深い記事ですね。

個人的には、そういう手法は好きではありませんが、ビジネスはビジネスと思います。
作者と出版社が双方折り合えばべつにかまわないと思います。
一方でいろいろな意見も出版の多様性もあって良いし、当然だと思うので
是非作家協会側とハーレクイン社含む出版社で(他の出版社にも意見、計画おありでしょうから)
内容協議してより良い出版業界にしてほしいものだと思います。
そして、その結果いろいろな良い本が気軽に(お財布に優しく)読めるようになれば私はもっとHAPPYです。
>>>一読者としてはそこが終点v

投稿者 juli :2009年12月12日 18:54

はじめまして、こんばんは。

定期巡回中に『ハーレクイン+騒動』というキーワードに驚き
僭越ながらコメント投稿させて頂きます。

自分は価格やシステムが公正であれば自費出版という形式はありだと思います。
売り手に問題があるかどうかは利用者側も慎重に検討すべきだと思いますので
利用者を食い物にするビジネスと頭ごなしに言うのもどうでしょう。

ただ、名実ともに作家である方々と比べて
才能はあっても登竜門をくぐり抜けて居ない方々が
同じ書店で本を置いて貰えるというサービスには
首をかしげてしまう自分が居ます・・・。

あくまで主観ですので、流し読んで頂ければ〜。

投稿者 Eugene :2009年12月20日 20:02




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