2010年03月15日
編集部日記

カバー作りはむずかしい

 ちょっと話題していたのですが、みなさんはロマンス文庫のカバー・デザインについて、どう思います?


 いま、翻訳もののロマンス小説では、白人女性の写真がメインで使われています。
 ひじょうに特徴的で共通したイメージなので、出版社がちがっても、ひと目で「ロマンス小説だ」とわかるようになっていますよね。
 逆に、そういった女性写真を使わないと、ロマンスだと気づかれないのではないかというおそれがあり、二の足を踏んでしまうのです。

 扶桑社海外文庫では、ノーラ・ロバーツさんの作品は、ずっと松原健治さんにとってもすてきなイラストをオリジナルで描いていただいていたのですが、ロマンス読者にわかりやすくするため、途中で写真のデザインに変えた、という経緯があります。
(じっさい、写真のデザインに変えた『十七年後の真実』は、部数がそれまでよりすこし上がったのです)

 ヒロインのイメージに合った女性を選ぶのは苦労しますし、背景や小道具を工夫したりして、なんとか作品にぴったりなデザインにするよう、努力してはいるのです。
 ホット度が高い作品ならば、あえて男性の写真を入れてみたりとか、いろいろ……。


 ところが、これだけの数の文庫が、それぞれ女性の写真を使うため、なかにはおなじモデルの写真を使ってしまったり、ひどいときはまったくおなじ写真を使ってしまったりすることが起こっています。

 わたしたちの編集部でも、用意して進めていたのとおなじ写真が、べつの会社さんの新刊に使われていて、急遽差し替えなければならなかったこともありました。
 さらには国際的な問題(笑)にもなっていまして、ある原書を見たら、わたしたちが使ったのとおなじ写真だった、などという椿事も発生。


 いや、これは笑いごとではないんですよね。
 作品の内容に即した写真を選ぼうとすると、当然ながら、使える写真はかぎられてきます。
 そうなると、自然におなじ写真を選んでしまったりするんですよ。

 もちろん、ほかの文庫もマメにチェックしてはいますが、それでもついうっかり、ということは起きがち。
 写真は、専門のエージェンシーさんからお借りするので、その写真が過去どんな用途で使用されたかはわかるはずなのですが、エージェンシーさんがちがうと把握しきれなかったりします。

 まあ、これは事故のようなものなので、あたたかく見守ってください。


投稿者romance: 10:35

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コメント

カバー写真といえば少し前ですが、某出版社の
ロマンス文庫のヒロインの写真が、そのままそっくり
某有名激安衣料品店の3枚980円ショーツの
商品タグに使われており、思わずのけぞったのを
思い出します。
「クラリッサがこんなところに・・・」と
つぶやいてみたり。

投稿者 びっくる :2010年03月15日 19:10

やはりカバーデザインでは苦労されているのですね。
日記を拝見してその苦労さがひしひしと伝わってきました。

どこで使われているか分からないというのもすごく分かります!某ロマンス文庫の表紙の女性が、パチンコ屋の壁の外壁に印刷されているのを見たときはビックリしました(笑)。本当にどこで使われているのか分からない!
まあ、パチンコは別の業界なので問題ないと思いますが、同じ業界となると、これだけたくさんの出版社さんからロマンス本が出ているのだから把握するのも大変ですよね・・・。
だから同じ女性になるのは仕方ないのかな、とも思っています。(多少は気になりますが・・・)
それよりも内容と表紙の世界観が合っているほうが嬉しいです。
扶桑社さんの表紙は素敵なものが多いのでこれからも期待しています!

投稿者 y :2010年03月16日 10:14

びっくる さま
y さま

 コメント、ありがとうございます。

 ショーツにパチンコ……
 写真エージェンシーさんから借りる場合、これまでその写真が使用された履歴を確認すると言いましたが、まったくちがう業界で使われているものについては、エージェンシーさんのほうでも気にしなかったりするんですよ。
 だから、そういうこともありえますね。
 でも、それってショックですよねえ。

 海外では、ロマンス小説のヒーローにぴったりな男性を選出して、その人をモデルに写真を撮ったり、カバー・イラストに描きおこしたりしますね。
 まあ、わたしたちの予算では、オリジナルを用意するのは無理ですけど。

> 扶桑社さんの表紙は素敵なものが多いのでこれからも期待しています!

 お世辞でもうれしいです!
 編集部全員に替わって、お礼申しあげます。
 これからも、読者のみなさまのために、がんばって作ります。

投稿者 編集部・K :2010年03月16日 11:56

扶桑社さんの表紙、私も好きです。どの本も内容が表紙に表現されてるから…。上・下巻のものは並べると素敵だし…。あと…(ごめんなさい)ヴィレッジブックスさんも素敵なデザインが多くて好きです。カバーデザインにタイトルに、大変なんですね。ときどきイラストの表紙もみかけますがティーン向けのかわいいのより大人っぽい雰囲気のものが好きです。私は吉濱あさこさんというイラストレーターさんが好きなのですが、あるロマンス文庫の表紙を描かれててびっくり!すごく素敵なヒロインでした。

投稿者 megu :2010年03月16日 13:52

仕事でイメージ写真を選んで使ってた時
同じように 他社の出版物とかぶってしまった記憶があります。
反転してみたり 微妙に花の画像を重ねてみたり
人物の背景を1色にしてみたり悪戦苦闘してました。
毎月のカバー作り 大変かと思いますが
見るからに これは 扶桑社さんの本だ!とわかるような
共通の特色があれば 同じ写真を使ったレイアウトでも
雰囲気が変わっていいかもしれませんよね。
応援してます頑張って!!!

ノーラ・ロバーツのトリロジー続編も楽しみにしてます。

投稿者 R :2010年03月16日 15:04

meguさま
Rさま

 みなさま、あたたかいコメント、ありがとうございます。

> ときどきイラストの表紙もみかけますが

 作品世界を表現するために、じつは、思いきってイラストにしてみたくなるときもあります。
 ただ、本を売る営業の部署も許してくれないだろうなあ、と思います。
 写真でデザインするのが決まりごとみたいになっているので、売り逃がすかもしれない、というおそれがあるのですよね。
 以前は、イラストのほうが多かった気がしますし、そのときどきの時代の移り変わりもあるんでしょう。

> 見るからに これは 扶桑社さんの本だ!とわかるような共通の特色

 いま、ノーラ・ロバーツさんの作品の場合は、カバーのいちばん上の部分に、「NORA ROBERTS」と名まえを入れていますが、統一したデザインを行なっているのは、それぐらいです。
 シリーズものはなるべくおなじ雰囲気で……と思うのですが、写真がそれぞれちがうので、文字デザインをおなじようにしても、かなり印象がちがってしまうのですよねえ。
 むずかしいところです。

投稿者 編集部・K :2010年03月17日 11:20

私はロマンス小説だとはっきり分かってしまうから、白人女性の写真はちょっと・・って思ってましたが、ロマンス小説だと分からないと売り上げにも関係してくるし・・。いろいろと大変なんですね。

でも表紙にイラストを使っている作品ももう少し増やしてみて欲しいです。
例えば『虎の瞳がきらめく夜』の表紙(他社で申し訳ありません!!)のように、子供っぽくならず、それとなくロマンス小説と分かるような表紙が増えればなと思ってます。

大変でしょうけど、これからも応援してます!
素敵な作品楽しみにしてますね!

投稿者 あみ :2010年03月23日 15:42

古い記事へのレスですが(汗)

扶桑社さんの表紙は、がんばっていると思います。
実は私は、あの「いかにもロマンス」な表紙とタイトルがものすごく苦手なのです。
画像の合成が下手な方も多いですしねえ...予算の関係だとは思うんですけど。
なので、買うのをためらってしまいます。
それに、ヒロインが黒髪なのに、表紙がブロンドだたりすると、「いいかげんだなあ」「所詮ロマンス本の扱いってこんなもん?」とがっかりすることも。
普通の小説でも、ジャケ買い・タイトル買いすることが多いので、どうしてもそこが好みじゃないと、買うのをためらいます...

気に入った本でも、表紙とタイトルが、本棚に並べるのをためらってしまうようなものだと、翻訳ではなく原書にすることがあります。
原書もたまにすごいのがあることにはありますが...(笑)
(でもあちらのペーパーバックは紙の質が悪いし、分厚くて場所も取るんですよねえ...)

今はロマンス本がたくさん出てるので、本屋さんでも専用コーナーがあることがほとんどですよね、
なので、そろそろ本の表紙だけで「ロマンス!」を主張しなくてもいい時期ではないでしょうか。。。
ほかの方がおっしゃるとおり、共通のデザインで十分だと思います。

ところで、原書の表紙をそのまま使うっていうのは難しいんでしょうか?(もちろんこれも当たり外れありますけど)

これからもがんばってください。

投稿者 chie :2010年04月21日 18:15

ありがとうございます。

原書のカバーのイラストを使うには、その版元さんから聞いてイラストレーターさんに連絡し、許可を取り、使用料をお支払いし、絵を取り寄せなければなりません。
(翻訳契約のなかには、絵の使用は含まれていないのです)

しかも、ほとんどの場合、わたしたちの感覚から見ると、ちょっと濃すぎるかなあ、という場合が多いので、けっきょく編集部がデザイナーさんと協議しながら作ったほうがいい、ということになってしまうのですね。

海外では、「Mr. Romance」コンテストなどがあって、選ばれた男性をモデルにロマンス小説のカバー・イラストが描かれたりするんですが、ちょっと……

投稿者 編集部 :2010年04月22日 10:20

表紙というタイトルがあったので・・

Nシンの「黒き狩人と夜の瞳」とても素敵な内容で、ファンですが、新刊当時には、食いついて購入できませんでした。

理由→表紙の女性の表情が無表情すぎて、内容がわからない段階では怖かったから。

好きな表紙といえば、ノーラロバーツさんのクロッキー調のイラストの表紙の頃、温かみがあって好きだったな。

あらすじならぬ、表紙が物語の全体の雰囲気を表してるような気がしているので、表紙って大事だなって思います☆

苦労もあるようですが、楽しみにしてるので、がんばってください!

投稿者 茶釜 :2010年08月04日 02:39

茶釜さま

 コメント、ありがとうございます。

「黒き狩人と夜空の瞳」は、内容的に無表情な女性にせざるをえなくて、そうすると、おっしゃるような影響が出てしまいますよね。
 かといって、中味を無視してしまうわけにもいかず...悩ましいところです。

投稿者 扶桑社 :2010年08月04日 10:54




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