2013年05月28日
新刊案内

楽園を見つけたら

もう一点、大人気作家リサ・マリー・ライスの贈る『楽園を見つけたら』。弊社としては、一年ぶりの登場です。


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お話はこんな感じです。

フェデリカは叔父の経営するホテル・チェーンの重役として、多忙な日々を過ごしてきた。
ところが買収交渉に訪れたカリフォルニア北部の小さな町で、ついに過労のため倒れてしまう。
敵であるはずの彼女を受け入れ、温かく看病する町長兼保安官のジャック・サッターら町の人々。
疲れ果てた心に潤いを取り戻してゆくフェデリカ。
しだいに募るジャックへの想いと裏腹に、買収交渉の期限は刻々と迫る。
深まる町への愛着と職務の間で彼女が下した決断とは?
人気作家が幸福の本質を問う愛と夢の物語。

リサ・マリー・ライスといえば、ゴリゴリのアルファで一途なヒーロー像でおなじみですが、今回はちょっと毛色の変わったテイスト。とことんハートウォーミングな味わいでまとめられています。
というのも、本作は電子書籍として刊行された時期こそ2005年ですが、その祖型となった小説『Bernadette's Bluff』は1998年のもの。すなわち、まだ『真夜中』シリーズを書く前の初期作品なんですね。
そういわれると、なるほど、と思われる勘のいい読者の方もいらっしゃるでしょう。
たとえばこの小説、メールやファックスのやり取りを中心に構成されているんですけど(それ自体はとっても小粋な仕掛け)、なんとなく無理が生じてる気がしません? そこはふつうメールするだろ、みたいな。
これ、もともとはメールも携帯もろくになかった時代を背景に書かれた小説だからなんですね。
要は、旧作内では全部ファックスと文書だけでやりとりされてたわけです。
それを、改作の際に、メール・携帯ありの世界観に移し替えてるから、どうしても多少の齟齬が生じてる。まあ、それを考えると、実にうまく処理されているんですが。

というわけで、若書きといえば確かにそうなのですが、個人的にはじゅうぶんL.M.ライスらしいロマンスだと思います。
文章のあらゆる部分に、ちゃんと彼女の個性と魅力が刻印されています。熱烈な愛読者の方ほど、「いかにもL.M.ライスらしい」と感じていただけるんじゃないかなあ。

この人の場合、ヒロインを「守り」「欲する」アルファ・ヒーローを描く作家というイメージが先行してるかもしれませんが、そこはおそらくなら表面的な部分に過ぎません。
リサ・マリーが描こうとしているのは、本質的には、ヒロインを絶対的な安心感と強さで「包み」「癒す」究極のヒーリング・ヒーローなんですよね。
さらに、それは「町」に癒されるというパターンにも発展します。ノン・シリーズの『明日を追いかけて』と『閉ざされた夜の向こうに』は、いずれも「町」が主役といっていい長編でした。
リサ・マリーのヒロインは、常に現代に生きるインテリのワーキング・ウーマンでありながら、強大な何かに追われ、傷つき、心にトラウマを抱えています。
そんな彼女の負った恐怖と傷を、圧倒的なタフネスと、無尽蔵の愛と、あちら方面のバイタリティと、少年のような真摯さで包み込み、癒してくれるのがヒーローのつとめ、というわけです。
となれば、『楽園を見つけたら』は、まさにリサ・マリー・ライスの本領、本質を表している作品ということになります。むしろ、その後のリサのすべてが、ここにあるといってもいい。

どうか、日々の生活に疲れた皆さまもヒロインになりきって、おしゃれで小粋で、ほっこりと心あたたまる癒しと救済の物語を、ゆったりとお楽しみいただけますように。

なお、そう遠くない時期(秋ごろ?)に、次のリサ・マリー・ライス作品をご紹介できる予定となっております。お次のヒーローは、けっこうデンジャラスなタイプですので、こちらもぜひお楽しみに。(編集J)


投稿者romance: 21:17

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