2016年4月アーカイブ

今月の新刊、もう読んでいただけましたでしょうか?

サブリナ・ジェフリーズ『公爵の望みのままに』、いよいよ新シリーズ〈デュークズ・マン(公爵の探偵団)〉の開幕です!

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サブリナ・ジェフリーズといえば、いまやヒストリカルの世界では押しも押されもせぬトップ作家の一人であり、弊社でも、すでに〈淑女たちの修養学校〉シリーズと、〈ヘリオン〉シリーズを出版してまいりました。

 

本作では、〈ヘリオン〉でも登場していたマクシミリアン・ケールがヒーローを務めますが、ほとんど前シリーズとのつながりはないので、この作品から読みだしていただいても全く問題ありません。

 

お話の出だしでまず、この著者の定石どおり過去編――ヒロインとそのきょうだいが、なぜに子爵家を出て自活せねばならなくなったか、が描かれ、舞台は12年後のロンドンへ。

フランスから久方ぶりに英国に帰国したリゼットは、ロンドンで義兄ドミニクの探偵社を手伝っています。

彼女は子爵の妾腹の娘で、当家の兄弟と一緒に育てられていましたが、12年前、子爵の突然の死のあと、跡取りである長男によって母親・兄とともに子爵家から追い出されてしまったのです。その後、ずっと母の故郷であるフランスで暮らしてきましたが、ここ最近になって、当時いっしょに子爵家を出て今はロンドンで探偵をやっている義兄のドミニクのところに身を寄せています。

そんな折り、ドミニクがスコットランドに調査旅行に出て不在にしているときに、ライヨンズ公爵のマクシミリアンが事務所を訪ねてきます。彼は、リゼットの実の兄でフランスにいるはずのトリスタンを探していると言います。

トリスタンのほうから、幼少時に誘拐されたマクシミリアンの実兄の消息を知っているとわざわざ連絡をしてきたにもかかわらず、勝手に姿を消してしまった。これは怪しいというわけです。

リゼットにすると、兄のトリスタンがロンドンにいるということ自体が信じられません。なぜなら幼い頃のいきさつで、彼はロンドンではお尋ね者だったからです。

というわけで、二人は連れ立ってトリスタンを探しに海峡を渡ってフランスに向かうことになります。リゼットの世間体を守るため、「夫婦」を装いながら・・・。

 

典型的な偽装結婚ものではありますが、英仏を股にかけるスケールの大きな舞台設定、著者ならではの理知的で複雑な構成、ヴィドックなど実在の歴史的人物を物語に絡ませるうまさ、そして、ヒーロー、ヒロイン間の激しい応酬と機微の描出が光ります。

愛を拒絶せざるをえない「理由」を抱え、それでもなおヒロインに惹かれてゆくヒーロー、マクシミリアンがとにかくけなげで魅力的。

圧倒的な権力と家名によって裏付けられた、傲岸で誇り高い人物でありながら、道義心の高さ、女性を思いやる優しさをも併せ持っています。そして何より、賢くて行動力があり、頼りになる。

他のジェフリーズ作品と同様、勝ち気なヒロインに、何かと理不尽な理由でやり込められたり反抗されたりする姿は若干不憫ですが(笑)、ラストで颯爽と登場し、ヒロイン(とその家族)を悪の手から(いかにも高貴な家柄の公爵らしい方法で)救い出すかっこよさといったら、もうこたえられません。エロティックなシーンも実によく練られています。

 

これぞ、「デューク(公爵)もの」の真髄といっていい、王道のリージェンシー。

ぜひ未読の方はお手にとってお楽しみいただければ幸いです。

 

なお、5月2日に発売される次の扶桑社ロマンス新刊は、ノーラ・ロバーツの新たな三部作、〈星の守り人〉トリロジーの第一弾、『幸運の星の守り人』(原題:Stars of Fortune)。運命で結ばれた6人が、ギリシャの地で邂逅します。ファンタジー要素を含んだ壮大なスケールの愛と戦いの物語。

こちらもぜひお楽しみに!(編集J)

 

2016年4月25日 19:26 | | コメント(1)

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