更新がまたも遅くなって相済みません・・・。

もう、今月の新刊はお読みいただけたでしょうか?

 

米国を代表するパラノーマル・ロマンス作家、ナリーニ・シンによる〈サイ=チェンジリング〉シリーズ第12弾、『黒曜石の心と真夜中の瞳』(上・下)。

熱烈な読者の皆様のご支持を賜り、ついになんとかここまでやってまいりました!

本国ではシリーズ屈指の傑作との呼び声も高い大人気作です。

 

サイ12上下帯なし.jpg

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出だしはこんな感じで始まります。

 

カーディナル(特級能力者)の念動力者であり〈サイ評議会〉のメンバーでもあったケイレブ・クライチェックは、7年の長きにわたって行方を追いつづけてきた人物をようやく敵から奪い返し、手にいれたところだ。
サハラ。運命の女性。若き日に出逢い、ずっと寄り添って生きてきた彼にとっての唯一の光。
しかしあの日ふたりの深い絆は無残に引き裂かれた。
拉致されたサハラを待っていたのは、檻に囚われ拷問を受ける地獄のような毎日だった。
凄絶な監禁生活のなか、自ら心に迷路を作って閉じこもり何とか生きぬいてきたサハラ。

ケイレブは、救い出しはしたものの、記憶まで喪った彼女を献身的に支えるが・・・。

 

本来、この本の原書では、発売日まで主人公の正体を隠しきり、カバー周りにも一切名前を出さなかったという話でしたので、われも試さんといろいろ頑張ってみたのですが・・・無理でした。

さすがに、上下巻の裏のあらすじコーナーは結構なボリュームで、ふたりの名前を出さないともちませんで・・・。

それと、上巻のあらすじで、よりによってケイレブの苗字を、本来「クライチェック」と表記すべきところを「クラチェック」としてしまいました。完全に編集者の見落としであり、穴があったら入りたい気分です。大変申し訳ありませんでした。この場を借りて陳謝いたします。

 

で、本書の内容ですが、とにもかくにも

主人公のケイレブがかっこいい。

結局のところ、それに尽きるのではないかと。

 

よく宣伝文句などで、「最強のヒーロー」とか「究極のヒーロー」といった言い回しが使われますよね。かくいう編集者も、何かにつけ、ついついそういう言い方をしてしまうのですが、「ホントに最強で究極なのか」と言われると、まあ実際は、そんな感じで描かれてるだけってのがほとんどなわけです。

 

ところが、本作の我らがヒーロー、ケイレブは違います。

文字通りの「最強」。リタラリー「究極」の能力者。

まずスペックが桁違いです。

彼は、もし望むなら、地球を壊すことすらできる最強の念動力者であり、地球上のありとあらゆる場所へと瞬時に移動できるテレポーターでもあります。

しかも世界の支配的地位にあるサイの、最高意思決定機関であるサイ評議会のメンバーであり、評議会崩壊後は、サイ社会の中枢を実質ひとりでとりしきっています。

能力においても、地位においても、そのへんのロマンスに出てくるギリシャの富豪や剣の達人や一介の伯爵とは、まるで「モノ」が違う。

要するに、このヒーローは、世界の命運を文字通り握っている。

本作は「セカイ系」のパラノーマル・ロマンスなのです!

 

単に強くて地位が高いから、ケイレブは最強・究極のヒーローというわけではありません。

彼は、ロマンス小説における究極のヒーロー像を具現化するために設定を与えられたキャラクターです。だからこそ、彼のことを「最強・究極」と呼びうるのです。

 

たとえば、ロマンス小説のお約束として、「ヒーローはヒロインのピンチに必ずかけつける」「ヒーローはヒロインが今いて欲しいと願うときに姿を現す」というのがあると思います。

通例、それは偶然の成り行きや、ヒーローの深謀遠慮によって、かなりご都合主義的に実現される「お約束」なわけですが、本書ではこれが「必然」として成立しています。

なにせ、ケイレブはテレパシーでいつもサハラの状況を知ることができるうえ、彼女がピンチだと思ったらテレポートで瞬速で現れるのです。さらには、ヒロインが行きたいといえば、その数行後には海にも山にもアラスカにもアフリカにも一瞬で飛べてしまう。敵に立ち向かえば無敵。災害救助でも異次元の力で町をまるごと救ってしまいます。

守護天使としてのヒーロー像。願望充足器としてのヒーロー像。

ケイレブほどに、完璧にそれをこなしてくれるロマンス・ヒーローはそうはいません。

 

もっと重要なのは、ケイレブが「ただサハラのためだけに」生きているということです。

彼が世界を滅ぼそうというとき、それはサハラが滅びを願うからです。

彼が世界を救おうというとき、それはサハラがその存続を願うからです。

彼が評議員に上り詰め、世界の変革に乗り出したのも、サハラを救うためでした。

幼き日に悪の手から救えなかった彼女を、もう一度取り戻す。そのためだけに、彼は7年の歳月を費やして、戦い、自らの力を伸ばし、激動の世界を独り生き抜いてきたのです。

そして、彼女を手許に取り戻した今、彼は、彼女の担う苦難も喜びも弱さも正しさも、すべてを受け入れ、彼女にひたすら尽くそうとします。

 

よくロマンスの決まり文句で「君のためならなんだってできる」「なんなら世界を敵に回したっていい」などといいますよね。

ケイレブの場合、それはガチです(笑)。

本当に、ヒロインのためならなんだってするし、世界を滅ぼそうとすらします。逆にヒロインが願えば、新たなる世界の救世主に祀り上げられることすらいとわない。

「すべては君のために」

このロマンスにおける究極の標語を、全編を通じてその身をもって体現しつづけるからこそ、彼は「最強・究極のヒーロー」と呼びうる存在なのです。

 

リサ・マリー・ライス作品に出てくるヒーローに、ヒロインに対する性的興奮を抑えきれず、思わずレンガを握りつぶした人外めいたパワーの持ち主がいたのはつとに知られるところですが、ケイレブの場合は、それどころではありません。

なんてったって、彼が興奮したら、地平線まで地割れが出来るんですよ!!(マジ)

二人で住むための大邸宅(これもヒロインのために彼がせっせと建てた)の前にも、一大渓谷が出来ちゃう。

テラフォーミングしちゃうんですね(笑)。ちょっと油断すると愛が漏れ出して。

幼い日からヒロインが好きすぎて、これまで女を知らずに生きて来たというだけでもポイントはえらく高いのですが、そんなヒーローが、愛を交わすたびに文字通り地殻変動を引き起こすのです。なんて力強い愛の告白なのでしょうか。

いつもヒロインへのあたりはキツいですが、ケイレブのあらゆる行動、あらゆる発言はすべて彼女のためになされるものです。彼は、セカイ系のヒーローであると同時に、究極のツンデレヒーローでもあるのです。

 

ケイレブの愛は重い。だって、その愛の重さは地球の重さだから。世界の重さだから。

 

通常なら、こういうヒーロー像はさすがにやりすぎで、漫画チックで、ギャグめいた印象を与えかねません。しかし、実際にお読みいただければ(ここでは紹介なので面白おかしく書いてはいますが)、きわめてすんなりと彼の究極のヒーローぶりは受け入れられるでしょうし、貴方の胸を熱く躍らせてくれるはずです。

壊れかけ、スクラップも同然の心を抱えたヒロインを、おずおずと、しかし力強く庇護し、忍耐ぶかく見守りつづける彼の姿には、誰しも胸がきゅんとなること請け合いです。

そのためにこそ・・・この究極のヒーロー像を受容可能な形で描くためにこそ、ナリーニ・シンは12巻に及ぶ長いシリーズを書き継いできたのだ、・・・そう思えてなりません。

読者がケイレブの存在を、単なる絵空事ではないリアルなキャラとして素直に受け入れられるようになるまで、著者は、これまで入念な準備を積み重ねてきました。長い巻数をかけて膨大な規模の世界観を構築し、サイ特有の思考と能力を読者に入念に刷り込み、ケイレブのキャラクターを醸成してきた。

それでも、彼がヒーローをはるまでには、12巻の積み重ねが必要だったのです。

 

そして、ついに満を持してケイレブの物語が、こうやって語られました。

その完成度、興奮度の高さは、すでに読まれた方がいちばんご存じでしょう。

 

一人でも多くの方が、この「究極のロマンス」を楽しんでくださることを願ってやみません。

 

なお今のところ、シリーズ13弾は来年の夏ごろにお届けできればなあ、と考えております。結構ぎりぎりのところでやっておりますので、ぜひこれまでどおり買い支えていただけると助かります。

そして、みんなで力を合わせてなんとか最終巻までたどり着きましょうね!(編集J) 

 

 

 

 

 

 

 

2016年11月26日 04:05

コメント(4)

Comment

  • ブログが更新されたらぜひぜひ感想を書こうと待ち構えていたのに…。何も書くことがなくなってしまった。編集者さまの紹介文がすべてです。サハラもとても素敵でケイレブと出会ってくれて愛してくれてありがとうといいたいです。編集者さま、素敵な紹介文ありがとうございました。編集者さまはケイレブに完全に恋してますよね…。たぶん…。



    |megumi|2016年11月28日 21:19

  •  言いたい事、いやそれ以上のことをおっしゃってくださって感動!
     13巻も出るんですね!このシリーズが、生きる目標で、「○○巻は、○月に出るから、頑張ろう」って毎回思って生きてるので嬉しい!
     2ndシーズンも始まるという話も聞いてます。もし翻訳して頂けるなら、絶対に買いたい!ゆっくりで良いのでお願いいたします!(ノヴェラも合わせて。。)今後も買い支えて行く所存ですので、頑張ってください~!



    |rena|2016年11月28日 22:58

  • 楽しみに待っていたシリーズ12弾
    シリーズのなかでも特にお気に入りです。
    ヒーロー、ヒロイン共にサイは初めてですが、サイの男も熱いですね!チェンジリングやヒューマンに負けてません。
    飽きずに何度も再読し、シリーズ読み返しています。
    そしていろんな所にはられたケイレブの伏線に改めて気づいたりして。←かるーく読み流していたようです(笑)
    怒涛の年末を無事乗り気ってください。
    次作も楽しみに待っています。



    |読者K|2016年11月28日 23:47

  • 完全に刷り込まれてます(笑 というか毒されてます
    カナダの国立公園で荒れた森を少数の狼の群れが再生っていうネット記事を読んだ時、
    スノーダンサーの面々が森を再生したんだ~って脳内妄想が炸裂しましたよ
    うわぁ毒されてるわぁって思いました
    パラノーマル作品は最近少なくて、このサイシリーズだけが私の拠り所となってます
    今回は、サイ同士の回で、最初は自分の中で食いつきがあまりよくなかったんですけど
    話が進むうちにどんどん引き込まれていって、クライチェックの人物像もどんどん
    これまでの認識とは全然違う方向にいってしまって、最後の方ではもう、
    めっちゃええやつやん!!ってなりました。星のウェブのようにキラキラとはしてなくて、
    でもやっぱりキラキラしてて、素晴らしいものなんだろうな~と脳内妄想炸裂(笑
    もう次回が今から待ち遠しいです
    頑張って最後まで付き合いますから!!



    |ひっさん|2016年11月29日 21:03

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