2017年6月アーカイブ

続きまして、今月発売されました新刊、ミア・シェリダン『世界で一番美しい声』のご紹介です。

日本では初紹介となる作家さん。セルフ・パブリッシングで人気が出て、商業出版に進出してからもなお、たいへんな勢いを維持している人です。

本作は、アメリカのAmazonの読者レビューで、2017年5月の時点で3200を超え、しかもほとんどのレビューは満点の5つ星をつけ、平均4.8と大絶賛をうけています。

3200っすよ、3200。

日本でも、よほど期待度が高かったのか、発売3日の売上初速はすごい伸びを示しまして、「ああ、みなさん発刊を本当に心待ちにしてくださっていたんだなあ」と感慨しきり。

さらには、すでに国内のAmazonでも、弊社としては珍しく8つもレビューがついていて、そのうち7つが5つ星、1つが4つ星。いずれもみなさん絶賛してくださっていて、じつにありがたいかぎりです。

「間違いなく、今年のロマンス本のベストの一つ」との声もあります。正直、もっと言って、言って、あちこちで言いまわってほしいところです(笑)。その一つ一つの声が、次のミア・シェリダン作品を出す大きな力となりますので・・・。

 

世界で一番美しい声 ブログ画像.jpg

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あらすじはこんな感じです。

 

ブリー・プレスコットは、父親と自分を襲った恐ろしい事件のせいで心に深く傷を負い、逃げるように故郷を離れてメイン州にある湖畔の町ペリオンへとやってきた。

新しい環境で人生をたてなおそうとするブリーを、周囲の人びとは温かく支える。

そんななかブリーは町で偶然、アーチャーとい う若者に出逢う。

彼もまた、過去の事件でひどい傷を負い、苦しみを抱えて孤独に生きてきた人間だった。

二人は友情をはぐくみ、やがて惹かれあうが――甘美なラブシーンに彩られた純愛ロマンスの傑作登場!

 

カバーまわりでは一応伏せているのですが(途中までブリーはそのことを知らないので)、本作のヒーロー像は、「トーチャード・ヒーロー(傷ついたヒーロー)もの」の、とある典型を示しています。

日本語版のタイトルに採用した「世界で一番美しい声」というフレーズも、オビで用いた「あなたのくれた静寂」というフレーズも、じつは本書のなかで実際に登場する言い回しです。

まあ、別に隠すほどの設定でもないとはいえ、ぎりぎりのところを攻めてみたわけです。

弊社では昔、ローラ・キンセイル『嵐に舞う花びら(上・下)』や、ジュディス・ジェイムズ『折れた翼』といった、トーチャード・ヒーローものの傑作を出版したこともあるので、路線としてもやってみたかった本でした。

 

とにかく、美しく、そして、爽やかに胸に迫る物語です。

主人公のふたりはそれぞれ、愛する家族の死に関わる、重く辛い過去を抱えています。

メイン州の湖のほとりにあるスモールタウン、ペリオン。

疲れ果て、そこに逃げこんできたヒロインと、その街で世捨て人同然に生きるヒーロー。

世界の片隅で、二人に運命的な出逢いが訪れます。

自らに自信がもてず、相手への想いに応えられないのではないかと、つねに不安にとらわれる二人が、不器用に、お互いを思いやりながら、近づき、やがて愛を深めていく過程は、真に感動的です。

とくに、世間から独り離れて生きてきたせいで子供のまま大きくなったかのような、純粋無垢なアーチャーのキャラクターは、ロマンスの文脈では珍しく、新鮮な魅力を放っています。

そして何より、平明でリリカルな散文詩のような文章が胸にしみる。すべては、原文の繊細な語感を丁寧に日本語へと落とし込んでくれた訳者さんのおかげといえます。

 

ラブシーンの、ひめやかで叙情的な美しさも、本書の大きな魅力のひとつでしょう。

お話の展開上、前半はブリーがアーチャーをリードする流れが続くので、無垢なヒーローにいちから愛の手ほどきをするヒロイン、という極上の設定が楽しめます。

そのうち、アーチャーは大変物覚えが良いということで(笑)、後半では攻守交代したセンシュアルなシーンが頻発します。たとえ激しくとも決して品位を喪わない、ピクチャレスクなラブシーンをご堪能ください。

 

本作を含む、12星座をモチーフとした〈サイン・オブ・ラヴ〉シリーズには、結構他にも作品がありますので、この流れで別のミア・シェリダン作品もご紹介していければうれしいかぎりです。ぜひ皆様も仲間内のロマンス好きにお勧めくださいね!(編集J)

 

 

 

 

2017年6月23日 16:16 | | コメント(3)

ブログの更新を怠りまして、大変申しわけありませんでした。
月刊四冊の進行に加えて、某サイトの作成などありまして、ついタイミングを逃してしまいまして・・・。反省しております。

まずは先月の新刊、サブリナ・ジェフリーズ『輝く宝石は愛の言葉』のご紹介です。
一年ぶりのご紹介となる〈公爵の探偵団〉シリーズ第二弾です。

輝く宝石は ブログ.jpg

 
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あらすじは、こんな感じです。

宝飾品職人のイーザは、姉夫婦が引き起こした宝石盗難事件に巻き込まれ、
新婚の夫に別れを告げる間もなく逃亡を余儀なくされた。
事情を知らぬまま残された夫のヴィクターは事件の容疑者として拷問され、
また妻に棄てられた傷心から疑い深い人間になってしまう。
それから十年後、友人の探偵社でイーザらしき女性の消息をつかんだ
彼はスコットランドにおもむき、ついに妻と再会する。
互いへの強い想いは戻りながらも疑心は消えず、しかもイーザには大き
な秘密があった......人気シリーズ新展開!

今回ヒーローを務めますのは、前作で船で帰還しながら病に倒れて危うく命を落としかけていた、公爵の親戚(だとわかった)ヴィクター・ケールです。
実は彼には十年前に行き別れたきりの当時新婚だった奥さんがいて、それからずっとその行方をさがしてきたというのが出だしの設定です。
一方、ヒロインのイーザは、オランダから逃れてエジンバラに渡り、自らの宝石職人としての手腕をたよりに、宝石店の共同経営者として生きてきました。
ここでポイントとなるのは、当時起きた王室の宝石盗難事件に関し、ヴィクターはイーザと彼女の姉夫婦の犯行だと信じており、いっぽうイーザは夫と姉夫婦がグルだったと誤解してるんですね。
すなわち、お互いがお互いに裏切られたと思い込んでいて、警戒しあっているというのが前提となります。もともと愛し合っていたにもかかわらず・・・。
しかもヒロインには、渡英時に生まれたヴィクターとのあいだの女の子がいて、彼にばれたら奪われてしまうと信じ込んでいるイーザは、なんとかしてその存在を隠そうとします。

要するに本作は、近年たいへんはやりのシークレット・ベイビーものなんですね。
これに加えて、イーザに恋をしている若き男爵や、それを快く思わない放埓な母親などが登場し、ふたりの危うい関係をさらにこんがらがったものにしていきます。さらには男爵家秘蔵のダイヤを狙って、ろくでなしの姉夫婦が姿を現すにいたり・・・。

いつもながら、ジェフリーズの筆致は実に理知的で、寄せ木細工のように物語のパーツを組み立てていきます。そのロジカルな構造は若干、理屈ばっているようにも感じますが、矛盾のない構成は彼女のいいところでもあります。
本当にいらっとくるような悪役の存在も、いかにもジェフリーズらしいところ。
それと、ヒロインをしたう男爵は、いまの観点からするといわゆるアスペルガーっぽい理系男子のキャラクター設定になっていますが、じつに愛らしい人物でみなさん好きになるにちがいありません。

なお、タイトルはちょっと妙な日本語に感じられるかもしれませんが、本当に「宝石が愛の言葉」としてもちいられる遊びが当時流行っていたという話が出てくるんですね。非常にロマンティックな趣向なので、ぜひご自分でも試したり、旦那さんにせがんだりしてみてはどうかと思ったり。

あと二作でこのシリーズもゴールなので、ぜひ買い支えていただけると助かります!(編集J)



2017年6月17日 05:02 | | コメント(0)

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