ノーラの新刊のご紹介ができていなくて、本当にすみません。

担当編集者が長く修羅場にありまして、本人は解消されしだい必ずや更新すると申しておりますので、なにとぞご寛恕のほどを・・・。

 

で、スキップして、まずは今月刊のご紹介をさせてください。

季節ものということで、今月の扶桑社新刊はクリスマス・アンソロジー!

書名は王道で『聖なる夜に抱きしめて』としました。

 

そして著者は・・・ダイアナ・パーマー さらには、リンゼイ・マッケンナマーガレット・ウェイ

最初のページには、ダイアナ・パーマーからの日本の読者へのメッセージも入っています!

 

で・・・・なんで扶桑社から、ダイアナ・パーマーが???

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実は、ダイアナ・パーマーは、ハーレクインからケンジントンに移籍いたしまして、こうしてついにうちでも扱えるようになったのですね。

どれくらいハーレクインさんとの契約がまだ残っているのかは正直こちらにはよくわからないのですけれども、本人は謝辞にもあるとおり、今後ともケンジントンで書いていくつもりのようです。

経緯としては、シルエットを出てケンジントンに移籍したタラ・ギャヴィンという名物編集者を追って、彼女を慕うパーマーやマッケンナ、ウェイといった作家たちが次々とケンジントンと契約を交わしたということのようです。

なんにせよ、しがないロマンス編集者といたしましては、ハーレクインのど真ん中で活躍してきた大作家さんたちに対しては、どこか憧れに近いような感情がずっとあったわけでして(まあ「隣の芝生は青い」っていうのも、もちろんあるんですが、やはり、どストレートのカテゴリーロマンスをいっぺん担当してみたいな、という思いが強かったと申しましょうか)。

彼女たちの作品をこうやって担当できるのは、本当に編集者冥利に尽きます。

 

収録作は以下の三作品。いずれも、カテゴリー感の強い王道のクリスマス・ロマンス揃いです。

 

まず、全体の半分350ページを占めるのが、ダイアナ・パーマーの『スノウ・マン』。

彼女の代名詞ともいえる(?)、傲慢ヒーローとドアマットヒロインの出てくる典型的なラブ・ロマンスです。

FBIの職を首同然で辞して、父の農場を継ぐために故郷のコロラドに戻ってきたメドウ。農場のことは古参のカウボーイたちに任せつつ、請われるままに保安官補の職を始めたメドウでしたが、悩みのタネは農場経営だけではありませんでした。隣の牧場に、飼っている犬のスノウがひっきりなしに侵入し、逆に隣の牧場からは先方の飼い猫のジャービスがやって来るのです。そのたびに、牧場主のダルが怒鳴り込んでくるのですが・・・・・・ダル。傲慢で不愉快な天敵。若き日のメドウの恋心を踏みにじり、あざ笑った嫌な奴。でも、彼の前に出ると緊張してドジばかりしでかしてしまう・・・今も彼のことを愛しているから。

骨董品盗難の事件捜査と平行して、反発しあいながらも惹かれあう不器用な男女の恋模様が描かれます。とくに、ヒロインに難癖ばかりつけてくるろくでもないヒーロー像は、まさにこれぞダイアナ・パーマーといったところ(ヒロインのおいおい大丈夫かと不安になるくらいのダメさかげんも、いかにもって感じです)。愛らしいワンコとニャンコの大活躍にもご注目を。

長らくハーレクインさんで『テキサスの恋』『ワイオミングの風』のシリーズを続けてきたダイアナ・パーマーですが、心機一転、新たな設定で物語を執筆しており、しがらみのない形で読める久しぶりの新作ということもできます。未だにダイアナ・パーマーを読んだことのないロマンス・ファンの皆様にとっても、大御所の芸風を知る格好の入門編となるでしょう。「踏みつけられれば踏みつけられるほどに輝きを増す」といわれる(笑)D・パーマー印の「ドアマットヒロイン」の衝撃を、あなたもぜひ体感してみてください。

さらにパーマーは、本作を皮切りにこれから新しいシリーズを始めるつもりのようです。本作がなんとか売れてくれれば次の作品もまた順次紹介してまいりますので、ハーレからの古参ファンの皆様も含めて、ぜひ(買って)応援していただければ幸いです。

 

続くリンゼイ・マッケンナの『キャスのカウボーイ』。純愛系のハートフルなクリスマス・ラブ・ストーリーとしては、アンソロジー中でも一番素直に楽しめる一作かと。

雪嵐で閉ざされんとするワイオミング。高級家具の職人であるトラビスの住む住居兼仕事場であるログハウスの前で、車が事故を起こします。車中で意識を喪っていたのはキャス――高校生のころ愛し合っていたものの、彼の海兵隊入隊とともに離れ離れになってしまった忘れられない女性でした。

トラビスの介抱を受け、気がついたキャスは、自分が別れてからもずっと愛してきた男性の元にいることに驚愕します。猛吹雪で、これから一週間は身動きがとれないなか、閉じ込められた二人は過去、そして現在と向き合うことになります。

従軍経験者を苦しめるPTSDをメインテーマに、ミリタリー・ロマンスの書き手としては第一人者といっていいリンゼイ・マッケンナが、愛し合いながら離別した二人が再び真実の愛を見つけるまでを、詠嘆的な筆致で温かに描き出します。終盤の、これでもかといわんばかりの「感動のプレゼント」イベント連打には、マッケンナのロマンス作家としての技の冴えが感じられます。

退役シールズ・ヒーローものが流行るずっと昔から、ミリタリーものを書き続けてきた大御所の実力が存分にうかがえる一作です。

 

収録作の最後は、マーガレット・ウェイの『アウトバックの夫』。

雪まみれだった前二話とは打って変わって、こちらは真夏のアウトバック(オーストラリアの奥地)を舞台とした陽光と熱気に満ちたお話。ご存じの方も多いかと思いますが、マーガレット・ウェイはオーストラリアの作家さん。そして、オーストラリアの12月は、夏真っ盛りのうだるような暑さのなかでクリスマスを迎えるのです。

スコット・マッカーシーと結婚して18ヶ月、幸せの絶頂にいたダーシーは、夫の浮気を伯母から伝えられ絶望の淵へと叩き落とされます。激しい口論の日々、そして離婚・・・・・・それから二年後、義母だったソフィーからのたっての願いで、久しぶりにアウトバックにあるマッカーシー領を訪ねることにしたダーシーは、空港まで迎えに来たかつての夫スコットと再会を果たします。運命の相手と信じた人。今も素敵で魅力的な男性。でもその口ぶりは当然ながら、いまやすげなくて・・・。

これもマッケンナ作品と同様、一度すれちがって別れざるを得なかったふたりが、再びクリスマスという特別のときを過ごすなかで愛を取り戻すまでを描いたラブ・ロマンスですが、とにかく脇役で出てくる女性たちが強烈!

とくに、ダーシーの伯母であるレイチェルは、この人物を読むための小説といってもいいくらいに圧倒的な個性を発揮しています。思えば、ジェーン・オースティンの諸作にせよ、『ダウントン・アビー』にせよ、こういう強烈なおばちゃんの存在なくして名作とはなり得なかったのでした。

喧嘩別れした元ダンナの家族すらなお魅了する、絶世の美女としてのヒロイン像。

アウトバックに一大帝国を築き上げた富豪一家の、ゴージャスきわまりない描写。

この21世紀を舞台に、英国貴族以上に貴族的な生活ぶりを美男美女たちがエンジョイする姿は、まさに夢の世界を覗き見しているかのよう。マーガレット・ウェイの特徴がよく出た作品だと思います。

 

 久しぶりに落としたら立ちそうな700ページのヘヴィー&ボリューミーな1冊となりましたが、ノーラ・ロバーツやナリーニ・シンの旧刊で慣れている弊社ロマンス読者の皆様なら平気の平左でありましょう。

ぜひ本書を片手に、クリスマスの聖なる夜に(寝正月でもいいですが)、幸せで心温まるひとときをお過ごしください!(編集J)

 

 

 

2017年12月 2日 05:09

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