更新が遅くなって申し訳ありません。
今月のノーラ・ロバーツの新刊、もう読んでいただけましたでしょうか?

『リッツォ家の愛の遺産』(上・下)。原題は『Legacy』、訳者は香山栞さんです。

昨年12月に発売した『目覚めの朝に花束を』(上・下)の続編をお待ちくださっていた皆様、ごめんなさい。昨年からノーラが書き方を変えまして、三部作は一年に一作、弊社の文庫だと上下巻の長さで、単発のロマンティック・サスペンス、および他社さんのイヴ&ロークと「交互に」刊行されるようになりました。なので、弊社の予定としては、次は冬に三部作の2作目、その次は2022年夏に単発のロマサス、そしてその冬に三部作の3作目が刊行される予定です。

前作のブログの最後ですでに軽くお伝えしてはいたのですが、数名の読者の方からお問合せをいただいてしまいました。最初からわかっていたことなので、『目覚めの朝に花束を』のあとがきでも、訳者さんに触れておいてもらうとよかったかなと反省しております。


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あらすじはこんな感じです。

エイドリアンには恐ろしい過去があった。 
7歳のとき、生まれて初めて会った実の父に殺されかけたのだ。
母ともみ合いになった父は階段から落ちて死亡、
正当防衛を認められた母は、その後フィットネス・インストラクターとしてキャリアを築いてきた。 
16歳になったエイドリアンは自らもエクササイズを考案、
大学の仲間たちとDVDを発売して成功を収める。
その後、ニューヨークの地で事業を飛躍的に拡大させた彼女だったが、
最愛の祖母の死を契機として、大きな人生の選択を迫られることになる。
一方で、16歳のころから四行詩の殺害予告を毎年送り付けてくる
脅迫者「詩人」の影が身近に迫って......


今回のヒロインは、イタリア系移民の一族の出身。
本書を貫くテーマも、ずばり「家族の絆」ということになります。
イタリア系の人たちが特に「家族」を重視するのは、ご存じのとおり。
ノーラにとってはまさに得意ちゅうの得意のテーマであり、
実の父親に大いに問題がある(というか犯罪者)という設定も
『モンタナ・スカイ』以来、何度か採用されているものです。

危険な連続殺人鬼による脅迫とロマンスを絡めるというパターンも、
ノーラお馴染みのサスペンス要素ですが、最初違和感のあった
犯人の動機や行動パターンに、実はちゃんとした裏付けがあって、
最後まで読むと感心させられます。

愛情ゆたかな祖父母との心温まる交流、
キャリアウーマンで愛し方の不器用な母との微妙な距離感、
日常の心の隙間を埋めてくれる愛犬との日々。
ノーラの「家族」を描く筆致は極めて繊細で、かつ共感を呼びます。

それから、ヒーローについて。
今回、物語の組み立て上、あまり詳しくご紹介できないのですが、
最近のノーラ作品のなかでも、存在感抜群の男性キャラだと感じます。
抱えている喪失の苦しみが深い分、ヒロインの存在に救われていく様が、
あたかも「逆めぞん一刻」のようで、ぐっと胸にせまるんですね。

家庭内DVや、老人介護の問題、母と娘の複雑な関係性、頻発する銃乱射事件。
アメリカがかかえる問題を、ノーラは「リッツォ家」という家庭と周囲のひとびとを描くことで、浮き彫りにしていきます。
あくまで個人的な見解ではありますが、ここ数年のノーラ作品のなかでも、最良の一作に挙げられるのではないでしょうか。
ぜひ、充実したノーラの筆力と人物描写のこまやかさをご堪能ください。

なお、次回のノーラは、年末か年初ごろに、今度こそ〈ドラゴンハート・トリロジー〉の第二弾、
『The Becoming』を、上下巻でお届けする予定です。こちらもお楽しみに!(編集J)








2021年7月25日 08:32

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