今回の新刊『凍った愛がとけるとき』は、「クリーン・ロマンス」と謳っています。
この「クリーン・ロマンス」が、昨今のアメリカ・ロマンス界で注目されるジャンルのひとつになっています。
この欄の読者のみなさまにはご説明の必要もないかと思いますが、扶桑社もふくめ、各社のロマンス文庫で翻訳出版されているのは、「ホットな」小説が大半です。
すなわち、エロティックな描写に満ち、読む者の興奮をかき立ててくれる作品ですね。
いっぽうで、アメリカで急速に広がっているのが「クリーンな」ロマンスです。これは、「ホットな」ものとは逆に、セクシュアルな描写を避け、接触はせいぜいキスまで。
恋人たちの関係の推移や、家族・友人関係などによりフォーカスしたもので、「健全な」ロマンス小説などとも呼ばれます。
米Amazonでは、「クリーン・ロマンス」というサブジャンルが導入されてから、5年間で売上が3倍以上に伸びたといいます。
過激な描写がないために安心して読めますし、読んだ人同士で共有しやすく(アメリカでは読書会文化が盛んです)、また若年層も手に取りやすい点などが、支持を得ているようです。
そこで扶桑社ロマンス編集部が注目したのが、このアメリア・アドラー『凍った愛がとけるとき』でした。
ヒロインが、失った恋人への思いから恋愛を断念しているため、自然と「クリーンな」関係が築かれていきます。そんな彼女に惹かれていくヒーローの純愛に心を奪われた読者も、アメリカには多かったようです。
ぜひ、みなさんも体験してください。
扶桑社ロマンスでは、これからもさまざまな作品を選んで、読者のみなさまにお届けしていきたいと思っております。
みなさまがもとめるロマンス作品などについても、ご意見をお寄せください。
(編集K)
2023年8月30日 13:07
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