読めばハマる!扶桑社ミステリー&ロマンス 入門ガイド 扶桑社海外文庫座談会

扶桑社ミステリー&ロマンスについて、現場の担当者が語り合う座談会を開催。
これさえ読めば、あなたも扶桑社海外文庫のトリコに…!?

第二回更新!「扶桑社ロマンス創刊!トンプスンによるノワールの時代が到来 95~」

 

 

 

「扶桑社ミステリー」はこうして生まれた ~89年

井野 こんにちは。宣伝部の井野です。今回は扶桑社文庫創刊20周年を記念した特別座談会ということで、扶桑社の文庫の顔である扶桑社ミステリーの創刊から今日までの歴史について、みなさんと話していきたいと思います。どうぞ、よろしく。

一同 よろしくお願いします。

冨田 総務部の冨田です。扶桑社ミステリーには96年から14年間ほどいました。今は別部署で法務関係の仕事をしています。

吉田 書籍第三編集部の吉田です。98年に入社して、05年から今日まで扶桑社ミステリーの編集を担当しています。ちなみに、初担当作は『ある日系人の肖像』でした。

宮崎 販売促進部の宮崎です。私はもともと芳林堂書店に入社したのですが、そこが閉店してしまって、その後、縁あって扶桑社に入りました。今は書店営業を行っています。

井野 ありがとうございます。早速ですが、扶桑社ミステリーの歴史について、いろいろと伺っていきたいのですが…。

 

冨田 その前に扶桑社海外文庫の成り立ちについて話しておいた方がいいかもしれませんね。

井野 いきなりですね(笑)ぜひぜひ。聞かせてください。

冨田 そもそも扶桑社海外文庫は、サンケイ出版が当時出していたサンケイ文庫を引き継いだものです。
サンケイ文庫が出版されていた80年代の半ばは、海外ミステリー花盛りの時代でした。そもそも海外ミステリーの老舗出版社といえば、早川書房や東京創元社くらいでした。そこに、角川書店が『ジャッカルの日』を大ヒットさせ、新潮社、文藝春秋なども海外ミステリー文庫市場に相次いで参入しました。そういった流れにサンケイ文庫も加わったわけです。
扶桑社ミステリーの創刊年は、サンケイ出版との合併後の翌88年になっていますが、そういう前史を含めればもう少し遡れるはず。扶桑社ミステリーのスティーヴン・キングジョナサン・ケラーマンは、もともとサンケイ出版で刊行されたものです。

吉田 大きな海外ミステリーの流れで言うと、本格ミステリー隆盛の時代、クライムもの中心の時代を経て、60、70年代は冒険小説やスパイものの全盛期でした。一方、サンケイ文庫のあった80年代は、キングに代表されるモダンホラーと、トマス・ハリスに代表されるサイコサスペンスというジャンルが最も大きな支持を集めていたと言えます。
当然、扶桑社海外文庫創刊後もそういうジャンルの作家たちを出版しようといろいろ検討したのでしょうが、人気のある作家はすでに他社に押さえられてしまっていた。なので、キングやハリスに続く世代の、彼らの作風に影響を受けた新しい作家たちに目を向けたのです。

冨田 扶桑社ミステリーにも『バトルランナー』とか『骸骨乗組員』とかキングの作品がないことはない。けれど、当時すでにキングは人気作家だったので、出せたのはリチャード・バックマン名義で書かれた短篇集の作品でした。

バトルランナー
バトルランナー
骸骨乗組員
骸骨乗組員

吉田 まぁ、しょせんうちは後発ですから。

宮崎 そこまではっきり言われると、なんというか、悲しいですね(笑)

吉田 ただし、結果的にはディーン・クーンツデヴィッド・ウィルツなどの作品を弊社から紹介することができましたし、クセの強い作家たちの並ぶ扶桑社ミステリーの初期ラインアップはこの時期に確立されたと言っていいでしょう。

冨田 クーンツも別名義だったから、『戦慄のシャドウファイア』『邪教集団トワイライトの追撃』といった作品を扶桑社から世に出せたわけですが。

井野 ということは、90年代までには扶桑社ミステリーのカラーって形成されていたんですね。いわゆるB級ミステリー的な。というと、語弊があるでしょうか(笑)

戦慄のシャドウファイア
戦慄のシャドウファイア
邪教集団トワイライトの追撃
邪教集団トワイライトの追撃

2014年2月の扶桑社ミステリー&ロマンスの新刊

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