クライブ・カッスラー スペシャルインタビュー

1976年『タイタニックを引き揚げろ』で日本の冒険小説ファンにその名を轟かせた海洋冒険小説の大家、クライブ・カッスラーが、今年の5月極秘来日した。扶桑社海外文庫編集部では、過密スケジュールのなか、直撃インタビューを敢行した。
齢82歳にして、まだまだ健筆を振るい続ける稀代のエンターテイナーの言葉を聞き逃すなかれ!

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「アイデアはいつでも私の中にあるんだ」 クライブ・カッスラー 大いに語る!

2014年5月、クライブ・カッスラーが来日した。

カッスラーと言えば、押しも押されもせぬベストセラー作家であり、海洋冒険小説の大家である。『タイタニックを引き揚げろ』(1976年、新潮文庫)で名高い〈ダーク・ピット〉シリーズをはじめいくつものシリーズを手がけ、ニューヨーク・タイムズ・ベストセラー・リストにせっせと新作を送り込んでいる。

クライブ・カッスラー氏 インタビュー時に撮影

日本での人気も根強い。そして今年82歳になるカッスラーは、年内に4冊の新作を発表する予定だ。共作者がいることを考えても、驚くべき健筆ぶり。

「みんな、なぜアイデアが枯れることがないのか聞きたがる。でも、アイデアはいつでも私の中にあるんだ。ただ、そこにあるんだよ」とカッスラー氏は語る。

「そしてアイデアが浮かんだら、つまり『タイタニックを引き揚げたらどうなるか?』というようなことだけど、まずはエンディングを考える。そして、それに向かってキャラクターを作り、プロットを練り上げていくんだ」

■コピーライターから作家への転身


この5月の来日は、「仕事半分、遊び半分」とのことだったが、カッスラー氏は、朝鮮戦争時にアメリカ空軍の航空技師としてハワイに勤務している頃、勤務の一環として来日したこともある。そしてこのハワイ時代に—容易に想像できるように—終生の情熱となる「海」と出会った(ちなみに、生まれ故郷は、湖はあっても海はないイリノイ州である)。そしてアメリカ本土に戻ってから、コピーライターとして広告業界で働き出す。

「コピーライターの仕事をやってるときに、妻が地元の警察署で夜勤の秘書の仕事を始めたんだ。そうすると、子供を寝かしつけてしまったら、話し相手がいなくなるだろ? だから、何かを書いてみようと思った。アリステア・マクリーンだとか、いろいろ本を読んで、文体とかキャラクターのつくり方とかを研究したんだ。シリーズ物がいいんじゃないかと思ったんだけど、その頃は、冒険小説は人気がなくて、挑戦だったよ。それで、どうやって独自の路線を走れるかを考えたときに、主人公が海で活躍するシリーズを思いついたわけさ」

■売れるまで10年かかった


しかし、クライブ・カッスラーの名前が広く世に知られるようになったのは、先にも触れた第3作目の『タイタニックを引き揚げろ』を発表してからのこと(最初の邦訳はこの作品)。

「書き始めてはみたものの、3年間で2冊しか書けなかった。しかも出版してもぜんぜん売れなくてね。それで、エージェントを見つけなきゃな、となったわけだけど、どうしたらいいかわからなくて、とりあえず、チャールズ・ウィンター・エージェンシーという架空のエージェントをでっち上げたんだ。いい名前だろ(笑)。で、今度は、そのエージェントが私の本を推薦してることにして、ウィリアム・モリス・エージェンシーのピーター・ランパックに話を持っていったんだ。そうしたら、『そういうことならウチで扱ってみましょう』ってことになったんだよ。すべてはここから始まったのさ。はじめからベストセラー作家だったと思ってる人が多いけど、そうじゃないんだ。売れるまでには10年ぐらいの年月がかかっているんだよ」

■実際に沈没船の捜索、引き揚げを行う


こうしてベストセラー作家となったカッスラーは本の印税を注ぎ込んで、ダーク・ピットが勤務する架空の組織NUMAと同名の組織を本当に作ってしまった。そして沈没船の捜索、引き揚げを行うようになる。1997年には、ニューヨーク海事大学から海洋考古学の博士号も授与された。

「海洋考古学というのは、沈没船を引き揚げて、それを研究することなんだ。そこにトレジャーハント的な意図はまったくない。あくまで歴史的な興味だよ。昔ほどではないけど、今でも沈没船を引き上げる作業はやってる。あと、相変わらずクラシックカーのコレクションもやってて趣味で忙しいから、そういう意味では、勤勉な作家とは言いかねるね(笑)」

■カッスラー流、共作作法


「毎日9時から6時までは机に向かう」作家が−−そして今年4冊も発表する多作家が—勤勉でないとしたら、いったいどこの誰が勤勉なのだろうかと思ってしまうわけだが、ここで共作者の存在が気になってくる。

「まず、2人でああだこうだと私の出したアイデアについて話し合って、一緒にプロットを考える。それから共作者が最初の50ページ分ぐらいの原稿を書いて私に送ってくる。それを私が書き直し、共作者に送り返す。これを繰り返すんだ」

■昔から書きたかったウエスタン『大破壊』


さて、この10月末には、ヒット作『大追跡』から始まった〈アイザック・ベル〉シリーズの第2弾『大破壊』が小社より刊行された。探偵アイザック・ベルが活躍するこのシリーズは、舞台が20世紀初頭のアメリカとあって、カッスラーの他のシリーズとは一線を画すものとなっている。

「昔からウエスタンを書きたいと思っていたんだよ。でも、汽車も自動車も登場させたい。そうするとカウボーイたちがいた時代というわけにもいかない。それで、時代を20世紀初頭に設定したんだ。駅馬車と自動車が共存していた時代だな。とにかく、これは自分の夢だったから、まず第一作の『大追跡』では共作者を立てずに一人で書いた。次の『大破壊』はジャスティン・スコットとの共作だけど、うん、これもいい小説だな(笑)」

クライブ・カッスラー 大追跡(上
大追跡(上)
クライブ・カッスラー 大追跡(下)
大追跡(下)

ジャスティン・スコットもまた海洋ものを得意とするベテラン作家だ。

■「キープ リーディング!」


最後に、お決まりではあるが、「日本の読者へのメッセージ」を。

クライブ・カッスラーから日本の読者へのメッセージ インタビュー時に撮影

「メッセージ? キープ・リーディング!(笑) 私は読者にエンジョイしてもらうために小説を書いてるんだ。私はエンターテイナーなんだよ。読み終わったあとに、本を買うのに払った分は取り戻したと思うような物を書いているつもりさ」

汽車や自動車へのフェティッシュなまでの愛情、キレのいいアクション、スピーディーな展開、そして時代の姿を骨太にきりりと彫り上げる明快な筆さばき……。『大破壊』は、どこをとってもカッスラー節全開のエンタテインメント。 ぜひともお楽しみあれ!

クライブ・カッスラー 大破壊(上)
大破壊(上)
クライブ・カッスラー 大破壊(下)
大破壊(下)

<Interview & Text by Atushi Ikuta>

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今回のインタビューを記念して、カッスラー氏に扶桑社ミステリー『大追跡』にサインを入れていただきました。
こちらを、5名様にプレゼントします。こちらの応募ホームからお申込みください。

応募締切 2014年 12月8日

※サイン入りは上巻のみとなります。(サインなしの下巻を合わせて、上下巻セットにてお送りします)
※当落の通知はプレゼントの発送をもって替えさせていただきます。

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